唖然、トラフカミキリのご神木が・・・(2013.7.7)
深夜には屋久島へ発つ本日、午後の数時間は何とか虫採りが出来そうな天気となったので
地元熊本のトラフカミキリの様子を見て来ました。
ポイントに着いてア然・・・
いつもトラフカミキリが確実に幾つかは付いているクワのご神木が見事に伐採されているでは
ありませんか!
「・・・・・・」
呆然としながら木を見ると、根元の方に交尾中の二組が直ぐ確認出来ました。
九州におけるトラフカミキリの採り難さは丁度1年前の今日、以下の記事に書いたところです。
雨の狭間に活動するトラフカミキリ(2012.7.7)
本県で僕の知る確実な産地はここをおいて他に無いのですが、この一画には伐採され損なっていた
クワが少数あり、トラフをはじめクワ依存性カミキリ等が細々と残っていました。
今回その中の最も良かった木が切られ、それ以外でも実績のあった木が整地等で数本は無くなって
いました。僅か1年の間でこれほど環境が変わるとは・・・
気を取り直してポイントの木を見て回りますが、昨年はあれほど多かったムネホシシロカミキリの
姿は全く無く、同様にクワゾウムシも僅かに数頭が確認出来ただけでした。
ムネホシシロが居ない理由は分かりませんが、クワゾウの少なさはこの辺りで最大の巨木が伐採された
ことが原因と思われます。
件のご神木は良く見ると更に二組の交尾中のトラフカミキリが見つかり、なんとこの木だけで4組もの
交尾が見られたわけです。
今の九州において、こんな木など他には無いのではないでしょうか。
この伐採されたご神木の周辺はすぐ近くには宅地造成が迫っており、遅かれ早かれこの一画は
整地されてしまう運命にはあったわけです。
あと数年は楽しめると思っていたのに、こんなに早く終焉が訪れようとは・・・
昨年までは採集個体数をセーブしていましたが、もうそういった段階では無くなりました。
今年は時間も無い上ちょっと遅めだったので比較的スレの少ない数個体を採集しただけですが、
来年からはシビアな採集に切り替えます。
間違いなく此処は5年後には過去の生息地になってしまいますし、僕に出来る事は可能な限り
多くの標本を世に残すことしかありませんから・・・
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