イワカワシジミ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

探し易いシジミチョウ3種の幼虫・蛹(2014.5.22)

石垣島に長期滞在しているとは言っても、甲虫類や雑虫等の採集や展足に支障を来たすため
蝶の採集・飼育は涙を飲んで諦めているところです。

日々の活動の中では蝶の幼虫や蛹をことさらに探すことはやっていないのですが、これらは
特段時間を掛けなくても見ることが出来るシジミチョウ達です。

まず、近年南西諸島に定着した感のあるクロマダラソテツシジミ。
春は殆ど見ないのですが、今の時期になると草原や路傍など様々な場所で群れ飛んでいます。

こんなに居なきゃ良い虫なんだけど・・・の典型。
カミキリ界で言えばラミーカミキリと言ったところかな(あ、このたとえ良いな)。

植樹ソテツの若葉を食い尽くそうかという終齢幼虫の群れ。
かつては地元熊本で低温期型を喜んで飼育したものでしたが、完全に飽きました^^



産卵中の♀。卵も幾つか見えますね。

飼育の手間を省くにはこのように新芽が新たに食い尽くされたソテツ株を探すのも良いです。
枯れた葉柄の内部や幹の亀裂や窪み等、至る所で蛹をたくさん発見出来ます^^
群生する割には寄生は少ないようです。


次いでアカメガシワの花穂や蕾、新芽を食べるタイワンクロボシシジミ。
時期には銀色の紙吹雪が舞っているような風景を見ることもある多産型の蝶です。

残念なのは普通種ゆえにきちんと採って展翅したことがほとんど無く、綺麗な標本が何時まで
経っても出来ないこと。
実はこれも低温期型は素晴らしい変異を遂げるし、シーズンを通してビカビカの飼育品を並べたい
願望を昔から持っているもののついぞ実現しません。
これこそ本当に老後の楽しみになりそう。

幼虫を探すのは簡単で、成虫の多い一角のアカメガシワの花穂や新芽を調べれば、このようにその場に
擬態した幼虫を見つけることが出来ます。小さいので最初はなかなか見つからないかもしれませんが、
目が慣れると次々に見つかります^^ 以前人工採卵を行ったこともありますが容易でした。


以上の2種はこちらではヤマトシジミより遥かに多い蝶です。本土では最も目に付くヤマトにウンザリ
している蝶屋さんが多いと思いますが、この2種はその感覚を凌駕するものです。

逆に、ほとんど見る事が無いのがイワカワシジミです。
これまでに飛んでいるところをまともに見たのはほんの数える程度という珍しい蝶です。

でも、それは成虫の話。
実は、幼虫や蛹はあっけなく見つけることが出来ます。

今の時期は食樹のクチナシにたくさんの実が生っており、それを見ていくと横っ腹に大きな穴の空いた
ものが結構目に付きます。
これがイワカワシジミの幼虫が穿孔している目印となるのです^^


多くは中身を食べ尽くされ空っぽになっているのですが、片っ端から調べると割と高確率で幼虫
を探すことが可能です。
今回はタイミング的に蛹しか見つかりませんでした。幼虫の写真が撮れず残念でしたが、飼育の手間が
省けて良かったかも^^

このようにカラになったクチナシの実の内部を利用して蛹化しています。
蛹になってもアリがアテンドしているんですね。


春には花で幼虫を採っていた人がいましたが、探し難いと思いきやそれなりには採れるようでした。
ただその時期に本土に持ち帰っても餌の確保に困窮するのではないかと思うのですが・・・
現在は良い代用食でもあるのかしら。知っている人がいたら教えて下さい^^

以上のシジミチョウは短期間の滞在でも片手間に十分探せますので、是非挑戦してみてくださいね。

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