キマダラヒメヒゲナガカミキリ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

キマダラヒメヒゲナガカミキリの幼虫と食痕(2015.4.18)

ヒメヒゲナガカミキリの仲間は全国的に繁栄しており、ドラスティックな変異を遂げています。
最も馴染み深いヒメヒゲナガも九州中部から熊毛諸島にかけては二亜種が知られ、さらに南方の
島々には別の二種が生息しています。

それぞれ成虫の生態や幼虫の食害の様子などは酷似しており、言わばアマミヒメヒゲナガカミキリは
奄美・沖縄のヒメヒゲナガ、キマダラヒメヒゲナガカミキリは石垣・西表のヒメヒゲナガといった感じ。

本土のヒメヒゲナガ基亜種はあまりにも普通過ぎて誰も見向きもしませんが、島々の亜種や別の
二種はホイホイ得られるほど数も多くないので集めるのが好きな人は多いと思いますね。
種類・地域・紋様・・・ 全体がバラエティ豊かでコレクションに向いているグループではあります^^

ここ石垣島で見られるキマダラヒメヒゲナガですが、そろそろ成虫の出現が始まろうとしています。
決して少ない種類ではありませんが、どこにでも必ず居る本土のヒメヒゲナガと違い個体数が
少な目なのがちょっと憎いところ^^
それにこのグループでは最も大型化するのも良いです。

結構様々な樹種の枯枝に付き、幼虫は樹皮下にモノカムス属特有の荒い木屑を残しながら成長します。

先日紹介した同属のコゲチャフタモンヒゲナガカミキリと同様の食痕で、今は材部に食い入った
老熟幼虫が蛹室内で前蛹~蛹・新成虫になっている頃です。

材部への食入口。

その部分から枝を折ってみたところ。
蛹室を荒い木屑で塞いでいるのが分かります。

反対側から枝を割ると、前蛹が現れました。

前蛹の全貌。

そろそろ野外でも成虫が見られることでしょう^^

タイワンゴマダラ他、梅雨期に見られるカミキリ達(1) (2014.6.3)

現在僕が滞在する石垣島を含む沖縄地方は、一月ほど前から梅雨空が続いています。
本土域も今日までに九州、四国が梅雨入りしたようですね。

草原の小道から見る、重ったるい雲が掛かるオモト岳。

ただ常に雨が降り続いているわけではなく、分厚い雲が空を覆っていても降りそうで降らないといった
日が結構あります。
そんな空を睨みながら、採集にも出たり出なかったりの毎日なのですが、確認程度を行った種類は
結構な数に上ります。
今日はそんな章立てする程度でもないカミキリ達を幾つか紹介してみます。

まずは移入種のタイワンゴマダラカミキリ。
出会う感覚は本土のゴマダラに近いですね。気を付けていなければほとんど目に触れませんが、
ホストとして最も好まれるセンダンを調べれば高確率で発見出来ます^^

センダン若木最頂部に留まる成虫。
普段はこうした柔らかい部分や葉柄を齧っています。

幼木から噴出する食糞。大樹に付くことも勿論ありますが、産卵には比較的若い木が選ばれることが
多いです。こうしたところも含め、生態的にタダゴマダラとほぼ同様と言えます。

次いで、先月下旬にはシーズンを終えたヒメスジシロカミキリ。
今年は確認の為にマイポイントに一度行っただけでしたが、ほとんど目に付かず不作の感が強い
ものでした。
ホストのオオハマボウの葉上に留まる♀。体の下に食痕も見えます。

暗い環境の茂みをビーティングすると落ちてくるコゲチャサビカミキリ。
丁寧に採集するとある程度は得られますが、決してダモノとまでは言えないカミキリです。

九州や屋久島辺りだと夏になってやっと現れますが、こちらでは春以降ずっと発生しています。
八重山産はかつての亜種から格下げされていますが、色彩や発生パターンが異なるので本当に
本土産に含めて良いのか、今一度検証してみる必要があると思っているのですが・・・

キマダラヒメヒゲナガカミキリ♂。
GWの頃から多くなるので、ほぼ梅雨の時期をカバーするような出現パターンのカミキリですね。

本土のヒメヒゲナガ、奄美・沖縄のアマミヒメヒゲナガに繋がるグループの一員ですが、最も数は
少ない種類です。グループ最大種というのも良いですね^^

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