フチグロトゲエダシャク | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

エダシャク繋がりで・・・ウメとキオビ(2012.5.26)

先ほどフチグロトゲエダシャクの記事を投稿して外出したところ、ヒラヒラと幾つか白いものが
飛ぶのが見えました。

フチグロと「エダシャク繋がり」ということで(?)、これもアップしておきましょう。
ウメエダシャクです。
山手に行くと似たトンボエダシャクがよく飛んでいますが、本種は平地専門のようです。

発生源のカナメモチの生け垣には羽化直後の個体が幾つも止っていました。

単純な色彩ですが、すっきりした紋様でイイ蛾だと思います(僕にはどんな虫も良く見える^^)。
新鮮なので少し標本用に持って帰ろうとしましたが、今日のゼフ展翅のノルマ数を思い出して
すぐ諦めました^^

カナメモチの葉には吐糸で自分をがんじがらめにした蛹が幾つも付いています。

こんなのを見るとクスサンの繭(スカシダワラ)とか、土中に潜る奴とか、はてはアゲハの帯蛹や
タテハの垂蛹など、蛹の体の固定法の違いってどのようにして別れてきたんだろうと思いますね。

これは10日ほど前に撮った幼虫群。
今日はもうほとんど幼虫の姿はありませんでした。

悪乗りしてもう一つエダシャク繋がりを・・・
先日鹿児島にケブカトラカミキリを採りに行った際、マキ並木の傍に止っていたキオビエダシャクです。

マキの根元で偶然に見つけた羽化直後の個体の妖艶さには見惚れました@@

本種は本来は南西諸島方面の蛾ですが、近年は鹿児島や宮崎に侵入してほぼ定着しています。
東南アジアの昼蛾の仲間には似た種類がたくさん居ますよね(僕は昼蛾も結構集めています^^)

マキの害虫という位置付けですが、マキ並木の横を何頭もヒラヒラと飛ぶ様は大変綺麗です。

フチグロトゲエダシャクもそうですが、偶然にも「ウメ」も「キオビ」も日中に飛ぶ昼蛾なんですね^^

フチグロトゲエダシャクの餌換え(回想^^)と蛹回収(2012.5.26)

フチグロトゲエダシャクの蛹回収を行ったついでに、本種の飼育法の補足として、
餌換えの仕方を回想(^^)から記しておきます。

しかし、今年は惰性で累代を続けたので本種の扱いがぞんざいだなあ。
今頃になって蛹の回収してるし・・・

飼育セットは外でこんな扱いを受けてました^^

それはともかく、下は先月下旬の写真です。
本来なら、もっと葉が残っている段階で餌換えをしないといけませんね・・・

容器から引き抜いた幼虫付きの古い枝と新しいヨモギです。

まず、剪定バサミで幼虫が付いている付近のヨモギ枝をチョキチョキ切って、
このように飼育カゴにセットした新たなヨモギの上にドサッと置いてやります。


新ヨモギがなんとなく萎れているように見えるのは、少し外側に押しやって
飼育カゴの側面にヨモギの葉が接するようにしているためです。
そうすることで側面に移動した幼虫もすぐにヨモギに辿り着くことができます^^

僕の場合、自転車で1~2分の河原でヨモギを引き抜いてきて、餌換えの一連の作業を終えるまで
トータルで30分も掛かりませんでした^^

そして最後の楽しみが蛹回収です。
前回詳しく書いた飼育法の中で、本来の蛹化のさせ方は書いていますので言わばこれは
オプションです。

すなわち、最後の老熟幼虫達がヨモギ束の根元に潜ってそこで蛹化するので、
それを回収するわけです。
飼育セットの片付けと同時に出来るので楽しいんですよ^^

最後のヨモギの残骸です。この時点で容器内の水はすっかり無くなっています。
(最後は水が無くなるようにしておかないと、根元に潜った幼虫が溺死するので注意して下さい)

根元をかき分けると・・・
ポロポロとたくさんの蛹が転がり落ちてきますよ^^

なお、蛹は乾燥に強いのでたまに水を吹きかけてやるだけで大丈夫です。
知人の話では、水も与えず机の引き出しに転がしておいただけでも羽化したとか。

僕の場合は、植木鉢等に土を敷き、蛹を置いたら土を数センチかけておきます。
屋内の最も涼しい所に置き(外は良くない)、半月に一度位水をバシャッとかけてやればOKです。

来春、美しい成虫との対面が楽しみですね^^
でも、僕はもうやらないだろうなあ。

今年もやってしまったフチグロトゲエダシャク飼育(他種の飼育に応用できるヒントも満載^^)(2012.5.4)

フチグロトゲエダシャクの飼育がポピュラーとなって久しくなります。
美麗蛾フリークの私としては特に昨年、3ケタ以上を飼育して「もうフチグロはやらないぞ」と心に誓った
のですが、その誓いは意外と軽かったようでなんとなく今年も累代を続けています^^

今年3月に羽化した♂の一部です。思ったほどには出てくれませんでした。

日々の採集および採集品の整理に加え、3ケタを超えるゼフ飼育やカミキリの材管理など
まったく時間がない中でどうしてまたやっちゃったんだか・・・

フチグロは蛹になっても最初の春にはその3分の1から半数ほどしか羽化しません。
残りは二年目に羽化してくるのです。
今春は♂♀合わせて40頭程度しか羽化しなかったので、まだ相当数の蛹が眠っているわけです。

それなのにまた本種の累代に手を染めてしまったのは「手抜き」飼育が出来るからに他なりません。
今日は、言わば惰性で続けてしまった本種の飼育法をご紹介したいと思います。
他の蝶や蛾をはじめ、いろいろな昆虫の飼育に使えるヒントが満載です^^

まずはフチグロの初齢幼虫が手許にあることを前提に話を進めていきます。
(羽化成虫の交配、強制採卵は極めて簡単なため省略^^)

本種に限りませんが、病気を防止するため幼虫を密閉容器で飼うのは出来るだけ避けるべきです。
(本種のように「密飼い」する場合は特に)
そして、食草が多岐に渡る場合はその中でも最も「水揚げ」の良いものを選びます。

本種の場合はズバリ「ヨモギ」です。他の食草もいろいろ試してみましたが、入手のし易さ、
ハンドリング、そして何と言ってもその水揚げの良さは手間を省く上からも非凡なものがあります。

まず、河原などから小さなヨモギを根を付けたまま採ってきて(土は無くてもよい)、
根部をティッシュで包んで水を十分含ませ、アルミ箔で覆います。
そしてそれを100円ショップの虫かごにセットします。
そして初齢幼虫をそれにブチ播けたら、ティッシュを1枚はさんで蓋をします。

あとはヨモギが枯れるか、食いつくされたら新たな「ヨモギバクダン」を投下するだけ。
僕の経験から言うと、この容器で飼っている期間に掃除をするのは1回(多くても2回)で済みます。

なお、今年は結構いい加減に飼育しているので写真のように初齢時から大きなヨモギを与えていますが、
丁寧に飼うなら幼虫の大きさに合わせて本来はもっと小さなヨモギを使うべきです。

そして本種の場合は餌をふんだんに与えて通気を良くしておけば幾ら密飼いをしても構いません。
まあ、暫くの間は幼虫が数百匹いても虫カゴ1個で事足ります^^

幼虫が大きくなってきたら虫カゴを増やすか、他の通気性の良い容器に分けて飼ってください。
タッパー等の密閉容器を使うなら、蓋をカッターでくり抜いてガーゼ等を挟んで飼うと良いです。
何度も言いますが、「通気性・命」です^^

そして幼虫が2~3センチになってきたらいよいよ飼育のクライマックスです。
と言っても相変わらずの手抜きですが^^

またまた100均に行って、洗濯モノ入れを買ってきます。下の写真のようなものですね。
ふにゃふにゃしていておよそ本来の役割は果たしませんが、虫屋にはこの上ないツールなんですよ。
これの素晴らしいのが軽くて大きく、通気性が良く、さらに安いということです。
使わない時はかつてのスプリングネット枠のようにひねって小さく折りたたむことも出来ます^^

強いて不具合を挙げるなら、2ミリ強の穴が無数に空いているので野外に置くと寄生蜂や蟻が
入ってしまう恐れがあること、そして口の部分が閉じるように出来ていないことでしょうか。
でも前者は室内で飼うことで避けられますし、後者は後で述べる方法でクリア出来ます^^

それでは、これの使い方を説明していきます。
まず、洗濯モノ入れの底の大きさに合わせて厚紙みを切り、それにペットボトルの底の部分を
カットしたものをガムテープで貼り付けます。

そしてヨモギを十数本(もっと多くても可)引き抜いてきて根に付いた土を落とし、このペットボトルの中に
ぎっしりと突っ込みます。

水をある程度満たしたら幼虫が中に入らないようにティッシュで上部を塞ぎます。
そしてこれを洗濯モノ入れにスッポリと収納します。

そして大きくなった幼虫を下の写真のようにこの中に放すわけです。
1セットで50~60頭は楽に飼うことができますよ^^

そしてここが一つのノウハウなのですが、カゴの口の部分に適当な大きさのガーゼ等を当て、
書類を束ねる際に使うクリップで数か所を留めて完了。
この口の塞ぎ方は色々と試行錯誤しましたが、今のところこの方法がベターです。
業務用クリップなんて会社に幾つも転がっていますよね^^

新鮮な餌さえたっぷりと入れておけば各々の隠れ家にもなりますし、ヨモギの茎は丁度良い足場になります。
密飼いしても干渉し合うことはまずありません。

後はこのヨモギの束が無くなるまで放置です^^
ヨモギは驚くほど水揚げが良いので途中で水が無くなったらつぎ足すようにします。
フチグロトゲエダシャクの終齢幼虫は最終的には5センチを超え恐ろしく大食漢ですが、
この方法だと茎と根だけになったヨモギを新しいものと取り換えるのも容易です。

容器飼いだとこの辺りで病気が出たり、ストレスによる噛み合い、小さいままでの諦め蛹化、
なにより飼育疲れ(^^)で数が大幅に減ったりしますが、以上の方法だとほぼすべての幼虫を
上手く育て上げる事が出来ます。

最後に蛹化のさせ方に触れておきたいと思います。
今年は未だ終齢幼虫が生育中ですから、ここからの写真は去年のものになります。

5センチ強まで生育した老熟幼虫は、蛹化が近付くと急激に体長を縮ませて体色も淡い色に変わります。
そしてヨモギから離れて蛹化場所を求めてやたらと歩き回ります。

こうした幼虫を見つけたら片っ端から取り出して、柔らかい土を張った容器に放り込んでいきます。
数日のうちに幼虫は自らその中へ潜って蛹になるので、すべての幼虫が潜り終えて半月ほど経ったら
ひっくり返して蛹を回収します(そのまま保管しても良い)。

また、幼虫は蛹化直前には歩けなくなり、くるくると体をよじるようになりますが
こうなるともう自力では土に潜れません。

下の写真の様に、そういう状態になった前蛹を柔らかい土や木屑などの上に置いておいても
問題なく蛹化します。飼育数が少ない場合はこれでも良いでしょう。

ここまでで話が相当長くなってしまったので、蛹の管理法については現在の幼虫が蛹化する頃に
また追加補足したいと思います。


今日ご紹介した方法は、幼虫の健康を保ちながら多頭飼育が可能、かつ手抜きもできるという
3拍子揃った飼育法です。

前段にも述べた通り、他の虫にもいろいろと応用出来ますから是非参考にして下さいね^^

では、ハッピーなフチグロライフを!

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