シロウラナミシジミの飼育中継(4)(2020.12.22) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

シロウラナミシジミの飼育中継(4)(2020.12.22)

奄美のシロウラナミシジミの発生もほぼ終息です。低気温に加えて餌となるシュクシャの花芽が
全く無い状態となっています。
ただ昨年末に沖縄本島にカミキリの材採集に行った際に飛んでいる数頭を見ているのでかなりの低温には
絶えられる種類ではあるよう。もしかしたら奄美でも冬季に飛翔する姿を見られるかもしれません。
本種の顕著な低温期型が在るのかにも興味があり、コレクションのためにも注意をしておこうと思います。

(参考)
シロウラナミシジミの飼育中継(1)
シロウラナミシジミの飼育中継(2)
シロウラナミシジミの飼育中継(3)

さて、飼育中継シリーズの最後は自宅内での幼虫飼育の様子です。
基本的に飼育カップで個別に飼育管理しました。

ゼフィルス等の飼育と同様、餌替えや掃除といった毎日の世話が欠かせません。
野外から採集した中~終齢幼虫なので数がそれほど確保出来ず、ややもすると数百の幼虫を抱えることに
なるゼフや、かつてやった7百頭程のルリウラナミ等とは違い結構ラクでした。
それでもほぼ毎日シュクシャ花の蕾を採りに行く作業はそれなりに大変でしたが。


10~11月の飼育でしたが成長はとても早く、次々に蛹になってくれました。
食い込みが終わると幼虫は餌を離れるので蛹化準備の見分けは極めて安易です。

終齢幼虫は大振りのものでは15ミリを超え、大型ゼフより一回り小さい程度。これでも日本産シジミでは
相当大型の種類と言えます。

終齢幼虫の背面と腹面。シジミ類はおちょぼ口が可愛いですね^^


羽化が近付き翅が色付いて来た蛹。羽化直前になるとこの青色が種名の如く白っぽくなります。


あとは中型のプラカップに色付いた蛹を1頭ずつ入れて暗所で羽化を待てばよいのですが、
信じられない体験をすることになりました。
寄生は全く無くほぼ全頭が羽化したのですが、なんと3~4割は翅が伸びなかったり、伸びても
奇形になるものが続出したのです。これにはとにかく閉口しました。

ウィルス性の病気か?
野外でも幼虫はシュクシャ花芽の中で残渣がグショグショの中で暮らしているので相当に多湿には強い
ものと思っていましたが、さにはあらずなのかもしれません。ただ飼育容器内が多湿過ぎてウィルス病に
罹患したとすれば幼虫・蛹の時点で必ず死亡し羽化には至りません。その点で現況には合いません。

野外で採集したものはまず奇形は見当たらないので元来奇形が多い種類とも思えません。
一体何が原因だったのか?
これまで多くの蝶の幼虫を飼育してきましたが、初めての経験だったのでまさに狐に摘ままれた思いでした。

それでも展翅版に乗った飼育品達。美しさは格別です。展翅板から外したらまたアップしましょう。


思いがけず飼育のチャンスに恵まれたシロウラナミシジミ。マイコレはこれで十分です(写真は一部)。
日本産Jamides属2種の飼育・コレクション完遂です^^

もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。

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