二頭しか採れなかった熊本産スギタニルリ+若干の甲虫(2012.4.13)
地元(熊本)のスギタニルリシジミ九州亜種を採りに行こうと思っていましたが、天気と気温、
都合が合わず悶々としていました。
それに今年は季節の進み方が遅いので時期を当てるのが難しいのです。
本来なら九州では3月下旬には発生し始めておかしくありませんが、今年は4月10日頃かな、
と考え昨日行って来ました。
九州北部と鹿児島など南部には有名な多産地があるのですが、中部の熊本では
手ごろな採集地がありません。本州のように簡単に3ケタ採るなんて至難の業なんです。
場所は高校生の頃によく通った渓谷を選びました。
ここは採集地案内の影響で今でこそ「蝶の五目採り林道」として有名になり、多くの蝶マニアが
訪れるようになりましたが、30数年前はまず地元の虫屋しか訪れませんでした。
「○○○シジミ採集禁止」の看板も無い頃です^^
ただ、この林道は生活道路ではないため崖の補強が全くされておらず、数十年前に伐採が
一通り終わった後は荒れ放題ですぐに路肩が崩落するのです。
数年前の春にカミキリの材採集が目的で来た時にはかなり奥の渓谷部まで入ることができ、
その時は結構ルリシジミ系が飛んでいたという記憶がありました。
その年は蝶が頭に無かったのでスギタニかどうかは確認しませんでしたが。
今年は奥に入れるかな・・・
そう思いながら林道の入り口に来ると、しっかり「通行止め」の看板がありました。
「仕方ない。行ける所まで行ってみよう」とダートの道を走りだすと、
たった3~4キロの地点で崖が見事に落盤。巨大な岩々が林道を削って谷へ転落しています。
「ありゃりゃ・・・」
近年この林道は崩壊してもなかなか治さないので、また数年はこのままかもしれないな。
それより困るのが目的のスギタニルリです。ここまでは全くの植林帯でスギタニが吸水に来るはずの
渓谷はまだはるかに先なのです。
この林道上で「はぐれスギタニ」を狙うしかなくなりました。
以前多産地として有名な山梨県泉水谷で経験したところでは、河原にはたくさんのスギタニが
飛んでいるのに林道にはほとんど姿を現しませんでした。
採れたにしても数は期待できないことが最初から決定してしまいました。
いずれにしても時間がまだ早いので甲虫の採集に取り掛かります。
周りの木々のスウィーピングを始めてすぐ、信じられないカミキリが入りました。
「アヤモンチビカミキリ」です。
本来は天草地方や海岸線にしか生息していないはずの本種がこんな内陸で採れるなんて
昔の感覚では信じられません。これも温暖化の影響なのだろうか。
カミキリでは他に結構得難いドイカミキリが採れました。新成虫で越冬するのでこの時期は綺麗です^^
倒木の樹皮下に大きなハナムグリの幼虫が4頭いました。
ムラサキツヤの可能性があるのでキープ。
そのほかコメツキ数種等を採ったところで気温が上がり始め、スジグロ・ヤマトスジグロシロチョウが飛び始めます。
ここはヤマトが結構いるので、九州産を採るには良いポイントです。
そしてようやくルリシジミが飛んでいるのを見つけました。
すかさずネットインしてみると・・・
「なんだ、ルリか・・・」
その後、パタパタッとルリ系が現れましたが、すべてタダルリ。
ここにスギタニは居ないんじゃないか、そう思い始めた時、ちょっと黒っぽいルリが現れました。
「こりゃスギタニだ」直感的にそう思って掬うと、ビンゴ!
翅表は本州産に近い暗い色調ですが、裏面はルリとほとんど変わらぬ白色。
サイズも大きく本州の山岳地帯産を見慣れていると異様に感じるでしょう。
写真左がルリ、右がスギタニ九州亜種です。裏面の白色度合いはほとんど変わりません。
ただ、黒点が大きいスギタニの特徴はよく出ていますね^^
でも数が少ない。大体ルリシジミさえ少なく、ほとんど目に付きません。
しかも、ルリシジミ系が姿を見せたのは午前10時から1時間程度で、
午後になると全く見られなくなりました。スギタニの追加も1頭に止まりました。
もっと奥まで入ることができればもっとたくさん採れたのかもしれません。
それを確認できるのは来年以降です。
でも、いつ入れるようになるんだろうか。
もっと詳しく知りたい事や
理解できなかった事などございましたらお気軽にご連絡下さい。



