自由人 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

郷愁のオモト岳(2016.1.20)

我々虫屋にとって石垣島における最良の採集地だった、同島最高峰のオモト岳。
八重山への長期遠征を始めた3年前はこの山に登るのが日課でした。

「だった」というのは、ご存知の方も多いように昨年5月から実質的に昆虫全般の採集が規制されて
しまったからです。
実に残念ですが、虫屋にとって石垣の魅力が半減してしまったのは間違いないでしょう。

恐らく今年は登ることは無いと思うので、昨春に撮った写真で郷愁にふけるとしましょうか。
登山口に至る林道で見上げるオモト岳の全容。右上に頂上直下のパラボラアンテナが見えますね。

途中省略^^
尾根筋から仰ぐ頂上への稜線、および下界。登山途中で見晴らしが良いのは此処だけで、虫も多い
ポイントでした。


麓の林道から小さく見えたアンテナの真横を通り山頂へ。

この三角点の板は同じ場所にあったためしがありません。皆が記念撮影の際にテキトーに動かして
いるのでしょう^^
眼下のコーラル・ブルーが最も映える角度なんですよねえ。

周りはオモトウスアヤカミキリが採れるゴザダケササが密集しているのが分かりますね。
あ、そう言えばアサヒナなんとかという虫もこれを食っているんだったな。
ソレに目を付けた左翼虫屋の暗躍によって此処が採集禁止になってしまったわけではありますが・・・
闇は深いが、まあここではこれ以上言うまい。

いずれにしても、オモト岳はすこぶる虫の多い山でありました。
西表島のジャングルは虫が極めて探し難いのですが、オモト岳のジャングルはそれとは対照的で
いつも多くの虫を採らせてくれましたね。

ある意味僕は運が良く、最後の2年間に通い詰めてこの山で採るべき虫はほぼ採ることが出来た
だけではなく、この山独特の情緒も十二分に楽しむことも出来ました
過去の採集地になった現実を受け入れ、ここに郷愁の想いは封印することにしましょう。

やるべきこと、行くべき場所はまだまだ多いですから。

1月3回目オークション出品から(2016.1.18)

昨日夜に締切を迎えたオークション出品から10点のご紹介です。
終了後のご紹介・・・ 販促意識など全く無いのが明白でしょ^^

只今ちょっと時間が無いので、写真のみとなるのをご了承ください。
今回は外国産シリースですが、自分の好みが垣間見えますねえ(コレクションの切り売りなので^^)。

西マレーシア産オオテナガカナブン48ミリ♂

フランス領ギニア産美麗ダイコク2♂

ザイール産ポリフェムス・ペア

タイ産アノーウスイロツノカナブン・ペア

タイ産モモブトハムシSP50頭A~A-

インドネシア・イリアン産ホウセキゾウ20頭

西マレーシア産大型カメムシ23頭

インドネシア・西イリアン産デリアス100頭A-

インドネシア・ブル島産デリアス25頭A-

タイ産オオクジャクアゲハ3♂A-

もちろん、全てご落札頂きました^^

シイの立木に潜む、探し難いノブオフトカミキリ幼虫(2016.1.16)

与那国島の特産種の一つ、ノブオフトカミキリ。
真っ青の美しいフトで、珍品度も手伝ってなかなかの人気を持つ種類です。

早いものでは4月から野外に現れますが、フトカミキリ類、特に本種はとてもスレ易くビーティングで
採った野外品は見るも無残な姿になっているケースがとても多い虫です。
よって僕は春先に幼虫・蛹を念頭に置いた材採集を試みるんですね。

ところが、同類のイシガキフトも同様ですが生木に食い入るタイプなのでとても発見し難いのです。
手掛かりとなる食痕が見つけ難いのがその要因ですが、これが本当に困難。
せっかく食痕を見つけても、途中で死んでいたり古い物である場合が殆ど。
出来ればやりたくない種類の一つなんですね。時間ばかり掛かって殆ど成果が得られないですから。

枝の分岐部に居た中齢幼虫。
なかなか出てこない上に終齢幼虫の確率はとても低く閉口します・・・

これは別の中齢幼虫。
上の写真もそうですが、殆ど生木の部分に居るのが分かります。

まさにフトカミキリそのものの容貌。
歯ぐき剥き出しの出っ歯^^

ごく稀に蛹が出てきます。
こんな枝の細い部分に居るのもかなり稀。
何時もこんなに楽ならいいんだけどなあ・・・ 

細枝に終齢まで居続けるケースは極めて少なく、その場合も天敵等の要因で死亡する場合が殆どですが
このように蛹まで至る場合は枝自体が枯れてくるので普通の枯れ枝に見えてますます探し難いのです。
やれやれ。

これほど苦痛・ストレスにさいなまれる中で採る本種。
これまでのストックはあらかた放出したので、今後はマイコレ用に楽しみながら探したいと思います^^

ムナコブハナカミキリに横恋慕^^(2016.1.14)

南西諸島シリーズが続くと思いきや、突如登場する九州の虫。
以前の写真をつらつら見ているとね、つい書きたくなっちゃうんですよ。
ということで、遠征に出立するまでの当ブログ、地元の虫もたまーに登場します^^

懐かしいなあ。この稜線。
カミキリ屋ならみんな大好き、例の赤いヤツが吹き上がって来る、あの場所です^^

此処で日がな一日、ムナコブハナカミキリが吹き上がって来るのを待つわけです。
長期遠征を始める前、4~5年前はよく通い一喜一憂しましたねえ。

シュッ!(ネットを振る音)
ヒュッ!(ネットに虫が入る比喩^^)

「入ったか! 入ったろ、今!」
「ベニハン(ベニハンノキ)じゃないよな、今の」
慌てて手繰り寄せたネットの中には・・・

おお、採った!
かっくいいー^^

この気分を味わいたくて、数年後からはまた足繁く通うんだろうなあ。
キュウシュウヌバタマハナ、ソボリンゴ、白イタヤ、大珍品ではモモグロハナ、そしてベニハンノキ等々、
副産物ラインナップも申し分無し。
大外れで何も採れない年も有りますが、地元の誇る頼もしい、楽しいポイントです^^

ヨナグニキマダラミヤマを林内で見つける(2016.1.12)

与那国島が面白いのは特産種や特産亜種が多いところですね。
後者の一つがヨナグニキマダラミヤマカミキリです。

南方のキマダラミヤマは春に出現するので本土の虫屋はちょっと面食らう部分がありますが、基本的には
まあ同じと考えて良いです。

夜の林内でライトを照らすと、シイの幹に本種を発見。
遠距離のフラッシュ撮影なのでちょっと見難いのはご勘弁を。

ここにも。

目の高さにも居たのでやっと落ち着いて撮れました。
発生直後なのでビカビカの個体ばかりなのが良いですね^^

今年は石垣・西表の奴をシバこうかな^^

1月2回目オークション出品から(2016.1.10)

本日数時間後に終了を迎えるオークション出品の中から、今回も10点をご紹介します。
せっかく写真を撮ったので「有効に使い回そう」感アリアリ企画^^
いつものように二行完結コメントです。

熊本産モモグロハナカミキリ♀

単独写真では分かり難いですが、本州特に関東以北の個体と比べると♂♀共にエリトラがとても
寸詰まりで異様な感覚を受けます。生息環境も異なり、阿蘇周辺では草原帯に現れ極めて稀です。

福岡産ヒコサンヒゲナガコバネカミキリ♀

九州北部の一画のみに分布するホソツヤヒゲナガコバネ九州亜種です。もとより少ない上に有名産地
でも採れない年の方が多く難物カミキリといった印象です。

熊本産キュウシュウヌバタマハナカミキリ♂

オークションでの評価がいつも納得いかない種なので再登場させます。タダヌバタマと違い本当に
採れないし、こんな大型個体は滅多に撮れないんですよ。以上3種はもう暫くは出せないでしょうねえ。 

フクチセダカコブヤハズカミキリ・ペア

最近セダカコブヤハズのちょっと辺境産地のものに奇妙な新称を付けて煽り、高値を狙う傾向が
オークションの一部に在るようです。そうしたゾクブツ的なものとは異なり、当産地は実質的な亜種の
南限産地として学術的に意味あるものです(アッ、三行になった)。

山梨産キベリカタビロハナカミキリ・ペア

不完品なるも大きさが素晴らしいペアです。最大級までは行きませんが、ここまで大きくなると一般に
思い浮かべるパキタのイメージとはちょっと違いますね。更なる大型♀はもっと形が変わって来ます。

栃木産ワタラセハンミョウモドキ

渡良瀬遊水地のみに分布する変わり種。僕自身が関東から離れちゃったのでもう補充不可。
今後出品出来るのは同様に不完品の1頭くらい・・・

宮崎・都井岬オオセンチコガネ緑型

九州本土でオオセンチの緑型(関西のミドリセンチとは色合いが異なる)が出現するのは今のところ
当産地だけ。極めて遠く、緑型の頻度も全体の約1割なので貴重です(右は同産地通常型)。

西マレーシア産オオツノメンガタカブト3♂1♀

入手した中での最大♂なるも後脚が破損しているので自分用にするつもりだった最終出品。
皆さん大型を渇望されていたようで、現時点で結構人気を博しているようです^^

西タイ産ストックレイクジャク3♂

最新の整理ではカラスと言うべきなのでしょうが、やはりそうは見えないインドシナ半島の一画に
ポツンと存在する得意なアキリデス。昔はとても高価でしたね。僕の出品はとても廉価です^^

インドネシア・Belitung島産メムノンアゲハ2♂1♀

日本名はご存じナガサキアゲハですが、東南アジア各地では千差万別に変化しコレクションにとても
良い種です。スマトラ島近辺では特に見事な♀が発現する傾向が強く、♂もそれなりにいけますね^^

今週は外国産蝶・雑甲虫が少なかったので、来週はちょっと多めに出そうかな^^
僕の出品も、残り10回を切っています。

オオヒゲブトハナムグリ、昨年のリベンジなるか(2016.1.9)

2014年にはそこそこ採った「八重山の飛ぶ宝石」、オオヒゲブトハナムグリ。
当ブログでもレポートしたように昨年春はドが付く不作だったため、敢えて手を下すことを止めました。

そうした中で何かの拍子でネットに入った♀。

昨年採った本種は当個体のみ。2014年とは雲泥の差@@
感覚的にはもうすっかり本種の手触り感が無くなっています^^

今年は石垣はもちろん、西表にもスポットで入り本種を探してみます。
さて、今年は当たり年なのか。それともまた・・・

3カ月先には結果が出ています^^

クロツグの虫、ヨツスジカミキリ(2016.1.7)

今回の遠征でも勿論訪れる与那国島。
僕は此処の情緒がたまらなく好きで、たとえ虫が採れなくても定期的に行きたくなるであろう島です^^

与那国にはカミキリの特産種が結構居るのですが、準固有種の一つがヨツスジカミキリ。
西表島にも居ますが、与那国の方が遥かに採り易いですね。

主要ホストのクロツグ。
ヤシそのものといった感じで、このたたずまいにも南国情緒が漂いますねえ。

クロツグの材をほじくると、出て来たのは主題のヨツスジカミキリの幼虫。
乳白色が強く、かつ細長いので迷わず本種と同定できます。

意外と蛹にもよく出くわします。
形は完全なヨツスジ^^ ♂ですね。
幼虫同様に白みが強い蛹です。

成虫の写真は在りません。あしからず。
今春、思いっきり撮って来まーす^^ 

南虫クラブ2016のメンバー募集終了しました(2016.1.6)

業務連絡です。

年末のメルマガ(南虫ニュース42号)にてメンバー募集を行った南虫クラブ2016ですが、今回も
ご希望者が多く早々と定員に達しましたので募集を終了します。
案内文もサーバーから削除しています。

次回の募集は1年後となりますが、早めのエントリーを希望される方は所定のメールアドレスまで
お知らせください(次回は少し定員を増やそうかと考えています)。
当方が南西諸島における長期遠征を行うのはあと2年と考えているので、こうした形態でのクラブ運営は
2シーズンを残すのみです。

多くのご連絡、ご質問等を頂き有難うございました^^

ムネモンウスアオカミキリ、八重山の春を彩るブルー(2016.1.5)

今回から長期遠征に出立する3月上旬まで、ブログ記事は昨年の長期遠征に係る出来事を主に
紹介していきます。

ご覧になる方もその方が楽しいでしょうし、当方にとっても今季遠征に向けて良いシミュレーションと
なります。
書いているうちに忘れていた重要なことを思い出したり、また思い付くのでレビューは有益なのです^^
なおシーズン中に現場からレポートした種類・概念が殆どなので、未使用の写真を使うようにします。
(うっかり同じものを使った場合は、失礼^^)

初っ端は八重山の春を告げる、目も覚めるばかりに美しいムネモンウスアオカミキリを取り上げましょう。
ホストのヤンバルアワブキを掬いネットに入った♂。

よく言われますが、この虫の美しさは格別であり、特別。
誰が見ても綺麗な虫なのですが、そのコバルトブルーの色合いが周りの自然の中では全く異質なもので、
見ていて不思議で仕方が無いのです。自然の色に全く溶け込んでいません。
「どうしてこんな色の虫が出来ちゃったの?」という感じで。

こっちは♀。
うーん、大型♀は幾つあっても良いなあ^^
ネットの中でちょこまかと動き回りなかなか撮影できない♂と異なり、どっしりと落ち着いています。

以前のカミキリに関する単行本の中で、昔採集家として著名だった人が「全部で37頭採ったが、
本種のように色彩変異が多い虫はもっとたくさん採りたいものだ」という趣旨のことを書いていたので、
虫屋さんの中には本種がかなりの変異幅を持つカミキリと勘違いしている人が多いと思います。
それに、講談社のカミキリ大図鑑にも確か薄汚れたような色の個体が図示されていたのも誤解に
輪を掛けていたと思います。
だから最初は僕も、多様な個体が採れるのだろうと期待しながら本種に取り組みました。

ところが、実態は殆ど全ての個体が上に示した基調色のものばかり。
僕は通算で上の数の何倍かは採っていますが、変異色だなと思ったのはわずかに数頭のみで
これはスゴイ!と思ったのは以前当ブログでも紹介したムネモンウス「ミドリ」♀の唯一頭。
あとは基調色のブルーがわずかに薄かったり、濃かったりする程度(ほぼ♀のみ)。
このレベルの頻度なら他の虫にもよくあることです。

なんで件の本ではあんな書き方をしたのだろう・・・
それとも昔は本当に変異色が多く、近年は普通色ばかりになってしまったのかしら。
思うに言いたかったことはこうではないでしょうか。
「採った中に素晴らしい変異色を見出した。もっとたくさん採ればこうしたものがもっと混じってくるに
違いない」・・・そんな推測が前面に出てしまったものでしょうか。
まあ真相は分かりませんが、いずれにしても変異色はイレギュラーなものと思ってください。

さて、本種に関して今シーズンから悩ましいのが石垣島オモト岳の採集規制。
規制内容の詳細は予め知ることも出来るのですが、実態は現地で確認してみなければ判断が難しい
場合も多いものです。状況は刻々変わりますから。

本種の生息にはある程度の標高が必要で個体数が多いのは山の山腹以上ですが、正確に言えば
周りの林道でも採れないことはありません(ただし平地や海沿いには居ない)。
今年からはそうした探し難いエリアでの活動が強いられるのは間違いなさそうです。

なお本種は西表島にも生息していますが、こちらはポイントが探し難く石垣に比べると殆ど採れないと
されます。
今年は春先に一瞬だけ西表を訪れる予定なので、初めてこちらでも取り組んでみたいと思っています。

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