アマミクスベニカミキリ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

地元へ一旦帰還中。沖縄本島産アマミクスベニカミキリが羽化(2017.6.7)

現在、今年の長期遠征の前半戦を終え、地元熊本へ一旦帰還しているところです。
遠征における飛行機での移動もこれで終了。マイル、結構溜まったかな^^


九州地方は昨日梅雨入りしたとのことですが、地元は今が梅雨入りの時期なんですね。
例年そうですが、南の島々でいつも梅雨空の下で採集・生活しているのでこの時期に帰還すると
いつも隔世の感を覚えます。汗もかかず涼しいしね。

さて、採集を再開するまでの数日間を利用して長期遠征の後半戦、すなわち奄美大島、次いで
屋久島へ愛車と共に渡る前の準備を行っています。
前半戦は各島において宿での生活でしたが、一転して後半戦は基本的に愛車の中で生活する
(つまり寝る^^)体勢に激変するので何かと準備も大変なのです。

春~初夏の八重山での採集活動を行って5年、最初の2~3年はがむしゃらに頑張りましたが
ここ2年ほどは現地にも慣れ、要領やコツも掴んだことから不必要な行動は敢えてしなくても
良くなったというか、採集に出ても3時間ほど、長くても半日程度で済むようになりました。

ハタからはとても「遠征」などとは言えないような「島暮らし」にしか見えなかったと思います。
各宿ではそれこそ大勢の虫屋さんとお会いしましたが、向こうからこちらを見ると朝はゆっくり
しているし、採集から戻ると必ず居るしで、「このヒト一体何時採集に出ているの?」という
感じだったと思います。こっちもそれが判るので可笑しくなってしまうのでした^^

そして、4月下旬の沖縄本島において蛹室作成中のアマミクスベニカミキリの老熟幼虫を採った
記事を書いていました。
(参考)
沖縄本島産アマミクスベニ幼虫(中齢・終齢)

その後、無事に蛹化した様子。

そして10日ほど前に目出度く羽化(♀)しました。西表島でね^^

現在はすっかり色付き、体も堅強になってきたのでそろそろ標本にしようかなあと。

ちなみに、来年からは沖縄本島に暫く住み込む予定なので沖縄のアマミクスベニは僕の独壇場に
なるかな。ついでにちょっと足を延ばして八重山のマツダクスベニの材もやりましょうか^^

今手元にある沖縄本島産アマミクスベニ幼虫の入った材。
これらは年を越して来年の今頃羽脱してきます。寄生等の事故がなければね。

こっちは石垣島のマツダクスベニカミキリの材。
ちゃんと採っております^^

クスベニ類の幼虫の成長過程はとても面白いので、機を捉えて今後もトレースしましょう。
これらの材はカバンに入れて島を渡り歩いたので結構大変でした。
ちゃんとネタになってもらわんとね^^

ここ5年間は移動型の長期遠征を行ったので材採集や飼育は出来ませんでしたが、来年からは
基本的に定住生活するのでようやくカミキリなどの材採集も再開出来るようになります。
勿論、蝶・蛾も含めて飼育も可能となります。

やはりね、収集のチャンネルは多いほど多様な虫集めが出来るわけです。
ますます虫ライフが楽しくなりそうで今から楽しみです^^

では、久し振りにちょっくら九州本土の虫を採りに行ってきます。

アマミクスベニカミキリの幼虫(2017.4.24)

今日も採集を午前で終了し、宿の2階のベランダで海を見ながら涼しい風に吹かれています。
午後一のぜいたく、この一時がたまりませんねえ。

山の上はもっと涼しかろうなあ。
そんな中でも確実に数組が必死にオキナワホソコバネカミキリを追っているはずです。
一つ採れたとの噂もあるようですが、半分はどうでも良いってな感じ^^

さて、今日はアマミクスベニカミキリの材を探したので、その際に確認した幼虫をアップします。
まずは来年に親になる中齢幼虫。

細長いタイプの幼虫で、基本的に1本の枝には1頭しか入りません。
自ら切り落とした材の中でこれから1年を過ごします。

しかし地面に落ちるとアリをはじめとした天敵に襲われることが多く、成虫まで生存出来る確率は
かなり低くなります。
実際に地面に落ちてかなり経過したと思われる材を確認すると、大体はアリの巣になっていたり
幼虫が何者かに捕食され「空き家」のものばかりです。
枝を切り落とさずに空中に居た方が生存率は高まると思うのですが、そのあたりはどうなんでしょうか。   

運良く、もうすぐ蛹化する老熟幼虫も一つ見つかりました。
確認の際に壊してしまいましたが、蛹室の作成中だったようです。

この個体は今後、前蛹、蛹を経てタイミング的には5月下旬頃に野外へ飛び立つものと思います。
二十数年前、初めて訪れたGWに地面に落ちた材の蛹室から羽化直後の新成虫が出てきたことも
あるので、早いものは連休明け頃には野外活動を始めるのでしょう。

僕はクスベニカミキリ類が好きなので、石垣で少し採ったマツダクスベニカミキリの材とともに大切に
保管したいと思います。

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