石垣島のフトカミキリ二種(2013.6.25)
亜科名としては馴染み深いフトカミキリ類ですが、実は南西諸島にしか分布していません。
本土の人から見ると身近には居ないし、結構カッコ良いフォルム・カラーリングなので憧れのカミキリ
の一つではないでしょうか。
石垣島にはイシガキフトカミキリおよびヤエヤマフトカミキリの二種が分布しており、色も形も互いに
よく似ています。
イシガキフトはかなり少ないので(採り難いと言い換えた方が良いかも^^)普通の採集ではあまり
目にすることはできませんし、ヤエヤマフトにしてもそれほど多いカミキリではありません。
また石垣北部のヤエヤマフトは亜種化(青味が強く美しい)しており、わざわざ1時間ほど掛けて
そこまで行かないと入手出来ない(しかも行っても採れるとは限らない)こともあって特に人気があります。
前者の幼虫はシイの生木に依存する一方、後者は雑多な木々の枯れ枝をホストとしており、
基本的には棲み分けているように見えます。
ただ、同所で二種が一度に採れることがあるので、面食らってしまう初心者さんも多いのでは
ないでしょうか。
普通はどちらかと言えば多いヤエヤマフトがイシガキフトと誤同定されることが多いのですが、
その逆もあるため厄介なんですよねえ。
まず、これがイシガキフト(♂)です。
2種とも翅端はヤハズ状になっているのですが、本種のトゲの部分は短く、翅端全体としては丸味を
帯びています。
こちらの写真もこの特徴を良く捕らえているのでご参考に。
イシガキフトカミキリの交尾
次いでヤエヤマフトの♀です。
トゲは長くやや並行気味に伸び、トゲの間はやや開いています。
イシガキフトに比べて、トゲがより鋭く尖っている感じが分かるでしょうか。
内側のトゲも目立ちますね。
また、ヤエヤマフトは体高が低く、イシガキフトに比べるとやや平べったい感じがあります。
♂の触角がいずれも黒色(イシガキフトは少し茶色っぽい)であるのに対し、♀は両種共白と黒の
ダンダラとなるなどの性差はあるものの、基本的に見分けるポイントは♀も同様です。
あなたもこの機会に所持されているこの仲間の標本を整理し直してみたらいかがでしょう。
意外と、「あーあ、ヤエヤマフトの方かあ」と思っていたものがイシガキフトに化けるかも^^
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