アオムネスジタマムシ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

伐採木上のコーシュンシラホシハナノミ。そしてオマケ(2014.6.26)

八重山では種類数少ない大型ハナノミ類。
今日はその中でもホワイト感が強く美しいコーシュンシラホシハナノミの紹介です。

昨年の今頃、ヤエヤマキボシハナノミをはじめとした大型ハナノミの写真を載せたのですが、唯一
本種の写真が撮れなかったので1年越しのリベンジの意味もあったりもします^^

野外のヤエヤマキボシハナノミ等

夏の直射日光がガンガン当たる伐採木上のコーシュンシラホシハナノミ。
他種が薄暗い場所を好むのとは好対象です。

しっとりとした体表面なので、白紋がとても目立ち綺麗です。
我が国には黒地に白点を持つ大型ハナノミが数種類居ますが、その中でも最も美しいのでは?
大きいし、名前の響きも良し^^


おまけ。
この時期になると昼間の伐採地にはほぼ何も居ないのですが、ちょっと意外なタマムシを見つけました。
これまでは波打ち際の砂浜に生えるハマゴウの上でしか見なかったキボシフナガタタマムシです。

見ていると、産卵管を伐採木の表面に押し当てながら移動し、気に入った場所を探しているように
見えます。間違いなく産卵行動です。

以前ある文献で、本種のホストは枯れたハマゴウの幹(茎)ではないかという記述を見たことが
ありましたが、実際は海岸線の林内の枯れ木等でも広く発生しているんでしょう(ハマゴウの枯れ茎を
利用しないとは限らない)。
ちなみにここからハマゴウの生える波打ち際までの距離は50メートルほどです。

おまけのおまけ。
古い伐採木に留まるアオムネスジタマムシ。

与那国島にはとても多い本種ですが、何故か石垣島ではあまり個体数は多くないようです。
親戚のアヤムネスジタマムシの分布の中心が沖縄本島以北に偏っているのに対し、本種はそれ以南の
八重山方面に偏っているようです。

夏の大型タマムシと言えばマツに付く二種(ウバタマ・サツマウバタマ)が居るけど、暑いので今年は
いいかな。
去年6月の与那国ではたくさん採ったし^^

与那国ではよく見るアオムネスジタマムシの幼虫(2014.3.15)

アオムネスジタマムシは数少ない南方系大型タマムシの一種で、八重山、特に与那国島では
かなりポピュラーな種類です(日本では大型タマムシ自体の種類が少ないですが)。

成虫はモモタマナやキールカンコノキ等に見られ、早い個体は3月には姿を現します。
昨年は初めて6月下旬という虫のシーズンも末期に与那国を訪れたのですが、その頃でもかなりの
数が見られました。盛夏に向けて数を増すパターンのタマムシなのでしょう。

寄生植物も多岐に渡り、材を崩しているとその幼虫も結構目にします。
シイの枯れ枝を折ったら現れた終齢と思われる幼虫。

基本的にタマムシの幼虫は活性が低く、幼虫の坑道壁をある程度壊してしまうともう自ら再穿孔が
出来なくなってしまいます。
ここがカミキリやある種のハナムグリ等他の材穿孔性甲虫と異なる点で、採集者(兼飼育者^^)
としては非常に厄介な所です。

巨大な胸部をブクーッ、ブクーッと膨らませるばかりで、長大過ぎるしっぽ(腹部^^)はダラ~ン・・・
どっちが背面でどっちが腹面かも分かり難いし、一体どうせいと。
(坑道を壊した僕が悪いんですけどね^^)

幼虫もそうですが、もっと困るのが材採集時に蛹が出てきた時です。
タマムシの蛹は衝撃に極めて弱く、大事に扱ってもどこかが傷付いてほぼ死亡に至ります(泣)。
だから、「あータマムシの蛹出てきちゃったよ!」って感じになっちゃいます。

成虫はウエルカムですが、幼生期は極めてヤッカイな一群です。
タマムシ・・・

(書いているうち最後は何故かタマムシ全体への勝手な恨み節となりました。)

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