クロシジミ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

真夏の高原でクロシジミ採集(2015.8.8)

阿蘇高原での楽しみの一つは、全国的に激減しつつあるクロシジミがまだまだ見られることです。
時期的にはちょっと遅目なのですが、ここのところ阿蘇方面へ行く機会が増えているため生息域の
一カ所へ寄ってみました。

クロシジミは、アブラムシのコロニーにクロオオアリが多数訪れている植物の周りに潜んでいます。
そうした一画を叩くと飛び出して来るのでどこかに留まるのを目で追います。
ただ飛び方がとても不規則なので見逃してしまうことも多いですね。

これは♂。この時期としては結構鮮度が良いです。

腹ボテの♀。腹部がとても重たそうです。
しっかり沢山の卵を産んでね^^


♀は腹ボテの個体が多い時期だし汚損も進み始めているので採集は出来るだけ控えた方が良い
と思い極少数のみネットしました。

足元の下草に留まった♀。
新鮮そうに見えても後翅の縁毛に一部破損があります。飛び方が乱暴だからなあ。


ふと近くの木本植物を見るとクロシジミの卵塊が付いていました。
近くにはアブラムシのコロニーがあり、クロオオアリが多数アテンドしています。

孵化卵も見られますが、幼虫はこのコロニー内に潜り込んでいるんでしょうね。
クロシジミはいずれ、大量に飼育するつもりです^^

クロシジミの卵を発見(2014.9.17)

昨日に続き、今の阿蘇草原で観察出来る蝶について紹介します。

蝶と言っても成虫ではなく、卵。
そしてその蝶とはクロシジミです。

環境省のレッドリストでは絶滅危惧I類(EN:近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)
扱いの稀種も、地元阿蘇の草原地帯には薄いながらも未だ広く生息しています^^

ある牧場でオオセンチコガネの変異を調べていると、崖からヒョロッと樹高50センチほどのグミが
生えています。

枝先で大きなアリが数匹動き回っているのが見えたので、「何だろう?」と小枝を引き寄せてみると
アブラムシが多数たかっています。
歩き回るクロオオアリの傍にあったのが幾つかのクロシジミの卵。
ここは標高がかなり高いので、未だ孵化もしていないんですね。

それぞれの別の小枝にも数卵ずつ産卵されていました。

クロシジミ、阿蘇草原にはまだまだ健在(2014.8.27)

阿蘇の広大な草原には全国的に少なくなった昆虫がまだまだ生息しています。
蝶の分野で言えば、その一つがクロシジミでしょう。

全国的に減少が著しい蝶で、僕が6~7年前まで居た東京近辺では富士山周辺がまだ確実に
生息していることを知る唯一の地域でした。
会社員時代は蝶のみを対象とした採集を行うことも多く、山梨県側の富士山の裾野も良く訪れた
フィールドです。
その中でも頻繁に通った北富士演習林はクロシジミの残された産地の一つとして有名でしたが
採れてもせいぜい1~2頭で、最後には全く見ることが出来なくなっていました。

関東各地の蝶友と話していても、「昔は此処にもクロシジミが居たんだけどねえ」という話ばかりで、
既に狙って採集出来る蝶ではほぼなくなっているという重い現実を受け止めていたものです。
ところが、地元のフィールドにはそのクロシジミがまだまだ健在なのです^^

草原の中を歩いていると、クロシジミは不意に灌木から飛び出して来ます。
ゼフを一回り小さくした程度の大きさで、より不規則に飛び回り直ぐに近くの植物や地面に留まるので
直ぐに本種と分かります。

地面の草に留まった♀。
もうこの時期になるとほぼすべてが腹ボテの♀ばかりです。

灌木に留まっている♀。
これらもかなり裏面が白いですね。もちろん黒っぽい色調の個体も居ます。


全部で20頭程見た中で唯一の♂。

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