ヤマボウシ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

ヤマボウシの花とサビナカボソタマムシ(2012.6.6)

梅雨直前の阿蘇草原での楽しみの一つがこれ。
満開のヤマボウシに集まるサビナカボソタマムシです^^

九州では今まさに発生のピークを迎えたところで、ヤマボウシの大きめの木がまとまって
生えている所を探せばかなりの確率で出会うことが出来ます。

僕は何か所かポイントを持っていますが、その中の一つに目の高さで本種を観察できる
素晴らしい一画があります^^
これまで生態写真をじっくり撮った事がなかったため、今回半日を費やして本種と顔を
付き合わせてきました。

「サビナカボソタマムシはヤマボウシの花に来る」とはよく言われる事です。
それは間違ってはいませんが、多くの人が花の蜜を求めて集まっていると勘違いしているようです。

正解は、「花を包んでいた総包片を後食に来る」、です^^

ヤマボウシは満開になると遠目から真っ白に見えるほどになりますが、実はアレは花ではなく、
つぼみを包んでいた総包片(葉の一部)なのです(実際の花は小さな球状であまり目立たない)。

サビナカボソタマはもちろん緑の葉も食べますが、柔らかいこの総包片が大好物なのです。

サビナカボソタマがヤマボウシの花に来ている「絵に書いたような」写真が撮れました^^
4枚の総包片のうち、上下の2枚に後食痕があるのがお分かりでしょうか?

別の場面ですが、新しい花の総包片を今まさに齧ろうとしている個体です。
これも良い写真だなあ(自画自賛^^)。

意外と低い位置で交尾しているペアがいました。
この日は曇りで気温もあまり高くなく不活発だったため、かなり近くまで寄ることが出来ました^^


本種にも幾つかの変異パターンがあり、このような深紫の個体に出会うと唸ります。

初夏の草原のハムシ採集(2012.5.31)

友人のハムシ屋、コメツキ屋から九州の虫を頼まれていることもあり、天気は悪いものの
自宅から40分ほどの灌木を交えた草原へ昨日行って来ました。

ここは近い割にはかなり良い虫が色々と採れるスゴイ所なのですが、今日はとりあえず
ハムシの話です^^

ハムシにも湿地性、草原性、森林性などいろいろなパターンがあって面白いですね。
近年は僕も割と精力的に採るようになって来ました。
もう少しタレント性の高い種類が多ければ良いんですけどね^^

さて、ここは草原の代名詞である阿蘇からはかなり離れているので、分布する虫達も大分異なり
その点でも面白い所です。

草原の中を抜ける小道を歩きながら周りの草本、木本を叩きます。

サルトリイバラからはお馴染みのフタホシオオノミハムシに交じってカタクリハムシが落ちます。
カタクリハムシは前者に比べて少ないのですが、今回は割と発生数が多いようです。
僕も好きなハムシだし、今年はたくさん送ってやれそうです^^


路傍にひっそりと生えたギボウシの葉裏には綺麗なナガトビハムシがいます。
ここでは結構採れますが、食草がちょっと特殊なので何処でも採れるというわけではないようです。

以上3種は保育社甲虫図鑑のハムシplate38の最後に並んで図示されていますね^^
図鑑では年数の経った標本なので違いが良く分かりませんが、生きている時の色彩はいずれも
鮮やかで美しいです。

普通種が多いですが、注意すると他にも色々なハムシ類があちこちから見出せます。




ここでは美しいキガシラアオアトキリゴミムシもよく落ちてきます。
本種は樹上性ですが、本来こうした草原の中に生える灌木に多いのかもしれません。

作りモノのような美しいコロギスがいました。
茶色の種類は何種も見ますが、緑色のものは初めてです。
標本に残せないのが惜しい・・・

そしてここにはサビナカボソタマムシが割と採れるヤマボウシのご神木があります。
花のガクが開いて丁度良いタイミングなので、枝先を丁寧にスウィーピングしていきますが
今回は1頭しか採れませんでした。
時期はバッチリなので天気が良ければ5~6頭は採れる良い木です^^


半日の採集でしたが、この時期のハムシ採集を十分に堪能できました。

次回は阿蘇草原に今私が最も注目している珍奇なハムシがいるので、それを紹介しますね^^

蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に) TOP » ヤマボウシ