阿蘇の一画に積んであったエノキの伐採木を何気なく見ると・・・
懐かしいヤノトラカミキリです^^
本種を地元で見たのは本当に久し振り。
最後に見たのは会社員時代、お盆に帰省していた頃だったでしょうか。
もう10年以上昔のことだったように記憶しています。

本種に初めて出会ったのはもう30年程前の大学時代、原付で九州山地の麓の材置き場を
訪れた時でした。
当時は山のように太い伐採木が幾つも積み上げられており、それらの山の谷間に転がっていた
エノキを見たところ赤っぽい(その時はそう見えた)大きなトラカミキリのシルエットがありました。
「ん?」と摘まみあげてみると、初めて見るヤノトラカミキリ。
当時は未だ保育社のカミキリ生態図鑑(懐かしい^^)しかありませんでしたから、そこにあった
珍品度の記述を思い出して凄いものを採ったという感覚が湧きあがったのを覚えています。
その夏は何回も通って50個体位を採ったものですが、当時は大ヒットでしたね。

その後、本種は中国地方で大量に採れたり(アカネキスジトラ発見時等)、そして関西地方や
地元でも海岸線などいきなり各地で採れ始めたなという印象が強い時代があったように思います。
その後、少なくとも地元では記録があまり出ないようになったようで、これは時期的に伐採が
あまり行われなくなったためと考えています。
そしてこれは九州以外の他地域でも同様の傾向があると分析しているのですがどうでしょうか。

いずれにしても今夏は久方振りにヤノトラに再会出来てラッキーでした^^
学生時代とは違い、ほんの数頭でしたけど。
カテゴリ : カミキリ
一般的にはスマートなハンターと言った感じに形容されるカッコウムシ。
殆どの種類は細っこい体型をしていることで知られます。
ところが我が国には、「コレ本当にカッコウムシ?」と言いたくなるような種類が幾つか存在します。
その一つがこのムネアカマルカッコウ。
まるでハムシの一種のようですよね。

でも、ひっくり返してみるとこのように顎が発達した顔が・・・
ハムシ等に擬態する必要も無いのでしょうが、何故こんな形状になったんでしょうね。

本種は本州から九州に分布しますが(九州では珍品^^)、奄美~九州南端のアマミマルカッコウも
似たような形をしています。いわゆる代置種の関係でしょうか。
後者は屋久島(自然度が高い地域のみ)では年によっては割と得られることがありますね。
いずれも走光性があるので林の中に掛けたライトフィットに入ることがあります。
本州では採った事がありませんでしたが、九州高山帯のマイフィールドでは割と採れるので
好んで集めています^^
カテゴリ : 甲虫(その他)
本県の高標高のマイフィールドでナイターを行ったところ飛来したのがヒゲナガカミキリ。
関東の低山帯、例えば高尾山でモミなんかが倒れているとヒョコヒョコしているいわゆる普通種です。
ところが、九州では意外と珍品なんですよ。
低山帯には居ないし、高山帯でも基本的にホストである針葉樹は少ない上に本種が入りそうな太い木は
なかなか倒れてくれないので、本種に御目にかかる機会は殆ど無いのが現状なのです。
今回のナイターではそのヒゲナガカミキリが3頭も飛来しました^^
写真の個体は小型ですが、明け方近くに現れた個体は本州産を凌駕するほど巨大で驚きました。
(一般に九州産は小型化する)

やはり九州では珍種のオオクロカミキリも数頭飛来したので、恐らく近くにモミかツガの大きいのが
倒れていたのでしょう。
もうちょっと採れれば良いなあ。
あと何回かナイターもやってみる予定です^^
カテゴリ : カミキリ
地元では約半年振りになる採集に行って来ました。
場所は九州脊梁山地のマイフィールドにしている所です。
春から八重山で4カ月近く活動し、先月は屋久島・大隅半島で多少はリハビリをしたわけですが、
やはり九州本土の標高千五百メートルにおける採集の感覚が蘇るまでには結構時間を要しました。
ただそうは言っても、もう8月10日。
大方の虫のベストシーズンはほぼ終わっています。
そうした中、今日は真面目に原生林の中を叩いてみる事にしました。
ここはもう暫くするとソボコブヤハズカミキリ新成虫が狙える所なのですが、林内に入っても未だ
枯れ葉一枚落ちていないといった段階で、夏物も終わっているし秋物にも早いという端境期の
状態にあることは直ぐ感じられました。
目に付く枯れ枝等をビーティングしても落ちてくるのはこうしたツマラナイ面々。
シロオビチビ、エゾサビ、トゲバ、ミヤマケシ・・・

一つだけ気の早いツチイロフトヒゲも^^
触角がちょっとテネラルっぽいのが分かりますね。

そうした中で、オッとビーティングの手が止ったのがこのドウボソカミキリ。

本種は春から初夏にかけては低地から阿蘇辺りの中山帯に掛けて段階的に採れ、個体数も少なく
ありません。
そして全てが真っ黒の色彩なんですね。
ところが今日採った個体は色が薄くエリトラに縦筋が入ったいわゆるミヤマドウボソのパターン。
近年の分類学に明るく無いので九州高山帯における本グループの扱いは分かりませんが、
直感的に低地産とは異なる印象を受けます。

九州高山帯では希種と思っていましたが、今日は数個他が採れ少ないながら頑張りに応じては
それなりに採れることも分かりました。
これについてはもう少し材料集めをしてみたいと思います。
カテゴリ : カミキリ
あまり好きではないものの、外国産を中心に少し集めている虫のグループが幾つかあります。
ナナフシ類(特にトビナナフシ)がその一つですね。
東南アジア産などは形も面白く、翅の色彩も綺麗な種類が多く居て結構面白いですよ^^
我が国にトビナナフシの類は殆ど居ませんが、屋久島や大隅半島南部で特にシイを掬っていると
よく入ってくるのがニホントビナナフシ。
周期的に大発生するようで、今年の屋久島では嫌と言うほど目にしました。
カラカネナカボソタマムシを採ろうとシイの葉を適当に掬っていると、あっという間にネットの中は
コレで一杯に・・・
逆にカラカネナカボソの方は大不作で全く入りません(泣)。

トビナナフシ類は多少コレクションしているので時間があれば展翅・展足してみようと何時も思うのですが、
何時もやりません(やれません)ね。
♂は乾燥させるだけで良いでしょうが、♀は内臓を抜いたり変色の対応に気を使うので面倒なんですね。
遠征中は手間暇を掛けている時間がないのでトンボ等と同様に何時も後回しになってしまいます。


日本にも魅力的な種類がもっと居れば採集欲やコレクションにもバイアスが掛かるんだけどなあ・・・
カテゴリ : 雑虫
久し振りに蝶の話題です^^
当ブログで最後に蝶の話をしたのは何時だったかなあ。もう遥か昔の事だったように感じます。
いえね、別に蝶が煩わしいわけではないんです。
ブログタイトルのしょっぱなに出て来る文字が蝶ですからね。むしろ蝶(そして蛾も^^)は好きな部類です。
ただ僕の守備範囲が広過ぎるために今はある理由で甲虫をメインに活動している側面があるんですよ。
あ、そう言えば石垣島に滞在していた初期の頃、確か3月中頃だったと思いますが、島内の蝶の数が
客観的に極めて少ないと嘆いた事がありました(僕だけの意見ではなく、地元虫屋を含めた総論)。
でも、普通種を中心に夏頃には相当数が盛り返していたことを付記しておきます。
いずれにしても時間が無く、生展翅が出来ないため基本的に採らないか採っても最小限に留めています。
その中で反射的に採ってしまったのが屋久島のミヤマカラスアゲハ。
僕は外国産も含めてアキリデスの仲間が大好きで、将来的には飼育も含めやり込みたいと考えています。
ミヤマカラスアゲハは北海道から熊毛諸島まで大きな変異を有し、かつ美しいという二代要素を持つ
人気種です。
これまで意外にも屋久島産を採集する機会に恵まれなかったのですが、今回はペアをネットすることが
出来ました^^
これは♀の個体です。やや欠けとスレがありますが、ビカビカの美しい個体です。

こんな素晴らしいものを見ると春型も一杯作って(飼育して)みたくなります。
やはり九州本土産や対馬産等とは違う感じがしますね。
かつて対馬産の飼育が流行ったことがありますが、南限の屋久島産は意外と出回らないようです。
やはり蝶屋さんにとっては副産物が無いこと等を含めて行き難いのが理由でしょうね。
まあ、いずれはヤクジャコウ等も含め供給してみようかな^^
カテゴリ : 蝶
シロカミキリ類は幼虫のホストと成虫の後食植物が一致しており、グループ最大種のオオシロカミキリは
ニレ科のムクノキを主に利用しています。
このほか、山地寄りや北方では同じニレ科のケヤキを好みますし、僕はエノキからも幼虫を
得た事があります。
先月屋久島から戻る途中に寄った鹿児島の大隅半島南部で、オオシロカミキリを探してみました。
この一帯では、道路脇にムクノキの大木が散見されます。
殆どの木はやっと下枝にネットが届く程の高さです。

その下枝の空に透かすように見てみると・・・
オオシロカミキリの食痕が点々とありました^^

その近辺を長竿で掬っていくと・・・
お、3つ入った^^

このようにニレ科を好むヤマトタマムシが入ってくることもあります。

この一帯のオオシロカミキリはどういうわけか遅い時期に発生するのが知られますが、それでも
やはりこの時期(7月下旬)には大多数の個体が汚損している場合が多いです。
今年はそれなりに綺麗な個体が多かったですね。
幾つかは摘まんだのですが、例によって蘇生して使いものにならなくなりました・・・
カテゴリ : カミキリ
直近のメルマガにも書きましたが、今年の屋久島はナイターも極めて不調でした。
その中でも少なさが目立ったのがコゲチャヒラタカミキリ。
例年の良い日だと一晩に5頭位は飛来するのですが、今年はせいぜい多くても2頭ほど。
他の虫もあまり飛来しないので、一番良いカミキリが本種という日も幾晩かありました。
何故かスクリーンに直接来る個体は少なく、光源の近くの地面を這っていたり、立木の幹に留まって
いたりする場面が多いカミキリです。
ベーツヒラタカミキリと同様、かなり喧嘩っ早いようで不完品の割合が多く閉口する種類です。

ホストであるイスノキの材採集で当ると割と一度に多くを得る事が出来ます^^
その場合でも、何時の間にか羽脱して材の下面に隠れているので発見が遅れ、噛み合いによって
かなりの割合が不完品になってしまうんですよねえ。
カテゴリ : カミキリ
屋久島でのこと。
ナイターを終え、帰路につく途中で遭遇したのは・・・
怪しげな二つの光、そしてハート型の白いもの。
これは一体、何?

これなら分かりますね^^
でもちょっと不気味・・・

屋久島の林道を走っているとヤクジカはとても多く、夜も至る所で遭遇します。
白谷雲水峡への林道口などでは、民家のあるような所にも夜は平気で出没します。

実は今回、夜に車を走らせていたらいきなり大きなヤクジカが草藪から道路に飛び出して来ました。
急ブレーキを掛けたものの、避ける間も無くシカの横っ腹にドン、と衝突@@
まあそれほど大きな衝撃では無く、驚いたシカは一目散に反対側の藪に消えて行きました。
これくらいの大きさだったかなあ。ヤクジカとしては相当大きな雄です。

驚いたのはこっち。
何しろ人を含めた哺乳類と言うか、生身の体に車を衝突させたのは初めてだったので、交通事故って
こんな感じで起こるんだなあとしみじみと思ったものです。
このようないたいけな子じゃなくてよかった・・・

聞くとシカというのは大変丈夫で、ちょっとくらいの物理的なショックではビクともしないとか。
外国産も含め、シカの仲間って結構急峻な高いガケに平気で駈け登りますよね。
実は結構そうした所から落っこちるそうで、それでも平気とのこと。
なるほど、それで屋久島でヤクジカが車にひかれている場面を一度も見た事が無いのが肯けます。
実際はかなりの数が車と衝突しているのでしょうが、大体は大丈夫なんですね^^
オーストラリアの道路脇にカンガルーが車にひかれてバタバタ倒れているのとは対照的です。
とは言え、生身の体に車を当ててしまった感じというのはとても嫌なものです。
屋久島では夜の山道の真ん中にヤクジカが平気で横たわっていることもありますので、出来るだけ
スピードはセーブして走る方が良いですね。
カテゴリ : その他
当ブログの読者さん(ハムシ屋さん^^)から一つ話題を頂いたので、本日はそれに触れたいと思います。
まずはこの写真からご覧下さい。
今年6月下旬、与那国島で採集した美しいハムシです。

これは元々日本には分布していなかったクビナガハムシの一種(Lema trivittata)で、本邦に居ることが
広く知られるようになったのは、恐らく与那国島の昆虫ブロガーが同島産の生態写真を紹介して以降の
ことと思います。
本種は宮古島および西表島でも昨年見つかり、某昆虫月刊誌にそれぞれ記録が出ていました。
この論文を見ると台湾では既に2010年に見つかっており、2012年にも記録されているようです 。
これによると、本種は本来アメリカとカナダにしか分布していないため台湾(そして宮古・西表)産は
移入されたもので、この一帯に一気に広がったとされています。
そして本種が見られたナス科ホウズキ属の植物はアメリカから輸入されたとあります。
(それと共に本種も移入されたとは言及していない。まあそう言いたいのかもしれないが。)
僕が今回与那国で採集したものは、内陸部でオキナワサビカミキリを狙ってリュウキュウチクを
叩いていた際に2頭が落ちてきたものです。
タケ類はホストではないため、近くの畑あるいは草地で発生していたものが偶然に留まっていたと
考えられます。
前段のブログでは確か海岸線のあるナス科植物にたかっていたとありましたので、すぐ傍の畑に
ナス科のあるものが栽培されていたのかもしれません。
いずれにしても与那国では全島的に広がっていると考えて良いでしょう。
実は、僕はこのハムシの写真を最初に見た時、ある考えが頭に浮かびました。
僕は20年近く前にオーストラリアに1年間駐在員として赴任していましたが、その際にこれを10頭位
採った記憶があったのです。
採集した際は上の写真のように鮮やかな色彩でしたが、亜硫酸ガスで締めたにも拘らず乾燥の過程で
薄汚れた褐色となってしまったのは今回も同じです。
ただかなり以前の事ですし標本も何処に行ったか不明なので本種だったか証明の方法がありません。
沖縄や台湾への侵入ルートを考えても、北アメリカからよりも豪州を経由したルートの方が物流的にも
すっきりすると思うんだけどなあ。
なお、上記の論文を見ると与那国産はまだオフィシャルな記録が無いようです。
ということは、僕が持っている1頭(落ちた2頭のうち1頭は撮影中に逃げられた^^)を発表すると
与那国初記録となるのかしら・・・
カテゴリ : 甲虫(その他)