今日などは快晴・高温という最高の採集日和の中、終日の人間ドックで貴重な1日がオジャン(泣)。
春物シーズン真っ盛りなのに刻々と日々は過ぎ行き、手探り状態で全く成果が上がらなかった奄美での
初年(昨年)のリベンジは「成る」のであろうか・・・
と、他人事のような気でいる今日この頃です。
前にも書いたように今年は花がほぼ無いしね、虫採りはまあ焦っても仕方無いものです。
でも、昨春は成果が上がらなかったとは言えポイントは開拓したし、やらなくても良い事は学んだし、
それなりに今年に繋がる働きはやっていたんだなあと思える場面も多々あるわけです。
その一つが満開のシイの花を掬ってもほぼ何も(良いものは)採れないということね^^
林縁にひっそりと咲く名も無い(勿論名前はあるが調べるのがメンドーで^^)花々から、少しずつ
集めているのがアマミアラカワシロヘリトラカミキリ。
昨春は採集が大味(この辺りの感覚はやってみた人間のみが分かる)になり過ぎてほとんどネットに
入らず地団太を踏んだ種類です。

本種は屋久島でも亜種クマゲアラカワシロヘリトラをそれなりに採っていますが、難物度は遥かに
奄美亜種が上回りますね。
本種特有の擬死も装いますが、明らかに熊毛亜種より頻繁にこの態勢を採ります。

これまでにとりあえず昨年の「小」リベンジは果たせ、1ブロック程度はマイコレが作れそうです。
あとは将来八丈島辺りで原名亜種をしこたま採って終わりだな(原名亜種は多い^^)。
また、同様に「小」リベンジを果たしたのはクロチャボハナカミキリ。
本土のチャボハナが普通種なのでシイの花辺りを掬えば一杯採れるのだろうとタカを括って奄美で
採集を始めたのですが、手強いことこの上無し。昨年は確か二桁に届きませんでした。
一応シイの花にも来るのですが天気や花の位置など条件に極めて煩く、本当にポツリポツリとしか
採れず消耗の日々を送ることになります。
今年は昨年の轍を踏まずいろいろと考えながら採集した結果、これも春が終わる頃には何とか
満足出来るほどには捕獲出来そうです。
気が付くと車のサイドミラーに留まる本種が居ました。
ネットの中では全く動きを止めないので良い被写体となってくれました。

八重山等でもそうでしたが、やっぱり複数シーズンを同所で過ごさないと満足の行く成果は
上げられないものだなあと、ひしひしと噛みしめています。
カテゴリ : カミキリ
寒の戻り三日目。ここ数日は奄美でも最高気温が20℃に届かず、山中は15℃程度なので花に集まる
カミキリどころではありません。虫達はジーッとしてほぼ動いていない・・・
よって今日は低地で雑虫のビーティング・スウィーピングに勤しみました。
まあいろいろ採れたけど、偶然にもここ二年の宿題が片付きました。
それは写真手前の緑の美麗ハムシ、オキナワアオバホソハムシです。

まず二年前のGW、沖縄北部で1頭採って(もう1頭ネットに入ったが逃げた)、そのギラ付く妖艶さに
ノックアウトされました。辺りを隈無く探したものの追加は得られませんでした。
再会は意外に早く訪れ、昨年4月に移り住んだばかりの奄美大島におけるスウィーピングで2頭ネットに
入ったのです。本種は今のところ沖縄本島と奄美大島の二カ所で採れているので奄美でも期待していた
ものの引っ越したその月に採れるとは思いもしませんでした。
その2頭も別々に偶然ネットに入った次第で、一心不乱に追加を探したものの二度と目前に現れることは
なかったのです。
図鑑ではホストとしてチシャノキ、マルバチシャノキが挙げられています。採集直後から採った近辺の
チシャノキを機会を捉えて掬っていたものの全く音沙汰がありません。
「何でだ? よほど少ないのだろうか。時期が悪いのかなあ」
いつしかその存在は忘却の彼方へ・・・
そして今日、ある植物を叩いたところ・・・
「あっ、オキナワアオバホソハムシ!」
テキはこの寒さの中で翅をひらいてサッと飛ぼうとしましたが、逃がすかい、エイ!と叩き落して
すかさず摘まみ採ります。個体数を採っていないので分かりませんでしたが、相当活発に動くタイプの
ようで、気温が高ければあっという間に飛び去るのでしょう。
一年振りに採れたか、と一息ついているとビーティングネットの上をスタコラ走る別個体を発見。
なるほど、これか! ホスト、ハケーン^^
それが分かると少ないものの、ポロリ、ポロリと落ちる緑の宝石を何回も見ることが出来ました^^
本物の宝石を発見したような満足感。
この満足感に浸る醍醐味。最近はこれを得るために採集に出ているような気がしますね。

さて、その植物とはチシャノキだったのか。
だから図鑑って信用できないんだよなあ。
カテゴリ : 甲虫(その他)
ようやく終日フリーの日々を迎えることとなったため、本格的にフィールドで春のカミキリ等の
採集をやってみました。
数時間ぶっ続けでビーティングやスウィーピング、花の探索等を行うのはほぼ半年振りです。
下は成果の一部。生かして持ち帰ったものです。

アマミアカハネハナにアマミアラカワシロヘリトラ、そしてリュウキュウクリイロシラホシが見えます。
ここには居ませんが他にアマミドイ、シバタアラゲサビ、クロチャボハナ、カサハラツヤケシハナ、
リュウキュウタケウチヒゲナガコバネが1~数頭ずつ採れ、思いのほか虫の発生は進んでいました。
雑虫はアマミヒゲ等のコメツキやアカハネムシ、ベニボタル、キイロアシナガコガネ、ジョウカイ類、
コメモド、ハムダマなど、数は未だ少ないものの一通りは発生しているようです。
写真の中でゴミ粒のように見えるのは、アマシバの葉にいるオキナワツマキヒラタチビタマムシです。
ただ今年不思議なのはアマシバやシイの花が極端に少ない、というよりほぼ無いこと。開花が遅れて
いるのではなく、花自体が(蕾が)無いのです。去年はいっぱい居た(在った)のに今年は居ない(無い)。
自然界ではこうしたことがよく起こりますが、今年の春は花掬いを楽しむのは早々と諦めざるを得ない
ようです。残念~
よって上のカミキリの一部はなんとか数本探し出したシマイズセンリョウの花で採ったもの。
ちなみにこの花はアマシバやシイより遥かに多くの佳きカミキリを与えてくれるのでこっちを探すべき
でしょうね。
去年の春は山肌が黄色くなるほど特にシイの花が咲き誇りましたが、カサハラツヤケシハナ以外は
全くと言ってよいほどカミキリは入りませんでした。現実的には見掛け倒し^^
春の採集って意外に難しいんですよ。
去年はほとんど採れなかった種類が予想より採れたりしているので、もう暫く同様の採集を続けて
みたいと思います。
カテゴリ : カミキリ
今日って3月19日だよね。スマホにもそう出てるし。
でも一緒に写っているのは3月の虫か?(合成とかじゃないよ)
うーん、考え込んでいます。


上がイッシキキモンカミキリ。下がヤノトラカミキリ。
去年11月下旬に地元・熊本で採ったヌルデ材およびエノキ材からそれぞれ出てきたものです。
(参考)
去年11月下旬の熊本でのヤノトラ材採りの様子
阿蘇地方でヤノトラ材を採った際、イッシキキモンカミキリの材も同時に採っていました。
イッシキキモンは今や九州では基本的に珍種であり(産地は熊本と大分の1カ所ずつがあるのみ)、
材を採ることはかなり困難なのですが、強運にも幼虫の食痕が樹皮下に多少走るヌルデ枯れ枝を
見つけていたのでした。
本当に出るとは思わなかったが、地元産イッシキキモンを材から出したのは30年振りくらいで
感無量ではある・・・
とりあえずそれは良いとして、どうして「今」なのでしょうか。
いくら奄美が温暖とは言え冬場はそれなりに寒く鹿児島本土よりは幾らか温かい程度です。
ヒーターを入れる機会はあまりありませんでしたが屋内でも常に着込んでいるし厳冬期には靴下と
ジャンパー共々布団に潜り込んでいました。室内で厚着が要らなくなったのはここ1週間ほどです。
7~8月、特に8月の虫といった印象が強い両種、5カ月も早く目前に現れたことになります。
昨年11月下旬の材採集から僅か3カ月半の間、その5カ月分の成長も一気に行ってしまったわけです。
九州中部と奄美という微妙な位置関係、虫の体内時計に妙な影響を及ぼしているようです。
※上記事とは無関係ですが21日(春分の日)に大阪で行われるコレクションフェアに参加します。
お声掛け頂ければ幸甚です。
カテゴリ : カミキリ
夜、照明のカサの内側に何か留まっているのが見えたのでその部分を外してみました。
脚立から降り、「よいしょ」と畳の上に置いてみると・・・

下からは見えなかった縁の部分にも何か留まっており、さらにカサの横の畳の上にも偶然何かが
留まっているのに気付きました。
材箱の中で羽脱した虫達が箱の本体と蓋の隙間から逃げ出て、夜に電灯の灯りに誘引される現象は
日常茶飯事です。
まず下から見えたカサの底に居たのはツヤケシヒゲナガコバネ♀。
これはノブドウの枯れ蔓を入れた箱から這い出たものです。

縁に留まっているのはウスグロホソバネ♂。
山間部で採ったアカメガシワ材から出て来たものでしょう。材を屋内で管理したとは言え、ちょっと
出てくるのが早いかな。

畳の上に居たのはリュウキュウタケウチヒゲナガコバネ♂
これはアマシバの材から出てきたものです。危なく踏み潰すところだった(汗)。

他に何か出ていないかと材箱を見回すと、蓋の外側に何かゴミなのか虫なのか、小っちゃい黒い物が
見えました。あまりにも小さいので「んんん?」と顔を近づけると、「あ、レプテパニア!」
リュウキュウチビコバネです。これも出てくるのが早いんじゃないの・・・

と思いながら別の材箱を見回すとまたゴミ粒のようなものが。
「老眼には辛いよなあ」とまた顔を近付けると・・・
「!」

アカヒゲナガヒラタミツギリゾウ♂
こんなの奄美に居て良いんだっけ?
沖縄本島では♂♀(♀は触角が短い)共に幾つか採ったことはありますが極めて稀な虫です。
滅多に目に留まらない最大の原因は小さ過ぎることにあるんですけどね。
ところでアンタ、口先を除くと顔のほとんどがメンタマじゃん(情緒的表現、失礼^^)

奄美もそろそろ野外で春の虫が活動を始める時節。材から他の虫も色々と出てくると良いなあ^^
カテゴリ : カミキリ, 甲虫(その他)
先日採って来た伊豆大島産ハンノキカミキリの幼虫達の現在です。
奄美大島の暖かな気候の下、そろそろ蛹に変態する個体が現れています。
材中の終齢幼虫および蛹。
終齢幼虫は時期的に現地で蛹室を作っており、前蛹になる準備中といったところです。


下の写真は上部に終齢幼虫の食痕が見えますが、初齢幼虫が同居している例です。
材が枯れてしまうため、残念ながらこの初齢幼虫はいずれ★に・・・
ハンノキカミキリの幼虫は生木の中でのみで育つことが出来るのです。

通常は材に入ったままの状態で採って来るのですが、現地で割り出した幼虫達についてはこのように
個別に保管しています。
左下の二個体は既に蛹化していますね。


カプセルで管理しているものもあります。カプセル内は極めて滑らかなので柔らかい幼虫や蛹を
キズ付けることなく安全に保管出来ます。材質の関係(医療用カプセルは体内で溶ける)で水分は
与えられないのでこの点は要注意ですが。
本種の様に事故なく蛹化出来る種類にとっては打ってつけの蛹室としても機能するので、僕の様に
ヘビーな材採り人間にとっては重要な必需アイテムとなっています。

このように、色々なカミキリやその他の甲虫類の幼生期を楽しみながらコレクションの充実を
図っています^^
カテゴリ : カミキリ
奄美はこのところ毎日雨ばっかで辛いです。フィールド重視の虫屋にとっては採集をはじめ色々と
制約が多くなり折角春めいてきているのにもどかしいものです。
そんな中で三番目の成虫越冬中のトラカミキリを見つけました。
アマミアラカワシロヘリトラです。
これも昨年3月下旬からの採集活動ではほとんど見なかったので、前に紹介した二種と同様に大方は
その頃までには活動のピークを終えるのでしょう。

前二種と異なるのは個体数の少なさ。僕が未だコツを掴んでいないのかもしれませんが、枯れ枝から
殆ど出て来ないのです。ラチがあかない。
こりゃ、羽脱して活動を始めた個体を春が終わるまでに集中して狙うしかないなあ。
カテゴリ : カミキリ
死の番人ならぬ、死の番をするという虫。シバンムシ。
虫屋には聞き慣れた名前ですが、その虫屋にしても実物を見る機会というのはそう多くありません。
図鑑を見ると意外と多くの種類が図示されており、未記載も多いとのこと。
スウィーピングやビーティングといった一般的な採集ではほとんど引っ掛かってこないため、実際には
地面に接した朽木や枯れ枝に生息しているケースが多いと推察します。
僕の場合、この仲間はカミキリ等の羽脱を狙って確保した木材から羽脱することがたまにあります。
で、今回這い出て来た死番虫。5ミリ弱程度。
沖縄本島にてアマミクスベニカミキリ幼虫を狙ったシバニッケイの枯れ枝から羽脱して来ました。

まあ、なんと面白い造形美だこと^^

調べると図鑑の図版に近いものがありました。それはイシガキトサカシバンムシで、分布域を見ると
石垣島のみが示されており、解説に「タブノキの枯れ枝より出た♂のみが知られる」とあります。
図示はされていませんが、同じ解説文によると近似種としてナミモントサカシバンムシというのが
居るようで、分布は九州・沖縄本島とあります。前種が沖縄に分布していないとは言えませんが、
同様にクスノキ科のシバニッケイの枯れ枝から出たことも考慮すると、本個体はナミモントサカで
良いでしょう(トサカもあるしね^^)。

シバンムシの中にも食指の動くものがあるので機会があれば意図的に探してみたいと思います。
カテゴリ : 雑虫
昨日は昼間に25℃の夏日となったかと思えば、夕方前にはいきなり小型台風級の嵐に。
そして今日の気温は一気に10℃も低い15℃に。
一体、奄美の冬はどうなっているんでしょうねえ。全く安定せず常にフワフワした感じがしますわ。
どっしりとした冬の季節感が無く、どうも落ち着かないですね。
まあそれは良いとして、今手元にイワカワシジミの幼虫および蛹があります。
屋内飼育なのでさすがに野外よりは常に何℃かは高い環境下で管理しているのですが、全く暖房を
使わない部屋の暗所に置いているので自然状態とはそう大して変わりません。
一部の幼虫、蛹です。



それぞれが越冬態ということなのでしょうが、幼虫か蛹か、まちまちなんですね。
全ての幼虫が昨年12月中には摂食を止めたのですが、直ぐ蛹になって成虫になるのが居たり、
ある者は前蛹に近い形でじっとしていたりします(全くの前蛹ではないので多少動いたりもする)。
そして気が向いたら?たまに蛹に変態するヤツが居る。全く一貫性が無い。

野外でもこんな感じなんでしょうか。さすがに羽化までは至らないような気はしますが・・・
ただ数日前にモンキアゲハが飛んでいるのを見たので、イワカワも極一部が真冬にも親として
活動している個体が居るのかもしれません。ただ飛べるほど高温の日は連続しないし、吸蜜源や
幼虫の餌も無いので仮に羽化出来たとしてもそのうち死に至るのでしょう。もしかしたら、
成虫態でも越冬する?(と言うか低温期間をやり過ごす?)
12~1月に羽化したもの。喜べるほどの低温期型にはなっていない・・・
これからの羽化個体に期待、と。


今シーズンは人工採卵も駆使してイワカワシジミの大量飼育に励む予定です^^
カテゴリ : 蝶, 飼育室から
ここ奄美大島ではあちこちの山肌でヒカンザクラが咲き始めました。
見慣れたピンク色のソメイヨシノと比べるとかなり赤味が強い花なので少々の違和感は拭えませんが、
そこはやはり桜は桜、虫屋としては春の訪れが喜ばしく高揚感を駆り立ててくれます^^

さて、奄美における成虫越冬中のトラカミキリ採集の第二弾。
それはアマミズマルトラカミキリです。
ズマルトラと言えば九州・熊本出身の僕は天草地方等の主に海岸線の林において、枯れ枝中で
成虫越冬中のタダズマルトラを採っていたものです。決して多くはありませんでしたが、日がな一日、
林内に落ちたトラカミキリが好みそうな堅目の材をほじくれば幾つかは手にできました。
奄美大島で同じ感覚でやってみると、同様にアマミズマルトラも採集出来ました^^
前回のフーケントラのように一つのホスト(フーケントラはほぼタブにしか寄生しない)に固執する
わけではなく、これまで数種類の樹木の枯れ枝から成虫を割り出しています。


アマミズマルトラもフーケントラ同様、去年は3月最下旬から奄美で採集を始めた僕は殆ど数を
確保することが出来ませんでした。その呪縛を解き払うべく積極的に本種を探しているところです。


まあ、飽きたら止めますけどね^^
あと亜種になった徳之島のズマルトラもそのうちに採集しとかなきゃならないなあ。
カテゴリ : カミキリ