クロカメノコハムシ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

阿蘇のクロカメノコハムシ、今夏は発生不良(2019.8.17)

例年7月の屋久島遠征後、足を延ばして8月を地元で過ごすのは「盆帰り」の意味もあります。
よって親孝行もしなければなりませんし、奄美大島では片付けられない用事をこなしたり、
高校の同窓会に出席したり、さらには台風9・10号が立て続けに襲来したこともあり、採集に
出る機会が特に増えるというわけでもありません。

正直8月ともなればどうしてもターゲットとなる虫は少なくなるし効率の良い採集を行うには
無駄に採集回数を増やすのではなく、狙いを絞ったピンポイント採集を行う必要があります。

その意味で毎年8月の地元帰省時に必ず取り組むのは阿蘇地方のクロカメノコハムシ採集。
本種も毎年当ブログに一回は登場する風物詩ですが、今夏の発生はどうもよろしくないようです。
本種は西日本で点々と採れてはいますが採集例は圧倒的に僕の地元熊本:阿蘇に集中しており、
どう考えても分布の中心地は九州中部の阿蘇草原と言えると思います。

良いねえ、阿蘇連山(阿蘇五岳)とそれらを取り巻くカルデラの村々のたたずまい。
将来的にこの近辺に落ち着くことを当ブログでもチラチラ書いてきましたが、当初よりその時期が
かなり早く訪れそうです。理由は9月配信のメルマガに書くとしようかな。

地の利を生かし毎年本種を探していますがやはり僕しかコンスタントに本種を供給出来る採集者は
居らず、幾ら採っても手元にコレクションが残ることはありません(汗)。
ある意味研究者・コレクターらから期待されているわけで、採ること自体は正直飽きているものの
義務感からもこれを行っている部分があります。

いつもの場所でクロカメノコのホストのノアザミを叩くと・・・
おう、嬉しい2頭落ちだい!

虫体をジオラマと見なし、低空から撮影してみます^^
奄美特産のチャイロヒラタカメノコハムシのように幾つかの山がそびえたような造形ではないものの、
ゴツゴツした独特の渋いフォルムが最高。色彩も含め、唯一無二の存在です。
だから人気が衰えないんだろうなあ。

ただ、その後はたまに単発で落ちて来るのみで、とうとう二桁には届かない結果となりました。
ノアザミの量も今年は少ないようで、生息地が草原のような特殊な環境、しかもホストが草本である場合、
環境・ホストの面からの影響も多大に受けるようです。
またこの時期は一種の端境期のようで(誰も周年サイクルを知らない)、破損したものが多い特徴が
あります。面白いのは足が破損したものは当然多いものの、前胸やエリトラがハデに欠けているものも
かなり目に付きます。

一般にハムシも含め他の甲虫でここまで何者かに傷付けられた、あるいは何らかの事故でそうなった
という例をほぼ見いだせないので、本種の生態がかなり他種とかけ離れているのではないかと考えて
いるところです。採集個体の多くに泥が付いていることも何かの関係がありそう。
このヘン、深探りすると面白そうだけどいずれ僕がやるのかなあ。メンドイなあ・・・

アザミを叩くとこれも当ブログではお馴染みのハスジゾウが採れます。
これも相変わらず人気なので他所ではそれなりに採り難いんでしょうね。確かに僕もこの辺の
マイポイント以外では採ったことがないもんなあ。

阿蘇マイポイントの草原ビーティングは月末、奄美大島へ戻る直前に草原ナイターと併せて今一度
行ってみたいと思います。

クロカメノコハムシはド不作。真夏の草原ビーティング(2017.8.24)

地元での年中行事の一つ、真夏の草原ビーティングに行ってきました。
本来は春~初夏に実施した方が虫の種類も数も遥かに多いのですが、例年その時期は長期遠征の
真っ只中なのでこの時期にやらざるを得ないのです。

草原から仰ぎ見る、真夏の阿蘇連山。
僕の心の故郷です^^

早速マイポイントの各所を叩き回りますが、一番の狙い目のクロカメノコハムシは全く落ちません。
アザミの葉上の食痕も全然目に付かない状態。今年の発生は極端に悪いようです。
それでもしつこくビーティングしていると・・・
「やっと落ちた!」

1年振りのクロカメノコハムシです。
真っ黒なカメノコハムシ、散々見ていますが異様過ぎます^^

そしてルッキングでも2頭発見。

食痕も含め一つの株からしか見つかりませんでした。やはり発生が極めて悪いようです。
こんな年は深入りしても仕方がないことをここ数年で学習していますので、本種を狙うのは
今回限りとしました。

逆に今年かなり多いのはシラクモゴボウゾウムシ。
別名キュウシュウゴボウゾウムシ。

全国的に採り難いとされるハスジゾウムシはほぼ例年並みですかね。
ここでも数頭採れる程度です。

草原を歩いているとこんなものも見つけました。ニセシラホシカミキリにメチャメチャ齧られた
サワフタギの葉。ニセシラホシは初夏の虫なので、当然食痕の主は今は居ません。
本種ももう何年も採ってないなあ。

来年以降も暫くは夏以外の阿蘇草原での採集はお預けとなる予定。
何年後になるかは分かりませんが、地元定住となったら存分に楽しむことにしましょう^^

阿蘇草原でクロカメノコハムシ探し(2015.8.6)

8月に入り益々酷暑の度が増しています(汗)。
日中はちょっと外出するだけで汗が吹き出し体力を消耗、全く何もやる気が起きません・・・

でも高原や高山帯では冷涼な空気が流れ、下界とは別世界です。
この時期になるとさすがに種類数は少ないもののまだ十分に虫採りを楽しむことが出来ます^^

阿蘇の草原で探したのはクロカメノコハムシ。
全身がほぼ漆黒の採集例の少ない、珍奇なカメノコハムシです。
何処にでもあるアザミ類に付くのですが、条件にうるさくなかなか姿を拝めません。
しつこくルッキングを重ねたところ、幼葉の奥に食痕と共にその姿を見出しました。

淡い緑の葉に真っ黒な体のコントラストが不思議。
カメノコ類と言うか、ハムシの中でも一風変わったポジションを有する種類と言えます。

次はビーティングで落とした別個体。
オリンパスTG-3の深度合成で撮ってみました。

ゴツゴツ感の在る、見れば見るほど不思議なカメノコです。
珍品度とポジション、とても僕好み^^

明日も阿蘇方面に赴くので、もう少し数を増やしておくとしましょう^^

クロカメノコハムシを真夏の草原で採る(2014.8.20)

先日、8月に入って初となる地元の阿蘇方面へ採集に行って来ました。
もうこの時期となると狙える甲虫の種類は限られてきており、狙うは草原性ハムシの珍品である
クロカメノコハムシです。

当ブログにはこれまで何度か登場している虫ですが、日本では実質的に熊本県の阿蘇地方でしか
確実に採れないという非常に特殊なハムシです。
阿蘇においても産地は極めて局地的で、まだまだ一般的にはなりそうもないですねえ。

僕はこれまで初夏~秋にかけて採っていますが何時もせいぜい数頭しか採れず、生態もほぼ
分かっていないため、一体何時が最盛期なのかもよく分かりません。

マイポイントに着いてアザミ類を叩くと、早速一頭目が落ちてきました^^
真っ黒で平べったいので直ぐにお目当ての虫と分かります。
漆黒のカメノコハムシなんて、見たことのない人には想像も出来ないものでしょう。

丁寧な作業を繰り返し幾つか追加することが出来ましたが、何時もながらどうしてこんなに少ないの
でしょうか。たかがハムシなのに。
せっかく完治していた腰痛がまた振り返しちゃったじゃないか・・・

何時もはここで終わるのですが、今回はちょっと探索範囲を広げてみようと細かく歩き回ってみました。
するとこれまで行き当たっていなかった新たなポイントを発見することが出来たのです。
もちろんポツポツしか採れませんが、少なくともマイポイントの中では最良と言える一画です。
うれしー^^

おっ、二つ落ちた^^

今回嬉しかったのは、数年振りにアザミの葉に留まる個体の写真が撮れたこと。
ちょっとルッキングしたくらいでは滅多に居ないのでなかなか生態写真が撮れなかったんですよ。

写真中央にクロカメノコが留まっているのが分かるでしょうか。
一べつしただけでは何かの汚れのようにしか見えませんね。

拡大写真です。
近くに本種のものと思しき食痕も多数見えますが、この株にはこの一頭しか居ませんでした。

いずれにしても今回、とても良いポイントを追加することが出来ました。
これまでの標本は外部に出ていくばかりだったので、初秋頃にもう一度行って今年はしっかりマイコレを
作りたいと思います^^

先の八重山遠征でアカヒラタカメノコハムシの生態や採集法も十分に掴んだし、少ないカメノコハムシの
標本が次第に溜まってきました。
来年は沖縄や奄美のヒラタカメノコ類にも手を伸ばすかな^^

泥にまみれたクロカメノコハムシ(2012.9.12)

以前に一度紹介したクロカメノコハムシ。
今のところ実質的に阿蘇周辺でしか採れないこともあって結構人気者のようです^^

地元の僕も折に触れて探してはいるのですが、これがまた珍品でなかなか採れない(泣)。
確実なマイポイントもほとんど増えません。

さて、このクロカメノコですが、成虫で越冬することもあり9月でもまだ十分に狙えます。
とは言っても、採れても単発かほんの数頭なんですけどね。

昨日は2頭を採集出来たのですが、最初に落ちた1頭が何か白っぽく変に感じました。
ビーティングネットに顔を近付けてよく見ると、なんと全身が泥にまみれているのです@@

ひょっとして、本種は基本的には地表で生きて(活動して)いるのではないか・・・
直感的にそう思いました。

そうであれば葉上にこれほど居ない理由が付きます。
真っ黒な体色は葉上には似つかわしくなく、地表(あるいは土中?)でこそ機能する。
葉上には綺麗な羽化したばかりの個体しか居ない・・・と^^

アザミの下に1日中這いつくばっていれば、これらが幾ばくでも正しいかどうかが分かるのですが
そこまでのこだわりは今のところ無いなあ。

そんなことを考えていたら、真っ黒で汚れ一つ無い個体が落ちました。
前胸前部の二つの黄紋が、目からビームを発射しているように見える・・・のは私だけ?

ここのアザミには、ルリクビボソハムシに似たササキクビボソ(たぶん)もよく見られます。
でも本種はもうシーズンも終わりのようで、この時期には僅かしか見られません。

さてさて、秋も深まって葉っぱのビーティングで採れなくなったら、今年は辺りの地表でも探してみますか。

阿蘇の珍奇なクロカメノコハムシ(2012.6.5)

あなたは真っ黒なカメノコハムシがいるのを知っていますか?
図鑑には載っていません^^

その名前もクロカメノコハムシ。
ハムシのくせに結構な珍種です。

凄くカッコイイですよ^^


分布は極めて特異で、熊本の阿蘇を中心とした地域のほか、大分県九重および岡山県蒜山高原
でしか採れていません。今のところ、記録の多くは熊本県です。
熊本に住む私は、本種の採集に最も恵まれているわけです^^

クロカメノコを採ったのは昨年9月が初めてですが、今年に入って5月、6月と採っています。
成虫で越冬するようですし、盛夏にも採れているので一応周年を通して見られることになります。

アザミ(ツクシアザミ等)をホストとし、ほとんど周年見られる。
それなのに・・・なかなか採れない@@

阿蘇は草原だらけだし、何処に行ってもアザミはあります。
ここ最近、僕が阿蘇の草原ビーティングに勤しんでいるのも本種が第一目標です。

しかし、叩いても叩いてもほとんど落ちないのです。
今のところ誰も知らないと思いますが、一体、どんな生態をしているんでしょうね。

唯一、ルッキングで見つけたアザミ葉上のクロカメノコハムシ。
生葉の上にいると真っ黒なのでよく目立ちます。

まだ合計で10数頭しか採っていないので、まだまだ草原通いは続きそうです。
ブログに出しちゃったから、遠方の友人達から奪われるのは目に見えてるなあ(汗)。

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