ハマゴウハムシ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

発生中の奄美大島の面白いハムシ達(2018.6.21)

唐突ですが、当ブログが主体的に取り上げるカミキリムシというのは、分類上「ハムシ上科」に
含まれるものです。

カミキリの生態を見ると、サペルディーニ族の中には成虫が生葉を後食し、幼虫が枯れ木ではなく
生枝に穿孔するものがあり、ハムシのそれに似てくるものがあります。ルリカミキリとか、最近話題の
オオムラサキカミキリなんて、たたずまいがもうハムシそのもの^^
恐らくカミキリの先祖的なものは、ハムシと同様に幼生期は葉を摂食していたが、何時の間にか
嗜好部を変えて枝の方に穿孔していったんでしょう。そして枯れた部位にも潜るようになったと。

つまり、カミキリは「ハムシ」に近しいわけです。そう考えると大多数のカミキリ屋がハムシ類に
ほとんど興味を示していないのは僕にとっては極めて不可思議なことです。
まあ確かにハムシは生葉しか食わないから朽木性の甲虫好き達の嗜好性のアミには掛り難いかなあ・・・

それはそれとして。
奄美にも僕好みの大型美麗ハムシが結構産しており、面白いものは時期的にほぼ出揃いました。

アマミカバイロハムシ
奄美特産で、ハムシ好きには堪えられないもの。大きさ・色彩・形状・質感・珍品度、いずれも優秀^^
生息地はかなり限られまず。

チャイロヒラタカメノコハムシ
カックイイ~、を連発したくなるハムシの形状を逸脱したこの造形美。これも奄美特産。
コツを掴み、時間を掛け腰を据えて取り組まなければ数は採れない代物です。


アカヒラタカメノコハムシ
前種と同様、数が採れないハムシの代表格。ただ分布は八重山~奄美と広いので南西諸島に遠征した
際は得られる可能性は高いです。


ヨモギハムシSP
本土では草地のド普通種も、ここ奄美では形態さえ同様なるも樹木性かつ極めて生息域が限られる
珍種となります。研究者によるとDNAは異なるとのこと。去年初めて1カ所のみで発見、今年も
同所で確認出来ましたが数は少なくなりました。


ハマゴウハムシ
奄美大島では今年になって初めて採りました。ホストのハマゴウが全く見つからなかったからで、
やっと一画で探し当てましたが虫を探してみると八重山各島のようにポンポンと見つかりました。
国産では他に全く似たものがない美麗種です。

アオバヒメハムシ
これも奄美特産の超ブライトンな美麗種。大きさも小さ過ぎず良し^^
去年はたくさん居ましたが、今年は何故か2頭しか見つからない。巻き返しあるか・・・

ハマゴウハムシとキボシフナガタタマムシ。海パン採集に良し^^(2014.6.20)

オモト岳のような山地帯には相変わらず分厚い雲が掛かっているので、帳面を消しておこうと海岸線を
流してみることにしました。

平野部では雲も薄くなり、切れ間から夏の太陽光が容赦なく降り注いできます。
こんな全く日陰の無い広い海辺を歩こうものなら、ムッとするような熱射に襲われ止ることの無い
汗が噴出します(汗 ←それこそ^^)。


南の島の雰囲気もあって眺めは良いものの、一般にこうした海岸に虫は少ないんですね。
直ぐにマイポイントへ移動します^^

猫の額程度のとても小規模の入り江で、ハマゴウがびっしりと生えています。

今年もたくさん食痕があるな^^
しゃがんで若葉を丁寧に見ると・・・

居た居た^^ ハマゴウハムシです。

じっくり探すと次々に見つかり楽しいです^^
葉と葉の狭い狭間に潜り込んだものも結構いますが、目立つので探し易いですね。



ただ食痕の数の割には個体数は少なく、やや端境期に近いかもしれませんね。
我が国では他に似たものが無く、斑紋も奇抜で美しい独特なハムシです^^

そしてハマゴウの先端部に留まる面白い形の虫に目が止まりました。

夏の海辺のタマムシ、キボシフナガタタマムシです。
波打ち際のタマムシとしてこれも異端児的な存在ですね^^

何故か石垣島では少なく、黒島や波照間といった周辺の島々の方が個体数が多いようです。
ポイントが狭いこともあり、今回はほんの数匹しか見つかりませんでした。

しかし夏の海辺で長靴履いての採集はツライなあ。
これらは海パン、ゾーリでの採集にピッタリの虫達ですね^^

ステキな南のハマゴウハムシ(2013.1.23)

ハムシと言えば、オーストラリアのユーカリハムシを思い出します。
以前僕はオーストラリアに1年間住んでいたんですよ^^

もちろん仕事絡みですが、ある目的で南はキャンベラから、北はケアンズのずっと先の農家を
訪ねて回っていたため、常に大自然が傍にありました。
その中で最も目にしたのがユーカリハムシの類です。

なにしろ様々な種類のユーカリがありますし、それに付くハムシも千差万別。
一体何種いるのか見当も付きませんでした@@

素晴らしいのはやはり模様、そしてカラーリングです。
ただ、亜硫酸ガスを使ったものの、鮮やかなだけに後日やはり変色してしまったのが残念です。
あの頃デジカメが普及していたらなあ・・・

日本にも素晴らしいハムシが多く居るのですが、著名な大型美麗種をはじめカラフルなグループ等は
主に本州以北に固まっているように思います。
九州を含めた南方、特に琉球地方にはほとんど魅力的な種類が居ないんですよね。
コレクション欲をそそるハムシに関しては、日本は「東高西低」と言えそうです。

数少ない南方系の美麗ハムシの一つがハマゴウハムシです^^
下の写真は春の石垣島で見つけた本種です。

図鑑に載っているのは古く変色した標本なのであまり気に留める人も居なかったかもしれませんが、
実物はこんなに鮮やかでキレイなんですよ^^

模様や質感がユーカリハムシのあるグループにも似ていて、僕にとってはとても懐かしい感じがする
ハムシでもあります。

ただ、ホストのハマゴウは海岸線の至る所で見られるものの、ハムシ自体はかなり局所的で、
かつ少ない印象でした。 まあ、時期に依るのかもしれませんが。

しかもそのハマゴウの群落ではハリクチブトカメムシが大量に発生しており、ハムシ類の幼虫が
ことごとく餌食となっていました(ハマゴウは他にも数種のハムシのホストになっています)。

ハリクチブトカメも初採集だったのでその時は良かったのですが、ハマゴウハムシの幼虫を
食らうのだけはカンベンしてもらいたいものです。

大体、キミ達が専門に捕食するのは鱗翅類の幼虫だよね?
ハマゴウハムシの幼虫はそんなに美味しいのかしら。

蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に) TOP » ハマゴウハムシ