奄美大島では、やっと梅雨らしい雨空が続くようになってきました。採集に出ようかな、それとも
降られるから止めようかな、と出動を迷う局面も多くなっています。
ぐうたらな僕はそんな時、大体は「やーめた」と相成ります^^
そんな採集にならない奄美の自宅でも、ちゃーんと虫が採れるんだから楽なもの。
人工飼料の中に作られた蛹室に居るのは・・・
フクチセダカコブヤハズカミキリ♂です。
これは僕の地元の熊本・阿蘇周辺にある渓谷で採った幼虫が成長したもので、分類上は亜種たる
フクチセダカコブヤハズのほぼ南限産と言えるものです。
ここは観光地としても有名でアクセスも容易いことから、よく他県の採集者も訪れる場所です。
よって標本も出回るケースが多いのですが、僕は此処からさらに南方の山塊のマイポイントも
持っており、南限亜種ソボコブヤハズとの交雑が全く無い個体群としては究極の南限となっています。
これは♀の蛹。容器の蓋の壁面で蛹化したので、蓋を外してカシャッ。
見易く良い所で蛹化してくれました^^
コブヤハズカミキリ類は人工飼料との相性が良く、基本的に野外より良好に生育するケースが
多いです。ほぼ死亡することもないので飼育は簡単。
今夏は僕も遠慮せずにヤクシマコブヤハズの幼虫採りに励む予定です。
成虫を狙うより遥かにラクです^^
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カテゴリ : カミキリ
熊本県にはセダカコブヤハズカミキリの2亜種が居ます。
本種は起伏のある原生林の谷部のみに生息するため、既に森林面積の九十数%が植林となった
本県においてはピンポイントでしか見られません。
ただ、僕はそれらの産地をフィールドとして持っているため、幸運にも彼らに出会う機会がしばしば
あります^^
全国のコブヤハズファンから見れば、灰白色のフクチコブヤハズの南限産地、そして黒いタイプの
ソボセダカコウヤハズの北限産地を身近に持っているというのは贅沢なのでしょうね。
さて、この梅雨の間にまた彼らを面白い場所で見る機会がありました。
まずフクチセダカコブですが、昼なお暗い林道脇にあったキノコ類がびっしりと生えた割と細い
枯れ木に止っていました。
上手くキノコの間に隠れており、そうした生態は対馬亜種を思わせるものでした。
直ぐ隣にあった太い倒木の裏ではまだ交尾個体も見られました^^
暗いのでいずれもフラッシュを使用しています。
次は昼間に見つけた「無防備な」ソボセダカコブです^^
なんと太陽光の当る中、サルノコシカケの目立つ部分に、さも見つけてくれと言わんばかりに
留まっていました。
まあ偶然でしょうが、真っ白のキノコの上に真っ黒のコブが居ると大変目立ちます^^
コブはたまにこうしたトンチンカンな行動を取ることがあるのでますます憎めないですね。
ずっと見ていると、さすがに気付いて隠れ出しました。もう遅いのに^^
セダカコブって、走り出すと意外と速いんですよ^^
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