自由人 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

屋久島高山帯のツガ倒木の樹皮下に居たカミキリ幼虫は・・・(2016.9.6)

今年7月最下旬、屋久島の高山帯で虫を探しながら歩いていると、林道脇にツガの大木が倒れて
いました。
本州の高山帯で程良く枯れたツガやモミの倒木を見つけると色々と虫が採れるのですが(四半世紀の
関東暮らしで経験済み^^)、九州や屋久島だとそうはいきません。ほぼ何も居ないのが常です(泣)。

このツガも樹皮表面には何も居ませんでしたが、ガパッと剥がれた樹皮下に一筋のカミキリ幼虫の
食痕があり、その先に幼虫が材部に食入した穴が開いていました。
どうやら穿孔したばかりで詰め物等も無く、覗くと幼虫の頭部が見えます。


「何だろう・・・」
屋久島の1,500メートル程の高標高で針葉樹食いのカミキリ。
どうも種類が浮かんできません。

食痕の太さや穴の大きさから3~4センチ位の大きさの幼虫と思われますが、取り出してみないと
全く分かりません。
九州本土でこの標高ならヒゲナガカミキリの若齢幼虫かなとも思うのでしょうが、屋久島には
分布していないしなあ・・・

何とか穴を広げようとノコギリと剪定挟みで加工しようと試みますがとにかく硬い。
材がこのように硬い場合、無理して刃物を振り回すと幼虫を傷つけるのがオチです。
よって、魔法を使いました^^

はい。穴を広げることなく取り出し成功。
(この魔法は南虫クラブ員のみに伝授します^^)


小指と比較するとそこそこの大きさですね。
あと直ぐに浮かぶのはマツノマダラカミキリですが、標高が高過ぎるのでたぶん違うと。
食い方もヒゲナガやマツノマダラが属するモノカムス属っぽくないし。
うーむ。

で、10日ほど前に蛹化したのがコレ。

で、本日羽化したのがコレ。

はい、ヤクシマビロウドカミキリでした^^
毎年の長期遠征でここ暫く材採集および幼虫イジリをやっていなかったこともあり、ビロウド系の
幼虫の顔を忘れていました。採集時に気付いても良かったはずなんですが。

確かにビロウドの仲間って時期的に結構遅くまで野外で採れるもんね。
皆さんも経験あるでしょ。秋にコブヤハズのビーティングをやっていてビロウドやニセビロウドが
落ちてきたことが。

でもよく考えると、高山帯から九州平地に下して管理したのでこの9月上旬に羽化したわけですよね。
高温の九州低地でも羽化までに1か月かかっているわけです(夏眠等することなく動いていました)。
元の場所なら、下手したら10月(11月?)に入ってやっと羽化、脱出となったのではないかしら。
針葉樹を食うというのも意外だった、ヤクシマビロウドカミキリの生態の一場面でした^^

屋久島高地でサツマリンゴに騙された話(2016.9.3)

屋久島で採るべきカミキリのうち、種単位としては唯一採っていないのがハイイロホソキリンゴカミキリ。
これまで高山帯でしか採れておらず、記録もせいぜい十指程度ではないかと思われます。

ヤクシマホソコバネ(ヤクネキ)との格闘の間隙を縫って高山帯にも幾度となく挑戦しているのですが、
なかなかお目に掛かれません。
やはり早くヤクネキ♀を片付けて(^^)、こっちに専念出来る状況を作らなければならないなあと
ひしひしと感じているところです。

で、今年の屋久島。
いつものように僕は高山帯でほとんど何も入らないスウィーピングに勤しんでいました。
屋久島の高山帯はツガやヤクスギの超巨木が乱立するとても雰囲気のあるところです。

木々の掬い網に疲れてきた時、ネットの底に待ちに待ったリンゴカミキリの姿を見出しました。
「やったかっ!」
でかいなコイツ、と思いながら覗き込むと・・・

「なーんだ、サツマリンゴじゃん(泣)」

高地帯のリンゴと言えばハイイロホソキ、というイメージが染みついていたのでガッカリ感が
ハンパありませんでした。
恐らく、このサツマリンゴは低い場所から上昇気流によってたまたま運ばれてきたのでしょう。
余談ですが、こんな感じでヤクネキなんかも高山帯でヒョコッと採れてしまうことがあるかもなあと
思った次第。
ま、ハイイロホソキリンゴもいずれ片付けてやるわい、と気持ちを切り替え改めて捕獲を誓った
ところでありました。

おまけ。
同所のスウィーピングで入った屋久島名物の真っ黒なオオヨツスジハナ。
中山帯にも居ますが、屋久島では高山帯の方が採り易いイメージです。

ヤクシマヨツスジハナと同様、近年あまり採れなくなったなあ。・・・

9月1回目オークション出品(9月4日落札)から(2018.8.29)

いよいよ本日から今季のオークション出品を開始します。
本日の出品分は9月4日(日)が落札日となります。

従来通り、以後は1週間毎の出品および落札となります。
具体的には月~水曜日に出品を行い、週末の日曜日の午後9~10時頃に落札時間を迎えるといった
スケジュールとなりますので、ご興味をお持ちの方はオークションサイト(むしオークション)を
ご覧いただけたらと思います。

御落札者には、サービスの一環として現在応募を締め切っている独自メルマガ(南虫ニュース)を
次回分から配信させて頂きますので申し添えます。

また、当ブログではオークション自体にご興味の無い方にも、標本写真や展足例等でなにかご参考に
して頂ければと考えているところです。

では、9月1回目オークション出品から10点をご紹介します。
コメントはオークションサイトにてご確認下さい。
今回の一つの目玉は僕が好きなドウボソカミキリ類の特集ですかね^^

波照間産イマサカドウボソ・ペア

西表産シロスジドウボソ八重山亜種・ペア

西表産ヤエヤマカスリドウボソ・ペア

石垣産ヤエヤマフト(北部型)・ペア

与那国産ウスイロフト・ペア

西表産ヤエヤマフト・ペア

石垣産オオヒゲブトハナムグリ5♂

スマトラ島産クギヌキフタオ♂A

ニューギニア産ラグライゼアゲハ・ペアA

西マレーシア産大型タマムシ14種A~A-

オオスミヒゲナガカミキリも・・・ド不作(2016.8.27)

オオスミヒゲナガ「も」と言うのは先日配信したメルマガの通りです。
先の遠征の最後の最後(今月上旬)、鹿児島大隅半島南部で探した本種も、屋久島の虫と同様に
ドが付く不作振り。
ここ暫くは殆ど当地を訪れなくなっていますが、4~5年前までと比べると極端に採れなくなりました。

ほぼ何もナイターの幕に来ない中で奇跡的に1頭のみ現れたオオスミヒゲナガ♂。

森の中を徘徊してもほぼ何も見つからない中、奇跡的にホストのマテバシイの幹に付いていた♀。
エリトラの白紋が取れてツルツル・・・

ここの林道は崩れ易く、今年も大規模に崩壊したようで最近まで路面・路肩を工事した跡が
あちこちにありました。
マイポイント周辺もかなり地形が変わっており、今後はオオスミヒゲナガをはじめ各種の虫が
ますます採り難くなりそうな雰囲気が。
 
前はこれくらいは採れていたんだけどなあ。
(参考)
当ブログには似つかわしくない、不埒な大隅盛り^^

オオスミヒゲナガは採れなくなったとともに小型化もしているみたい。
これは僕が感じているだけではなく当地によく行く知人の弁でもあります・・・

すってんころりん。着地が下手なムネアカセンチコガネ^^(2016.8.25)

先日、恒例の草原ナイターを行ったときの一コマ。
ムネアカセンチコガネの到着シーン。

ごん。コンクリートの地面に頭からダイブ。
そして、ころりん。
「半球型」の体形のため、なかなか起き上がれない^^

ジタバタもがいた後、なんとか正常な姿勢になってスタコラ走り出します。
「走り」に適した脚ではないので、その姿はなんともユーモラス^^

実は着地がヘタなのは本種に限らず、殆どの大型甲虫がそう。
「カチャッ」という何かが落ちた方向を見ると、大抵はひっくり反っています。
採集者にとっては採り易くて良いですけどね^^

ヤクシマクロギリス(2016.8.23)

一昨日から夏風邪をひいてしまい調子が悪いです。熱はほぼ無いのですが、喉の痛みと酷い鼻水、
なにより頭がボーッとして何事もはかどらない。
例年のように半年近くの遠征中に4~5㎏太ってしまい(どうしても食物が高カロリー品に偏るので
不可避の現象)、この時期は集中的にジムに通い一気に減量するのですがそれも中断。
風邪だけにエアコンも控えなければならず、これが結構辛いものがあります(泣)。

来月からのオークションや秋分の日(東京大手町フェア)の準備等にもかからなければなりませんが、
気は焦るものの体が付いて来ない状態。
まあボチボチやりますが、ここまでヒドイ夏風邪は初めてなのでどうも対処がイマイチなんだなあ・・・

さて、時期的に地元の夏も本番で、一時の虫の端境期。
遠征後半の虫の話を続けます。

7月末から屋久島の高山帯を徘徊するとたまに目に付くのはヤクシマクロギリス。
クロギリスの仲間は個人的にやっていない直翅類の中で、ほぼ唯一の「要捕獲」グループです^^

異常過ぎるほどに長い触覚!(左触覚なら、実際は写っている部分の倍の長さはある)
何というカッコ良さでしょう・・・
先日のキガシラハサミムシと同様に、奇虫の条件とは思いもよらぬ見栄えを目の当たりにしたとき、
ド肝を抜かれる・・・という体験が出来るかどうかだろうと思います。
それに加えてカミキリ張りにマンディブルが巨大で、この凄さは標本にしないと分からないもの。
直翅嫌いの人でも、隠れクロギリス・ファンは結構多いのではないかと睨んでいます^^

このグループが面白いのは形態に加えてその分布。八重山にヤエヤマクロギリス、沖縄にヤンバル
クロギリスが居て、何故か奄美・トカラをすっ飛ばして屋久島高地に本種が居るのです。
このヘンの神秘さも魅力ですね。ライトを点けて見回る屋久島の高山帯も神秘的だし^^

関係ありませんが、最近直翅関係の大図鑑が出ましたが、なんでしょ、あの高価さ@@
あの5分の2とか、5分の3程度なら購入も考えましたが・・・
かつての蛾の大図鑑も超高価でなかなか売れなかったけど、最終的には完売の後に増刷された
経緯があります。柳の下、再現なるか^^

イリエヒサゴゴミムシダマシ、盛夏の屋久島高地に出現(2016.8.21)

夏の屋久島高地では数種類の特産ゴミムシダマシ類を採集することが出来ます。
その中でも最も採り難いとされているのがイリエヒサゴゴミムシダマシ。
同所的に居て比較的数も多い、長っ細く大型のヤクシマヒサゴゴミダマと比べると寸詰まり感の強い
小型種です。

こんなやつ。

これまで7月中旬(ヤクネキ目的で採集者が多く集まる頃)はなかなか得られなかったのですが、
比較的遅くまで屋久島に滞在した今シーズン、暦が8月に変わろうとするタイミングで探してみると
例年よりは目に付きました(勿論多くはないが)。
このことから本種はやや遅く発生する種類であろうことが伺えます。
ついでに言えば、本種と形態的に似ている九州高山の珍種ソボトゲヒサゴも遅めの発生なので
これらの関連性は深いのかなとも思います。

今回は材中にて本種の蛹および新成虫も確認出来ました。
下はこれから色付いてくる新成虫。

蛹室内の蛹。
隙間だらけのボロボロの材なので蛹室の全容が分かり難いですが^^

蛹の形態。
本種の蛹が紹介されるのは初めてかもしれませんね。


個人的にこれまで見てきたイブシキマワリやイリオモテコブスジツノゴミダマと同様に、
蛹の各腹節の両側には大きなトゲ状突起を有し、腹部は内側に大きく湾曲しています。
これらはゴミムシダマシ類の蛹が全般的に持つ特有の特徴なのでしょうね。

(参考)
イブシキマワリ、イリオモテコブスジツノゴミダマの蛹

なお、7月最下旬ともなると同様に屋久島高地特産のヒメエグリユミアシゴミダマは1頭しか
見なかったし、ヤクヒサゴゴミダマもかなり少なくなっていました。

ただ最も多いオニエグリゴミダマは十分に目に出来、意気消沈しがちな屋久島高地帯で
楽しませてくれました^^

写真は♂で、前胸上部がコカブトムシのようにボコッと凹んでいてとても面白いです^^
(♀に比べると♂は大型かつ少ない)

屋久島、端境期のトラップに入ったマイマイカブリなど(2016.8.19)

7月最下旬の屋久島と言えば、秋季発生性の昆虫にとっては端境期に当たります。
さはさりながら、行ったからには狙いたくなるのが虫屋の常。
いつものポイントの地面に幾つかのトラップを埋めてみると・・・

大げさにドカッと入っていたのはマイマイカブリ。
屋久島は最南端の産地なのでやはり数は少なく、端境期の今はなおさら少ないものです。
ヤクネキシーズンに来た歩行虫好きの虫屋さんは大体トラップを掛けていますがほぼ入りません。
本個体も古く、残念ながら脚の2本が一部欠けていました。

こちらは同時に入っていたエンマコガネ類。
特産のヤクシマエンマコガネもそれなりに入っています^^

これらのほか、色合いが一風変わったセンチコガネも幾つか入っていましたが撮り忘れました(泣)。
他の虫と同様にエンマ類もセンチコガネも少なかったし、何故かエンマ類に占めるヤクシマエンマの
割合も低かったですね。
いずれにしても端境期なので破損している個体の割合が多く、この時期に攻めてもあまり美味しくは
ないなあと改めて思った次第。

ちなみに、中山帯のオオセンチコガネ屋久亜種(オオルリセンチ)も今年は極めて少ないものでした。
まあ良いもんね。
これら秋季発生性の虫達はいずれ、ヤクシマコブヤハズカミキリと一緒に一網打尽にするのだ^^

比較的ルッキングで多かったキガシラハサミムシ(2016.8.17)

本土域を離れた各離島での楽しみの一つが珍奇雑虫。
屋久島のキガシラハサミムシはその最たるものと言って良いでしょう。
正直ハサミムシ類は自分のターゲットでは無いのですが、本種だけはド・ストライクの虫です^^

樹上性の本種、一般にはなかなか目に付かずこれまでの遠征でも採れて1~2頭でした。
今季の屋久島は虫が少なくターゲットとするものが殆ど無かったため、真面目にルッキングで
探してみると場所によっては意外と居ることが分り嬉しい発見でした。

ヤクスギの樹皮表面に留まった♂。
独特の巨大なハサミ、そしてカラフルな「黄頭:キガシラ」のため居れば発見は容易。
ツヤ消しのエリトラや漆黒の基本色もとても良く、バランスの取れた「美虫」です^^

まったく、なんちゅうハサミでしょうね。
まるでクワガタのマンディブルのよう。造形美の一つですなあ。
ちなみに挟まれると結構痛いです。

こっちは♀。顕著な♂のハサミと比べると全く見劣りします。
♀は特に少ないようで初めて遭遇しました。

あなたも記念に挟まれてみては?

タイヤ破損に祟られ続ける・・・(2016.8.15)

お盆休み。
皆さん、採集楽しんで居られますか^^

僕はと言えばもちろん採集は楽しんでいるものの、このところ祟られ続けていることがあります。
それは愛車のタイヤのパンク。
1か月ほど前のブログ記事でも遠征先の鹿児島から戻る途中にパンクした様子、そして今後の
大事を取って4本全てのタイヤを新品に履き替えた件をお伝えしました。

その新品タイヤを襲った惨事。かなり大きめの何かのボルトが・・・

地元には熊本地震や大規模水害の影響であちこちに工事現場があるのですが、恐らくそれらを
通過した際に頂いちゃったものでしょう。
垂直に踏み抜いていたら即時のバーストでしたが、刺さった直後に踏み倒したようでこんな形で
一応空気圧は温存されているものの廃棄は必至(泣)。
前段のブログ記事でお話しした通り、仮に致命的な傷ではなくてもこのテの破損はのちのち必ず
「必然的な」パンクに繋がります。

またまたの出費かあ~
来月からのオークション、頑張らねばなるまひ。
(これも一種の被災ですよね、と情に訴える作戦^^)

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