ハナムグリ・コガネ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

オオシマヒラタハナムグリ♀、執拗なスウィーピングの勝利^^(2018.6.13)

本土の近似種オオヒラタハナムグリと同様、♂は各種の花で多数得られるオオシマヒラタハナムグリ。
花を掬わずとも連日スウィーピングを行っているとよくネットに入ってきます。

何時ものように林縁をスウィーピングしていると、幾つかの♂に交じって何か異様な形態の
個体がネットに張り付いているのに気付きました。

ん?・・・
おおっ、♀だあ~ やりい~っ!

♂とは異なるエリトラの斑紋、そして何よりも尾端のトゲが特徴的です。


本種の♀は極めて稀。甲虫好きの垂涎の的でしょう^^
次は何時採れるのか・・・

オオシマオオトラフハナムグリ(2018.4.22)

ここ数日からオオシマオオトラフハナムグリが数を増してきました。
コレ、前から数を採ってみたかったんだよなあ^^

ノーマルタイプ♂

♀型と言うか、黒化型の♂

結構数も居るようで、採るのがとても面白い。
飽きるまで、採りまくりますよ~^^
(飽きるのか?)

レインボーセンチのトラップ設置ついでにシルビアシジミ観察など(2017.10.8)

中秋の名月を愛でながら団子も食ったところですが、ここ数日は夏の暑さが戻って来るとの予報が
出ていたので、最後の山地系レインボーセンチコガネのトラップ設置を行ってきました。

今季の(特に新産地を狙った)レインボーセンチの捕獲はあまり芳しくなかったので追加確認は殆ど
行っていなかったのですが、恒例の密度の濃いポイントならまあ大丈夫だろうとタカを括った次第。
(今年はそこでもダメかも(汗))

まずはトラップとなる牛糞の確保のため行きつけの牧場へ。
ここは自宅からは結構遠いのですが、他県からの採集者はまず来ないマル秘ポイントです。
今日も澄んだ青空に牧歌的な風情が漂い、ヨイですなあ^^

地元特有(高知県にも居るが)の品種、褐毛和種(いわゆる赤牛)も健在。母牛の方が人懐こくて
近寄ってきました。こうした牛との触れ合いの機会も来年からは暫く無くなるなあ。
その理由は追々とね^^

阿蘇一帯は牛の放牧が盛んな地域で残された「放牧王国」とも言われますが、実は近年はBSE等の
伝染病の懸念や熊本地震による放牧場の崩壊、畜産従事者の高齢化などによって放牧される牛の数が
年々減っているのが現状です。
一頃糞虫関係の書籍等で紹介されたことなどで各地から糞虫採集者が集まった時期もありましたが、
ダイコクコガネが採集禁止になったことや、前段の事由で放牧がかつてほど盛んではなくなった
ことなどから、他県からの採集者もとんと見なくなりましたね。
(相変わらずレインボーセンチ目当ての人は来るが^^)

糞もたんまり頂いたので、依存的に僅かに生息しているシルビアシジミを探してみました。
もう九州内陸部のシルビアはほぼこの辺りにしか生息していないはずです。

ところが、数年前まではそこそこの数が見られたもののほとんど飛んでいません。
昨年も同様の状況だったのでこの地における今後の生存がちょっと心配ですね。
虫の発生数は数年単位で上下することがあるので今は「底」の局面なのかもしれませんが、今後は
短・中期で留意すべきと感じます。

やっとシャッターチャンスを得た訪花中の♀。
♂は目まぐるしく飛び回り、地面に留まっても落ち着いてくれないのでなかなか被写体になりません。

来年からは暫くこの地のシルビアシジミを見ることは出来なくなりますが、いずれまた大量飼育を
目論んでいるのでそれまでは世代を繋いでいて欲しいものです。

帰路の途中、熊本地震の影響で1年半に渡り通行止めだった阿蘇山への登山道の一つが最近通れる
ようになったので、2年振りに阿蘇山のレインボーセンチを採るべくトラップを掛けてきました。
そのついでに撮った南阿蘇方面のカルデラの様子。あの山並みの奥の方に、阿蘇南外輪山特有の
セダカコブヤハズカミキリが居るんですよ^^(若干のブナ帯がある)

そして、下山後にカルデラを走りながら撮った阿蘇山(さっきまであの中腹に居た)。上の写真とは
カルデラを挟んでちょうど反対側を撮った関係ということになります。

うーん、まさに秋晴れに映える阿蘇カルデラの絶景だなあ。
まだずっと先の話ですが、終の棲家はこの辺りに構えようかと思ったり・・・
(そんなに先の話でもないか^^)

なお低地系のセンチコガネの捕獲はまだいけるので、その模様はまたアップします。

真夏のナイターに来た甲虫幾つか(2017.9.6)

この夏何度か地元でナイターを行いましたが、その際に飛来した甲虫を幾つか記録しておきます。

草原でのナイターで飛来したのはヒゲコガネ(♂)
エリトラの霜降り状の斑紋が見事です。

この虫、全国で見ると分布の中心は一体どの辺りなんでしょうねえ。
これまで九州各地でナイターを行いましたが、来たのは地元の阿蘇地方のみ。
しかも大量に来たことはなく、何時もポツポツ程度。来ない年さえあります。
決して珍品ではない虫ですが、安易過ぎないところが人気を保つ秘訣なんでしょうね。

ユーモラスにトコトコ歩くムネアカセンチコガネ♀
マイポイントでの今年の発生は悪く、僅かに数頭飛来したのみ。

よく糞虫関係の書籍にあるように土盛りを掘って採る方法もあるのですが、それは甚だ面倒。
灯かりを点けたお店に来て頂くのが最も楽です^^
まとめて10頭位採れる日もあるので、またそんな機会を待ちましょうか。

オオシロオビゾウムシ
なかなか採れないゾウムシです。見たことない人も多いでしょ?

疎林の濃い阿蘇草原のナイターの灯りに2頭が飛来しました。
滅多に出会う機会が無い珍品ですが、複数が来たことからこの辺りでは割と数が期待できるのかも。
初めてのポイントでしたが、また来年やってみましょう^^

灯火に来て地面に落ちた蛾を襲っているオオオサムシ(九州山地南部亜種:クマソオサムシ)
このポイントでこの時期にナイターを行うとほぼ毎回姿を現します。

8月下旬、もう9月の声を聞く時期なので新成虫が羽化してくるタイミングのようで、複数個体が
チョロチョロしていましたがほぼ全てのエリトラがまだ柔らかい状態でした。
平野部のものに比べるとかなり小型の個体群で初めて見るとちょっと驚きます。
福江島の超大型個体と並べると、異様さはそりゃあもう。

図鑑にもあるように九州におけるオオオサムシの分類は混沌としているので、あちこちで採り
集めるのは面白いでしょうね。
ヒメオサ系も含め、通年を地元(九州)で暮らすようになったらやろうと思っている事の一つです。

オオヒゲブトハナムグリ、ほぼ終焉(2017.4.7)

飛翔中のオオヒゲブトハナムグリ♀が採れました。
例年に無い状況となった今年の発生もほぼ終焉を迎えたようです。

僕は本種の発生の様子を初めから終わりまで、5年連続してトレースしています。
今年の石垣におけるオオヒゲブトハナムグリについては、次回メルマガで詳細に報告します。

これ、パラナスピア:ヤエヤマヒオドシハナの♂もポツポツ捕獲しています^^

オオヒゲブトハナムグリを一応、掬ってみる(2017.3.30)

石垣に入って以降ポイントに通い様子を見ていましたが、本日始めてオオヒゲブトハナムグリがネットに
入りました。
これまでで最も遅い一匹目かな。

今日などはここ数日の中では最も良い気象条件と思われ、採集者の車は10台を確認しました。
ただ、4月上旬まで見ないと全体像は語れませんが、これまでのオオヒゲブトの発生状況は・・・

日本一詳しい今年の石垣島におけるオオヒゲブトハナムグリの発生の様子は、次回のメルマガにて
詳細に報告の予定です。

オオヒゲブトハナムグリ、来年は当たるかなあ?(2016.12.9)

鬼が笑う来年のシミュレーション。
写真を整理しながら、今日はオオヒゲブトハナムグリに目が留まりました。

ここ4年は毎年狙っていますが、大当たりしたのは1回だけだったなあ。
あと覚えているのは、皆さんよりちょっとは採ったかなという感じの今シーズンくらい。
「八重山の春を飾る飛翔する宝石」として名を馳せる本種ですが、実は意外と採れないもの。
かつてメルマガでも有名になった「土下座マン」のように、あまりの欲しさに見ず知らずの相手にさえ
土下座してまで乞う・・・という罪作りなものでもあります@@

もちろん、来年も狙いますよ。
だって大好きですから。
「底無し」「ザル」、なーんとでも言ってくらはい^^

いつも指標にしているポイントのカラスザンショウの芽吹き。
これだと未だ時期的に早く、こんな時に来てしまった人は泣くしかありません。

特に春先は季節の進み方が全く分からないので、イチかバチかのスケジュール調整となるわけですが、
まあ大体は外す人が多いですね。
春休みシーズンなのでそれに合わせざるを得ない事情があるわけですが、自然はそんなものは
斟酌してくれません^^

で、皆の休暇が最大限に重なった時のポイントの様子。
来年もまたこれが見られるのでしょう。

こっちも見たいものですね^^


新ポイントのレインボーセンチなど(2016.10.26)

秋晴れの続かない今年の秋ですね。
九州地元はここ暫く雨やどんよりとした空模様ばかりだし、気温も次第に低くなっています。

まだ越冬準備に入る虫は少なそうだけど、種類数も含め虫採りは益々厳しくなって行くこの頃。
自宅の庭では例年秋遅くに見るウラギンシジミやイチモンジセセリあたりがちょろちょろしています。
このまま虫事もストーブ・リーグに突入していくんでしょうね。

で、先日回収してきたレインボーセンチのおしめ替え時に撮影した風景。
まずはその時の阿蘇連山の様子。噴火の噴煙はもう収まっているようだけど、この時も天気はどんより。
すっかり秋めいた阿蘇の表情です。山肌の草原の緑も心なしかやや薄く感じます。
(冬は草が枯れて山肌が褐色となる)

おしめ替えの方法は以前に当ブログで数回紹介しましたね。
下は新たなおしめ入りタッパーと一時回収用100均カゴに入ったレインボーたち。

これは僕が得意とする、南阿蘇(南外輪山)の一角の最美タイプ。
様々な色が濃く発現し、オオセンチの赤も混じっているのでとても煌びやか。
こんなのがいつも見れるシアワセ^^

次が重要。ヒミツの新ポイントのもの。
これは最も標高の低い、かつ市街地に近いカラフルタイプのレインボーです。

正直、こんな低標高かつ人家に近い所にここまでカラフルな一群が居るとは思いも依りませんでした。
勿論上段の南阿蘇の最美タイプには適いませんが、十分過ぎるほどにカラフル。

再来年辺りから現在の長期遠征型活動を見直し、地元回帰型活動に戻るためこうしたこれまで
目を向けられなかった隠れた産地を掘り起こしていきたいと考えています。

もちろん、カミキリなど他の甲虫や蝶などもね^^

今年初めてのレインボーセンチコガネ回収(2016.10.15)

阿蘇山が噴火する直前に仕掛けていたレインボーセンチ用のトラップを先日確認してきました。
今年の虫の不猟はレインボーにも及ぶかなと危惧していましたが、それほどの影響も無いようで
一安心した次第。

ただ、トラップ敷設直後に二日雨が降ったこと、そして急に冷え込んできたことから十分に満足する
個体数が得られなかったことは残念です。
成虫越冬する虫なのでこれからの捕獲もまだ可能ですが、朝晩のかなりの冷え込みを鑑みると
セダカコブヤハズと同様にあまり深追いはしない方が良いかもしれないな。

風向きの関係で火山灰がアッチに行ったので、トラップを仕掛けたコッチは被害を免れました^^
ここは僕が得意とするレインボーセンチの最も美麗なバラエティが発現する南阿蘇のポイント。
ちなみに、ここに限らず阿蘇方面に行くには4月の熊本地震で本来の公道が未だに通行出来ないため
面倒な峠越えを強いられている状況です。
地元民の僕はともかく、他県の採集者なんかまず来ていないでしょう。

どれどれ。
あまりレインボーが入った形跡が無いなあ、と思いながらトラップをあばいていくと・・・

まずはグリーン系の個体が。どの産地もそうですがグリーン色が最も少ないようです。

次いでブルー系。あ、ちょっとツートンが入ってる^^

そしてパープル系も。

さすが様々なバリエーションが出るポイント、1年振りに見る野生のレインボーに胸が躍ります^^
まあね、もうちょっと数がホイホイ出てくれればもっと嬉しいんですねどね。

思わずニンマリしてしまう場面。この時期でも暖かい日が続き発生が良い年だと、こうした場面が
金太郎アメ状態になることもあります。展足に嬉しい悲鳴をあげることになりますが、2012年が
そうだった以外は最近あまり調子良くないよなあ。

なお今回、初めてレインボーの交尾場面を見ました。センチ類の交尾写真を見た記憶がありませんが、
意外と詳細はあまり知られていないのかもね。生態史だってあまり分かっていないようだしね。
そうだな、地元重点採集に戻る再来年あたりにセンチ類の生活史調査なんかもやってみよう。
幼虫や蛹の写真も紹介出来そうですね^^

この場所ではこれまでに無い色合いのものが出ていたり、自宅からかなり近い優秀なポイントを
発見したりしてもいるので、その様子は追ってアップする予定です。

すってんころりん。着地が下手なムネアカセンチコガネ^^(2016.8.25)

先日、恒例の草原ナイターを行ったときの一コマ。
ムネアカセンチコガネの到着シーン。

ごん。コンクリートの地面に頭からダイブ。
そして、ころりん。
「半球型」の体形のため、なかなか起き上がれない^^

ジタバタもがいた後、なんとか正常な姿勢になってスタコラ走り出します。
「走り」に適した脚ではないので、その姿はなんともユーモラス^^

実は着地がヘタなのは本種に限らず、殆どの大型甲虫がそう。
「カチャッ」という何かが落ちた方向を見ると、大抵はひっくり反っています。
採集者にとっては採り易くて良いですけどね^^

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