甲虫(その他) | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

珍奇チャイロヒラタカメノコほか、奄美特産の美麗ハムシ(2021.6.23)

梅雨時の楽しみの一つ、チャイロヒラタカメノコハムシ探しに行ってきました。
もちろん晴れている方が探し易いものの、たとえ小雨でも探索可能な採集者に優しい珍奇ハムシです。
年中行事になりマイコレ分の標本は持っていますが、人気が高いので何時かは枯渇しそうだし、
奄美にしか分布していない種類だし、住んでいる間しか十分に探す時間が取れないし・・・
など色々理由を練り出して出撃することになります。
なにより探すこと自体が面白いのが第一の理由なんですけどね^^

奄美は今日も梅雨空。降ったり止んだりを繰り返しています。
そんな日はチャイロヒラタカメノコ探しでもやりますかね。

天気が悪いと林縁は暗くて見難いですが、クチナシを探し葉っぱを注意深く見渡していきます。
すると、このように表面を「―」状に薄く削り取った本種の食痕が見つかり、その葉もしくは近くの
葉に本種は留まっています。

これなんかは物凄く食われた葉で稀な例ですが、それでも1頭がポツンと留まっている程度。
本種は1頭当たりの摂食量が多いので食痕の数も多いのですが、極めて個体数の少ないハムシなので
1本のクチナシの株から見つかるのはせいぜい1~数頭なのです。


雨の場合は葉裏に留まっている場合が多く、このように下から見上げると目が合うことになります。
が、本種の場合は目が合っても逃げることがありません^^
下の写真では左右に2頭が葉裏に留まっているのが分かりますね。

ただ、安易に枝葉を引き寄せると振動で落ちる場合があるのでハンドリングは注意深く行うことが
大切です。
本種独特のユニークな「山型」のトゲが指に当たるこの感覚、何度経験しても愉快なんですよねえ^^

この時期に得られる他の美麗ハムシについても少し触れておきましょう。
まず、同様に奄美特産のアオバヒメハムシ。
春に採れるオキナワアオバホソハムシとはまた違ったギラギラとした緑の金属光沢を持ち、胸部の黄色も
とても美しい種類です。過去2年はあまり得られませんでしたが、今年はまあまあ発生していました。

そして、これも奄美特産のアマミカバイロハムシ。
かつてオーストラリアに1年間住んでいましたが、極めて種類が多かったユーカリハムシのある群に
よく似た、日本産離れ(?)した素晴らしい大型美麗ハムシです。
前2年はゼロでしたが、今年は1頭だけ採ることが出来ました。各地でビーティング等に勤しんでも
なかなか得られないので個人的には得難い種類と位置付けています。

正直なところ南西諸島には魅力的なハムシが少なく、敢えて狙いたい種類もほぼ居ないため
奄美在住のここ数年、当グループに限ってはあまり楽しめたとは言えません。
来シーズンからは地元九州をはじめ、本土域の未経験の大型美麗種等に手を伸ばしていこうと思います。

沖永良部、沖縄、与論遠征から戻りました(2021.5.8)

2週間の沖永良部島、沖縄本島、そして初めての与論島を巡る遠征から奄美の自宅へ戻りました。
相変わらず移動が多く、アラ還にはちょっとキツイ旅行でした(フェリーだし^^)。
若い時分には何てことはない旅程ですが、体力が次第に衰えてきているのが分かりますねえ。
そんなことはどうでも良く。

沖永良部は春、夏と何度か通っており虫も多くとても好きな島ですが、生息する種類数が少ないので
さすがに飽きつつありますね。ただかなりの種類が特化しており独立種や亜種が多いのが魅力の
島です。なんとなく手持ち標本を放出してしまいマイコレが無くなってきていたので、春は今後暫く
行かないつもりで徹底した断捨離思考で好きなものだけ補充してきました。

沖縄本島へ向かう途中で沖永良部へ寄ったのですが、初めて春に台風(2号)の影響を受けることになり
条件付きのフェリー運行でしたが、幸運にも沖永良部に降り立てました。もし寄港出来なければ
沖縄直行になるところでした・・・
下は翌日の荒波。当然フェリーは欠航。間一髪@@

沖永良部滞在中は台風の余波が続き採集はやり難いものでしたが、何とか目的の種類や数は
得られた感じです。過去のポイント開拓や経験が大いに役立ちました^^

オキオエラブシロスジドウボソ。
ちょっと赤っぽくて小さい独特の亜種です。さすがに多くはありませんが、これまでと併せると
なんとかマイコレは貯まったかな。

サペルディーニ命なので各島のリュウキュウルリボシを鬼集していますが、沖永良部の本種は
沖縄の亜種よりもさらにブライトンでブロックで揃えると「映え」ます^^
ちなみに後日訪れた与論産も同タイプです。


オキノエラブリンゴも今回までで十分貯まりました。ちなみにかなり持っていた各島のリンゴ各種は
随分放出して崩壊状態なので、本種を皮切りに本土産も含め再鬼集を始めるつもりです。
下はルッキングで見つけた交尾中のペア。

雨を避けて細枝を齧っていた♂、葉脈に付けられた線状の食痕も見えます。

ホストのテイカカズラの葉を集団で薄く齧る亜種のオオミドリサルハムシ。他島のように緑色ではなく
藍色でとても美しい個体群です。

次は二年振りの沖縄北部やんばるの森。懐かしいなあ。
これまで成虫採集では春の特定種のみを狙っていましたが、来年以降は5月中旬以降の初夏物を狙って
ぼちぼち通う予定です。

昨年は行かなかったので、二年振りに採ったオキナワホソコバネ。
今年の発生は最悪レベルでしたねえ。諸事情で本種についてはあまり語らないことにします。

そして初めて訪れる与論島。沖永良部もそうですが、奄美から沖縄へフェリーで往復する途中で
寄れるのがとても好都合。本土からはなかなか行けないからねえ。
綺麗な海で有名な与論なので、通り掛かった海岸を写してみました。虫ブログに海岸名などいらないのだ^^
でもホント美しい・・・

僕ほど各島のドウボソカミキリ類を採ってきたカミキリ屋も居ないと思いますが、採り易く感動した
シロスジドウボソ。勿論ドウボソ類が好む環境を見つけなければ数は採れませんが、堪能しました。
残念ながら沖永良部のようには特化はしていないよう。全般的に小さいのは共通していますが。

参考までに沖縄北部で採った大型のシロスジドウボソと与論の最小個体を並べてみます。

与論で最も嬉しかったのがコレ。大きな大きなヤエヤマトラ。
これだけで与論に寄った甲斐がありました^^

最後に、与論にフェリーで行く人もまず居ないと思うので港に近寄るフェリーの写真を載せます。

最初の予想より虫が多く採れて、とても楽しかった2週間の遠征でした^^

あれ、春は?(2021.4.9)

いきなり各種の花が散りつつある今春の奄美大島。
全く春のカミキリや雑虫が集まらない中、オオシマトラフハナムグリが既に幾つも・・・

これが出始めるともう初夏に移行しつつあることを意味します。
ここ数年と比べるとスピーディにアマシバやシイの花が無くなっているし。
あれあれ、今年の春は何処行ったの?

郷里:熊本での盛夏採集(2020.8.6)

現在郷里の熊本に一時帰省中です。連日日中の気温は35℃程まで上がり、「茹る」毎日です。
そうした中、阿蘇地方を中心に恒例の盛夏採集を一通りやってきました(水害の影響が懸念される
九州山地を除く)。

阿蘇草原に局所分布のクロカメノコハムシ。
今年は比較的個体数が居てそこそこ楽しめました。幾つかルッキングでも発見。


本種は日本でも実質的に阿蘇周辺でしか採れず、しかも極めて局所的で僕のように優れたマイポイントを
持っていなければコンスタントに得るのはムリゲー。
珍種ほど環境が変わると採り難くなるのでマイコレ崩壊の危機を防ぐため勉めて通う種類です。

この時期の阿蘇では九州でも産地の少ない(熊本と大分の極一部)イッシキキモンカミキリが狙えます。
採れたり採れなかったりですが、なんとか撮影・採集に成功した個体。

ここ数年はある場所に幼虫のホストのヌルデ衰弱木があり、隣のクワの葉に成虫が見られましたが
ヌルデが完全に枯れたため発生が無くなり消滅しました。この場所を知る写真撮影家が樹皮が
すっかり剥げ落ちたヌルデ枯れ木を眺めていましたが、もう此処では発生が無いので他を当たった方が
良いですよ^^(当ブログを見ているらしいので)。

阿蘇から大きく外れますが本県でも風前の灯のトラフカミキリのマイポイントへ行ってみました。
いやはや、環境が極端に悪化しており、もう使えるクワの木が5本程に激減していました(泣)。
下は今回捕獲したトラフカミキリ。5頭も居て驚きましたがもはや九州産はほぼ入手不可です。

たまたま見つけたアヤオビハナノミ。林縁に放置された太い伐採木が古くなっており、其処で一時的に
発生したようです。地元でも滅多に遭遇しませんが、九州や対馬以外では殆ど採れないようですね。
此処では二桁ほど採れてビックリ@@

阿蘇に戻り、クロシジミのポイントを訪れると未だ健在で一安心。
孵化した卵塊も発見出来ました。


来年には奄美から地元に戻るのでやっと本腰を入れて蝶の飼育にも取り組めそうです。
飼育関係はもう少し後年から本格開始の予定でしたが、少し時期が早まるかもしれません。

阿蘇山麓のヤシャブシの幹ではハンノキカミキリ阿蘇周辺型(通称ベニハンノキ)の幼虫が
スクスク育っているようです。

時期的に材採集は出来ませんが、来年からは本種はもちろん九州本土以北の材採集等も
再開出来るのでとても楽しみです^^

僕のタトウの世界観(2020.6.23)

皆さん、採集後の甲虫類はどのようにタトウに整理されているでしょうか。
僕のタトウの世界観はこんな感じ。

とりあえず主力のカミキリ関係は別タトウに整理していますがそちらは非公開^^
これらは5月下旬の数日間の成果で、6月に入ると奄美は甲虫の種類数が一気に減り大味の大型種や
夏物が少しという感じになり面白味が激減します。カミキリ関係も同傾向ですね。

どんなに疲れていても極一部を除き仮展足は施すのが僕の流儀。そうしないと絶対に綺麗な標本は
作製不可。美しい標本に仕上げるのは虫に対しての礼儀と思っています。
一つのタトウにぎっちり詰めるのは僕の個性でしょうね(他のタトウも全てそう)。
ただそうしないと採集量がハンパないのでタトウ箱が幾らでも積み上がってしまうからでもありますが。

他力本願色が強いし疲れるし面倒なのでナイターやライトフィットは全くやっていませんが、
それも併用していたら体力的にも整理にも死んでしまう・・・
(ナイター関係はこだわりのある特定種を狙ったお座敷採集期間を老後に設けるつもり^^)

土砂降りの合間、チャイロヒラタカメノコハムシ等を探す(2020.6.9)

ここ暫くの奄美は梅雨らしい雨続きの日々となっています。当然虫採りは出来ないはず・・・
なのですが、一瞬のスキ(何の?)を突いて楽しめる結構良いモノがあります^^

「時期モノ」でもあり、今シーズンもここまで進んだんだなあ、と季節の進み具合を教えてくれる
指標の一つでもあります。
それは、クチナシの葉に潜むチャイロヒラタカメノコハムシ。
奄美大島特産の極めて変わりダネの異形ハムシです。

山の上部が雲に隠れる、普通は出撃出来ないハズの日。そんな時でも土砂降りでなければ効率良く
成果を上げられる種類で、現地住みとしてはとても嬉しい^^
普通の虫屋は採集を諦めるこんな日に山に突入してみると一旦雨は止み霧となっています。
ラッキー! 最低小雨でも良いのですが、濡れなければストレス無く探せますからねえ。

連日の雨で辺りはビショビショですが、林縁のクチナシの葉をルッキングしていくと・・・
「-」状の葉肉を削った食痕の傍にポチョッと何か小さな黒っぽい物が見つかります。
写真の左側に一つ、そして右に一つ。おう、2頭も居た! でも・・・

左側は本物ですが右側はクモの巣の屑もしくは何かの糞で、こうして見ると何と見事な擬態でしょう。
これにはダマされました@@

ゆっくり手を伸ばし本物だけを摘まみ採ります。
背中の山状のトゲが指に当たるこの感触、たまらんねえ^^

先ほどまで降っていた雨を避けて殆どの個体は葉裏に移動しており、下から見上げると「ご対面」と
相成ります。目が合っても逃げない(動かない)良い虫ですね^^


あまり雨が当たらなかった葉に居たものの中には一早く葉表に戻った個体も居ますが、クチナシの葉は
薄いので透けて見え難無く御用に出来ます^^

珍しい1枚の葉に二頭が居る図。体型から見てペアのようです。
本種はかなり少ないハムシで、1本の木に居てもせいぜい1~数頭なので極めて稀な場面です。

同様の方法でショウベンノキの葉からアカヒラタカメノコハムシを見つけることも出来ます。
別々の葉に留まる二頭の本種。

数年前に何度か長期遠征した八重山地方では比較的見つけ易かった記憶が在りますが、ここ奄美では
多くは無いようであまり見る機会がありません。
チャイロヒラタカメノコのように極端な凹凸はありませんが、質感は絶妙。
採集者・コレクターの心をくすぐる異形・珍ハムシの一つなのは間違いないでしょう。

機を見て効率良く珍種を採る。
現地住まいの特権です^^

徳之島のシロスジトゲバカミキリなど(2020.5.28)

今日までの三日間、徳之島で採集してきました。

山ばかりの奄美での採集と違い、平地種のみをターゲットにしたので暑さに参りました@@
前記事の最後で触れた奄美での三日間の休息=徳之島採集だったわけです。
全く休息になっとらん^^

シロスジトゲバカミキリ

まあ、これと次種を採りに行ったようなものですが、暑さの中を焼けススキを探しながら徘徊するのは
かなりハードな修行です。基本的にはほぼ無いし、あっても虫そのものが必ず居るとも限りません。
結果的には昨年よりは採れたもののもう少しコレクションは増やしたいところ。
時期がちょっと遅く数は少なかったかな。来年も行くかも^^

シロスジドウボソカミキリ

「シロスジ」と付く二種目。今回は昨年の半数ほどとあまり採れませんでした。やはりこの時期だと
破損している個体も居ましたね。本当は今月中旬までには彼の地へ赴く予定でしたが、コロちょん禍で
離島間の渡島も控えるよう勧告が出ていたので一応大人の対応をした(^^)結果ではあります。
前種も含めスレ・キレの無いコレクションを増やすために、やはりもう一回は行く必要があるなあ。
得意なハズのイマサカドウボソとかオキナワサビも捜さんとイカンし。

採集していると他にも色々と採れ、同じ種類でも奄美産と比べると結構変異が見られるのにちょっと
驚いています。ただ今回の徳之島採集は疲れが溜まる中で敢行したこともあり、写真を撮る元気までは
無かったのが正直なところ。
トクノシマケシ(下写真)やリュウキュウクモガタケシは徳之島特産種だし、ウスグロアメイロは
クビアカアメイロみたいだし、ワモンサビはやたら白いし、コゲチャサビはより茶色っぽいし、
オキナワゴマフはナンか違うし・・・

なお、トゲバカミキリと言えば徳之島にはキュウシュウトゲバやエラブモモブトトゲバも多く、特に
後者はやたら居て何故か焼けススキからも落ちるので狙うシロスジトゲバと紛らわしく大変でした。
シロスジと違い飛んで逃げないし挙動も異なるので少し時間を置けば見分けはつくのですが、なにせ
落ちた瞬間にシロスジトゲバを掴まないと飛んで逃げられてしまうので瞬時に見分ける必要があります。
なおシロスジトゲバは脆いと昔から言われますが、上記3種の中では圧倒的に丈夫です。
モモブトトゲバなんかはいとも簡単に触角が切れてしまうからね。

今回は岩礁部の多い浜辺に下りてみるとシロヘリハンミョウが結構居るのが分かったので久し振りに
浜辺のハンミョウを追いかけ回しました。炎天下における砂浜のハンミョウ採りは極度に体力を使い、
風が結構あったから良かったものの此処まで疲れが溜まった中では常人にはまず不可能でしょう。
長生きしたい人はこんな生活はしないことですな^^


そして容赦無く翌日から奄美での活動が再開されるのであった(泣)。
今年の5月の修行はホント辛いなあ。今って梅雨なんだよねえ?・・・

ミツモンマルカッコウムシ(2020.5.17)

奄美大島は降りそうで降らない日が続き、連日忙しく出撃。
そうした中で採ったミツモンマルカッコウムシ。

始めて採った^^

明日はさすがに終日雨みたい。やっと休める。疲れた・・・

奄美で楽しむ春のハムシ類(2020.4.23)

奄美大島は3日前辺りから最高気温が20℃を下回る寒の戻りとなっています。もちろん全国が
同様の状況となっているわけですが、奄美ではそろそろ短パン・Tシャツでいけるほどの日々で
あったのが屋内ジャンバー、布団内湯たんぽの季節に逆戻りしたわけなので落胆しきりです。
離島名物、春の嵐も相変わらず続いているんだよなあ・・・

今日も数日前の野外活動から記事をアップします。
虫って限りなく楽しめる分野があって良いですね。分類学上カミキリの親戚であるハムシ類には
多数の魅力ある種類が在り、最近は特段手間を掛けているものの一つです。

ただハムシはイメージほど採り(見つけ)易い虫ではなく、やたら時間が掛るし運にも左右されます。
カミキリなんかの方が遥かに採り易いですね。
蛇足ですがカミキリって甲虫では一番簡単に採れるグループですね(あ、これはメルマガネタにしよう)。

数年狙って昨春やっと複数採れる一画を見つけ出したオキナワアオバホソハムシ。
ギラ付く深いグリーンがとても美しい種類です。


良いハムシの常で採れる一画は極めて狭く、せいぜい10mの範囲にしか居ません。
其処を外すと全く見られずとても不思議。ホストに制限されているのでしょうが、実は未だ此処では
何を食っているかが分かりません。図鑑上のホストとされるチシャノキは無いしなあ・・・

昨春そこそこ見られた一画が道路整備で一掃され多分絶えただろうと覚悟していましたが、半減した
ものの今春も発生してくれました。3月下旬に発生し始め、既にもうほぼ活動期は終えつつあります。
マイコレは十分出来たのでOKです^^

一昨年に初めて、数頭のみ採ったキセスジハムシ。
奄美特産ですがそれまでは暫く採れていなかったようです。


写真上段はテネラル個体で、恐らくこれからが最盛期と思われます。昨年は採れなかったので二年振り
の再会ですね。色彩は淡い薄黄色で一べつではあまり面白くありませんが、細長い体の割に脚が長く
ちょっと変わった体形をしています。

これも極めて狭い一画でしか採れません。一般にハムシは生態・ホストが不明な種類も多いので、
採るには時間を掛けてネットで掬いまくったり、ビーティングに勤しむしかありません。
言わばセンス・努力で採る虫ですね。
ただ今春は数を確保出来そうな兆しが在り、一昨年のデータから恐らく来月中旬頃までは採れそうなので
楽しみにしているところ^^

三番目は今年も健在のハマゴウハムシ。

他二種より半月ほど前に撮影しました。越冬個体でちょっと体色(特に前胸)がくすんでいますね。
越冬明けから産卵を開始したようで、今はホストのハマゴウの若葉で若齢幼虫が育っています。
これも実は一カ所でしか確認出来ていません。昨年まで採った標本はほぼ四散してしまったので、
今年は綺麗な標本(亜硫酸〆、アセトン処理)を多数残しておこうと思います。

あらゆる科にトキメク種類が存在しますから、カミキリばっかりやっているわけにはいきません^^

奄美、春のコバネジョウカイ、ツマキジョウカイ(2020.4.20)

メルマガ54号にも書いた通り、今後はトキメク種類・グループのみにエネルギーを向けて行くと
したところです。
ジョウカイボン科は元々守備範囲ではなかったのですが、キンイロジョウカイ属とこれらの仲間だけは
ストライクゾーンの虫なので外せません。

ところで、ジョウカイで「ボン」と付くのは一種だけなのに何故全体をして「ジョウカイボン科」と
いうのかしら。そもそも、ジョウカイって何? ボンって?
(後記:調べると名の由来には怪しげなものしかないようなので詳しくは触れません)

奄美での春の楽しみの一つ、アマミオオメコバネジョウカイ。
ジョウカイのくせにやたら素早く、直ぐ「プン」と飛んで逃げてしまいます。翅も出し易いんだろうね。
昔の図鑑(酢エチ〆)では色彩が暗い印象ですが、こんなに煌びやかなエリトラに驚く人も多いでしょう。

亜硫酸〆だと鮮明なエリトラのイエローが残り良いですね。
小さいのが玉に瑕ですが、ネキダリスを思わせる出で立ちの「コバネ虫」で極めて好みです^^
オオメ・・・でっかいオメメもとても印象的。
図鑑における分布は奄美大島のみとなっていますが僕は沖永良部島でも採っています。
(後記:春の沖縄本島でも採っていました。奄美産よりちょっと大きいが・・・)

こちらも好みのデザイン。ツマキジョウカイsp。

図鑑には該当するものが在りませんが、琉球には未記載種が数種居るとのことなのでその中の一種
でしょう。

これもややコバネ状のエリトラとなり、デザインも秀逸なので外せないジョウカイです。
ただ、コバネジョウカイよりも更に小さく僕でも展足に四苦八苦する憎らしいヤツ。
奄美は今期で最後だし、これらは春限定の虫でもあるし、展足で首が痛くなるけど勤めて標本を
作っとかなきゃなあ。

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