石垣島の原生林内の山道を歩いていると、目も覚めるような煌(きら)びやかなものがヒラヒラと
舞い降りてきました。
日本産昼蛾、否、全ての国産蛾の中で最も美しい種類と思しきサツマニシキです。

注目度が高いと見えて日本産は4亜種に分けられており南に行くほど白化が顕著となります。
八重山亜種は「薩摩錦」ではなく、ヤエヤマニシキと別名を与えたくなるほどブライトンな美蛾です^^

これまでなかなか発生初期のビカビカの個体と巡り合わなかったのですが、これは良い個体です。
とても大きな♀で、もちろんキープ^^
驚いたのは、羽根の付け根の「ブクブク」は予期していたものの、それとは別に各脚の先端部分からも
黄色い液体を分泌したこと@@
(シャッターチャンスを逃し、ほとんどが滴ってしまった)

これまで羽根の付け根のブクブクは数個体で確認していたものの、このパターンは初めてです。
逆に羽根の付け根部分からの噴出は殆どありませんでした。♂と♀の違いでしょうか?
(参考)
バブル崩壊^^
さらに驚いたのは、ティッシュで作った三角紙の中で蘇生して多くの卵を産卵したこと。

本種、特に最も美しい八重山亜種は将来飼育を試みる予定でしたが、正直これは想定外です。
これからも遠征は続くので大量の幼虫を抱えることは残念ながら不可能。
うーん、実に残念。
何かイイ手はないかしら。
カテゴリ : 蛾
最も好きな春のカミキリの一つ、イシガキケブトハナカミキリ。
幾つかの秀でたマイポイントを持っていますが今年はちょっと調子が良くないようです。
そうした中で・・・
はい、同時に三つ落ち^^

本種も去年までは重点的に探していたし、今年は時間もないのでカンベンしてやるか。
そう思いながらもちょこちょこ追加^^

「毛太」と言うか、「毛深」と言うか・・・

ハナカミキリとしては変わり種で、夜行性のヘンな奴。
他のカミキリには無いこの造形、気に入っています^^
カテゴリ : カミキリ
三日ほど状況を見ていなかったので、オオヒゲブトハナムグリの消長を確認しに行ってきました。
さすがにもうほぼ終わっているだろうなと思いきや、意外と飛んでいる個体を確認@@
気温は高いもののやや強風の吹く曇天の中、今季はオオヒゲブト決戦に参入しないという予定を変更して
二時間ほどオオヒゲブトと格闘してみました。
去年も全く参戦しなかったので久しぶりにちょっとは採りたくなったんですね。
今年は個体数が採れないのは判っていても、僕にとっては蝶の採集と同様にハンティングの面白さが
あるんですよ^^
思ったよりは採れて、全部で20頭ほど。
小さな赤いカミキリも幾つか混じっていますね。もちろん♂ばっか^^

今年はオオヒゲブト大発生の年ではありませんが、最初思ったよりは数が出ているようです。
これまでの経緯を見ると今季は明確なピークが無くダラダラとした発生期間が続いているような感じ。
さすがにこれからピークを迎えることは無いでしょうが、僕が石垣を出ても発生(というか生存)は
続くんじゃないかしら。
林道を歩いている時、地表をスーッと飛んで地面に留まった♀。

こんな場面が見られるようになると、本種も大体ピークを越したと考えられます。
♀も少し採っとくかなあ。
カテゴリ : ハナムグリ・コガネ
ホストであるアカメガシワの葉上で活動しているミドリナカボソタマムシを採ってきました。
居るところには居るが、意外とあまり見かけない決して普遍的ではない美麗な中型タマムシです。
アカメガシワは各地でやたらと目に付きますが、ちょっと探す位ではなかなか見つかりません。
僕は毎年発生するポイントを持っているのでまず外すことはありません^^
今年は未だ発生していないかなと思ったのですが、例年程度の数は居ました。
ただ葉の食痕はいつもより未だ少ないようです。


この一帯のアカメガシワは背が低いので、そっと近付いて手を伸ばし手のひらに落としていきます。
この感覚は地元の阿蘇山で採るミヤマナカボソタマムシの採集に似ていますね。
慣れるとポロポロと手掴みで採れるので実に楽しいのです^^


もう少し数を増やしておこうかな^^
カテゴリ : タマムシ
今季の長期遠征は転々と拠点を移すので、従来はある程度可能だった現地での材採集がほぼ
不可能です。
大量の材を材箱共々抱えて幾つもの島を渡り歩くことは出来ませんからね。
ただ全く出来ないこともなく、小型種の材なら少量であれば物によっては可能です。
そうした観点で採ったのがチュウジョウトラカミキリの材。
従来はこの時期でも成虫を幾つか確認出来ましたが、虫の出が遅れている今年は蛹(一部幼虫)が
殆どのようです。

小さいけど典型的なトラカミキリの蛹ですね。
本種は特に好きなトラカミキリなので、今回数が確保できて嬉しいです^^
おまけ。
同時に出てきたヤエヤマモモブトコバネの幼虫です。

両種ともクスノキ科樹木の枯れ枝をホストとするため、同時に出てくると慣れない人は混同して
しまうかもしれません。
食痕も異なるのですが、幼虫はこのように4対ほどの隆起した歩行器があるのでツルンとした
トラカミキリの幼虫とは一発で区別出来ます。
(参考)
蛹はもっと簡単に区別出来るよの巻
チュウジョウトラの方が遥かに少ないので、今回は良い材が確保出来てラッキーでした^^
しかし与那国で採ったフトカミキリ類の幼虫等もあるので、材採りは早々とドクターストップが
掛かっちゃったなあ。
カテゴリ : カミキリ
この記事を先に出していたら、先般のムモンベニ羽脱のクイズの解も直ぐ分かったでしょうね^^
これも同様に、昨秋に九州の高地で採集して冬場は平地にて保管、春先に八重山に持参したため
蛹化・羽化が早まったケースです。
ホストであるヤシャブシの枝を割って行くと、食痕に続く蛹室内で羽化したベニハンノキが
次々と現れます^^



うーん、今回の「ベニ度」はそれほどでもないなあ。一般的なノーマル型に近いものが多いですね。
誤解している方も多いのですが、真っ赤なヤツなど実は殆ど居ないのです。



ただノーマル型に近いとは言っても赤い筋の色合いは異なるし、細かく見ると黒いエリトラに
必ず幾らかの赤い紋が現れます。
ズラッと並べるとその千差万別な変異が実に楽しく、たくさん欲しいという人が耐えません^^
よってベニハンノキの人気は高く、採るだけいつも出て行ってしまうので在庫がスッカラカンでした。
これで少し余裕が出来たので苦労して持ってきた甲斐がありました^^

今後同一の遠征地に長期間ステイする場合はこの方法が使えることも確認でき、実に有益な試みでした。
カテゴリ : カミキリ
本当に本土産と同種か?
そう思いたくなるほど美しく大型で趣を異にするヤエヤマムネマダラトラカミキリ。
八重山では他種に先駆けて発生し、直ぐ居なくなってしまう春の虫です。
例年3月中には遭遇していましたが、やはり今年は発生が遅れているようでようやく目に付き
始めました。
これは平地の田園地帯で発見した大型タイプ。平地の本種は平均して山地型より一回り以上は
デカイですね。ホストや幼虫期の積算温度の関係かなあ。

一方、原生林内で採るいわゆる山地型は一般に小型個体ばかりのような気がします。
(とは言っても本土産に比べればそれでも大き目なのですが)
原生林ばかりの西表島で採る本種も小型なので、これにはちょっとした法則性があるようです。
本日、石垣島の山地帯の林道を散策していた時に見つけた本種。
範囲が広いのでボケていますが、写真の左上および右下の隅に2頭が葉に止まっているのが見えます。

それぞれの拡大。


さらに、その下に転がっていた新しい倒木にも1頭が留まっていました。

本種は一斉に羽脱が行われるようで、度々そうした場面に遭遇することがあります。
実に、オイシイ場面です^^
今オフにでも八重山産の平地型と山地型および本土産の標本を比べてみましょうか。
相当面白いと思いますよ^^
カテゴリ : カミキリ
定時定点調査の一つとして、石垣島北部で少しビーティングしてみました。
ちょうど年度が替わる時点で基本的に虫はまだまだ少ない時期なのですが、例年よりさらに
個体数は少なく感じました。
今冬の強い寒波により発生が遅れているものと思われますが、それに加えて異常な寒さは南国の虫の
生存にもそれなりに影響を与えたのではないかと見る視点も必要かなと思った次第。
石垣島の今冬の最低気温は8℃まで下がったとのことで、石垣島に移住して数十年の方々に聞いても
こんなことは初めての体験だったとのことですからね。
そんな中で落ちて来た虫たち。
まずはススキサビカミキリ。

本種は意外とダラダラ発生でほぼ周年見られます。本来この時期は端境期で見られてもスレスレの
ものばかりなのですが、かなりマシな個体が落ちてきました。
本種はいずれ幼生期の全容を確認したいですね。
そこそこ多かったのがイシガキウスアヤおよびサキシマヒメ。


少し落ちたのがワモンサビとアヤモンチビ(写真無し)。

ハヤシサビは1頭しか見なかったし、アトモンチビに至ってはゼロ。他のサビカミキリやフタモンサビ、
そしてこれらの普通種カミキリと一緒に落ちるはずのゴミムシやゴミダマ等も全く落ちないといった状況。
もう摘んで毒ビンに入れることはない面々ですが、居ないとなにか寂しいものですね。
ススキサビを採りにもう一度は来ようかな。
なお細くて点々のスジがある小さなカミキリは今年も無理のようで。
カテゴリ : カミキリ
と言っても一匹だけですが。
一応今季の記念にね^^

八重山、「春の宝石」オオヒゲブトハナムグリ。
今季の発生具合の全容もそろそろ分かってきました。
去年に続き僕の参戦は無い年のようですねえ。
面白かったのは車のところに居ると、上の林の何処かから次のような叫び声がコダマしたこと。
「やった~!! これで東京に帰れるう~!!」
目出度く採れたんですね。腹を抱えて笑いました^^

もうちょっと様子を見ますが、今年のオオヒゲブトの顛末は次回のメルマガで。
カテゴリ : ハナムグリ・コガネ
パンパカパーン!
ようやくクイズの正解者が出ました^^
一昨日3枚目の写真を公開しましたが、これまでに既に5名ほどの正解者が出ています。
今秋に再開するオークションで4,000ポイントを獲得されたのは、その中でも最も早く
ご回答いただいた愛知県I様です。
おめでとうございます^^
前回のヒント2でヒッカケ感を匂わせましたが、大サービスでしたね^^
実はヒッカケたまま写真4まで引っ張るのはさすがにマズイなと考えていて、
ここで大ヒントを出して正解してもらうのは計算通りでした。
まだお分かりにならない方のために、用意していた4枚目をお見せしましょう。

あれれ、触角がクシヒゲ状じゃないぞ! マツダクスベニかと思っていたのに・・・
こんな種類、八重山に居たっけ? こんな風に思った方も多いのではないでしょうか。
それにホスト樹皮のガサガサ感(クスノキ科ではないこと)から、「?」となっていた人も居たはず。
では種明かしに入ります。
確かに1週間前に西表島での宿で羽脱したのですが、何処にも「八重山で」採ったとは
書いていません(まあまあ、怒らないで^^)。
そして羽脱完了の写真がこれです。

はい、正解はムモンベニカミキリでした^^
九州本土産で、ホストはカシワの一年枝です。
某所で昨秋に採集、平地で冬を越させて早春に八重山に持参していたため羽化が早まりました。
時間と空間、すなわち次元がねじれるとこんなことも起きるといった一例をネタにしたわけです。
ここ1週間ほどのお付き合い、誠に有難うございました^^
さて、ここで少し重要な報告をします。
あれ、九州のムモンベニってかなり前から絶えていたんじゃないの?
ちょっと事情通のカミキリ屋さんはそう思われるのではないでしょうか。
僕も少なくともUターン後の8年(実質的には15年前から)は例のカシワ林やその周辺での
「無発生」を認識しています。友人知人その他からの情報も同様でした。
(参考)
2012年の調査から
しかし、居たんですよ!
僕にしたら東京在住の期間を挟み実に約30年振りの再発見です。
九州のムモンベニ、やはり絶滅まではしていませんでした^^
思い入れの深い種類なのでこれほど嬉しいことはありませんねえ。
ただ、場所は以前と同じ所ではありません。
其処でももちろん調査しましたが、そちらでは無発生でした。
これまでと同様、近年の発生の痕跡は全く見つかりませんでした。
残念なのは、再発見の場所でも極めて数は少ないものでした。
歓喜して二日を費やして徹底的に調べたものの確認できたのは数頭のみ。
悲観的な見方をすると、やっと再発見出来たものの其処でも殆ど耐えつつあるのかもしれません。
でも、やっと当ブログにムモンベニを載せられ感無量です。
かつての多産地での本種の復活を望みたいものです。
(たくさん採れる方が楽しいしね^^)
カテゴリ : カミキリ