カミキリ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

夜間のオオシロカミキリ(2022.8.18)

久し振りに夜間活動中のオオシロカミキリを摘まむ採集をしてきました。
場所は自宅から1時間程度の低山帯です。

夜に行ったので辺りの状況の分かる写真は撮れませんでしたが、山際にホストのムクノキに加え
エノキやアカメガシワ等の伐採木が少し積んである場所です。
オオシロは夜8時を過ぎると何処からか現れ、ムクノキの材に点々と付いています^^

ただ時期的に相当遅いため、数は少ないし本来は純白の綺麗なエリトラがガサ付いた様にキズ付いて
いたり、触角が切れた個体が目に付きました。本来は7月中には採集を完了しておかねばならない
種類ですね。
ちなみに、僕が本種を始めて採ったのは高校生の頃の6月上旬。ジテコンで近所の河原を散策中に
河岸に当時はたくさん在ったムクノキ大木の垂れ下がった下枝先の葉裏にベタッと留まり後食中の
数個体を手掴みしました。山間部の珍種と思っていたので、意外過ぎる初対面に戸惑ったものです。
それらの木も今は無く、開発も進み平地のオオシロは居なくなってしまいましたが・・・

短時間でしたがオオシロを摘まんだのは本当に久し振りだったので愉快でした。
少し山手に行けばポイントはまだ在るので、次は適期に新鮮な個体を存分に採って楽しみたいですね^^

今年も地元産トラフカミキリの生存を確認(2022.8.4)

既に風前の灯火となって久しい九州のトラフカミキリ。
地元の唯一のマイポイントでも数える程のクワの木で、年間僅かな数が見られる程度となっています。
夏に地元に居れば必ず彼の地を訪れていますが、今夏も数頭を採集出来、生存を確認しました^^

僕が此処を知った学生時代は幾つかのクワ畑が残る農村地域だったのですが、現在は既に住宅街に
変貌しています。クワ畑はとうの昔に消滅しており、トラフカミキリは残った僅かな耕作放棄地や空き地等の
脇に逸出した数本のクワで辛うじて世代を繰り返している状態。近隣の町や村にトラフが発生する
環境は無く、放っておいても遅かれ早かれ一帯のトラフは絶滅する運命にあります。

発生源となるクワはもう10本も無く、これらが枯れるか切られるかすれば此処での発生は終了します。
この十数年を見ると枯れるまで放置されるよりは造成のため伐採される公算が大きいです。
そこで5~6年前からは見た個体は全て採集する方式に切り替えました。「無」になるよりは誰かの
標本箱の中で「存在」する方が遥かにマシです。

自宅からポイントまで30分ほど。今夏は地元に居るのであと数回は訪れようと思います。
次シーズンまでには全てのクワが伐採されるかもしれないし、出来るだけ九州産トラフの標本を
残しておきたいと思います。
(本音:でも意外としぶといね^^)

2022夏の遠征から戻りました(2022.7.29)

「鹿児島沖の大きな島+α」の遠征から熊本の自宅へ戻りました。約1カ月弱の長旅でしたが、
あっと言う間でした。備忘的に一応の成果を簡単にまとめておきたいと思います。

「+α」の部分は、行きがけに寄り道した宮崎県日南海岸のオオムラサキカミキリです。
日南での採集は10年程前に此処で大発生したルリウラナミシジミ採集以来で、熊本からは
高速で2時間程なので手頃な場所です。
本種の採集は初めてでしたが、この間にホスト等が知られるようになったのでとても楽チンでした^^

個体数が多いことで有名になった某神社は採集禁止になったと聞いていたので、其処には行かず
周辺で探してみるととても分布は広く、一か所での個体数は少ないもののあちこちで対面出来、
これなら絶えることはなく何時行っても採集出来るな、という感触を持ちました。

幅広のルリカミキリを2倍にしたような感じのフォルムで、ホストが違うだけで敏感度やゆっくり
ホバリングする様子はルリと全く一緒。見つければ取り逃がすことはなく、楽しく採集出来ました^^

マイコレに想定した最低数はとりあえず採れたものの、半日の採集で♀が二つしか混じらなかったので
何時かまた屋久島や種子島辺りに行くついでに寄るとしましょう。網で掬い採るのが面白いしね^^

実はオオムラサキ採集はもう1日やるつもりでしたが、台風4号にせき立てられて慌てて本チャンの
屋久島へ向かうことになり、フェリーの欠航前には間一髪で屋久島へは渡れたものの嵐が過ぎ去る
数日間の採集はおあずけとなりました。

それから暫くは第一の目標のネキダリス決戦に挑みました。見慣れたAポイントの空間は、周りの
木々の成長で益々狭く・・・

以下は数名の常連に混じって頑張った成果です。アキヤマイ(オニホソコバネ屋久島亜種)に
めっぽう強い僕は稼ぎ頭の4頭を採ることが出来ました。
大破の1♂以外の3♂は30ミリを超える粒揃いの完品で大満足です^^

昨年までの4年間、屋久島のネキの発生は極めて低調で、昨年だかに2種併せて5~6頭が採れたのが
最も良かった成果のようです。「ようです」というのは僕がこの3~4年はネキ決戦に殆ど参加しておらず
伝聞によるところが大きいことに拠ります。
今年もヤクネキの不作は続きましたが、アキヤマイは全員で二桁は採れ、振り逃がしたり他に飛んでいる
個体も見ているのでアキヤマイは久し振りの大発生(の一歩手前?)と言える状況でした。

今年はポイントのリョウブの花が満開となったことから他の訪花性昆虫も多く、僕が感じたところでは
この地に通うようになって以来最高の調子の良さだったように思います。
おかげでクロキスジトラ(キスジトラカミキリ屋久島亜種)が比較的多く、前から狙っていたエリトラの
八の字紋が消えた黒化型、及びそれに準じた面白い個体も採れ喜びました。

他にアラカワシロヘリトラやヤクシマミドリといった常連に加え、今年はエパニア属(リョウブモモブト
ヒメコバネ、サツマヒメコバネ)が目に付いたり、クスベニやオオヨツスジハナ(屋久黒化型)、タキグチ
モモブトホソやモウセンハナ、タダミドリと言ったカミキリ達、キボシハナノミやツバキシギゾウムシ、
ムラサキツヤハナムグリなども例年よりは多かったように思います。

一つだけ、大人し目のタトウを例として挙げておきます。結構幅広く色々な虫が採れて楽しめました^^

今年は久し振りに日本最美の昼蛾:サツマニシキ(屋久島亜種)が多く、日に数頭はリョウブの花に
飛来しました。お馴染みのブクブクの泡は、今回の「虫バブル」の象徴か^^


今回は久し振りに汗だくになりながら頑張ってビーティングをしましたが、狙いのカスリドウボソは
やっと2頭のみ。相変わらず超絶に採り難い・・・

個人的には北限の屋久島産は変わっていると思っており、新図鑑用に作成者さんに2個体をお渡し
したものの既存亜種の範疇にされた模様。まあ僕にとって図鑑というのは在って無いようなもので、
自分勝手に楽しむので良いんですけどね^^

生息ポイントは変わりますが、例年の如く少ないながらトカラケシも採れました。この場所では他所では
少ないヒメアヤモンチビもまあまあ採れます。

キュウシュウハネナシサビやウスキアラゲもなんとか生き残りが居る時期ですが、採っても不完品や
スレ個体なのでこれらは早期出現種らと共にまた別の機会に取り組む予定です。
しかし屋久島で僕の様にビーティングしたりスウィーピングしたりする人が居なくなったので、こうした
細々としたものは益々貴重になってくるんでしょうねえ。

7月の月齢は最悪で、一番虫が多い中旬頃は満月となりナイターを行うチャンスも少なかったのですが、
ヤクシマトゲウスバは大きな♂が採れ、これでマイコレもほぼ完成となりました^^

ネキ等が終わり皆が離島した後はマイブームの高山種を探すためにベース地を移動しました。
しかし今年の高山種の調子は悪く、ヤクチャイロヒゲビロウドやヤクシマヨツスジハナは殆ど発生して
いませんでした。高山性のゴミダマやゾウムシ、ゴミムシ等もあまり良くありませんでしたね。
ちなみに例年は高山で特に多い「ヒル」もあまり居なかったので、幾つか体にくっついただけで
噛まれる惨事には至りませんでした^^

ただヤクマルバネコブヒゲだけは数日の夜間の見回りで予定数を採ることが出来、♂♀共にマイコレの
最終形を作ることが出来ました。本種は♀がとても少なく過年はホゾを噛んでいましたが、これで
溜飲を下げることが出来ました。ヤクチャイロヒゲビロウド等もこれまでにそれなりに採っているので、
高山種は今年で終わりにするかもしれません(別途予定のヤクコブを除く)。

あと数日は屋久島でのんびりしようと思っていましたが、今度は台風5号の接近で慌ただしく島を脱出。
フェリーは往路・復路共に台風による条件付き出航(沖合の荒波次第では出航地に戻るかもしれない)に
飛び乗るという荒業をこなしましたがもう慣れたものです^^

こうして2022年度の屋久島遠征は終わりました。来年の夏は新たなことを始めるので屋久島には
行きませんが、さて、リョウブの花の咲かない(咲いた翌年は咲かない)来年はどうなるのか。
そして知る人ぞ知る、終焉が迫るネキポイントの運命は?(今年は遂に直ぐ近くまで〇〇が迫っていた) 
来シーズンもネキポイントは存在するのか?

再来年の屋久島が色んな意味で楽しみです^^

10年振りのソボセダカコブヤハズ(クロコブ)探索(2022.7.3)

※本記事は遠征前の予約投稿です。

梅雨に入る頃、九州山地の高標高のマイポイントでソボセダカコブヤハズ(九州南部亜種)の探索を
行ってきました。本亜種は他のセダカコブ群が茶色系であるのに対し、唯一の黒色系の亜種で
熊本~鹿児島のみに産し高い人気があります。僕はクロコブと愛着を持って称しています^^
前回投稿のフクチコブ(セダカコブ九州北部亜種)と同様に10年振りの越冬明けコブ探しとなります。
フクチコブは昼間に倒木を見るだけのジャブ採集でしたが、今回は夜間採集を含めた本格的な探索です。

これまでに採ったクロコブは安易に放出してしまっていたので、今年からはそれなりにマイコレを貯める
つもりで取り組もうと思います。
というわけで何時ものポイントへ向かったのですが、昼間にロケハンを行ってみると良い倒木が見当たら
ないので10年前とは別の谷へ場所を変えます。するとまあまあの倒木が数本あったので今回はこっちで
やってみることに。

腰を屈めて倒木の下面を注意深く見ていると「ポトッ」と何かが頭上から落ち枯葉の上に転がりました。
瞬間的に「コブだ!」と確信したので落ちた一点に集中し目を凝らすと・・・
やはりクロコブ。中型の♀でした^^

居ることが分かったので更に注意深く探していきます。すると、絨毯のように苔が密集した部分に潜む
クロコブ♀を発見。
何処に居るか分かりますか?

では、拡大してみましょう。


この木は2♀で終了したので別の良さそうな立ち枯れの暗い部分を見ていると、小さな♂が付いています。
「なんだ、ドンチビか。しかも片方の触角が折れてるし・・・」と安易に手を伸ばしたところ、それに気付いた
ヤツはちょっと跳ねるように落ちてしまいました。まあエエわい。不完のドンチビだったし。

昼間に疲れ過ぎると本チャンの夜間採集が辛くなります。とりあえず居ることが確認出来たので谷から
上がり、花を掬ったり、マイ・ハルニレ、オヒョウを掬ったり、スウィーピング採集をしたりして時の経過を
待ちます。

そして夜。林内でベースキャンプとなるナイター開始です。
10年前は相当谷の奥にまでナイター道具を持ち込んで設営しましたが、さすがにもうそんな体力は
無いので今回は少しだけ林内に入った所に設営、そして点灯しました。
其処から少し離れて撮影した様子。何かホラー映画にでも出て来そうな雰囲気を醸し出していますね^^

闇夜、オバQが怖い人にはこのテの採集は無理です。照らした立ち枯れがヒトに見えます^^
更に言えば方向感覚が鈍い人、斜面を登り降りするので足腰が弱い人、体力の無い人も無理でしょうね。
遭難や滑落等の大事故に繋がりかねません。
ナイターの光は言わば命綱ですが、不慮的に発電機が止まる可能性もあるし、光源から遠く離れて
しまうと強い光でも木々や斜面等に遮られてさすがに見えなくなります。よって要所に幾つかの
カンテラを灯しました。

(参考)
10年前のクロコブ探索の様子。カンテラも命綱に。

10年前と同じように35~40度程度はある斜面を行ったり来たり、登ったり下りたりして倒木や
立ち枯れをライトで照らしていきます。
すると、昼間には物陰に隠れて見つからなかったクロコブが活動している場面をポツポツ見ることが
出来ました。




一組しか見つけられなかった交尾の場面。心底嬉しかったですねえ。こんな場面を直に見れる人なんて
そうそうは居ませんから。♂♀共にそこそこ大きいのもヨシでした^^


数時間は頑張れたのですが、さすがに還暦前ともなると10年前のようにははつらつと動けず、足腰が
痛くなるのも早いし気力が失せるのも早い・・・というわけで午後11時頃には採集を終了しました。
10年前はあと少しは頑張れたんだけどね。
でも、クロコブはその時とほぼ同じ位の数を見ることが出来たので大満足でした^^

渓谷のフクチセダカコブヤハズカミキリ(2022.6.30)

少し前に阿蘇地方北部の渓谷に住むセダカコブヤハズを探しに行って来ました。
当ブログのアーカイブを調べると越冬明けコブの採集はちょうど10年振り。ええ~この時期の
コブ採集はもう10年はやっていないのかあ、と驚いてしまいました。
確かにね、この10年は八重山・沖縄方面へ長期遠征に出たり、奄美に住み込んだりでしたからね。

九州中~西部で考えた場合、セダカコブヤハズカミキリは大まかに阿蘇高原の北のフクチセダカコブ
(茶色系)と南のソボセダカコブ(黒系)の2亜種に分かれます。
よって今回の初夏コブ探しはフクチセダカコブということになります。

梅雨時なので空模様と相談するのが大変ですが、採集日は1~2日は好天が続く日に設定します。
倒木や立ち枯れに「くっついている」コブは他の虫を探すよりは林内が濡れていても比較的問題は
小さいのですが、林内がビッショリ濡れていると斜面の上り下りやヤブ漕ぎが各段にやり難くなります。
そして樹皮が水分でジュクジュクだとコブヤハズの形状が浮かび上がり難くなるし、コブ自体が雨を
避けて隙間の奥深くへ隠れてしまうためより見つけ難くなるのです。
よって採集は樹肌がある程度乾いた晴れ間に行う方がベター。

渓谷は暗い上に斜面が急峻で上り下りがとても大変です(汗)。

頃合いの良い立ち枯れや倒木を探して林内を徘徊しますが、9割以上は古過ぎてなかなか良い物には
巡り合いません。在ったとしても不安定な体制で長時間眺めてもコブが居ないことの方が多く、早々と
採集を止めたくなることもしばしば^^
そうこうしているうちに良さそうな倒木が遠目に入り斜面を下って行きます。

ここまで下ると山道に戻るのがしんどいですが、苦労の甲斐あってどうやら本日最高の木のよう。
これなら間違いなく居るでしょう。周りに障害物もほぼ無いし、見易いことこの上無し^^
端からじっくりと見回していきます。が、こんな良い木からも何故か見つかりません。
コブ探しは特に運に左右される採集ですが、どうも今日はそれに見放された日のようです。

諦めかけた時、苔の狭間に隠れたペアをようやく探し出せました^^

やっと採れたか。来た甲斐はありましたな。

この後は別の木で♂を採ったのですが写真を撮る前に足早に動き出してしまい掴むのに精一杯でした。
越冬掛けコブの採集は良い材に巡り合えるかどうかに係るので「運」に左右されます。
今回はちょっと不運だったかな。この場所は秋のコブ叩きで挽回しましょう。

イチョウヒゲビロウドカミキリ(2022.6.27)

リンゴカミキリと同様に材採集を行わず成虫で狙うと決めていたイチョウヒゲビロウドカミキリを
採ってきました。季節は進み、いよいよ夏物が出て来始めましたね。
「此処だ!」と思った場所に掛けたトラップに入ってくれるのは気分が良いですねえ^^

触角の長い♂

同時に採れたニセビロウドの♂。イチョウヒゲに紛らわしくも華奢で小型、雰囲気で直ぐ分かります。

こちらはイチョウヒゲの♀。

標本箱に1頭も入っていなかった本種。今年からマイコレを少しづつ、せっせと貯めます^^

低標高のヤノトラ(2022.6.19)

半日ほど時間が空いた日によく行く自然林の残る低山帯(一応熊本市内^^)。
梅雨空と相談しながら久し振りに訪れてみました。
目的はとりあえずコレを確認するため。

これは直径6~70cm程はあるエノキ巨木の伐採木で、林に隣接したミカン畑の拡張だかのために
切られた模様。春に見つけており、時期にはヤノトラが来ないか期待していました。
此処は標高150mも無いのでもしヤノトラが生息していれば6月に入ると出現するだろうと何度か
見ていたものの見つからず仕舞いでした。
ほど遠くない所に民家もあるし、さすがに標高が足りないかなあとは思っていました。

暑くなった午後2時頃、どれどれと見回していくと1頭のみですが太枝の下面にヤノトラの姿を確認。
少し左に居たクビアカトラも画角に入るように撮ったところそちらに焦点が合い、肝心のヤノトラの
方がボケてしまった・・・

他にはクビアカトラとアシナガオニゾウムシ、シラホシナガタマムシが数頭ずつ居るのみ。
この木が高い山の中にあれば多くの虫達を引き付けてくれたのでしょうが、此処ではこんなものか・・・

ただ、ひょっとしたらヤノトラの発生はこれからで多くの個体数を後日見ることが出来るかもしれません。
あるいはこの1頭で終わるかもしれないし、確認のための細切れの時間が作れるかなあ。
丸一日採集に使える日はやはり高地へ行ってしまうし、ちょっとヤキモキした日々が続きそうです。
とりあえずヤノトラの低地(熊本市内ラベル)における産地追加は叶いました^^

梅雨時、雨の合間に楽しくリンゴ掬い(2022.6.16)

これまた久方振りの「リンゴ」掬いをやってきました。
梅雨時の今、束の間の雨上がりに楽しめる優れたアミューズメントですね。
僅か1時間程の採集でしたがマイコレ+αとしては十分な数を確保出来、暫くは地元リンゴを忘れて
おけそうです^^

タダリンゴとは言っても全国的な地域変異があり、特に九州中部産たる地元のものは九州南部の
サツマリンゴとの関連性が興味深く、個人的には貴重なものと考えています。

本種については当ブログでも春先に材採りの様子を取り上げましたが、調子が悪かったことに併せて
「そうか、今年は6月に地元に居るので成虫を採れば良いんじゃないの?」と思い付いたことから
材採集を直ちに中止した経緯があります。
やはりどんなカミキリも羽脱させたものより野外で採った方が体躯も堅強で標本にし易いし、何より
楽しいです^^

ポイントに着くと、まずサクラの葉を下から見渡します。
すると、思った通りリンゴカミキリ特有の主脈を齧った跡が其処此処に見つかりました。
「おうおう、居る^^」

そしてネットを構え木の下をゆっくり歩きだすと、葉裏に潜んでいたリンゴカミキリが一つ二つ、
「プーン」と飛び立つんですね。それらをホイ、ホイと掬っていくわけです。
リンゴは樹の下の空間をゆっくりホバリングし、また葉裏に留まろうとするのでキャッチングは
全く難しくなく、飛び立つ個体のほぼ全てを掬い採ることが出来ます。

この作業がヒジョーに楽しい^^
僕は蝶屋でもあるので飛んでいる虫をネットで掬い採る採集がとても好きですからね。

とは言え此のポイントは末永く使いたいので全滅させるわけにはいきませんし、それ程の個体数も
必要ありません。ただ、以前にも書いたようにサクラの樹に致命的な食害が及ぶとこれも困るので
それなりには間引く必要もあります。それらの兼ね合いがちょっと難しいところではあります。

捕獲を終了し、生態の実態を眺めてみます。
葉裏に静止して主脈を齧っているだけなので簡単なのですが、極めて敏感なのでなかなか近付いて
写真を撮ることが出来ません。
しかし、何時まで此処で採れるか分からないし、様子を残しておく意味で出来るだけ時間を掛けました。




奇跡の三連チャン^^

これだけ「採って」、そして「撮って」おけば良いかな。
採集も撮影も満足した梅雨の合間の一時でした^^

センノキ立ち枯れに来るカエデノヘリグロハナカミキリ(2022.6.8)

ちょっと前になりますが、九州脊梁山地の原生林内で見つけていたセンノキの立ち枯れを見に行って
来ました。もちろん狙いはカエデノヘリグロハナカミキリです。
本種は九州では結構な珍品で、地元熊本でも確か阿蘇地方他で数個体のみ記録されているだけと
記憶します。九州全域で考えてもかつて黒岳周辺が多少有名だったくらいで今はどうでしょうか。
普段の採集で各種の花を掬っていても、まあ入ることはありません^^

本州の人も少ないと書かれている文面をよく見ますが、僕も東京に四半世紀暮らし本州各地で採集して
いたのでもちろんその感覚は分かります。ただ本種にしても前に紹介したクロサワヘリグロハナにしても
北方系なので間違いなく北寄りの地域の方に個体数は偏ります。
九州での少なさは「次元」が違う事をご理解頂ければと思います。

九州の様に本種が極端に少ない地域において花で採るのは大変ですが、センノキ立枯れに来るのを
狙えば比較的成功します。この習性を学んだのは東京在住の頃でしたが、個体数の多い地域では
(例えば福島県南合津地方等)上手く行けば巨大なセンノキ立ち枯れに数頭の本種が歩き回っている
場面を見ることが出来ます。北の地域ではナシやミズキ等の花にもよく来ますね。

しかし、此処は個体数のヒジョーに少ない九州。
無理かもなあ、と思いながら立ち枯れを見上げること僅か十数分。
弱々しく飛んで来た赤っぽい虫が地上5~6メートルの所に留まりました。
この立ち枯れには大きなガガンボが幾つもまとわり付いていたので見紛いそうでしたが、豆粒のようにしか
見えないものの長い触角を振りながら歩く様子はまさにカエデノヘリグロハナ。

「おお、来てくれたか・・・」
安堵の気持ちで見上げますがテキは遥か頭上。
しかし本種の場合、重力に従い下に歩いて来ることが多く、待っていると大抵地上2~3メートルの位置に
までは降りて来てくれます。が、何かを思い出したようにまた上へ上ってしまうのです。
よってぎりぎりまで待って、反転する瞬間を掬うのがミソ。

その瞬間を捕らえたのが下の写真ですが、地上2.5mの高さなので被写体が非常に小さくなりました・・・
写真の中央、木の穴に半分体を突っ込んでいるのが本種です。

撮影後すぐにデジカメからネットに持ち直し、なんとか御用に。
ふう。写真も撮り、獲物も採る二刀流のドタバタは何時もながら大変だわ。

1頭目は採集を始めて十数分後に飛来したものの次はなかなか来ません(そりゃ九州だもの)。
上を見ながらひたすら飛来を待っていると首が痛くなりますが、我慢して待つこと40分。
ようやく2頭目が来ました(九州で日に2頭目を見れるとは・・・)。
下まで降り切ったところで注意深く網を伸ばしたものの、何と失敗! 逃がしてしまいました(泣)
そして3頭目が来ることは在りませんでした。

今年は半日しか時間を割かなかったので1頭の採集に止まりましたが、巨大な立ち枯れは何年も持つので
(細い木だと数年)追加は暫くの間は可能でしょう^^
そう言えば阿蘇でもセンノキ立ち枯れを見つけていたけど行かなかったなあ。遠征に行かない年にでも
見回ってみますか。
これからゆっくり九州産のマイコレを増やしていこうと思います。

ウツギ類の花でクロサワヘリグロハナ、ピドニア類採集(2022.5.31)

少し前に九州脊梁山地の高標高のマイ・フィールドへウツギ類の花を掬いに行って来ました。
この4年は奄美に住んでいたため、ウツギ類の花を掬ったのは5~6年振りになります。
ウツギ、ガクウツギ、コガクウツギの花には、昔と変わらずクロサワヘリグロハナカミキリや各種の
ピドニア類が居てくれて楽しい一時を過ごして来ました^^

一応規定数(100円プラケース)採ったクロサワヘリグロハナ。場所やその時の条件にも拠りますが
頑張ればもっといけます^^

一般に虫そのもの、なかんずく珍品は九州北部の九重山系や祖母・傾山系の方が阿蘇地方を挟んだ
反対側の九州脊梁山地よりも多いのですが(これが大分県がカミキリ種類数に恵まれている核心)、
クロサワに関しては九州山地の方が採り易い傾向にあります。理由は分かりませんが面白いですね
(ちなみにパキタも九州山地にしか居ない)。

殆ど普通種ばかりのピドニア類(プラス若干のカミキリと雑虫達)。
シコクやヤマト、イシヅチといった少ない種類もちょっとだけ採れました。

僕はカミキリの中でもピドニアにはあまり食指が動かずモロ断捨離の対象なのですが、一応九州産のみ
一通り揃えることとしています。
そして他にディスコイダリス群やシナノ・フイリ・タカネなど本州の高山種の一部、フジ・コトなど
ちょっと好みの十数種が居るのでそれらは断捨離の対象外にしています。
ムシなんてね、単なる感性の趣味ですからテキトーで良いしそれが一番です^^

九州ではウツギ類に来るカミキリ等は極めて限られますが、とりあえずは「旬」のものなので
遠征に出ていない年は1回はやっておこうと思います。

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