カミキリ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

ベニハンノキカミキリその他・・・が遊んでくれた(2023.3.19)

平地で20℃を越す晴天という予報の中、朝6:45頃には阿蘇方面に向けて出発。
今日は日曜日。観光地はメチャ込みするのが分かっているので相当早く家を出ました。
近年は昆虫各種が採り難くなっているので慣れたベニハンノキなら遊んでくれるだろうとの目論見です^^

まずは地元熊本県で7~8年前に数匹採ったムモンベニカミキリの材を探してみようとポイントへ。
3~40分ほどカシワの枝先を見て回るも過去数年の古いものも含めて全く食痕は無し。僕は本種を
採り慣れているので短時間見て回れば状況が把握出来ます。
7~8年前に数匹は居たのだから当ポイントでは絶えていないと思われますがやはり相当厳しいですね。
少なくとも当ポイントは九州一確実なので2~3年に一度は確認のため訪れようと思います。
ちなみに大分県のかつての多産地・・・は個人的には既に絶滅扱いです^^
何も採らないのはシャクなので、樹皮下にヨツボシチビヒラタらしい幼虫の食痕の付いたカシワの枯れ枝を
少し採ってきました。

次いでベニハンノキのマイポイントへ。少し急坂を歩くのでキツイですが、その甲斐あって何時も
ベニハンノキの材が結構採れます^^ 
森林限界のヤシャブシ林。伊豆大島の三原山のポイントにも良く似ておりますなあ。

確認のため1頭だけ割り出したベニハンノキ前蛹。これから約2カ月で蛹化、蛹を経て野外に出てきます。
今年は豊産とは言えないものの必要十分の量は確保出来ました。何時も裏切らないね、此処は^^

何時もの南側からの柔らかな眺望とは異なり、北側から見る阿蘇連山は険しい風情だなあ。
帰りにはジュウニキボシカミキリのポイントに寄ってホストのセンノキ材を少し採りました。
そして今日採った全てのカミキリ材をある場所にまとめて置いて本日のミッション終了。
材を現地に残すのはある理由で暫く面倒が見れないためです。下界に下ろすと相当早く羽脱するのでね。
現地なら通常の発生時期までに回収すれば大丈ブイ^^ 
その理由はいずれ・・・(前に言ったかな?)。

おまけ。
帰路に見た「野焼き」の現場。近年地元では阿蘇の野焼きが相当復活しており、今日も方々の山々から
煙が上がっていました。多くの観光客がスマホやデジカメで撮っていましたよ。

牛舎で厳冬期を過ごした牛達もそろそろ野原に戻って来ます。本格的な虫の発生は未だ先ですが、
今シーズンも阿蘇方面にはお世話になりそうです^^

キンケトラ、クロキモンくらいの日(2022.11.28)

師走を目前に控え、今年もすっかり冬の様相となってきました。
そこで避暑のため山に上げていたクモマツマキチョウの蛹を回収に、と出発。
九州山地方面も紅葉を過ぎて落葉樹は殆ど葉を落としています。

しかし、なんと途中で崖崩れのため通行不可に・・・

これじゃあ回収は来春にせざるを得ないなあ。九州とは言え高標高は積雪で行けなくなるし、ここまで
大袈裟に崩れていると積雪までの復旧は無理でしょう。
頭を切り替えて今日はカミキリの材でも探しましょうかね。ちなみに来春は久し振りに八重山方面へ
遠征する予定なのでゼフの採卵は出来ません。

今日は見つけ易いケヤキ材を探すことにしました。狙い目はアカジマトラカミキリですが、崖沿いにケヤキは
多いものの本種が好む太い枯れ枝はほぼ落ちていません。細い枝は見つかるので適当に拾って幼虫の
食痕のある部分をほじくっていると、成虫越冬中のキンケトラカミキリが出てきました。

うーむ、やはり九州ではアカジマトラは難しいなあ。東京在住時によく行った山梨県にはアカジマトラが多く
材を取り易いポイントが在ったのですが、九州ではそう上手くは行きません。結局アカジマトラらしい大きな
食痕は現れず、出てもキンケトラが幾つかという結果でした。

次いで、クロキモンカミキリを採ったことのあるミズキの大木の所へ行ってみると、頃良い枝が二本ほど
落ちています。薄い樹皮を所々剥がしてみると、樹皮下に小さめの食痕が散見されます。
まず間違いなくクロキモンでしょう。数カ所のミズキの根元に落ちていた枝を集めて材箱に収納したのが下。
久し振りに一杯出れば良いなあ。

次に来るときは何を狙いましょうかね^^

灯火に飛来したキュウシュウヒメオオクワガタ♂(2022.8.22)

夏物の虫はとかく大味になりがちですが、今日はその最たるものの一つとなります。
みんな大好き、キュウシュウヒメオオクワガタの♂です^^

九州山地高所でのナイターで飛来したもので、♀が来ることはこれまでに何度かあったのですが、
♂が来ることはほぼありません。小型個体だけど生きている個体を見たのは久し振りなので
テンションが上がりました。相当久し振りにキュウシュウヒメオオ♂のマイコレが増えました^^

近年本亜種は極めて稀になり、かつて行けば採れた産地でもまず採れなくなっています。
10~15年前であれば、クワガタブームの後盤あたりに毒された者らがブナ倒木をバカスカ掘って
いる場面も見られましたが、今は高齢化と「飽き」(にわかクワガタ屋は直ぐに飽きる^^)で
そういう輩もほぼ居なくなりなりました。同時に虫も居なくなりましたけどね。

他には久し振りに九州では稀なオオクロカミキリ(♂が巨大でビックリ@@)や、高標高では初めての
オオジュウゴホシテントウ(かなり珍)、オオキノコムシ(これも九州では珍)などが採れて楽しい
夏の夜となりました。



これから晩夏~初秋の高所でのナイターは、主にカトカラ等の珍蛾を中心に狙って1~2回はやろうと
思います。
そして、今季の甲虫は秋の糞虫やセダカコブを残すのみとなりました。
そろそろ主なターゲットに蝶(飼育も含む)を本格的に組み込むとしましょうか。

夜間のオオシロカミキリ(2022.8.18)

久し振りに夜間活動中のオオシロカミキリを摘まむ採集をしてきました。
場所は自宅から1時間程度の低山帯です。

夜に行ったので辺りの状況の分かる写真は撮れませんでしたが、山際にホストのムクノキに加え
エノキやアカメガシワ等の伐採木が少し積んである場所です。
オオシロは夜8時を過ぎると何処からか現れ、ムクノキの材に点々と付いています^^

ただ時期的に相当遅いため、数は少ないし本来は純白の綺麗なエリトラがガサ付いた様にキズ付いて
いたり、触角が切れた個体が目に付きました。本来は7月中には採集を完了しておかねばならない
種類ですね。
ちなみに、僕が本種を始めて採ったのは高校生の頃の6月上旬。ジテコンで近所の河原を散策中に
河岸に当時はたくさん在ったムクノキ大木の垂れ下がった下枝先の葉裏にベタッと留まり後食中の
数個体を手掴みしました。山間部の珍種と思っていたので、意外過ぎる初対面に戸惑ったものです。
それらの木も今は無く、開発も進み平地のオオシロは居なくなってしまいましたが・・・

短時間でしたがオオシロを摘まんだのは本当に久し振りだったので愉快でした。
少し山手に行けばポイントはまだ在るので、次は適期に新鮮な個体を存分に採って楽しみたいですね^^

今年も地元産トラフカミキリの生存を確認(2022.8.4)

既に風前の灯火となって久しい九州のトラフカミキリ。
地元の唯一のマイポイントでも数える程のクワの木で、年間僅かな数が見られる程度となっています。
夏に地元に居れば必ず彼の地を訪れていますが、今夏も数頭を採集出来、生存を確認しました^^

僕が此処を知った学生時代は幾つかのクワ畑が残る農村地域だったのですが、現在は既に住宅街に
変貌しています。クワ畑はとうの昔に消滅しており、トラフカミキリは残った僅かな耕作放棄地や空き地等の
脇に逸出した数本のクワで辛うじて世代を繰り返している状態。近隣の町や村にトラフが発生する
環境は無く、放っておいても遅かれ早かれ一帯のトラフは絶滅する運命にあります。

発生源となるクワはもう10本も無く、これらが枯れるか切られるかすれば此処での発生は終了します。
この十数年を見ると枯れるまで放置されるよりは造成のため伐採される公算が大きいです。
そこで5~6年前からは見た個体は全て採集する方式に切り替えました。「無」になるよりは誰かの
標本箱の中で「存在」する方が遥かにマシです。

自宅からポイントまで30分ほど。今夏は地元に居るのであと数回は訪れようと思います。
次シーズンまでには全てのクワが伐採されるかもしれないし、出来るだけ九州産トラフの標本を
残しておきたいと思います。
(本音:でも意外としぶといね^^)

2022夏の遠征から戻りました(2022.7.29)

「鹿児島沖の大きな島+α」の遠征から熊本の自宅へ戻りました。約1カ月弱の長旅でしたが、
あっと言う間でした。備忘的に一応の成果を簡単にまとめておきたいと思います。

「+α」の部分は、行きがけに寄り道した宮崎県日南海岸のオオムラサキカミキリです。
日南での採集は10年程前に此処で大発生したルリウラナミシジミ採集以来で、熊本からは
高速で2時間程なので手頃な場所です。
本種の採集は初めてでしたが、この間にホスト等が知られるようになったのでとても楽チンでした^^

個体数が多いことで有名になった某神社は採集禁止になったと聞いていたので、其処には行かず
周辺で探してみるととても分布は広く、一か所での個体数は少ないもののあちこちで対面出来、
これなら絶えることはなく何時行っても採集出来るな、という感触を持ちました。

幅広のルリカミキリを2倍にしたような感じのフォルムで、ホストが違うだけで敏感度やゆっくり
ホバリングする様子はルリと全く一緒。見つければ取り逃がすことはなく、楽しく採集出来ました^^

マイコレに想定した最低数はとりあえず採れたものの、半日の採集で♀が二つしか混じらなかったので
何時かまた屋久島や種子島辺りに行くついでに寄るとしましょう。網で掬い採るのが面白いしね^^

実はオオムラサキ採集はもう1日やるつもりでしたが、台風4号にせき立てられて慌てて本チャンの
屋久島へ向かうことになり、フェリーの欠航前には間一髪で屋久島へは渡れたものの嵐が過ぎ去る
数日間の採集はおあずけとなりました。

それから暫くは第一の目標のネキダリス決戦に挑みました。見慣れたAポイントの空間は、周りの
木々の成長で益々狭く・・・

以下は数名の常連に混じって頑張った成果です。アキヤマイ(オニホソコバネ屋久島亜種)に
めっぽう強い僕は稼ぎ頭の4頭を採ることが出来ました。
大破の1♂以外の3♂は30ミリを超える粒揃いの完品で大満足です^^

昨年までの4年間、屋久島のネキの発生は極めて低調で、昨年だかに2種併せて5~6頭が採れたのが
最も良かった成果のようです。「ようです」というのは僕がこの3~4年はネキ決戦に殆ど参加しておらず
伝聞によるところが大きいことに拠ります。
今年もヤクネキの不作は続きましたが、アキヤマイは全員で二桁は採れ、振り逃がしたり他に飛んでいる
個体も見ているのでアキヤマイは久し振りの大発生(の一歩手前?)と言える状況でした。

今年はポイントのリョウブの花が満開となったことから他の訪花性昆虫も多く、僕が感じたところでは
この地に通うようになって以来最高の調子の良さだったように思います。
おかげでクロキスジトラ(キスジトラカミキリ屋久島亜種)が比較的多く、前から狙っていたエリトラの
八の字紋が消えた黒化型、及びそれに準じた面白い個体も採れ喜びました。

他にアラカワシロヘリトラやヤクシマミドリといった常連に加え、今年はエパニア属(リョウブモモブト
ヒメコバネ、サツマヒメコバネ)が目に付いたり、クスベニやオオヨツスジハナ(屋久黒化型)、タキグチ
モモブトホソやモウセンハナ、タダミドリと言ったカミキリ達、キボシハナノミやツバキシギゾウムシ、
ムラサキツヤハナムグリなども例年よりは多かったように思います。

一つだけ、大人し目のタトウを例として挙げておきます。結構幅広く色々な虫が採れて楽しめました^^

今年は久し振りに日本最美の昼蛾:サツマニシキ(屋久島亜種)が多く、日に数頭はリョウブの花に
飛来しました。お馴染みのブクブクの泡は、今回の「虫バブル」の象徴か^^


今回は久し振りに汗だくになりながら頑張ってビーティングをしましたが、狙いのカスリドウボソは
やっと2頭のみ。相変わらず超絶に採り難い・・・

個人的には北限の屋久島産は変わっていると思っており、新図鑑用に作成者さんに2個体をお渡し
したものの既存亜種の範疇にされた模様。まあ僕にとって図鑑というのは在って無いようなもので、
自分勝手に楽しむので良いんですけどね^^

生息ポイントは変わりますが、例年の如く少ないながらトカラケシも採れました。この場所では他所では
少ないヒメアヤモンチビもまあまあ採れます。

キュウシュウハネナシサビやウスキアラゲもなんとか生き残りが居る時期ですが、採っても不完品や
スレ個体なのでこれらは早期出現種らと共にまた別の機会に取り組む予定です。
しかし屋久島で僕の様にビーティングしたりスウィーピングしたりする人が居なくなったので、こうした
細々としたものは益々貴重になってくるんでしょうねえ。

7月の月齢は最悪で、一番虫が多い中旬頃は満月となりナイターを行うチャンスも少なかったのですが、
ヤクシマトゲウスバは大きな♂が採れ、これでマイコレもほぼ完成となりました^^

ネキ等が終わり皆が離島した後はマイブームの高山種を探すためにベース地を移動しました。
しかし今年の高山種の調子は悪く、ヤクチャイロヒゲビロウドやヤクシマヨツスジハナは殆ど発生して
いませんでした。高山性のゴミダマやゾウムシ、ゴミムシ等もあまり良くありませんでしたね。
ちなみに例年は高山で特に多い「ヒル」もあまり居なかったので、幾つか体にくっついただけで
噛まれる惨事には至りませんでした^^

ただヤクマルバネコブヒゲだけは数日の夜間の見回りで予定数を採ることが出来、♂♀共にマイコレの
最終形を作ることが出来ました。本種は♀がとても少なく過年はホゾを噛んでいましたが、これで
溜飲を下げることが出来ました。ヤクチャイロヒゲビロウド等もこれまでにそれなりに採っているので、
高山種は今年で終わりにするかもしれません(別途予定のヤクコブを除く)。

あと数日は屋久島でのんびりしようと思っていましたが、今度は台風5号の接近で慌ただしく島を脱出。
フェリーは往路・復路共に台風による条件付き出航(沖合の荒波次第では出航地に戻るかもしれない)に
飛び乗るという荒業をこなしましたがもう慣れたものです^^

こうして2022年度の屋久島遠征は終わりました。来年の夏は新たなことを始めるので屋久島には
行きませんが、さて、リョウブの花の咲かない(咲いた翌年は咲かない)来年はどうなるのか。
そして知る人ぞ知る、終焉が迫るネキポイントの運命は?(今年は遂に直ぐ近くまで〇〇が迫っていた) 
来シーズンもネキポイントは存在するのか?

再来年の屋久島が色んな意味で楽しみです^^

10年振りのソボセダカコブヤハズ(クロコブ)探索(2022.7.3)

※本記事は遠征前の予約投稿です。

梅雨に入る頃、九州山地の高標高のマイポイントでソボセダカコブヤハズ(九州南部亜種)の探索を
行ってきました。本亜種は他のセダカコブ群が茶色系であるのに対し、唯一の黒色系の亜種で
熊本~鹿児島のみに産し高い人気があります。僕はクロコブと愛着を持って称しています^^
前回投稿のフクチコブ(セダカコブ九州北部亜種)と同様に10年振りの越冬明けコブ探しとなります。
フクチコブは昼間に倒木を見るだけのジャブ採集でしたが、今回は夜間採集を含めた本格的な探索です。

これまでに採ったクロコブは安易に放出してしまっていたので、今年からはそれなりにマイコレを貯める
つもりで取り組もうと思います。
というわけで何時ものポイントへ向かったのですが、昼間にロケハンを行ってみると良い倒木が見当たら
ないので10年前とは別の谷へ場所を変えます。するとまあまあの倒木が数本あったので今回はこっちで
やってみることに。

腰を屈めて倒木の下面を注意深く見ていると「ポトッ」と何かが頭上から落ち枯葉の上に転がりました。
瞬間的に「コブだ!」と確信したので落ちた一点に集中し目を凝らすと・・・
やはりクロコブ。中型の♀でした^^

居ることが分かったので更に注意深く探していきます。すると、絨毯のように苔が密集した部分に潜む
クロコブ♀を発見。
何処に居るか分かりますか?

では、拡大してみましょう。


この木は2♀で終了したので別の良さそうな立ち枯れの暗い部分を見ていると、小さな♂が付いています。
「なんだ、ドンチビか。しかも片方の触角が折れてるし・・・」と安易に手を伸ばしたところ、それに気付いた
ヤツはちょっと跳ねるように落ちてしまいました。まあエエわい。不完のドンチビだったし。

昼間に疲れ過ぎると本チャンの夜間採集が辛くなります。とりあえず居ることが確認出来たので谷から
上がり、花を掬ったり、マイ・ハルニレ、オヒョウを掬ったり、スウィーピング採集をしたりして時の経過を
待ちます。

そして夜。林内でベースキャンプとなるナイター開始です。
10年前は相当谷の奥にまでナイター道具を持ち込んで設営しましたが、さすがにもうそんな体力は
無いので今回は少しだけ林内に入った所に設営、そして点灯しました。
其処から少し離れて撮影した様子。何かホラー映画にでも出て来そうな雰囲気を醸し出していますね^^

闇夜、オバQが怖い人にはこのテの採集は無理です。照らした立ち枯れがヒトに見えます^^
更に言えば方向感覚が鈍い人、斜面を登り降りするので足腰が弱い人、体力の無い人も無理でしょうね。
遭難や滑落等の大事故に繋がりかねません。
ナイターの光は言わば命綱ですが、不慮的に発電機が止まる可能性もあるし、光源から遠く離れて
しまうと強い光でも木々や斜面等に遮られてさすがに見えなくなります。よって要所に幾つかの
カンテラを灯しました。

(参考)
10年前のクロコブ探索の様子。カンテラも命綱に。

10年前と同じように35~40度程度はある斜面を行ったり来たり、登ったり下りたりして倒木や
立ち枯れをライトで照らしていきます。
すると、昼間には物陰に隠れて見つからなかったクロコブが活動している場面をポツポツ見ることが
出来ました。




一組しか見つけられなかった交尾の場面。心底嬉しかったですねえ。こんな場面を直に見れる人なんて
そうそうは居ませんから。♂♀共にそこそこ大きいのもヨシでした^^


数時間は頑張れたのですが、さすがに還暦前ともなると10年前のようにははつらつと動けず、足腰が
痛くなるのも早いし気力が失せるのも早い・・・というわけで午後11時頃には採集を終了しました。
10年前はあと少しは頑張れたんだけどね。
でも、クロコブはその時とほぼ同じ位の数を見ることが出来たので大満足でした^^

渓谷のフクチセダカコブヤハズカミキリ(2022.6.30)

少し前に阿蘇地方北部の渓谷に住むセダカコブヤハズを探しに行って来ました。
当ブログのアーカイブを調べると越冬明けコブの採集はちょうど10年振り。ええ~この時期の
コブ採集はもう10年はやっていないのかあ、と驚いてしまいました。
確かにね、この10年は八重山・沖縄方面へ長期遠征に出たり、奄美に住み込んだりでしたからね。

九州中~西部で考えた場合、セダカコブヤハズカミキリは大まかに阿蘇高原の北のフクチセダカコブ
(茶色系)と南のソボセダカコブ(黒系)の2亜種に分かれます。
よって今回の初夏コブ探しはフクチセダカコブということになります。

梅雨時なので空模様と相談するのが大変ですが、採集日は1~2日は好天が続く日に設定します。
倒木や立ち枯れに「くっついている」コブは他の虫を探すよりは林内が濡れていても比較的問題は
小さいのですが、林内がビッショリ濡れていると斜面の上り下りやヤブ漕ぎが各段にやり難くなります。
そして樹皮が水分でジュクジュクだとコブヤハズの形状が浮かび上がり難くなるし、コブ自体が雨を
避けて隙間の奥深くへ隠れてしまうためより見つけ難くなるのです。
よって採集は樹肌がある程度乾いた晴れ間に行う方がベター。

渓谷は暗い上に斜面が急峻で上り下りがとても大変です(汗)。

頃合いの良い立ち枯れや倒木を探して林内を徘徊しますが、9割以上は古過ぎてなかなか良い物には
巡り合いません。在ったとしても不安定な体制で長時間眺めてもコブが居ないことの方が多く、早々と
採集を止めたくなることもしばしば^^
そうこうしているうちに良さそうな倒木が遠目に入り斜面を下って行きます。

ここまで下ると山道に戻るのがしんどいですが、苦労の甲斐あってどうやら本日最高の木のよう。
これなら間違いなく居るでしょう。周りに障害物もほぼ無いし、見易いことこの上無し^^
端からじっくりと見回していきます。が、こんな良い木からも何故か見つかりません。
コブ探しは特に運に左右される採集ですが、どうも今日はそれに見放された日のようです。

諦めかけた時、苔の狭間に隠れたペアをようやく探し出せました^^

やっと採れたか。来た甲斐はありましたな。

この後は別の木で♂を採ったのですが写真を撮る前に足早に動き出してしまい掴むのに精一杯でした。
越冬掛けコブの採集は良い材に巡り合えるかどうかに係るので「運」に左右されます。
今回はちょっと不運だったかな。この場所は秋のコブ叩きで挽回しましょう。

イチョウヒゲビロウドカミキリ(2022.6.27)

リンゴカミキリと同様に材採集を行わず成虫で狙うと決めていたイチョウヒゲビロウドカミキリを
採ってきました。季節は進み、いよいよ夏物が出て来始めましたね。
「此処だ!」と思った場所に掛けたトラップに入ってくれるのは気分が良いですねえ^^

触角の長い♂

同時に採れたニセビロウドの♂。イチョウヒゲに紛らわしくも華奢で小型、雰囲気で直ぐ分かります。

こちらはイチョウヒゲの♀。

標本箱に1頭も入っていなかった本種。今年からマイコレを少しづつ、せっせと貯めます^^

低標高のヤノトラ(2022.6.19)

半日ほど時間が空いた日によく行く自然林の残る低山帯(一応熊本市内^^)。
梅雨空と相談しながら久し振りに訪れてみました。
目的はとりあえずコレを確認するため。

これは直径6~70cm程はあるエノキ巨木の伐採木で、林に隣接したミカン畑の拡張だかのために
切られた模様。春に見つけており、時期にはヤノトラが来ないか期待していました。
此処は標高150mも無いのでもしヤノトラが生息していれば6月に入ると出現するだろうと何度か
見ていたものの見つからず仕舞いでした。
ほど遠くない所に民家もあるし、さすがに標高が足りないかなあとは思っていました。

暑くなった午後2時頃、どれどれと見回していくと1頭のみですが太枝の下面にヤノトラの姿を確認。
少し左に居たクビアカトラも画角に入るように撮ったところそちらに焦点が合い、肝心のヤノトラの
方がボケてしまった・・・

他にはクビアカトラとアシナガオニゾウムシ、シラホシナガタマムシが数頭ずつ居るのみ。
この木が高い山の中にあれば多くの虫達を引き付けてくれたのでしょうが、此処ではこんなものか・・・

ただ、ひょっとしたらヤノトラの発生はこれからで多くの個体数を後日見ることが出来るかもしれません。
あるいはこの1頭で終わるかもしれないし、確認のための細切れの時間が作れるかなあ。
丸一日採集に使える日はやはり高地へ行ってしまうし、ちょっとヤキモキした日々が続きそうです。
とりあえずヤノトラの低地(熊本市内ラベル)における産地追加は叶いました^^

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