「鹿児島沖の大きな島+α」の遠征から熊本の自宅へ戻りました。約1カ月弱の長旅でしたが、
あっと言う間でした。備忘的に一応の成果を簡単にまとめておきたいと思います。
「+α」の部分は、行きがけに寄り道した宮崎県日南海岸のオオムラサキカミキリです。
日南での採集は10年程前に此処で大発生したルリウラナミシジミ採集以来で、熊本からは
高速で2時間程なので手頃な場所です。
本種の採集は初めてでしたが、この間にホスト等が知られるようになったのでとても楽チンでした^^
個体数が多いことで有名になった某神社は採集禁止になったと聞いていたので、其処には行かず
周辺で探してみるととても分布は広く、一か所での個体数は少ないもののあちこちで対面出来、
これなら絶えることはなく何時行っても採集出来るな、という感触を持ちました。
幅広のルリカミキリを2倍にしたような感じのフォルムで、ホストが違うだけで敏感度やゆっくり
ホバリングする様子はルリと全く一緒。見つければ取り逃がすことはなく、楽しく採集出来ました^^
マイコレに想定した最低数はとりあえず採れたものの、半日の採集で♀が二つしか混じらなかったので
何時かまた屋久島や種子島辺りに行くついでに寄るとしましょう。網で掬い採るのが面白いしね^^
実はオオムラサキ採集はもう1日やるつもりでしたが、台風4号にせき立てられて慌てて本チャンの
屋久島へ向かうことになり、フェリーの欠航前には間一髪で屋久島へは渡れたものの嵐が過ぎ去る
数日間の採集はおあずけとなりました。
それから暫くは第一の目標のネキダリス決戦に挑みました。見慣れたAポイントの空間は、周りの
木々の成長で益々狭く・・・
以下は数名の常連に混じって頑張った成果です。アキヤマイ(オニホソコバネ屋久島亜種)に
めっぽう強い僕は稼ぎ頭の4頭を採ることが出来ました。
大破の1♂以外の3♂は30ミリを超える粒揃いの完品で大満足です^^
昨年までの4年間、屋久島のネキの発生は極めて低調で、昨年だかに2種併せて5~6頭が採れたのが
最も良かった成果のようです。「ようです」というのは僕がこの3~4年はネキ決戦に殆ど参加しておらず
伝聞によるところが大きいことに拠ります。
今年もヤクネキの不作は続きましたが、アキヤマイは全員で二桁は採れ、振り逃がしたり他に飛んでいる
個体も見ているのでアキヤマイは久し振りの大発生(の一歩手前?)と言える状況でした。
今年はポイントのリョウブの花が満開となったことから他の訪花性昆虫も多く、僕が感じたところでは
この地に通うようになって以来最高の調子の良さだったように思います。
おかげでクロキスジトラ(キスジトラカミキリ屋久島亜種)が比較的多く、前から狙っていたエリトラの
八の字紋が消えた黒化型、及びそれに準じた面白い個体も採れ喜びました。
他にアラカワシロヘリトラやヤクシマミドリといった常連に加え、今年はエパニア属(リョウブモモブト
ヒメコバネ、サツマヒメコバネ)が目に付いたり、クスベニやオオヨツスジハナ(屋久黒化型)、タキグチ
モモブトホソやモウセンハナ、タダミドリと言ったカミキリ達、キボシハナノミやツバキシギゾウムシ、
ムラサキツヤハナムグリなども例年よりは多かったように思います。
一つだけ、大人し目のタトウを例として挙げておきます。結構幅広く色々な虫が採れて楽しめました^^
今年は久し振りに日本最美の昼蛾:サツマニシキ(屋久島亜種)が多く、日に数頭はリョウブの花に
飛来しました。お馴染みのブクブクの泡は、今回の「虫バブル」の象徴か^^
今回は久し振りに汗だくになりながら頑張ってビーティングをしましたが、狙いのカスリドウボソは
やっと2頭のみ。相変わらず超絶に採り難い・・・
個人的には北限の屋久島産は変わっていると思っており、新図鑑用に作成者さんに2個体をお渡し
したものの既存亜種の範疇にされた模様。まあ僕にとって図鑑というのは在って無いようなもので、
自分勝手に楽しむので良いんですけどね^^
生息ポイントは変わりますが、例年の如く少ないながらトカラケシも採れました。この場所では他所では
少ないヒメアヤモンチビもまあまあ採れます。
キュウシュウハネナシサビやウスキアラゲもなんとか生き残りが居る時期ですが、採っても不完品や
スレ個体なのでこれらは早期出現種らと共にまた別の機会に取り組む予定です。
しかし屋久島で僕の様にビーティングしたりスウィーピングしたりする人が居なくなったので、こうした
細々としたものは益々貴重になってくるんでしょうねえ。
7月の月齢は最悪で、一番虫が多い中旬頃は満月となりナイターを行うチャンスも少なかったのですが、
ヤクシマトゲウスバは大きな♂が採れ、これでマイコレもほぼ完成となりました^^
ネキ等が終わり皆が離島した後はマイブームの高山種を探すためにベース地を移動しました。
しかし今年の高山種の調子は悪く、ヤクチャイロヒゲビロウドやヤクシマヨツスジハナは殆ど発生して
いませんでした。高山性のゴミダマやゾウムシ、ゴミムシ等もあまり良くありませんでしたね。
ちなみに例年は高山で特に多い「ヒル」もあまり居なかったので、幾つか体にくっついただけで
噛まれる惨事には至りませんでした^^
ただヤクマルバネコブヒゲだけは数日の夜間の見回りで予定数を採ることが出来、♂♀共にマイコレの
最終形を作ることが出来ました。本種は♀がとても少なく過年はホゾを噛んでいましたが、これで
溜飲を下げることが出来ました。ヤクチャイロヒゲビロウド等もこれまでにそれなりに採っているので、
高山種は今年で終わりにするかもしれません(別途予定のヤクコブを除く)。
あと数日は屋久島でのんびりしようと思っていましたが、今度は台風5号の接近で慌ただしく島を脱出。
フェリーは往路・復路共に台風による条件付き出航(沖合の荒波次第では出航地に戻るかもしれない)に
飛び乗るという荒業をこなしましたがもう慣れたものです^^
こうして2022年度の屋久島遠征は終わりました。来年の夏は新たなことを始めるので屋久島には
行きませんが、さて、リョウブの花の咲かない(咲いた翌年は咲かない)来年はどうなるのか。
そして知る人ぞ知る、終焉が迫るネキポイントの運命は?(今年は遂に直ぐ近くまで〇〇が迫っていた)
来シーズンもネキポイントは存在するのか?
再来年の屋久島が色んな意味で楽しみです^^
カテゴリ : カミキリ