カミキリ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

5月の虫採り、暫くブログ更新お休みのお知らせ(2023.5.23)

今月上旬に八重山から地元に戻って以降、あまり意味のない採集へ出る回数を減らすことに成功
しつつあります。特に地元の場合、しょっちゅう同じ場所へ行き同じものを狙っても面白くない
ですからね。

5月は低山原生林での採集、九州山地でのウツギ花掬い、ハラグロオオテントウの観察や、迷蝶の
ホソオチョウを見つけたり、初めての甑島(下甑島のみ)で時期の虫を採ったりしました。








遂に本日から九州北部(地元を含む)は梅雨に入りました。台風2号の影響も加わりとりあえず雨天が
6月上旬まで続くようです。
なお、やんごとなき事由により6月から暫くブログ更新をお休みします。
再開までごきげんよう。それぞれの虫採りを楽しんでください^^

ヨナグニシロスジドウボソ、ノブオフトなど(2023.5.3)

現在滞在しているのは今春八重山ツアーの最終目的地の与那国島。
長旅には付き物の天候不良ですが、 最後の与那国ではほぼ全体を通じて雨や強風に祟られ、
宿にてゴロゴロ・タイムを満喫しています^^ 
今回のぼちぼち・のんびりツアーを象徴付けてくれていますねえ。でも体がナマらない程度には
出撃することは出来ました。

今回なんとしても採りたかったのがヨナグニシロスジドウボソカミキリです。
以前の八重山遠征では単発で幾つか採っていたものの、手違いで全て手放していたので少なくとも
数ペアは欲しいと渇望していました。

ところが与那国の本種は難物です。実は石垣でも西表でも採るのは難しいのですが、それに輪を
掛けて採れません。最果ての島ということも相まってドウボソ類でも最難関の一つと言えましょう。
これまで単発でしか採っていなかったのに一度に複数採れるものか・・・

しかし! 今回は採ってしまいました。
運良く良好な(ピン)ポイントが見つかり、3ペアほど採ることが出来て一気に片付きました^^

これが与那国島の「真正」ヨナグニシロスジドウボソ。黄色っぽさが目立ち、他の島のものと比べて
特異です。
上が♂、下が巨大な(嬉しい^^)♀で、いずれもスレのほぼ無い美個体です。


石垣や西表をすっ飛ばし何故か沖縄周辺のものと一括りにされていますが、明らかに別物と思います。
それに実は沖縄周辺の群は比較的多くて採り易いです。
一方与那国島産は幾ら叩いてもなかなか落ちないので消耗し、何時の間にか忘れることが多かった
のですが、間違いなく今回ツアーでの大きな成果の一つとなりました。

そして、今回は特に狙わなかったのが2種のフトカミキリ。ノブオフトはイシガキフトと同様に幼虫が
シイの生~半生の部分を食害するため結構得難い種類で、丁度成虫の時期です。一応探して採って
みましたがやはり野外活動中のものは既にエリトラにキズが付いておりコレクション欲が湧きません。

現在は未だ発生期に入っていないウスイロフトもかつて野外で幾つか採っていますが、本来の美しい
エリトラの薄緑色が汚れてガサ付き、とても標本箱に入れたくなるものではありませんでした。
2種共かつての長期遠征時における材羽脱品を所持していますが、もう少しマイコレを増やしたいので
次回の材採集で片付けたいと思います。

与那国のカミキリで前から不思議だったものの一つがとても巨大なアトモンチビが居る、というもの。
僕は九州~沖縄の各地でアトモンチビ群を採ってきましたが、こんな巨大個体群が居る場所を他に
知りません。最新カミキリ図鑑の図版でも大きさを確認できますが、小指と比較してみて下さい。


勿論小型の個体も普通に居ます^^。
新図鑑によると与那国にはタダアトモンチビとヤンバルアトモンチビが同所に混生するとのことですが、
この巨大な奴がヤンバルの方でしょうか。あるいは与那国では双方が巨大化することがあるのか実に
興味深いところです。波照間のタダアトモンチビ新亜種は少なく嫌になりますが、与那国のこれらは
やるほどに成果があるので(ただ2種の比率は個人的に未だ把握していない)楽しいですね^^
これらの同定はこれからなので楽しみです。

なお、今回の与那国には特産のヨナグニアカアシカタゾウムシがこれまでで最も多産しています。
その気になれば幾らでも採集出来ますが時期的にほぼスレ個体ばかりでとても残念。
本来ならお土産に良いのにね。

さて、早春から一カ月以上を八重山で過ごしましたが、いよいよ明日この地を発ちます。
6年振りの八重山、特に頑張らない八重山はとても面白かった^^
地元に戻った後も、今回の八重山の成果で必要なものは公表していこうと思います。

やはり八重山は楽しい!!
これをきっかけにたまにはこちらにも足を運ぼうと思います。

与那国島、ミスカン三昧とまではいかないが(2023.4.30)

今春のぼちぼち八重山ツアー、現在は最後の目的地の与那国島に居ます。
かつてのように何でもかんでも一杯採りまくるという採集活動ではなく、マイコレに足りない種類を
必要なだけ採る、採れなきゃまた次で良いよ、というコンセプトのとてもラクチンなツアー。
あと少しで終了します。

与那国でこの時期どうしても一定数を採りたかったのがミスカンことシブラ・ミスカンティボーラ、
ススキハネナシチビです。実質的に与那国でしか採れず、ススキがホストのあまり多くない種類で
僕はとりわけ好んでいます。

そのミスカン、通算では誰よりも採ってきているハズなのに確認すると何と1ペアしかありません。
調子に乗ってポンポン放出していたのでいつの間にかマイコレ分もなくなっていました。
今回の与那国では何としても自分の規定数を確保するべく臨みました。

与那国にススキは潤沢にあるものの、前段のように本種はそう多くはありません。ススキの状態により
採り易い一画は変動するのでなんとしても其処を付きとめる必要があります。
そこはホレ、「ミスカンに強い男」の面目躍如、広範囲の探索の結果、なんとかそこそこ採れる一画を
探し出せました。

ススキは叩き難い上にミスカンは夜行性なので暑い昼間に叩いてもまず成果は上がりません。
よって夜間にヘッドランプを装着しての採集を行うことが大事です。
本種はとてもスレ易いカミキリですがこの時期だと新成虫の比率が高いので採集意欲も増します^^
まあ、多くはないですが。
また同じくススキをホストとするヨナグニウスアヤおよびオオシマドウボソも同時に採れて効率が
良いです。

今回のツアー、石垣や波照間ではススキは全くと言って良いほど叩きませんでしたが、与那国での
ススキ・ビーティングは日課となっています。
ミスカン三昧(ちょっと言い過ぎ^^)を楽しんでいます。

波照間島に来ています(2023.4.26)

石垣島を離れ現在は波照間島に来ています。波照間に来るのももう6~7年振りになります。
成果が大きく上がる島ではないですが、独特なのんびりした風情があって好きな島です。

平坦な島なので分布する昆虫の種類はそう多くはありません。ただ日本最南端(有人島としては)
なので特化している種類も多く、普通種でも石垣・西表と比べると「何か違うな・・・」と思わせる
ものによく出会います。
カミキリで言えばシブラ属・ロピカ属のような最普通種にもそれが言え、石垣・西表ではもう摘まむ
ことのないこれらも一通りは回収したくなります。

昔から「何か変だな」と思っていた中にアトモンチビカミキリがありますが、最新のカミキリ図鑑で
僕の名が付く新亜種となりました。よって波照間産カミキリの特産亜種は3種に増えました^^
ハテルマアトモンチビの♀を2パターン挙げておきます。


稀ですがネットの上でダイブ体勢を取ることがあるのもこの仲間の特徴。本亜種でもこれが見れて
ラッキーです。繰り返しになりますがこの体制はなかなか見れないんですよ。

そしてアトモンチビのくせに意外と数が少なく、居ない所には全く居ないし居る所でもポンポン
落ちるものではありません。

かつてこの島に通うようになったきっかけの一つ、イマサカドウボソも健在でしたが、今年は発生が
悪いのか、時期が早いのか、あるいは数そのものが減ったのか殆ど得られませんでした。


もう一つのドウボソ、ハテルマタテスジドウボソは白化の進んだ亜種となります。白帯がより白化
すると言うよりは地色が薄くなるため全体的に白っぽく見えるようですね。

石垣でも感じましたが波照間でもススキの量が減る傾向にあるようです。ススキ食い昆虫の発生に何か
影響がないか注意の必要がありそうです。

三つ目の亜種、ハテルマイシガキゴマフ。波照間では農地回りの間伐はよく行われるものの、これには
殆ど見られません。雑多なビーティングで数を稼がなくてはならず、結構厄介な普通種です^^
この傾向は石垣でも与那国でも同じなのでカミキリ屋さんならこの感覚をお分かり頂けると思います。
僕は大のゴマフ狂いで、本種のマイコレ追加が今回の目的の一つだったのでビーティングにせっせと
勤しみました。恐らく今回の八重山採集で最も熱心にビーティングしています^^

冒頭のように亜種ではないですがこの島のものはそれなりに特化していると感じるものが多いので
参考までに幾つか写真を挙げておきます。

アヤモンチビ

タイワンチビ

ハヤシサビ

ワモンサビ(擬死装い中^^)

海岸線にハマボウが多いものの何時も少ししか採れないヒメスジシロ。

僕はクルセイダーバグと称しているカメムシの美麗種。ハマボウの実に付き今回の波照間ではそこそこ
見られました。石垣等でも採っていますが単発が多かったのでまとめて確保でき喜んでいます。

さて、明日は最後の島に向けて波照間を発ちます。

白帯型のイシガキフトカミキリ(2023.4.23)

この時期なら狙わなければならないのがイシガキフトカミキリ。
春物と初夏物の狭間に発生し始め、活動期間はそこそこ長くオモト岳上部では6月頃まで見られます。
ただ採集期は長いとは言え、フトカミキリ類はエリトラがガサ付き易いのでやはり発生初期に採るに
限ります。

イシガキフトは幼虫がシイの生~半生の部分を食害するのに加え、少ない種類なので材採集でも
成虫採集でも結構難しい種類です。
僕はフトカミキリ類の採集に慣れているので今回も幾つか材から新成虫を得ました。


本種の場合、♀のエリトラに白い帯状の斑紋が出る個体が居り素晴らしいものです。
今回そういった特徴を持つ3♀を得ることが出来ました^^

以前の経験で、酢酸エチルで〆るとこの白帯が消え掛かる傾向があったので今回は冷凍〆してみました。
標本作成後が楽しみです^^

アオヒメコバネカミキリのイスノキ材を採る(2023.4.19)

「たまに採集」の日、林内でゴソゴソとアオヒメコバネカミキリ(リョウブモモブトヒメコバネ八重山亜種)
のイスノキ加害材を探してみました。
種類として探すのは結構キツイのですが、とりあえず得ることが出来ました^^
太腿位の立ち枯れの樹皮下に現れたエパニア属独特の食痕が見出せます。

本種の食痕は古いもの(成虫脱出後)は割合見るのですが、今シーズン(しかも材採取後直ぐ)に
成虫が羽脱する頃合いの良い材を見つけるのは至難の技です。
本種は丁度羽脱期を迎えている最中なのでタイミングがバッチシ合った材を見つけられれば極めて
効率的に成虫を得ることが出来ます。
野外で成虫を得るのはこれまた難しい種類ですしね。

樹皮下をウネウネと食害した老熟幼虫は材部へ入り、蛹室を作ります。これは材部への食入口を
木屑で塞いでいる状態。この詰め物が無いものは成虫脱出後の古い材か、アリなどの天敵に食害
された後ということです。
詰め物の辺りを削ると蛹室が現れ、色付いた蛹が顔を出しました。


蛹室から取り出して平坦な所に置くとまず羽化が上手くいかないのがこの亜科の特徴で、しっかり
羽化不全体となりました。
腕は鈍っていないけど、運は鈍ってるな^^

しかし、本材を民宿の部屋で管理していたところ、窓にペッタリと張り付くカミキリの姿を発見。
捕らえると間違いなくアオヒメコバネでした。昔も一度この方法で本種を数頭得たことがあり、
もう少しマイコレが欲しかったので今回また上手く得ることが出来て喜んでいます。
現在までに3頭が羽脱しているのであと幾つ追加出来るか楽しみです。


別個体の大型♂。文字通り青いよなあ^^

石垣島でプカプカ浮いています^^(2023.4.6)

与那国島を経て、現在は石垣島に来ています。
採集はあまりしないつもりでしたが石垣では三日連続で採集に出てしまいました。さりとて
念を入れて虫を採っているわけでもありません。「沈没」し損ねてプカプカ浮きながら虫を
探しているという感じです。
日焼けに併せて老け^^による疲労が酷く、明日は雨天ということもあり暫くオフ感覚で
のんびりします。

ちなみに今春の石垣島の虫の発生はすこぶる悪く、オオヒゲブトハナムグリなどは3月に少し
発生したくらいで僕が石垣に入った3日前には既にコアオハナムグリが数頭飛んでいる位でした。
雑虫もほぼ飛んでいません。石垣に来て採った虫は4~5匹かな。
この時期の虫はかつて一杯採っているので真剣味も無いですしね。

インバウンドも含めて石垣島の観光客数は凄く、コロナ前の来客数を優に上回り僕が長期遠征
していた6~十数年前より間違いなく増えています。山の中で採集していても普通の観光客が
やたら来ます^^ 日本の観光需要はホンマモンです。

僕も今回はちゃんと観光しなきゃな。浮いていないでちゃんと沈没します。

竹依存性の虫達にも遊んでもらう^^(2023.3.25)

もはや僕の専売特許のようになってしまっている^^、(枯)竹を食う虫達の今を見てきました。
タケ食いの虫達の幾つかは冬の時期に独特の生態を見せるので、やる事の少ないこの時期に格好の
ターゲットになってくれます。

ここは熊本市の西部から連なる低山帯。
自宅から30分以内で行ける手頃なポイントなので昔からよく通っています。

メダケの竹林。枯れた竹を一つひとつ物色します。

すると・・・
まず出て来るのは成虫で越冬中のニホンホホビロコメツキモドキ。
スマートで符節の広がりが小さいのは♂です。

こちらはやや体形が幅広く符節が大きく広がる♀。左頬が張り出すというなんとも不格好な頭部を
持つ唯一無二の存在。不動の人気を持ちます^^

♀はタケの一節に一卵ずつ産卵するので、全てが上手く育つと竹を割り割いた際に節毎に1頭ずつの
本種が現れ壮観です^^
ちなみにこれは本種が脱出のため予め作っている「仮脱出口」。皮一枚で樹皮スレスレまで齧っており、
脱出間際に最後の一齧りで穴を貫通させるものと思われます。

この時期の枯竹に付きもののハイイロヤハズカミキリ。自然状態で採ると意外なほどに少ないですが、
中にはびっくりするほど小型の個体が居ます。普通は竹の本軸部分で育ちますが、小枝部分で成虫まで
育ってしまうと極小個体となります。小指の大きさと比較してみてね^^

ちなみに此処にはウスアヤカミキリ原亜種も居ますが、ハイイロヤハズよりさらに少なく南西諸島のような
個体数の多いタイプの虫ではなくなることに注意すべきでしょう。今回成虫は全く現れず、小さな幼虫が
やっと1頭確認出来たに留まりました(写真撮らず)。

そして本来の目的の一つ、ササセマルヒゲナガゾウがやっと1頭(♀)現れました。竹に付くヒゲナガゾウ
として著名ですが、決して多い虫ではありません。

本個体が入っていた蛹室。竹の節付近を食害し木屑を一杯に詰め、その中に蛹室を作りその中で成虫越冬します。

今回主目的の某ヒゲナガゾウムシも確認出来ましたが、これは現在研究者と共に詳しく調査している段階
なのでいずれ公表したいと思っています。今回決定的な画像を撮れましたが今は控えておきましょう。
低山帯原生林のポイント、シーズンの竹林には上記に加えタケトゲハムシやホウアカオサゾウムシ等も
現れます。今シーズンもゴチになります^^

ベニハンノキカミキリその他・・・が遊んでくれた(2023.3.19)

平地で20℃を越す晴天という予報の中、朝6:45頃には阿蘇方面に向けて出発。
今日は日曜日。観光地はメチャ込みするのが分かっているので相当早く家を出ました。
近年は昆虫各種が採り難くなっているので慣れたベニハンノキなら遊んでくれるだろうとの目論見です^^

まずは地元熊本県で7~8年前に数匹採ったムモンベニカミキリの材を探してみようとポイントへ。
3~40分ほどカシワの枝先を見て回るも過去数年の古いものも含めて全く食痕は無し。僕は本種を
採り慣れているので短時間見て回れば状況が把握出来ます。
7~8年前に数匹は居たのだから当ポイントでは絶えていないと思われますがやはり相当厳しいですね。
少なくとも当ポイントは九州一確実なので2~3年に一度は確認のため訪れようと思います。
ちなみに大分県のかつての多産地・・・は個人的には既に絶滅扱いです^^
何も採らないのはシャクなので、樹皮下にヨツボシチビヒラタらしい幼虫の食痕の付いたカシワの枯れ枝を
少し採ってきました。

次いでベニハンノキのマイポイントへ。少し急坂を歩くのでキツイですが、その甲斐あって何時も
ベニハンノキの材が結構採れます^^ 
森林限界のヤシャブシ林。伊豆大島の三原山のポイントにも良く似ておりますなあ。

確認のため1頭だけ割り出したベニハンノキ前蛹。これから約2カ月で蛹化、蛹を経て野外に出てきます。
今年は豊産とは言えないものの必要十分の量は確保出来ました。何時も裏切らないね、此処は^^

何時もの南側からの柔らかな眺望とは異なり、北側から見る阿蘇連山は険しい風情だなあ。
帰りにはジュウニキボシカミキリのポイントに寄ってホストのセンノキ材を少し採りました。
そして今日採った全てのカミキリ材をある場所にまとめて置いて本日のミッション終了。
材を現地に残すのはある理由で暫く面倒が見れないためです。下界に下ろすと相当早く羽脱するのでね。
現地なら通常の発生時期までに回収すれば大丈ブイ^^ 
その理由はいずれ・・・(前に言ったかな?)。

おまけ。
帰路に見た「野焼き」の現場。近年地元では阿蘇の野焼きが相当復活しており、今日も方々の山々から
煙が上がっていました。多くの観光客がスマホやデジカメで撮っていましたよ。

牛舎で厳冬期を過ごした牛達もそろそろ野原に戻って来ます。本格的な虫の発生は未だ先ですが、
今シーズンも阿蘇方面にはお世話になりそうです^^

キンケトラ、クロキモンくらいの日(2022.11.28)

師走を目前に控え、今年もすっかり冬の様相となってきました。
そこで避暑のため山に上げていたクモマツマキチョウの蛹を回収に、と出発。
九州山地方面も紅葉を過ぎて落葉樹は殆ど葉を落としています。

しかし、なんと途中で崖崩れのため通行不可に・・・

これじゃあ回収は来春にせざるを得ないなあ。九州とは言え高標高は積雪で行けなくなるし、ここまで
大袈裟に崩れていると積雪までの復旧は無理でしょう。
頭を切り替えて今日はカミキリの材でも探しましょうかね。ちなみに来春は久し振りに八重山方面へ
遠征する予定なのでゼフの採卵は出来ません。

今日は見つけ易いケヤキ材を探すことにしました。狙い目はアカジマトラカミキリですが、崖沿いにケヤキは
多いものの本種が好む太い枯れ枝はほぼ落ちていません。細い枝は見つかるので適当に拾って幼虫の
食痕のある部分をほじくっていると、成虫越冬中のキンケトラカミキリが出てきました。

うーむ、やはり九州ではアカジマトラは難しいなあ。東京在住時によく行った山梨県にはアカジマトラが多く
材を取り易いポイントが在ったのですが、九州ではそう上手くは行きません。結局アカジマトラらしい大きな
食痕は現れず、出てもキンケトラが幾つかという結果でした。

次いで、クロキモンカミキリを採ったことのあるミズキの大木の所へ行ってみると、頃良い枝が二本ほど
落ちています。薄い樹皮を所々剥がしてみると、樹皮下に小さめの食痕が散見されます。
まず間違いなくクロキモンでしょう。数カ所のミズキの根元に落ちていた枝を集めて材箱に収納したのが下。
久し振りに一杯出れば良いなあ。

次に来るときは何を狙いましょうかね^^

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