クワガタ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

灯火に飛来したキュウシュウヒメオオクワガタ♂(2022.8.22)

夏物の虫はとかく大味になりがちですが、今日はその最たるものの一つとなります。
みんな大好き、キュウシュウヒメオオクワガタの♂です^^

九州山地高所でのナイターで飛来したもので、♀が来ることはこれまでに何度かあったのですが、
♂が来ることはほぼありません。小型個体だけど生きている個体を見たのは久し振りなので
テンションが上がりました。相当久し振りにキュウシュウヒメオオ♂のマイコレが増えました^^

近年本亜種は極めて稀になり、かつて行けば採れた産地でもまず採れなくなっています。
10~15年前であれば、クワガタブームの後盤あたりに毒された者らがブナ倒木をバカスカ掘って
いる場面も見られましたが、今は高齢化と「飽き」(にわかクワガタ屋は直ぐに飽きる^^)で
そういう輩もほぼ居なくなりなりました。同時に虫も居なくなりましたけどね。

他には久し振りに九州では稀なオオクロカミキリ(♂が巨大でビックリ@@)や、高標高では初めての
オオジュウゴホシテントウ(かなり珍)、オオキノコムシ(これも九州では珍)などが採れて楽しい
夏の夜となりました。



これから晩夏~初秋の高所でのナイターは、主にカトカラ等の珍蛾を中心に狙って1~2回はやろうと
思います。
そして、今季の甲虫は秋の糞虫やセダカコブを残すのみとなりました。
そろそろ主なターゲットに蝶(飼育も含む)を本格的に組み込むとしましょうか。

ヤクシマオニクワガタ(2016.8.13)

今年の屋久島遠征は滞在期間を例年より後ろへずらし、ちょうど7月後半を彼の地で過ごしました。
8月へ暦が変わると同時に屋久島を離れたわけですが、その直前に「待てよ」、と気付いたことが。

昨日の当ブログ記事でクロコバネカミキリと共にヤクシマコクワガタの蛹を見つけた話をしましたが、
「今ならアレも採れるじゃん^^」
7月最下旬は高地性昆虫をいろいろ追っていたので、ついでにソレも探してみると・・・

仲良く並んだ蛹室に居た、ヤクシマオニクワガタ♂の新成虫と♀の蛹。
良い材が全く無かったので他に幾つか追加しただけでしたが、デカい♂も採れてやった甲斐は有り。

ありがとう、屋久島(高)山の神様。
左足のふくらはぎに「ヒル」を付けるというオマケまで頂きまして^^

屋久島の不朽木から出てきたクロコバネカミキリ等(2016.8.11)

7月下旬の屋久島では、例年はあまりやらない材中の虫もいろいろと探してみました。
本日紹介するのはかなり不朽が進んだ朽ち木から割り出したクロコバネカミキリ♀。
蛹から羽化した直後だったようで、シロアリの女王を彷彿とさせる巨大な腹部が印象的です。

コバネカミキリは僕自身とても好きな種類ですが、これまで結構縁があります。
以前も材中で羽化した直後の個体を見つけたことがありますが、やはり他種と比較すると腹部の
膨大さが顕著でした。
新成虫は腹部がある程度収縮するまで材中に留まるわけですが、栄養分が多いせいか他種に
比べると比較的その期間は長いように感じます。この個体も採集後20日程は水分も何も与えない
状態で平気で生きていました(多くの種は同条件でこれほど長生きしない)。

不朽が進んだ木だったため、同時にヤクシマコクワガタの蛹も出てきました。
これは♂の蛹。もうちょっと大きかったらなあ。

こっちは♀の蛹。そろそろ羽化が近づいているようでピンク色掛かっていますね。

本日現在、コクワガタは無事羽化済み。クロコバネと一緒にタトウに並んでいます^^

労働中・・・(2016.3.1)

先週日曜が最終日だった最後のオークション。
お陰様で、週単位ではこれまでで最大の落札者数(58人)、最高の売上(^^)となりました。
これまでお世話になった皆さま、本当にありがとうございました。

盛況とは裏腹に大変なのが事後処理。
最終日当日などは取引ナビへの返信が一通り終了したのは午前4時を回ってからでした。
久し振りに徹夜しましたわ、ワシ。
取り置き分を含めるとこの数日で80人近くとの連絡をこなす必要があります。

東京で企業戦士をやっていた頃は徹夜はしょっちゅうでしたが、久し振りだと応えますねえ。
そして本当に大変なのが発送作業。
一つ一つの標本を確認しながら、取り置き分も含め計算も間違えないように神経を張り詰めた
作業が続きます。

次々にご入金を頂くので(本当にありがとうございます^^)、昨日、今日と休む暇無く
せっせと作業をこなしました。
今から寝るまで10人分位の梱包をしますが、ようやく一息付けるようにはなったかな。ふう~。

上の表は独自制作の管理表ですが、僕の場合は扱い品目も点数も多いのでシステマティックに
やる必要があるのです。
下の4枚が最終回の分、上の束が昨年9月からのトータル分です。
今季も頑張ったなあ~

ここ数年、毎週の出品で点数を変えたり分野を変えたりいろいろとテストをしてきました。
単純に利益を上げたいのなら普通種から珍品、出来るだけ多分野を一度に出品すれば良いのですが
今回みたいになります^^ 
毎週だと死んじゃいますね。

そのうちメルマガででも詳しく触れますが、今シーズン開けのオークションはもっとラクにやります^^

トチ狂ったキュウシュウツヤハダクワガタ(2015.12.22)

忙しさのあまり山上げしようにも時間が無く部屋の片隅に置いていたキュウシュウツヤハダクワガタの
幼虫が・・・

なんと蛹化@@
今ごろ蛹になってどーするの?

前にミヤマカラスアゲハの飼育記事でも触れたように、室内飼育だとトチ狂って自然のサイクルを無視した
変態を遂げる個体がたまに出るのですが、まあ、出ちゃったということです。
ああ、メンド・・・

一応このまま保管してみますがどうなるか。
厳冬期に羽化するなら暖かい部屋に置く必要があるし、このまま越冬するにしても出来るのかしら。
本来蛹で越冬する機能も無いしなあ、羽化出来なきゃ★る(クワガタボーヤ達のスラング使ってみた^^)
んでしょうね。

いわゆる「諦め蛹化」という奴で、良質なエサが十分に無かったり厳しい生育環境で急いで変態する
必要に迫られた場合によく起こる現象でもあります。
本来ならもっと食い込んで時間を掛けて来年夏頃に蛹化するハズでした。
まあ放っておいた自分のせいなので★っても仕方ないけどね。

さてさて、どうなることやら。

キュウシュウオニクワガタ幼虫の飼育開始(2015.11.23)

これまでやったことが無かった、キュウシュウオニクワガタの幼虫飼育を初めてやってみようかなと
画策しています。
飼育しようと思った理由は、とりあえず幼虫がいっぱい居たから^^

これまでも、勿論キュウシュウオニ幼虫がコロコロ出て来た事はありましたが、ああメンドといった感じで
見なかったことにしていました。
先日九州脊梁山地の高標高地点にキュウシュウツヤハダの幼虫探しに赴いた際、既報のとおり
そちらの成果はあまり芳しくなかった一方、オニクワ幼虫はかなり出てきてしまったためです。
それに確かキュウシュオニの飼育品をたくさん欲しがっていた人も居たしなあ。

オニクワガタの幼虫は、このように比較的高密度で入っている場合も多いです。
こうした材に幾つか当たればたくさん採れるという寸法^^

というわけで、来年の長期遠征から地元に戻り自由に動けるようになる8月頃まで幼虫を現地で
過させるための飼育セットを幾つか作成中。
雪が降るまでに現地へあと1回は行くので、その時までに(あるいは現場で)完成させる予定です。

現場飼育は自然状態とほぼ同義であり、本種の場合は成虫になって野外で活動し始めるのは
8月下旬以降だろうから遠征後まで放っておいても大丈夫のはず。
問題は、材中にコメツキ等の捕食性生物が紛れていないかということでしょうか。
これに関しては天のみぞ知るといったところでしょうかね。
採集中も材中にこんなヤツが結構居たし。だから嫌われるんだよなあ、コメツキ。

とりあえず上手くいきますように・・・
(オニクワだから失敗しても落胆しないだろうけど)

九州深山の秋深まり、久方のキュウシュウツヤハダクワガタ幼虫(2015.11.9)

先日久し振りに九州脊梁山地の深山のマイフィールドへ行って来ました。
今年はソボコブヤハズ(クロコブ)等をはじめ秋の虫の成果も芳しくなかったため、9月以降は1回しか
訪れていませんでした。

紅葉が深まる山肌をバックにした愛車。
山全体を朝陽のもやもや感が覆っているので紅葉の様子があまりよく分かりませんね。
まあ、九州の山々の紅葉は正直あまり美しくはないのですが。


これは標高千メートル辺りまで降りてきたところ。
午後で日差しが落ち着いてきていることもあり、こっちの方が紅葉感は出ていますね。

やはり九州の山は常緑樹がかなり混じるのであまり紅葉って感じではないんですよねえ。
それにスギ林ばかりだから何処の山肌をフォーカスしても植林が映ってしまうのです。
本州中部の黒々とした山並みや、中国地方のような累々とした落葉樹林が続くといった風情は全く
見当たらない地域なんですよ。

さて、ここ3年ほどは早春からの長期遠征に現(うつつ)を抜かしてきたのでクワガタ幼虫の飼育や
カミキリやタマムシの材採集等は全く行っていませんでした。
採っても春以降の世話が出来ませんからね^^

来年も一応長期遠征を予定しているのですが、久方振りにキュウシュウツヤハダクワガタ等の幼虫を
採りたくなりここに訪れたというわけ。
採った幼虫達は工夫すれば長期遠征が終わるまでなんとかなるべ・・・

ただキュウシュウツヤハダは近年かなり少なくなっているので確実に採れる保証は全くありません。
この幼虫が好む赤腐れ材を探して斜面や谷をさまよいます。
谷間も晩秋の感じになってきたなあ。

幾ら探してもやはり赤腐れ材には行き当たりません。
かつて東京で暮らしていた頃は群馬県武尊山によく通っていましたが、ブナの赤腐れ材はポコポコあり
ツヤハダが採れないということはまずありませんでしたね。
九州では深山性の虫っていうのが如何に採り難いか本州の人は知らないんだろうなあ・・・
僕は両方でやり込んでいるのでよく分かるんですね。

虫の数も断然違うのですが、それを採る虫屋の数もそれに輪を掛けて絶対的に違うので、本当は
相乗効果で「一匹の虫(標本)の価値」と言うものが全然違うっていうのが現実なのです。
これを言うと虫が沢山居る地方の人が困るのであまり声高には言わないんですけどね。
まあ、1回くらいは言っておこう^^

そうこうしているうちに、やっと小さな倒木からツヤハダの死骸が出てきました。
久し振りの発生木に遭遇したようです。
しかし赤腐れ部分があまりにも小さいため、幼虫は10頭にも届きませんでした。
生きた成虫も出ず・・・

とりあえず数年ぶりのツヤハダ幼虫が採れたので安心し、まあ雪が降るまであと1回は来れるだろうと
日和って帰ることにしました。
午後からはスポーツジムにも行かなきゃならないし。

遠征以降の地元採集はいつもこのように不真面目です^^

九州では大珍品のシロシタバ、来た^^(2015.8.27)

台風15号襲来の直前、九州脊梁山地の高標高地点へ晩夏のナイターに行って来ました。
正直なところ月齢は「半月」とコンディションは既に良くないのですが、ここでのナイターは当たると
結構面白い虫が来るので年間に何回かはやっておかねばなりません。

僕の場合は極めて守備範囲が広く、甲虫でも蛾でも何でもイケルのでたとえハズレでも獲物が無いと
いうことはまずありません^^
ただ、今年は全般的に虫が少ないので少々腰の重い出動ではありました。

日没頃、ライトフィットを掛けながらポイントへ到着すると、九州とは言えど時期的にもうかなり涼しく
なってきていることに気付きます。ブナ帯という高標高でもあるため気温計を見ると20℃を切りそうです。
そして点灯。
・・・

うーん、やはり虫が集まってこないなあ。
半月もしっかり煌々としてやがるし。
いくら半月でも多少は虫が来るものなのですが、今日は本当に何も来ません。
蛾すらチラホラ程度。どうやら今日は最悪の貧果になりそうだな・・・

22時頃、今日は早仕舞いしようかと思っていると思いがけず濃霧が発生してきました。
これが上手く月を隠してくれた上に空気の動きも感じられるようになってきました。
「おやっ、こりゃ良いカンジじゃない?」
実はこうなってくると虫が集まり易いんですよ^^

予想通り、それまでは数匹しか居なかったカトカラ最普通種のゴマシオキシタバがポンポンと飛来し、
そしてやっと狙い目のヨシノキシタバも遂にやって来ました。
「オッ、来た来た! ビカビカの♀だーい^^(実はちょっとだけ欠けている)」
デジカメと毒ビンを持って慌てて駆け寄ります。

ヨシノは美しい珍品の上に(九州ではさらに珍品)♀では変異が多く、採集欲をそそられるものです。
僕は本州でも数個体を採っていますが間違いなく九州産は本邦最美で、最大個体群でもあります。
下の♀は極めて白帯が発達した珍しい型です^^

ヨシノに照準を合わせていると、ドデカイ蛾が半透明のスクリーンの反対側にぶつかりました。
裏面が一瞬見えましたが間違いなくカトカラです。
「うわあ~ シロシタバだあ!」
急いで裏側に回るとヤツは地面に留まっていました。
「逃げるなよ、エイッ!(カシャッ)」

ヨシノよりさらに珍品のシロシタバの撮影、捕獲に成功した瞬間です^^
本州では晩夏から秋にかけて幾らでも居る本種ですが、九州産は大珍品であって2~3年に1頭の
虫なんですよ(僕もやっと3頭目)。当日最大のヒットとなりました^^

濃霧と大気の動きは1時間程で終了しましたが、この間に当地では数年振りのキマエコノハを見ましたし
(採集出来ず)、下のようにネジロフトクチバあるいはツキワクチバ、ヤクシマヨトウ等の近年ほぼ土着
しつつある準遇産蛾も姿を見せました。

甲虫部門としては、ようやくキュウシュウオニクワガタが幾つか来ています。
やはり今年はオニクワも少ないなあ・・・
ちなみに、これは♂ですがナイターに来るのは♀の方が遥かに多いです。

キュウシュウヒメオオの♀も来ていました。本種の♂はまずナイターには来ませんね。
九州高山帯でも近年は極めて少なくなっています。

おや、コバネの♀だ。
このカミキリ、大好きなんですよねえ。ラッキー^^

地面ではオオオサムシも幾つかチョロチョロしています。転がった大きなヤマミミズの死体には
見向きもせず、ナイターに来た蛾を咥えて盗み去ろうとしているようです。逃がさじ^^
平野部のものよりかなり小型で、九州山地南部亜種(クマソオオオサムシ)に含まれるものです。

暫く忙しい一時でしたが、濃霧が去り日付が変わる頃になると新手の虫がほぼ来なくなりました。
気温も15℃近くまで下がっています。
今回のナイターはこれで終了と判断し、就寝。

翌朝はフィットを片付けながら下山しましたが、殆ど良い虫が入っていません。
ここまで虫が少ない年も本当に珍しい・・・
唯一良かったのが人生二頭目のクリイロカッコウムシ。高校時代に九州山地で採って以来です。

地味なカッコウムシですが九州では珍品、講談社の図鑑では九州が分布域に入っていないので
記録が殆ど無いのでしょうね。

今後は月齢がもっと悪くなるし虫の発生も悪いので、今季の高地ナイターはこれで終了です。

ヤエヤマノコギリクワガタを畑脇のビーティングで採集(2014.5.20)

梅雨の晴れ間、田園地帯でビーティングをしているとドサッと大きな赤っぽい塊が落ちました。
一体何だ、と凝視するとヤエヤマノコギリクワガタの中型♂。

近くに民家があるような畑の脇だったのでちょっと驚きましたが、意外とこうした所に安易な探し方が
あるように思いますね。
なお本種はド平地の原生林でフィット採集を敢行しても結構採れます^^

僕は基本的にクワガタはオモチャと思っているので、この仲間をことさらには狙って採ることはしません。
(ルリ系やツヤハダといった、いわゆる一部にエサケルス(Esacerus)と言われる部類はちょっと別^^)
ただノコギリクワガタ系統はやや好きなのでナイター等に大型個体が来ると一応は摘みます^^
ヤエノコは5月下旬以降は山間部でのナイターで当たれば結構来ますね(10頭位は)。

あ、エサケルス以外のクワガタ全般で言えば、全く集めていないネブト以外の種はとりあえず
大型クラスを1ペア程度は揃えていますが、まあオモチャ箱は2箱で事足りてます^^

ここから先は蛇足コーナーです(と言うより本当はメルマガネタかな^^)。

ちなみに現在、西表でやや標高を上げた所(例えばアイラ川のちょっと上の方^^)でのナイターや
果物トラップで以前は極珍とされたヤエヤマコクワガタが高確率で採れます。
僕の友人なんかは聞くと大体皆採っていますね。

たかがリュウキュウコクワですから採れていなかったというのが不思議で、極珍とのレッテル張りは
金銭的な価値を落としたくなかったクワガタ生き虫屋達の陰謀だったのではないかとさえ思うほどです。
30年近く前の某カミキリ雑誌で、カンピラで採れた2頭目だかの写真で盛り上がっていた記憶が
ありますが、多くの採集者が訪れていたカンピラは基本的に低過ぎるのでしょう。
本来の生息域はもうちょっと高い所にあり、それを掴んだ人は長い間密かに採っていたようです。

僕は特段興味も無かったので探してもいませんが、ベニボシカミキリ狙いで西表に入れば丁度
シーズンですから、クワガタ好きのカミキリ屋がついでに採るというスタイルが出来つつあるようです。

僕も今年はスケジュール的に無理ですが、来年は1カ月ほど西表島に滞在する予定なので
カミキリや雑虫採集の合間に大きい奴を数ペア程度は確保しようかなと思います。
昨年か一昨年、あるクワガタ屋さんから○十万出すからヤエヤマコクワをペアで採って欲しいとの
リクエストを頂いたのですが、丁重にお断りさせて頂きました。

もうそんな虫じゃないのにな、と^^
それにクワガタの相場感に関わる話には頭を突っ込みたくもありませんからね。
ああ怖い怖い^^

その人でなくても隔世の感を噛み締めている人は多いかもしれませんね。
(数十万円という大金をはたいて購入した方は特に)。

ルリクワガタ、キュウシュウニセコルリクワガタの産卵マーク(2013.10.25)

九州中部のルリクワガタ属にはルリクワ(タダルリ)およびキュウシュウニセコルリの二種が居ます。

昔住んでいた東京近郊におけるこれらの産地と言えば、山梨県北部の某峠が思い浮かびます。
其処にはタダルリ、トウカイコルリ、そしてホソツヤルリの3種が生息しており、個体数もそこそこ
多かったので秋~冬の週末にはしょっちゅう越冬成虫の削出採集に通っていました^^

これらのルリクワは基本的に高標高にしか分布しておらず、大まかに言えば最低でも本州で
8百メートル、九州では千メートル程度の標高を必要とします。
九州ではさらに、個体数が少ないしピンポイントとなるので採集には困難を極めます。

それに比較的多産していたポイントにおいても近年は極端に個体数が減ってきています。
あれほどポンポン採れていた関東の某峠でも東京を離れる頃はほとんど採れなくなっていたので
これは全国的な傾向なのでしょう。

採り難さへの恨み節はこのくらいにして、今日は九州の二種の産卵マークの違いについてです。
産卵マークはルリクワ属の採集および生息確認には欠かすことが出来ないもので、種類の識別にも
重要になってきます。

はっきり言えば虫の大きさによって産卵マークの大きさも異なり、虫体がより大きいタダルリの方が
キュウシュウニセコルリのそれよりもかなり大きいです。

これがタダルリの産卵マーク。
地面から浮き上がった大径の朽木に産卵されるケースが多く、この木も直径50センチはありましたね。
この産卵傾向は本州産と同様です。

そしてこれがニセコルリの産卵マーク。
地面に落ちた湿気のある小枝に付けられるケースが殆どです。
強いて言えばこの産卵習性はホソツヤルリに似ていますね。

そして大きさの違いに加えて、形状にも概ね次のような相違点があります。
すなわち、タダルリが単純な「( )」であるのに対し、ニセコルリは「(・)」というようにカッコの中心に
点が加わる場合が殆どであるということです。

珍しいケースとして、同所に二種が産み付けている場面に遭遇することがあります。
こうして見ると違いがよく分かりますね^^
こんな良い木、九州では滅多にありませんが。

大きさ、形状、そして朽木の状態を総合的に勘案すれば、どちらの種類が分布しているのかを
知ることが出来るわけですね^^

しかし九州では採り難くなったなあ・・・

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