クワガタ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

二回目のツヤハダクワガタ回収、またまた大成果^^(2012.11.13)

この度、初夏に幼虫で山上げしていた熊本産ツヤハダクワガタのもう一つのコンテナを回収してきました。
(前回のコンテナ回収の様子は10月5日記事参照。クワガタカテゴリーの過去記事からご覧下さい。)

結果を先に言うと、前回と同様に大成果を得ることができました。
これで暫くは「ツヤハダ、ツヤハダ」と騒がずに済みそうです^^

回収したコンテナをひっくり返したところ。
前回のものより水分調整が上手くいっているようです。

コンテナに接していた細かな緩衝材を避けると芯材が現れます。
放した幼虫達はこの芯材に潜り込んで成長し、成虫になるわけです。

メルマガにも書いた回収時のポイントを念頭に注意深く芯材を崩していきます。
すると・・・

金太郎アメ状態・・・とはいきませんが、次々と新成虫が現れます。
実に気持ちの良い瞬間です^^

今回はアブ等の寄生性昆虫や他の捕食性生物が入らなかったようで、ほとんどすべての終齢幼虫が
無事に成虫になれたようです。

今回の成果です^^

全部で15♂17♀。
この艶っぽさ、実に堪りません^^

幼虫の段階で平地に降ろしている期間は僅かであり、コンテナ作成後は発生地周辺で過ごさせて
いるため野外産と何ら変わらないと言えます。

成虫になるまであと1年かかる幼虫も10頭ほど出てきました。
前回収分および今期に野外で採ったものと併せ、現在までに30頭以上の幼虫を確保できたので
来年の今頃もまた楽しめるわけですね^^

当コンテナには40頭ちょっとの幼虫を入れていたので、ほぼ全てを回収できたことになります。
この上無い成果となり満足です^^

これまでの分も併せると結構多くのツヤハダの標本を確保できました。
とりあえず、現時点のコレクションとしては十分かな^^

うん、暫くは面倒なツヤハダ採集から開放されそうだ^^

ニセコルリクワガタのジャブ採集(2012.11.7)

先日のこと、ツヤハダクワガタの採集に疲れたので気分転換にニセコルリクワガタを探してみようと
思い立ちました^^

ピッケルをナタに持ち替えて、足下の手頃な細い枯枝を物色します。
「良いのあるかなー」

ほどなく、表面が程良く枯れた1本が目に止まりました。
「そうそう、こんなのに居るんだよねえ^^」

鋭い刃先でシャッ、シャッと削ります。
すると・・・

ビンゴ!
この秋に蛹室内で羽化したニセコルリクワガタが仲良くペアで現れました。
ツヤハダクワガタの艶っぽさも良いけど、ルリクワガタ類の煌(きら)びやかさも実に良い^^

ルリクワ類は基本的に樹皮側に腹面を向けているので、ひっくり返して背面が見えるように
しています。


別の枯枝からもポンポンと・・・
だからルリクワ類の採集は止められません^^


おっと、今日はここまでにしておこう。
ツヤハダ探索も続ける必要があるし、採集の両立は難しいですからね。

ニセコルリ採集は後日、ゆっくり楽しみたいと思います^^

やはり厳しい九州のミナミツヤハダクワガタ探し(2012.11.1)

毎年この季節になると、九州脊梁山地のツヤハダクワガタの新産地探しを行います。

ただ、これまで当ブログでも触れてきたように、九州で採れるツヤハダの亜種は大変少ないため
採集は困難を極めるんですね。
正直なところ、あまり採集に行きたくない種類の一つなんですよ。

何しろ、九州ではツヤハダが生育する赤腐れ材を発見するのが至難の技なのです。
原生林の中をさんざん歩き回っても、ツヤハダに適さない苔むしてガチガチに枯れた材や
白っぽく通常の状態で枯れたものばかり・・・

出てくるのはオジャマ虫のツノクロツヤムシのみです(泣)。
1日に発生木を何本も見つけられた本州の山々が懐かしいなあ。

多産地を懐かしんでばかりもいられません。
標高千数百メートルの高山帯へ出勤です^^

以前入った場所を避けて探し回るも、赤腐れ材はやはり滅多なことでは見つかりません。
ひたすら斜面を上り下りする修行が続きます。

そうこうするうちに、なんとか小さな赤腐れ材に行き当たりました^^
喜び勇んで解体に掛かると・・・

まあまあのサイズの♂が現れました^^
太陽の光でツヤツヤと輝いています。
野外で採るツヤハダはやっぱり格別です^^

今度は茶色のテネラル♀が現れました。

でも、次が続きません。
メルマガにも書いた注意点を忠実に実行するも赤腐れた部分が少なく、この材からは他に数頭の
幼虫が出たに止どまりました。
うーん、やはり九州のツヤハダは厳しいなあ。

とりあえずは幼虫の段階で山上げしているもう一つのコンテナ「B」に期待しましょうかね^^
ちょっと前に回収したコンテナ「A」(10月5日記:16♂7♀回収)より多くの幼虫を入れているので
楽しみです。

近々回収の予定です^^

九州のツヤハダクワガタ、プチ長者^^(2012.10.5)

10月になったので、幼虫の段階で山上げしていた(避暑に出していた)熊本産ツヤハダクワガタ
の容器を回収してきました。

高地帯が狭い九州のツヤハダは大変少ないので、1頭たりとも無駄にできません。
成虫に比べて幼虫ははるかに多いので(と言っても本州のようには容易に出てきませんが)、
きちんと親にすることが求められます。

涼しい高山で春から夏にかけてスクスク育った幼虫達は、もう立派な成虫になっているはずです^^
でも、上手くいっているかなあ。
天敵が入っていたり、雨水が漏れ入ったりしてアウトになることもありますから。

山から下ろしてきた小型コンテナを開けたところです。
うん、良好な湿り具合だ^^

タッパーをひっくり返したところです。
小さな片材や細かい木クズで狭間をきっちり詰めているのが分かりますね。

軽く崩すと幼虫が食い入った芯材が現れました。
「ちゃんと成虫が出てきてくれよ・・・」

恐る恐る芯材を崩していくと・・・

出ました!
しっかりと成虫になってくれています。

結構大きな♂も幾つか出ました^^

30分ほど芯材と格闘し、以下の成果を得ました。

全部で16♂7♀。 合計23頭。
最大♂は19ミリ強でした。 まあまあかな^^

あと1年掛かる幼虫も5~6頭出てきました。
結構丸々太っていて、また来年大きな成虫になってくれるでしょう^^

回収中に1♀を潰し(泣)、大きな寄生アブの幼虫が1匹いたので幼虫の何頭かは犠牲になったもの
と思われます。
この寄生アブ幼虫は芯材もしくは隙間を埋めたクズ材に潜んでいたのでしょう。
最低限の犠牲で済んだようです。

最初にセットしたツヤハダ幼虫の数は30頭ちょっとだったので、ほぼ計算は合います。
ほとんど自然死はなかったようなので、全体的には成功と言えます^^

実は一つ、今回のツヤハダ回収で以前からモヤモヤしていた謎が解けたような思いをしています。
それは、「野外で掘って採るツヤハダは何故少ないのか」ということです。

当たり前の事なのですが、「ああ、そうだったんだなあ」と改めて気付いた次第です。
まあこれはメルマガにでも書こうかな。
当然過ぎてあまり面白くないかもしれませんが、そのヒントが下の写真です^^

実は別の山にもう1セットが眠っているんですよねえ。
回収が楽しみです^^

忘れていた熊本産オオクワガタ幼虫が・・・(2012.8.20)

「ありえんだろ・・・」
昨日、絶句してしまう出来事がありました。

あれは確か今年の1月か2月、熊本市郊外の丘陵地にオオクワガタを探しに行ったことがありました。
かつてのクワガタブームのあおりを受けて熊本のオオクワガタも今は風前の灯火。
毎年スカを食らっていたので今年もダメだろうと思いながらも、さんざん探し回ってようやく幼虫が
1匹採れました。

終齢ではあるもののあまり大きくなかったので、どうせ♀だろうと飼う気がしなかったんですね。
小さなタッパーに少量の木屑とともに入れて緩くフタをし、傍にあったダンボール箱に入れたんですよ。

そしてありがちなこと。
すーっかり忘れていたのです^^

実はそのダンボールには古い展翅板を数十本入れていたのですが、友人に譲ることになったので
整理しようと開けたところ件の小さなタッパーが現れたんですね。

「アーッ、そうだった、忘れてた!」

忘れてたなんてものではありませんよね^^
湿った木屑を入れていたにせよ、もう半年以上も前だし、普通なら幼虫の「ヒモノ」が出てきます^^

ところが、「あ、居ない・・・」

タッパーのフタが開いており、中には少量の乾いた木屑しか入っていないのです。
どうやら幼虫が動き回るうちにフタが開いて、外に飛び出しちゃったようです。
展翅板を取り出しながらこぼれ出た木屑をはたき、箱の底にあるであろうヒモノを探したところ・・・

なんと、オオクワガタ成虫♂がこちらを向いて威嚇しているではありませんか!

「親になってる! でも、なんで生きてるの?」
と言うより、「餌もないのにどうして成虫になれたの?」

調べたところ、その理由はダンボール箱に入っていた一つの展翅板にありました。
その写真です。




なんと幼虫はタッパーから這い出した後、その展翅板のコルクと上板を齧りながら成長して蛹化。
そして羽化に至ったようなのです@@

まあストーリーは想像できるものの、最も不思議なのは全く水分が無い状態だったのに生き続けた
ことです。

半年以上もカラカラの環境下においてクワガタの幼虫が生き続け、しかもある程度成長することが
可能なのでしょうか?

餌となった展翅板はコルクも板もガチガチに乾燥しています。
しかもそのダンボール箱は真夏の熱がこもる玄関付近に置いていました。

冒頭のように、当初は♀と思っていたほど小さい幼虫だったのに、小歯ではあるもののそれなりの
♂に育っているのです!

謎は解けませんが、ミステリーを通り越してこれはもう感激です!

長期間の労をねぎらって十分に加水してあげました^^

 

晩夏のカトカラナイター(2012.8.17)

昨晩から今朝にかけて、地元熊本の高地帯でこの時期に現れるクワガタや美麗蛾カトカラの
ナイターを行ってきました^^

ここは言わば私のホームグラウンドですが、九州脊梁山地でも比較的アクセスし易いことから
九州各県から採集者がやってきます。

早朝から高速を使ってやってくる彼らには長距離の山道も、地元民にとっては楽なもの。
午前はスポーツジムで汗を流した後、午後2時頃からナイターのみに向かうという贅沢さです^^

そろそろ日も傾いた昼下がりにゆっくり到着。
九州では珍しい手付かずの原生林が連なります。

他では見られないような巨木や立ち枯れもゴロゴロしています^^

いつもなら林内各所にライトフィットを仕掛けるのですが、今日は主にカトカラ狙いのプチナイター
なのでやりません。
点灯時間まで野鳥のさえずりを聞きながら、涼しい風に当ってうたた寝です。
うーん、ぜいたく^^

今日は月齡もバッチリ。午後7時頃からナイター開始です^^

いつものように点灯直後からキュウシュウオニクワガタがポツポツ飛来してきます。

♀ばかりですが、キュウシュウヒメオオも幾つか飛来。秋にはこれだけを採りに来ようかな。

今日は午前0時を回って気温がかなり下がったからかカミキリの飛来は少なく、コバネとヨコヤマ
ヒゲナガが1♂ずつ来ただけでした。

点灯後1時間程して、今日本命のヨシノキシタバ♂が現れました。
発生初期でビカビカの個体です^^
カトカラはこのように「矢尻」状に留まるんですよ。

まだ早いかなと思ったものの、気の早い♀も出現。


本種はカトカラの中では唯一、♂と♀の羽の模様が異なる種類です。
珍品度も手伝って毒々しげな♀の美しさには魅了されます。結構変異もあるんですよ。

ブナ食いの珍品、かつ美麗カトカラである本種の人気は高く、本州以北のコレクターにとって
大型かつ美しい九州産は喉から手が出る程欲しいものでしょう^^

早朝まで粘り、♂♀併せて二桁近くを得ることが出来ました。
本州の高地帯でも一晩に採れるのはせいぜい数頭ですから、大成果と言えます^^

他に現れたカトカラです。
まずは同じブナ食いのエゾシロシタバ。今年は結構多いようです。

次いでケヤキ食いのジョナスキシタバ。
本州産に比べて白化傾向が見られます。結構珍です。

月齢が良いのでこの日は一夜を通して大量の蛾が集まりましたが、例年は結構多い遇産蛾が
ほとんど見られず、ちょっと寂しい気がしました。
ただ、ナイターはその時の気象条件等で飛来する顔ぶれが結構変わるので、これらは次回に期待
したいですね。

月齡が良いうちに、あと数回はナイターをしてみようと思っています。

そろそろ此処ではソボセダカコブヤハズカミキリ(クロコブ)の新成虫も出始めるので、
そっちもやらなきゃな。

九州脊梁山地の黒いソボコブヤハズカミキリ(2012.6.8)

6月6~7日の二日にかけて、熊本の山奥へセダカコブヤハズカミキリの最南端の亜種である
ソボセダカコブヤハズを採りに行って来ました。

越冬コブ採集は前2回のフクチコブヤハズに続き3回目(たぶん最後^^)となります。

今月に入って梅雨前線が九州に近付いており(南部は既に梅雨入り済)、その影響で熊本も
連日悪天が続いています。
週間予報を見ると、その二日間だけにポッカリと晴れマークが。
これは行くしかないでしょう^^

採集に向かったのは私の庭たる原生林。この一帯はポイントさえ押さえていればソボコブをはじめ
九州では珍しい様々な森林性昆虫が採集できる場所です。

標高が1,500メートルに近いので、6月に入ったとは言えまだ多くの種類は期待できないでしょう。
今回はほぼコブに絞った採集となりそうです。

1日目。

前日は終日雨だったため、その影響で少なくとも午前中は採集にならないのは分かっていました。
そこで、まだ行っていなかった熊本産ツヤハダクワガタ幼虫の山上げ(避暑^^)を実行。

じっとりと濡れた林内を物色し、生育に良好な場所を選んで容器の設置完了です。
上手くいけばこれで秋にはツヤハダ長者だ^^

正午前には日差しが出て周りが乾いてきたので、目に付いたミズキの花を掬います。
でもネットの中はトゲヒゲトラ、駄ピドニア等のオンパレード。

摘まみたくなるのは熊本では珍品のカラカネハナくらいしかいません。
時間帯が悪いとは言え、九重方面とは異なりやはり九州山地のミズキはあまり使えませんね。

それでも何度か掬っているとヘリグロホソハナ九州亜種が入りました。
材からは相当出してきましたが、野外で成虫を採ったのは初めてです。
英彦山のヘリウスハナ成虫といい、今年は真面目に採集をしていることの証でしょう^^

午後になり、手にはビーティングネット、背中にはフィットトラップ゚用の水(1.5Lペットボトル3本)を
しょって未だ乾ききっていない林内に踏み込みます。

立ち枯れの表面では、ルリクワガタ♂がこの時期でもまだ活動していました。
そう言えばここではニセコルリはまだ多いけど、タダルリは随分減ってきたなあ。

洞のある立ち枯れに近付いた時、ブーンという羽音と共に大きな甲虫が飛んできて
その根元に止りました。
見るとムラサキツヤ(orミヤマオオ)ハナムグリです。
拾い上げたものの、ツルッと滑って飛んで行ってしまいました(泣)。

屋久島や鹿児島のものは完全にムラサキツヤだと分かりますが、これまで九州脊梁山地で
採集したものはどうもそれとは異なった個体がいるようです。
九州でのこのグループは疑問点が多く、特に九州山地以北のものは注意が必要と思います。

林内を歩き周り、良さそうな立ち枯れや倒木を探します。
それらをじっくりと見ていくと、立ち枯れの樹皮が剥がれて影になっている部分にソボコブが潜んでいる
のを見つけました。

昼間にも係わらず、比較的日光が当たる部分で見つかったものも結構いました。
雨の翌日で林内が湿っており、かつ今日の午前中は曇りで林内が暗かったためでしょう。



じっくりとコブを探していたらあっという間に3時を回ってしまい、慌てて準備を始めます。
今夜原生林内を徘徊するためのベースキャンプとなるナイター設備一式を林内に運び込むのです^^

いやー、大変でした。
原生林の取り付きまでは車道から数百メートルは離れています。
そこまで発電機、安定器、支柱、水銀灯(ソケット含む)、幕や留め金等を運ばなければなりません。
しかも今回はフィットを数か所仕掛けるので、バットや光源類も必要です(フィット水は運搬済み)。
追加のガソリンは諦めました・・・

これらを全て林内に運び込むのに3往復掛かりました@@
もちろん平坦な道ではなく、岩ゴロゴロの沢を上って行くのです。
こんなことする奴なんて絶対いないよなあ。

気付くともう夕方。
慌ててマイ・オヒョウのポイントへ向かい、キバネニセリンゴ、クロニセリンゴ、セミスジニセリンゴを
数匹ずつ掬い、すぐに食糧や水、残りの電灯類を持って林内に上がりました。
ここまででもうヘトヘト。

まだなんとか明るい内にフィットを仕掛けてナイター設備を組み立てます。
そしてハラにメシを流し込み、林内の探索開始です。

この林内は慣れているとは言え、起伏も多いし足を踏み外すと滑落する箇所も多いため
5~6か所にカンテラを灯しました。
かすかに左奥にも光が見えるのが分かるでしょうか。

発電機のガソリンやカンテラ類の電池が切れるのが午前0時頃。
それまでの数時間、林内を歩きに歩きました。
斜度40度の斜面を数百メートル上がったり下りたり・・・
沢を奥まで詰めたり戻ったり・・・

夜間に見つけたソボコブ達です(フラッシュ使用)。



これはラッキー^^

夜行性の雑虫にも期待しましたが、まだこの時期は色々な種類が活動するには早過ぎるようで、
たいした種類には遭遇しませんでした。

ナイターにはコブ、そして多くのオオキイロコガネやビロウドコガネ類が来た程度でしたが、
蛾ではウスマダラカレハが2♀飛来しました。

講談社の蛾類大図鑑によると、その時点で日本で4例しか採れていません。
現在でも恐らく九州で数例目でしょう。蛾コレクションに良いアイテムが加わりました^^

そして、午前0時前にはもうグッタリ。
ガソリンが切れる前にこっちの体力が切れてしまいました。

あとは光源類に頑張ってもらいましょう。
車に戻り、爆睡。

2日目。

まだ暗いうちに寒さで目が覚め、朝食を頬張ります。
そして何とか視界が利く明るさになるのを待って林内に入って行きます。
ああ足が棒のようだ・・・

昨夜活躍してくれたカンテラの一つ。
有難うね。

ちなみに、この谷の傾斜は前段に触れたように40度はあります。こんな感じ。
ここを上がったり下りたりするわけです^^

写真では上下感覚が分かり難いですが、途中から見上げた場面と、

見下ろした場面です^^

フィットの一つです(このランタンはこの時点でも灯りが点っています)。
山のように入った蛾やジョウカイ等の中に・・・


ソボコブの姿が^^

こっちのフィットにも入っていました^^

前夜活動していたコブも幾つか発見(まだ暗いのでフラッシュ使用)。

こんなことをしていたら午前8時前には雨が降り始めました。
予報では本日までは天気が持つはずでしたが、高山ではやはりアテにはなりません。

急いでナイター設備等を解体して車まで運び降ろします。
前日は合計4往復ですべてを運び上げたのに、今日はなんと2往復で済ませました。
(手とザックがちぎれそうでした・・・)

本当は午前のミズキの花でヨコヤマトラを狙っていたのですが、雨は何とか上がったものの
9時半時点で気温は12℃。花は濡れているしこれではどうにもなりません。

まあソボコブにはそこそこ会えたしヨシとしましょう。

そして帰路の途中にあるムネホシシロのクワ畑跡地に向かったのでありました。

お気楽な原生林採集+プチナイター(2012.5.20)

昨日は私が「庭」にしている九州山地の原生林に行って来ました。

九州は本州と比べると原生林の割合が低く、九州山地ならこの辺りまで来ないと森林性の
昆虫がなかなか採れません。

なので、九州各地から虫屋がよくやってきます^^
夏~秋の週末は大抵誰か来ているので外すのですが、この時期はGWを除くとまず誰も
来ません。土曜ではあるものの、天気が崩れる前にこの時期の探索に行ってきたというわけです。

地元の特権を生かし、午前10時頃にゆっくり到着します^^
ここは標高が1,500メートルほどと九州の採集地としては相当高い所なので、当日のように
曇りだとまだかなり冷えます。

早速、暗い原生林に入り込みます。
ここには太い倒木や湿気を帯びた小枝が多く転がっており、ルリ、ニセコルリ、ヒメオオ、オニ、
ツヤハダのクワガタ類、ソボセダカコブヤハズなどのカミキリ、そして森林性昆虫類の良い採集地と
なっています。

ニセコルリの新芽採集には遅いので、手ごろな朽木をひっくり返していくと産卵したばかりの♀
および産卵マークが現れました。
この方法で♂も幾つか見つかり、新芽が終わると♂も朽木の周辺に移動することが分かります。


朽木の表面にはツノクロツヤムシも結構見られました。

立ち枯れも多く、雑虫もいろいろと活動しています。

実は倒木下部の暗い部分で交尾中のソボセダカコブヤハズも居たのですが、位置が悪く
写真を撮ろうとしたら谷底に落っこちてしまいました(泣)。
どうも僕はコブとのカメラ相性がよくありません。これまでにも撮影中にかなり落っことしています。

ちょっと古いのですが、こんなブナ巨木が倒れていると様々な雑甲虫の絶好のポイントとなります。
これ位の量があればここで1時間は遊べますね^^

じっくり細部をルッキングしたり丁寧にビーティングしたりすると、高山性のゴミダマ、ナガクチキ、
コメツキ、オオキノコ等面白い甲虫類が色々採れます。
まあ、珍しいのは単発が多いのですが^^

ビーティングで落ちたトゲムネツツナガクチキ。
これはヒットです^^
ここは熊本なので図鑑で言うヒゴツツナガクチキかも@@

もう少し気温が高いとヒメオオクワガタ等も倒木をよく歩いているのですが、さすがに今日は
居ませんね。

午後4時頃になると林内が相当暗くなって視界が利かなくなってきたので外に出ます。
そして葉上性のカミキリを狙ってみようとポイントに向かいます。

まだ早いかなと思ったのですが、オヒョウやハルニレの枝先を掬うとクロニセリンゴをはじめ、
キバネニセリンゴ、カツラ(チチブニセリンゴ型)が少数入ります。
これらのカミキリは種類も数も本番はまだこれからですね。

午後7時からナイター開始。
この時期にも拘わらず、思ったより蛾の種類が結構出ていたのは意外でした。

ゼフの展翅ジゴクに陥っているので^^、蛾は厳選して採ります。
狙っていたアマギシャチホコは来ませんでしたが、エゾヨツメの♀が二つ採れたので満足です^^
さすがに寒すぎて甲虫はオオキイロコガネが来たくらいでしょうか。

午後10時には遂に雨が降り出し、新手の虫も来なくなったので撤収。
気温は12℃でした。寒っ。

ここは僕にとっては庭なので、これから毎月何度かは調査に来たいと思います。

熊本産ツヤハダクワガタの幼虫埋め込み(2012.4.8)

今日は先月に熊本の高地で採ったミナミツヤハダクワガタの幼虫の埋め込みを行いました。

まず、小型コンテナの底に寄生していた朽木くずを数センチ敷き詰めます。
そして芯となる大きな朽木の塊を置いたら、隙間を隈なく朽木片と木くずで埋めてしまいます。
その上に幼虫を播いたのが写真です^^

蓋をする前にさらに細かな木くずで幼虫を覆ってしまい、下に潜りやすくします。
幼虫は堅い部分を求めて移動するので、最後には芯材に集中的に入ることになります。
そしてこのコンテナを採集した場所に避暑に出すわけです。

標高1,500メートル近辺に生育するツヤハダを平地で飼うのは不可能です。
東京にいた頃、群馬県の武尊山で採ったツヤハダ幼虫を北区で飼育したことがありましたが、
真夏に跡形もなく溶けてしまいました・・・

やはり失敗の経験から学ぶことは多いですね^^

埋め込み用の朽木片からも7~8頭の幼虫が出てきたりして・・・
こんなことなら朽木片をすべて回収してくればよかった。
山中を縦横無尽に徘徊したのでポイントには二度と辿り着けないのです(泣)。

なにしろ九州のツヤハダ亜種は生息環境が狭い上に個体数が少なく、当てるのがかなり難しいのです。
本州の高山帯なら適当に赤腐れ材を探していれば必ずツヤハダの食痕に当たりますが、
九州ではまず大きな赤腐れ材自体を見つけることが困難なんですね。

今回はそこそこ採れたから良かったものの、それでも二日間で三桁以上の朽木を調査して
ツヤハダが入っていたのはわずか1本のみ。
成虫はようやく3ペアほどでした。

もう暫くは採りに行く気がしません・・・

これと同じ装置をもう一つ作ります。
こいつらが順調に親になってくれれば、当分はツヤハダを忘れられるな。

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