ダイコクコガネ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

越冬中のこのヒト達の処遇(処分)は・・・(2013.2.1)

引っ越しに当り、これまた悩ましいのがこのヒト達の処分・・・
メルマガでも詳しくお伝えしましたが、先月18日以降、熊本県ではもう採ってはいけない事になった
方々です(実際に採ったのは指定前の去年ですよ^^)。

本来なら僕はもう標本用の♀や小型♂の採集はしていなかったのですが、去年の秋にふと思い立って
そのうち累代でもやろうかな、と気楽な気持ちで生かしたまま持ち帰ったものです。
その時はまさか数カ月後に採集禁止になるとは思いも寄りませんでしたが・・・

生息地へ持っていこうにも、もう阿蘇方面へ行く時間的余裕は無いし、第一そこの地面は凍っていて
本来の越冬場所に戻すことも出来ません。
(それに今地面を掘っていたらヘタをするとマズイ事にもなりかねない@@)

ちょっと考えた末、もう本県産を採る機会は失われたのだから、せっかくなので最後の標本に
なってもらうことにしました^^

地元産としては大黒箱に入る最後のヒト達か。
ちょっと感慨深い・・・

阿蘇の山々に暫しのお別れ(2013.1.19)

特段何かを狙っての採集というわけではないのですが、昨年11月以来となる阿蘇方面へドライブを
してきました。

これから約半年の間、阿蘇を訪れることが出来なくなることから、言わば一時のお別れを告げるという
意味合いでしょうか^^

昨年ムナコブハナカミキリを結構採ったポイントの山肌は、寒風にさらされ既に雪化粧となっています。
朝日が斜めから差し込んで撮り難い・・・

クロカタビロオサムシ(九州では珍品)やゴミムシ類を掘り出そうにも、凍った大地はピッケルを全く
受け付けません。 まあ、これは予想通りです^^

クロカタビロオサはホントに変なオサムシで、希に大発生をすることで知られます。
ただ、そのメカニズムがよく分かっていません。
僕も東京の端っこの方で大発生に遭遇したことがあり、数日の間になんと5百頭を得た事が
あります@@

東京産だと「南虫」にならない(^^)のでとりあえずは当ブログの対象外として触れませんが、
面白い概念も含むのでネタが枯渇したら(それはまず無いけど^^)紹介するかもしれません。

また、この辺りのゴミムシは結構面白いと踏んでいて、以前僕が関東平野等で懸命に掘っていた
種類がヒョコッと採れたりしています。
ツヤキベリなんかも居たりして・・・  これは絶対ムリか^^

ムナコブの生態の一端でも調べようと機会があればいろいろやっているのですが、中には同じ事を
考えている人もいるようで、「僕がやろうとした事」を先にやった跡があってちょっと驚きました。
でも上手くはいかなかったみたい。

僕も試してはみたのですが、やはり期待したような成果は都合よく現れませんねえ。
もっと手強いキュウシュウヌバタマハナの方も芳しくありませんでした。
ヌバタマの方は、かつて知人がある樹木の伐根痕から「掘り出した」という話もあるのですが・・・
個人的にはちょっと眉つばなんですよねえ。

本当に厄介な連中だ・・・

話変わって、カルデラから見通した阿蘇連山の今の山並みです。
夏は青々とした草原が目立つ山々なのですが、ご覧の通り冬枯れしています。
頂上付近の草原の地中には、昨日採集禁止となったばかりの(従って採られる心配の無くなった)
ダイコクコガネが、スヤスヤと眠っていることでしょう^^

冬の阿蘇ってなかなかイメージし難いと思いますが、こんな感じです。
しかし、今日は大気が煙っていてクリア感が出ないなあ。実に残念。

一部には有名なオオムラサキのポイントに寄ってみると採集者が既に入っているようで、最も安易な
場所の食樹エノキの根元では越冬幼虫を探した跡がありました。

人が探した後なのでちょっと時間が掛かりましたが、ようやく幾つかの幼虫に出会えました。
なお、右端の1頭はゴマダラチョウです。
今年は飼育が出来ないので、マイポイントも含めこれ以上の探索は行いませんでした。

この辺りでは数種類のゼフィルス類も採卵出来るのですが、同様に今年は飼育が出来ないので
観察も含めてパスです。
ダイコクと同時に採集禁止種になったものもあり、ただただ残念です。

そして最後にサビナカボソタマムシのポイントに寄ってみることにしました。
そこに生えている食樹ヤマボウシの周りはヤブが濃く、シーズン中は根元に近付けないからです。

御神木の幹に開いたサビナカボソの脱出口です。
タマムシ独特の円でも楕円でもない独特の形状(強いて言えば変形三角形)をしています。

考えれば、サビナカボソやミヤマナカボソ等を採る機会はここ数年は無くなるんだなあ。
ちょっと寂しい気はするけど、これまで散々採ってきたからまあ良いか。
暫く寝かせておけば更に採り易くなるかもしれないし^^

じゃあ、バイバイ、阿蘇の山々。
そしてそこに住む虫達。

また夏に来るからね^^

より美しいダイコクコガネの標本を作るために(2012.9.10)

前回はダイコクコガネを例にとって、体内の糞出しを行う方法をご紹介しました。

実際にこの手法は大多数の方がやっておられることでしょう。
最低限これをしないと、標本箱をとても開ける気にはなりませんからね^^

ただ、さらに綺麗な標本に仕上げるためにはもう一工夫した方が良いと思います。
今日は僕がやっている方法をご紹介します。

数日間絶食させて体内の糞を出させた後は、まず十分に殺虫します。
そして死後硬直が解けたらお掃除開始^^

湿ったティッシュや古新聞の中を動き回った虫はこのように紙クズや汚水が付着しています。

ダイコクコガネの口吻には糞をかいて吸い込むためのブラシがあり、ここに結構大量の汚水が
付着しているので、まずティッシュにヘラを押し付けて十分に拭き取ります。

横から見るとこんなイメージで行います。
これをしないと展足中に大量の汚水を吐き出したり、標本に臭いが残ってしまう個体がでてきます。

また頭部と前胸の間にも汚れが残りやすいので、ティッシュを差し込んで拭き取ります。
なかなかここまでやる人は少ないんですよねえ。

ダイコクは頭部や胸部に凹凸や起伏が多く汚れが溜まり易いやため、そうした所もよく拭き取って
あげましょう。

これでツルツル、ピカピカ。
後はキレイに展足して、エツに入ってください^^

ダイコクコガネの糞出し(2012.9.8)

野外で採った糞虫は体内に大量の糞を溜め込んでいるため、標本にする前にはいわゆる「糞出し」を
行う必要があります。

今日はその簡単な方法をダイコクコガネを例にしてご紹介します^^

これは100均の虫カゴ。
当ブログではよく登場しますね^^
無ければやや深さのあるタッパー等でも構いません。

まず底にティッシュを何枚も敷き詰めて十分に加水します。
そして新聞紙を丸めて軽く水にくぐらせて容器に詰め込みます。

次いで標本にしたい個体を選別します。
僕の場合、ダイコクはもう長角の大型個体しか採集しません^^

それらをザラッと容器にバラ撒いたところです。
ダイコク特有の擬死の格好のままですね^^

暫くすると一斉に動き出し、新聞紙の中に素早く潜っていきます。

数秒後には表面からほとんど姿を消します。
この状態で3日程絶食させてお腹の中の牛糞をすべて出させます。

容器の底から見た場面です。
湿った紙の中を動き回るうちに、体の内外がキレイになるというわけです^^

ダニを付けたダイコクコガネ(2012.7.10)

糞虫の中で最も人気のあるダイコクコガネ。
全国的にはもう見られなくなった地域が多いのですが、草原の中で営まれる牧場が多い熊本では
まだまだ見る事ができます^^

そのダイコクコガネですが、前胸の窪みにいつもダニを付けているのをご存じですか?

標本にすると実にカッコイイ虫ですが、やはり糞の塊の中を動き回る生活をしているので清潔感を
求めるわけにはいきませんね^^

糞の傍の土壌に潜ろうとしている大型♂です。

すぐ土の中に潜ってしまうので、糞塊の中で見つかることは殆ど無いんですよ。

※現在管理人「自由人」は屋久島・大隅半島遠征中です^^ 本記事は事前投稿です。

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