オオムラサキ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

阿蘇の山々に暫しのお別れ(2013.1.19)

特段何かを狙っての採集というわけではないのですが、昨年11月以来となる阿蘇方面へドライブを
してきました。

これから約半年の間、阿蘇を訪れることが出来なくなることから、言わば一時のお別れを告げるという
意味合いでしょうか^^

昨年ムナコブハナカミキリを結構採ったポイントの山肌は、寒風にさらされ既に雪化粧となっています。
朝日が斜めから差し込んで撮り難い・・・

クロカタビロオサムシ(九州では珍品)やゴミムシ類を掘り出そうにも、凍った大地はピッケルを全く
受け付けません。 まあ、これは予想通りです^^

クロカタビロオサはホントに変なオサムシで、希に大発生をすることで知られます。
ただ、そのメカニズムがよく分かっていません。
僕も東京の端っこの方で大発生に遭遇したことがあり、数日の間になんと5百頭を得た事が
あります@@

東京産だと「南虫」にならない(^^)のでとりあえずは当ブログの対象外として触れませんが、
面白い概念も含むのでネタが枯渇したら(それはまず無いけど^^)紹介するかもしれません。

また、この辺りのゴミムシは結構面白いと踏んでいて、以前僕が関東平野等で懸命に掘っていた
種類がヒョコッと採れたりしています。
ツヤキベリなんかも居たりして・・・  これは絶対ムリか^^

ムナコブの生態の一端でも調べようと機会があればいろいろやっているのですが、中には同じ事を
考えている人もいるようで、「僕がやろうとした事」を先にやった跡があってちょっと驚きました。
でも上手くはいかなかったみたい。

僕も試してはみたのですが、やはり期待したような成果は都合よく現れませんねえ。
もっと手強いキュウシュウヌバタマハナの方も芳しくありませんでした。
ヌバタマの方は、かつて知人がある樹木の伐根痕から「掘り出した」という話もあるのですが・・・
個人的にはちょっと眉つばなんですよねえ。

本当に厄介な連中だ・・・

話変わって、カルデラから見通した阿蘇連山の今の山並みです。
夏は青々とした草原が目立つ山々なのですが、ご覧の通り冬枯れしています。
頂上付近の草原の地中には、昨日採集禁止となったばかりの(従って採られる心配の無くなった)
ダイコクコガネが、スヤスヤと眠っていることでしょう^^

冬の阿蘇ってなかなかイメージし難いと思いますが、こんな感じです。
しかし、今日は大気が煙っていてクリア感が出ないなあ。実に残念。

一部には有名なオオムラサキのポイントに寄ってみると採集者が既に入っているようで、最も安易な
場所の食樹エノキの根元では越冬幼虫を探した跡がありました。

人が探した後なのでちょっと時間が掛かりましたが、ようやく幾つかの幼虫に出会えました。
なお、右端の1頭はゴマダラチョウです。
今年は飼育が出来ないので、マイポイントも含めこれ以上の探索は行いませんでした。

この辺りでは数種類のゼフィルス類も採卵出来るのですが、同様に今年は飼育が出来ないので
観察も含めてパスです。
ダイコクと同時に採集禁止種になったものもあり、ただただ残念です。

そして最後にサビナカボソタマムシのポイントに寄ってみることにしました。
そこに生えている食樹ヤマボウシの周りはヤブが濃く、シーズン中は根元に近付けないからです。

御神木の幹に開いたサビナカボソの脱出口です。
タマムシ独特の円でも楕円でもない独特の形状(強いて言えば変形三角形)をしています。

考えれば、サビナカボソやミヤマナカボソ等を採る機会はここ数年は無くなるんだなあ。
ちょっと寂しい気はするけど、これまで散々採ってきたからまあ良いか。
暫く寝かせておけば更に採り易くなるかもしれないし^^

じゃあ、バイバイ、阿蘇の山々。
そしてそこに住む虫達。

また夏に来るからね^^

オオムラサキ、エノキの葉の表と裏で(2012.5.27)

庭のエノキに袋掛けして放ったらかしにしている熊本産オオムラサキ幼虫の生育状況を
確認してみました。

丸々と太った終齢幼虫。生育は順調のようです^^

袋の中を覗き込んでいると、面白い事が・・・

なんと1枚の葉っぱの表に終齢幼虫、裏に蛹が付いているではありませんか@@
両者の重みで葉は完全に垂直に垂れ下がっています。

幼虫は葉上で葉柄側を向いて台座を作り、蛹は葉裏で葉柄寄りに垂下するのでこのように
逆向きになるわけですね。
数ある中で二頭に選ばれるのだから、よほど居心地の良い葉っぱなんでしょうね^^

右後方には別の終齢幼虫も見えます。

そろそろオオムラサキの羽化準備も始めないとなあ。

オオムラサキ終齢幼虫が粉まみれに・・・(2012.5.17)

庭のエノキに熊本産オオムラサキの越冬幼虫を袋掛けして放ったらかしにしていたのですが、
袋の一つを覗いてみてびっくり@@
なんとエノキワタアブラムシが袋の中一杯に発生していたのです。

慌てて袋をエノキから外して確認すると、中の幼虫はすべて終齢幼虫になっていましたが
粉のようなアブラムシにまみれてこのとおりに(汗)。

これではとても快適な住環境とは言えません。
そのせいか幼虫の大きさにも少しバラつきがあるようです。
それにしても片方は全く問題無いのに、どうして一方だけにアブラムシが発生したのだろう・・・

急いで袋を掛け直しましたが、成虫の大きさに少し影響が出ちゃうかな。

フォトジェニックなモンキタマムシ(2012.4.25)

昨日、一昨日と隣県の鹿児島に今の時期だけに現れる可憐なタマムシとシブいカミキリを
採りに行ってきました。
今日はまずモンキタマムシのお話です。

一昨年に行った鹿児島のモンキタマ採集は、季節外れの大寒波の襲来で大失敗でした。
そこで、今回は天気と気温、季節の進み具合を十分に吟味して実行したところ、
思った程は居ませんでしたが、そこそこの個体数は確認することができました^^

屋久島との関連性で注目が集まる大隅半島に対し、薩摩半島は迷蝶などを除くと
あまり虫屋の話題に上ることがありません。
ところがどうして、特に「南薩」は「外来種」の甲虫の吹き溜まりとしてとても
面白い所なんですよ。

有名どころだけでもオオムラサキ、ケブカトラ、チャゴマフ、キンケビロウド、オキナワキボシ
といったカミキリ、そしてモンキタマムシなど魅力的な種類が居て、甲虫屋なら一度は採集してみたい
場所ではないでしょうか(記録地・発生地はごく限られています)。

モンキタマムシは春季のみ人家の周りに植栽されたウメの若葉に現れます。
ですからちょっと網を出し難いんですね。今の時期は丁度梅の実もなっているし。

前回は最高気温が18℃というとんでもない悪条件で苦労しましたが、
今回は朝から気温が上がり午前9時頃にはポツポツと姿を現し始めました。

エリトラ後部のイエローが何とも言えず鮮やかです。
他のタマムシのように俊敏ではないので、十分撮影を堪能できました。
こんなところも純国産ではない雰囲気を醸しています^^

頭部が真黒なのが♂で、脳天に丸い黄紋があるのが♀です。

この日は最高気温が24℃まで上がり、陽光を好むタマムシの採集には絶好の日和でした。
なお、よく晴れて気温も高ければ午前中に盛んに活動しますが、午後になると葉影に隠れるので
見つけ難くなります。

本種の産地としては長崎が有名でしたが、地元の友人から数年前に聞いたところでは
数はかなり少なくなったとのこと。

南薩ではいつまでも目を楽しませてもらいたいものです^^

そしてサツマスギノアカネトラを採るために鹿児島市まで一気に北上しました。

オオムラサキ覚醒準備(2012.4.14)

ちょっと遅くなりましたが、阿蘇で採ったオオムラサキ越冬幼虫を目覚めさせる準備を行いました。
エノキの落ち葉にしっかり貼り付いた幼虫は、容器を暖かい部屋に置くだけではなかなか目を覚ましません。

そこで、自然の風や外気、日光にさらしてやると「シャキーン」となるようです。
庭の芽吹きが進んできたエノキ幼木に、くっついている枯れ葉ごとクリップで留めてやります。
後は鳥などからの食害や寄生を防ぐためにネットを掛けておしまい。
これである程度大きく育つまでメンテナンスフリーです^^

我が家の近所は建て込んでいて、かつ車道に接しているので結構人目に付きます。
道行く人は「何なんだろう?」と思うでしょうね^^

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