昨日に続き、地元のオベレア(Oberea:リンゴカミキリ属)をもう1種紹介します。
主にマメ科の植物をホストとするホソキリンゴカミキリです。
全国的に普遍なオベレアと言えますが、地理的変異が大きいようでコレクションの対象としては
面白い種類だと思います。
また九州では屋久島や対馬に極めて近縁なものが居て、進化の度合いを見極めるのも
結構難しいですね。
地元熊本の阿蘇にも面白い個体群が居り、そこでの本種は一様に小型となります。
講談社のカミキリ大図鑑plate95に阿蘇産の本種が図示されていますが、殆どの個体が同様に
極めて小さく、やや寸詰まりに見えます。
エリトラの暗化も顕著で、熊本の平野部や九州脊梁山地で採れるものとは総じてちょっと異なる
という感じを持っています。
「早朝ビーティング」で落ちた個体。
図鑑の写真とそっくりです^^
(参考)
早朝ビーティングのススメ(2012.6.20)
ひょっとしたらひょっとするかな。
今度暇な時にじっくりと調べてみよう^^
さて、阿蘇の灌木を交える草原では、本種はハギやフジをホストとしており初夏の頃に得られます。
草原の小さなハギの葉裏に留まった阿蘇産のホソキリンゴです。
一枚を撮ったところで、ヤツはすぐこちらに気付きサッと葉表に移動しました。
本種は特に敏感なオベレアで、傍を通ると不意に飛び立つのですが、かなり低い位置を生活圏に
しているので採集は割と楽な種類です^^
本種とも暫しのお別れだなあ・・・
タグ : オベレア, カミキリ, ハギ, フジ, ホソキリンゴカミキリ, リンゴカミキリ属, 講談社のカミキリ大図鑑, Oberea
カテゴリ : カミキリ
突然ですが、あなたは採集地に何時頃到着するようにしていますか?
僕は東京に住んでいた頃、殆ど毎週末採集に出ていました。
各採集地へは高速道路を使うのですが、週末は早朝に乗らないと混んでしまうんですね。
東京近辺での渋滞はとにかく酷いですから(汗)。
ですので採集地には午前8:00前には着いてしまうことが殆どでした。
ただ、真夏であってもこんなに早い時間には未だ虫は活動を始めていません。
しかも山々の周りは朝露で濡れそぼっている場合が殆どです。
こんな時、あなたならどうしますか?
辺りが乾いて気温が上がり、虫が動き始めるのを漫然と待ちますか?
そんな時に僕がやっているのが早朝ビーティングです^^
熊本に戻った今もメインロードの朝の渋滞を避けるためにやや早く出発するので、高速を使うことは
無いものの採集地にはやはり朝8:00頃には着いてしまいます。
そうした時、僕はおもむろにビーティングネットを取り出し、狙いを定めてポイントの辺りをバンバン
叩き始めるのです^^
ビーティングネットは朝露で瞬く間にビショビショになりますが、そんな事は気にしません。
勿論、腕にも冷たい水滴が飛びかかってきますが構わず作業を続けます。
すると、次のような面々が落ちてきました^^
ジッとしているニセシラホシカミキリは珍しいなあ。
最近マイブームの極小白イタヤカミキリもポトッ。
今年初のミヤマナカボソタマムシはビーティングネットに落ちました。やはり美しいなあ。
阿蘇のホソキリンゴカミキリは小型の個体群です。
もうヘリグロリンゴが出てるのか。焦るなあ。
いずれもネットの上に落ちた姿のままでじっとしています。
なのでゆっくり吟味して、必要なものだけを拾い上げて毒ビンに入れるだけ^^
このように写真も難なく撮ることが出来ます。
もしこれが昼間だったら、イタヤを除いて一瞬のうちに飛び去ってしまいます@@
(イタヤすら敏速に走って逃げる可能性大^^)
僕は早朝ビーティングを敢行することで九州では珍品のモモグロハナリやムナコブハナ等の
カミキリや珍しい雑虫類を少なからず手にしてきました。
朝の1~2時間を単にブラブラと時間を潰すだけか、あるいはその日の採集品を増やすのか。
あなたならどちらを選びますか?
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