イタヤカミキリ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

白帯型のイタヤカミキリ(2015.6.24)

長雨の狭間を縫って行ってきた半日採集で、3年振りに見たのはイタヤカミキリ。
阿蘇地域の本種はエリトラの帯が白くなる一風変わった型となります。

ハッとするような純白感が良いですねえ。
全身茶色っぽいノーマル型を見慣れた方がいきなり現場でこれを見たら、ビックリされることと思います^^

残念ながら時期的に遅く♀しか見ることが出来ませんでした。
数年後から九州本土回帰の採集活動に入るので、いずれタンマリとシバキませう^^

この時期のベニハンノキカミキリ、白イタヤカミキリの幼虫(2013.3.4)

先般阿蘇の山々にお別れを告げに行った際、ベニハンノキカミキリおよび白イタヤカミキリの幼虫を
撮っていたので、冬季の生態の一環として紹介しておきます。

まず、ベニハンノキの終齢幼虫はこの時期、ホストであるヤシャブシ等をはじめとしたハンノキ類の
生枝の蛹室内で、前蛹として越冬体制に入っています。
良い枝にはこのように、複数個体が入っていることもしばしばあります^^

しかし、阿蘇産はつくづく小っちゃいなあと思いますね。
(写真の3頭はいずれも♂のため特に小型)

その場所はベニハンノキの多産地として有名なため、誰かが材採集を試みた痕があちこちにありました。
どうやら初心者さんだったようで、ほとんど的外れの部位ばかりを見ておられたようです。

本種をはじめ、カミキリの殆どはホストの外観に食痕等何らかのヒントを残しているので、その痕跡を
見極めるスキルを磨く必要があります。

去年の初夏、同地で撮った成虫の活動の様子です。
割と昨年は発生数が多かったため、シャッターチャンスは結構ありました^^


一方こちらは、ヤナギの生木に穿孔するイタヤカミキリ終齢幼虫です。
阿蘇のマイフィールドの一画で見つけた、極小個体群の幼虫です^^

ベニハンノキとは違い、本種の終齢幼虫は今の時期は活性が高く、親になる準備は未だしていません。
幼虫は典型的なフトカミキリ亜科の顔で、尾端がズドンと切り落とされたような形状をしているのが
特徴です。

本種の場合は幼虫の脱糞口が比較的分かり難く、材採集は少々やり難い部類に入ります。
(勿論、坑道周辺の幹が変形する等の何らかの目印はありますが。)

当ブログでは何度も紹介していますが、この一画の個体群は樹高1メートル程の細っこい幼木の「幹」で
生育しています。

昨年の初夏、ビーティングネットに落ちた「白」イタヤカミキリ。
九州産はエリトラの白帯が目立ち、人気の高い一群です^^

発生初期なので、ホントにビカビカ^^

早朝ビーティングのススメ(2012.6.20)

突然ですが、あなたは採集地に何時頃到着するようにしていますか?

僕は東京に住んでいた頃、殆ど毎週末採集に出ていました。
各採集地へは高速道路を使うのですが、週末は早朝に乗らないと混んでしまうんですね。
東京近辺での渋滞はとにかく酷いですから(汗)。

ですので採集地には午前8:00前には着いてしまうことが殆どでした。
ただ、真夏であってもこんなに早い時間には未だ虫は活動を始めていません。
しかも山々の周りは朝露で濡れそぼっている場合が殆どです。

こんな時、あなたならどうしますか?
辺りが乾いて気温が上がり、虫が動き始めるのを漫然と待ちますか?

そんな時に僕がやっているのが早朝ビーティングです^^

熊本に戻った今もメインロードの朝の渋滞を避けるためにやや早く出発するので、高速を使うことは
無いものの採集地にはやはり朝8:00頃には着いてしまいます。

そうした時、僕はおもむろにビーティングネットを取り出し、狙いを定めてポイントの辺りをバンバン
叩き始めるのです^^

ビーティングネットは朝露で瞬く間にビショビショになりますが、そんな事は気にしません。
勿論、腕にも冷たい水滴が飛びかかってきますが構わず作業を続けます。

すると、次のような面々が落ちてきました^^

ジッとしているニセシラホシカミキリは珍しいなあ。

最近マイブームの極小白イタヤカミキリもポトッ。

今年初のミヤマナカボソタマムシはビーティングネットに落ちました。やはり美しいなあ。

阿蘇のホソキリンゴカミキリは小型の個体群です。

もうヘリグロリンゴが出てるのか。焦るなあ。

いずれもネットの上に落ちた姿のままでじっとしています。
なのでゆっくり吟味して、必要なものだけを拾い上げて毒ビンに入れるだけ^^
このように写真も難なく撮ることが出来ます。

もしこれが昼間だったら、イタヤを除いて一瞬のうちに飛び去ってしまいます@@
(イタヤすら敏速に走って逃げる可能性大^^)

僕は早朝ビーティングを敢行することで九州では珍品のモモグロハナリやムナコブハナ等の
カミキリや珍しい雑虫類を少なからず手にしてきました。

朝の1~2時間を単にブラブラと時間を潰すだけか、あるいはその日の採集品を増やすのか。

あなたならどちらを選びますか?

やはり明日から鹿児島へ・・・(2012.5.10)

本日出したメルマガには、近々鹿児島へ行く予定は無いと書いたのですが、ふと思い立って明日から
1泊の予定で行ってくることにしました^^

ケブカトラカミキリや低地のキュウシュウトガリバホソコバネカミキリの発生状況等を見てきます。
やや気温が低いのがちょっと気掛かりですが・・・

本当は大分の黒岳にカエデの花を掬いに行こうと考えていたのですが、天気は良いものの大分方面は
かなり気温が低いようなのでパスすることにしました。
それに黒岳の天気はまったくアテになりませんし・・・

なお、羽脱のピークを迎えているベニハンノキカミキリ、及び羽脱し始めた阿蘇の極小イタヤカミキリの
材箱も積んでいかなければなりません。

二日も管理しないで放置すると、羽脱した個体同士が材箱の縁などで噛み合いをし、全く使い物に
ならなくなってしまいます。
持って行った現地では何かと億劫ですが、これくらいはしないと美しい標本は残せません。

なお、先日のヒコサンヒゲナガコバネカミキリ採集行には、ベニハンノキを福岡まで連れて行きました^^

下の写真は先日鹿児島から幾つか生かして持ってきたモンキタマムシの後食風景です。
本種の出現期間はほぼGW頃までとされており、1exのみ死亡しましたが、それ以外はまだまだ元気です。

次は以前のブログ記事でも触れた阿蘇の「極小」白イタヤの脱出口です。
指ほどの太さの幹(枝ではありません^^)ですから、いかに成虫が小さいかお分かりになると思います。
今日までに3頭が羽脱しています。

では、ブログは二日ほどお休みすると思います。

阿蘇草原の「極小」白イタヤカミキリ(2012.4.21)

九州のイタヤカミキリは、通常茶色の帯状紋が白色に置き換わった「白」イタヤとして知られます。
本州産もそんなに多いカミキリではありませんが、九州産は産地も限られるので
やや入手し難いカミキリと言えます。
白く美しいので関東の友人からいつもリクエストを受ける種類です^^

こうした特徴はよく知られているのですが、阿蘇の草原にひょろっと生えた細いヤナギに付く
「極小」の白イタヤがいるのをご存じの方は少ないでしょう。

下の写真は一般的な大きさの白イタヤが食入したヤナギと成虫の脱出口です。
阿蘇に生える樹木は一般的に大きくならないので、これでも割と大き目のヤナギです。
本州ならこれよりもっと太い木も平気で加害しています。

これは去年のカットですが、こうした太いタイプの木から羽脱した白イタヤと脱出口の様子です。

この感覚を覚えていただいて、下の写真を見てください。

ヤナギの細枝に脱出口があるのがお分かりかと思います。
これ、枝先じゃなくて「幹」なんですよ^^
阿蘇の草原では本来大きくなるはずの木が小さいままで成長が止まるケースがあり、
そうしたヤナギに付くイタヤカミキリは「極小」になるわけです。
私が持っている最少の個体は15ミリありません^^

現在保管している蛹の大きさ、及び入っている幹の太さを見ていただきましょう。

次はもっと細いですよ。

このように、この一画に生息する白イタヤはすべて極小の個体群です。
通常の大きさの茶色イタヤ、白イタヤのコレクションに加えて秘かに楽しんでいます^^

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