自由人 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

クイズ:八重山の林縁で見かけるコレは何?(2013.7.1)

明日はいよいよ石垣を離れる日です。
メルマガ二誌の配信と荷物類の配送も完了し、一息ついたところです。

今更個々の虫の話でも無いので、最後はクイズにしましょうか。
勿論、虫が絡んでいますよ^^

八重山や沖縄の島々で採集していると林縁で見かけるコレ。
遠目に見た甲虫屋さんは初め、誰かが空中フィットを掛けているのかと思うようです。
(僕も最初はダマされました^^)

でも当然違うんですよねえ。
この地域の重要な産業である農業に大きく寄与している物なんです。

さて、コレは一体何でしょう?

特に与那国島に多いのですが、そのヒントは台湾に最も近いから、です。
メルマガをご覧の(お暇な^^)方は、連絡先のアドレスまでご回答頂けると嬉しいです。

何かプレゼントが当たる・・・かも^^

成虫採集に成功したオキナワサビカミキリ^^(2013.6.30)

近年の南西諸島のカミキリの中では、成虫採集例が極めて少ないオキナワサビカミキリ。
通称「ディボーマ」。

与那国産カミキリの最大の懸案が本種を成虫採集することでしたが、今回の与那国行でそれを実現
しました^^

僕にとって、成虫を狙い採りする事に意味があったディボーマ・・・

「ディボーマ・・・ 成虫で・・・ 採った・・・」
を何度か無意識に呟いていました。

間違い無くここ数年の中で、ビーティングネットに落ちた虫で最も感動しました^^

今季最後の与那国採集から戻りました(2013.6.29)

本日、今遠征では最後となる3回目の与那国採集行から石垣に戻って来ました。

今回の主目的は以前からどうしても採りたかったノブオオオアオコメツキ採集、そして積み残していた
幾つかの案件でしたが、後者はいずれもかなり厳しいため今後の宿題となったものもありました。

まあ、与那国は何回も行きたい島の一つなのでゆっくりやることにします。
島々は逃げませんからね^^

なお、この与那国採集で3月から開始した今回の長期遠征は実質的に完了です。
数日後には地元の九州(熊本)へ帰還する予定です。

この数日は休む間も無く標本整理やら身辺の整理、メルマガ類の配信、挨拶周りや荷物の郵送等
超多忙となります。
遂にこの日が来たという感じですね。

ところで、実は与那国最大の案件が今回片付きました^^
コレです。

小さくて何だか分からない?
タネ明かしはまた明日^^

出現期が早いヤエヤマミツギリゾウムシ(2013.6.28)

石垣島にはミツギリゾウムシの仲間が1種だけ分布しています。
それがヤエヤマミツギリゾウムシです。

本土でのこの仲間はもうあまり見ることは出来なくなりましたが、本種は比較的目にする事が出来ます。
八重山で本種を採集したのがこの仲間との初めての出会い、という方も多いようです。

 

九州山地辺りだとまだたまに採れるタダミツギリに大きさも斑紋もよく似ています。
ミツギリゾウの仲間全般に言えることですが本種が生息するには自然度の高い林が必要で、海岸近くにも
居るものの山地の方がはるかに多いですね。

ただ本種の発生時期は早く、春先にはすでに出現し5月中頃にはほぼ目に付かなくなります。
これは南九州等でこの仲間が盛夏に採り易いのとは対照的です。

石垣に来た3月の晴れた日には林内で割りと見掛けたのですが、その後長期の雨天が続いたこともあり、
全体を通しては今回不調でした。

採った直後はこのように黄紋が鮮明なのですが、この仲間の常で暫く経つとこの紋は褐色に退色し
ガッカリさせられます・・・

おまけ。
遥か昔、初めて採った時にミツギリゾウの仲間と勘違いしたアリモドキゾウムシ^^

オビレカミキリ(2013.6.27)

広域分布種ながらあまり個体数は多くないカミキリは結構居ます。
その一つがオビレカミキリでしょうか。

これ、採った事が無い人は結構多いと思いますがいかがでしょうか?
そう、普通のビーティング採集ではなかなか引っ掛かって来ないのです。

生息環境にちょっとウルサイのがその理由でしょうか。
実際、個体数も多くないカミキリだと思います。
僕も今回の石垣以外は屋久島、奄美で採った事があるのみです。

九州だと鹿児島に多いような気がしますが、そこのカミキリの大御所に聞くと「オビレは採れないよ」
とのことでやはり何処も厳しいようです。

で、これが落ちると感激するわけです。
特にデカイのが落ちると^^

スマートで格好良いフォルムですよねえ。
こんな長っ細いカミキリは他に居らず、国産カミキリでは唯一無二の存在です^^
 
前に使っていた安物デジカメの酷い画像ですが、いわゆる「オビレ」の部分の雰囲気は伝わると
思います^^

オオイクビカマキリモドキ(2013.6.26)

道端で変な大きなハチが蠢いている、と思って近付くとオオイクビカマキリモドキ。

国内で8種ほど確認されているカマキリモドキの中では最大級で、九州でたまに遭遇していた
オオカマキリモドキよりさらに大きいような気がします。

形態的に見て、この仲間は恐らくは黄色系のアシナガバチ等に擬態していると思われます。
「良い虫何でも屋」の僕にはドンピシャの虫なんですよねえ^^
今回は展翅板を持参していないので生展翅出来ないのがホントに残念!

ナイターにも飛んで来ることがあり、虫の種類数が少ない南国の夜を賑わしてくれます。
条件の良い日でなければ複数来ることはありませんが。

「カマ」もデカイですね。 狩りの瞬間も見てみたいものです。
それに幼虫は一体どんな奴なんだろう・・・

石垣島のフトカミキリ二種(2013.6.25)

亜科名としては馴染み深いフトカミキリ類ですが、実は南西諸島にしか分布していません。
本土の人から見ると身近には居ないし、結構カッコ良いフォルム・カラーリングなので憧れのカミキリ
の一つではないでしょうか。

石垣島にはイシガキフトカミキリおよびヤエヤマフトカミキリの二種が分布しており、色も形も互いに
よく似ています。
イシガキフトはかなり少ないので(採り難いと言い換えた方が良いかも^^)普通の採集ではあまり
目にすることはできませんし、ヤエヤマフトにしてもそれほど多いカミキリではありません。

また石垣北部のヤエヤマフトは亜種化(青味が強く美しい)しており、わざわざ1時間ほど掛けて
そこまで行かないと入手出来ない(しかも行っても採れるとは限らない)こともあって特に人気があります。

前者の幼虫はシイの生木に依存する一方、後者は雑多な木々の枯れ枝をホストとしており、
基本的には棲み分けているように見えます。
ただ、同所で二種が一度に採れることがあるので、面食らってしまう初心者さんも多いのでは
ないでしょうか。

普通はどちらかと言えば多いヤエヤマフトがイシガキフトと誤同定されることが多いのですが、
その逆もあるため厄介なんですよねえ。

まず、これがイシガキフト(♂)です。
2種とも翅端はヤハズ状になっているのですが、本種のトゲの部分は短く、翅端全体としては丸味を
帯びています。

こちらの写真もこの特徴を良く捕らえているのでご参考に。
イシガキフトカミキリの交尾

次いでヤエヤマフトの♀です。
トゲは長くやや並行気味に伸び、トゲの間はやや開いています。
イシガキフトに比べて、トゲがより鋭く尖っている感じが分かるでしょうか。
内側のトゲも目立ちますね。


また、ヤエヤマフトは体高が低く、イシガキフトに比べるとやや平べったい感じがあります。

♂の触角がいずれも黒色(イシガキフトは少し茶色っぽい)であるのに対し、♀は両種共白と黒の
ダンダラとなるなどの性差はあるものの、基本的に見分けるポイントは♀も同様です。

あなたもこの機会に所持されているこの仲間の標本を整理し直してみたらいかがでしょう。
意外と、「あーあ、ヤエヤマフトの方かあ」と思っていたものがイシガキフトに化けるかも^^

 

枯れ枝の中を横断するハヤシサビカミキリ幼虫(2013.6.24)

八重山の「ド」が付く普通種カミキリと評されるグループの中に、ハヤシサビカミキリがあります。
南西諸島で普通種の代表として使われるロピカ「Ropica(属名)」と言えば、大体本種を指します^^

本土にはこれほど落ちて来るという意味でのカテゴリーのカミキリは居ませんね。
何は居なくてもこれだけは絶対に採れない事は無い、と全財産を掛けて言い切れる種類です^^

ただ変異幅が広く、かつては複数の種類に分けられたほどですし、島毎にも軽微な独自的変異が
見られるので細かく集めて楽しむには向いているカミキリですね。
普通種だけにそれをやろうとする人はまず居ませんが、僕なんかはそういう人を見ると「デキルな」と
ちょっと一目置いてしまいますが・・・

島毎に数十頭ずつを並べたコレクションを作ると、誰も持っていない素晴らしいものが出来ると
思いますね。
まあそこまで本種に時間を掛けられるのは僕でももっと先にはなりそうですが^^

下の写真は石垣産ですが、これを基本形とすると・・・

波照間島産。
部分的に赤みが強く白紋が綺麗な個体が多い。

与那国島産。
体は黒く概して大型 、白紋が大きく鮮明な個体が多い。 

などなど・・・
今年は行けなかったけど、黒島や小浜島、新城島の個体群も見てみたいなあ。

そして、本種で面白いのが幼虫の材の食べ進み方です。

これは本種の食い入っている枯れ枝を縦に繊維に沿って割った場面です。
お分かりの通り、断面に円形の穴状の食痕が開いていますよね(幼虫の尾部が見える)。

何故このような丸い穴が出来るのか・・・
その理由は下の写真の通りです。
(関係無いが樹皮下の食痕にも注意のこと)


この仲間の幼虫は何故か枯れ枝の中を横断するように食い進みます。
なので縦に割るとその坑道が円形の穴として現れるわけです。

僕の知る限りこうしたケースは他に例が無く、普通種の割には一芸を持った種類ですね^^

ヒロオビオオゴマフカミキリ、ラッキーな一叩き^^(2013.6.23)

台風4号が去り、石垣地方の天気予報では晴れマークが並んでいます。
しかし実際は5号の影響も大きく、連日強風が厚い雲を吹き流しています。

今日なんかはオモト岳に昇ろうとしたらしっかり雨に降られました。
一体どこが晴れなんだか・・・

でも。

ラッキーな一叩きでした^^

この時期のヒロオビオオゴマフはもう分散しているし、よく固まって居たなあ。
基本的には叩いて採る虫では無いし。

こんなのもう二度と無いでしょう^^

ススキサビカミキリのホストに関する一考・その一(2013.6.21)

これはメルマガ(南虫ニュース)かSIC通信に書こうかなと思っていたのですが、取っ掛かりに過ぎない
こともあるのでブログネタにします。
一般の方もご参考にしていただければと思います^^

ススキサビカミキリのホストに関する一考・・・

本種に関しては今はまだ採集の方に力点を置いているし、現地に周年を通して住むことが出来れば
材採集や飼育によって真相を突き止めるのも容易なのですが、今はそれが不可能です。
以下に僕がこれまで現場で得た事実の一部を述べますが、「だからススキサビのホストはコレだ!」と
現段階で言うつもりは無いことを予めお断りしておきます。

以前月刊むし誌にススキサビカミキリに関する報文が出され、その中でホストに関する疑問が
投げかけられていました。

曰く、「ススキ」サビとは言うけれど、本当にホストはススキなのか?
そして、採集現場付近に多いアカメガシワの枝を放置し後に回収、しかしススキサビの羽脱はなかった
というものでした。

その報文を見た時、僕が思ったのはこうです。
「第二ポイントで採っていればそう考えるわな」

僕のススキサビへの想い入れは深く、もう何処にも居ないと騒がれていた時分にもコツコツと
採集ポイントを開拓していました。
そのおかげで今では数カ所の独自ポイントを持っています^^

実は近年、地元の採集人のある行為のおかげで、その一つが他の人の目にも触れるようになって
きました。
そこが僕の言う第二ポイントです。

当地はアカメガシワ等の潅木の茂る場所で、その周りをススキが帯状に取り巻くように生えています。
現在一部の人に知られつつあるススキサビのポイントとは大体この場所を指し、件の報文の舞台と
なった所も環境の描写から其処であるのが分かります。

確かに、その場所で周りを見回すと、「ススキサビのホストって本当にススキなのか?」と疑問が
沸いてくるほど雑木が生い茂っており、筆者さんが面食らわれたのも十分理解出来ます。

僕も始めの頃は純粋にこの件を考えた事はありました。
でも、今ではこれまでに得た事実から、真相は案外単純なのではないか、との心境に至っています。

実は第二ポイントはススキの量が少なく、正直なところ場所が広い割にはススキサビの密度はそれほど
濃くありません。
潅木が多いこともあって他の雑多なSybraやRopica、タテスジドウボソ、ワモンサビ、シモフリナガヒゲ、
リュウキュウヒメ、ヨナグニゴマフ等の普通種がゴマンとおり、そこで採れるカミキリの大部分を占めます。
勿論ススキをホストとするウスアヤもたくさん居ます。
このことは前段の報文の「放置したアカメガシワからのこれらの羽脱」と一致しています。

また、こういう事実があります。
ここに限らず、北部におけるススキサビの分布域の潅木類をビーティングして本種が落ちて来た事は
一度もありません。

北部には他にヤエヤマフト石垣北部亜種やイシガキトガリバサビ等狙うべき珍種カミキリも居るため、
僕は徹底的に木々の枯れ枝や枯葉、ツル類等も散々引っ叩いてきました。
しかし、ススキサビが採れた事は一度も無く、他の採集者がこうした方法で採った話も聞きません。

すなわち、ススキが全く無い所でススキサビが採れたことは無いのです。

そして重要な話をしましょう。
僕が独自のポイントを幾つか持っていることは前段で触れましたが、ススキサビが最も多い場所、
僕が第一ポイントと呼んでいる一画にはほぼススキしかありません。

ほんの数本の細い潅木(樹種は控えるがアカメガシワではない)しか無いためウゾウムゾウは殆ど
居ない上、ウスアヤもあまり落ちず、どちらかと言えばススキサビの方が多いくらいです。
僕はこうした所が本種の本来の生息環境ではないかと考えています。

もし本来のホストがススキではなく、例えばアカメガシワ等の樹木であるなら、ススキサビの個体数は
第二ポイントの方が圧倒的に多いはずです。

「じゃあ、もうホストはアレで決まりじゃん!」
そうした声も聞こえてきそうですが、そうも言い切れないかもな、というのが今の僕の心境です。

それは本種を幾つか人工的な環境(最低限の^^)で飼ってみての感じなのですが、それについては
写真も含めまた後日お話しますね^^

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