自由人 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

九州高山帯の珍品ゴミダマ、ソボトゲヒサゴゴミムシダマシ(2014.9.4)

今年最初の九州高山帯における採集で数年振りに採ったのがソボトゲヒサゴゴミムシダマシ。
いやあホント、九州高山帯におけるゴミダマの極珍種ですねえ。

感覚的には屋久島高山帯に稀産するイリエヒサゴゴミムシダマシと同程度の珍品度合でしょうか。
いや、それより少ないかもなあ。
イリエもポツンと単独でしか採れないことが多いけれど、ソボトゲはそれに輪を掛けて居ない印象です。

イリエも寸詰まりの小型種ですが、ソボトゲはさらに小さくヒサゴ系の中では最小種です。
それゆえ大方の採集者には見逃されている可能性も高いですね。
また、発生時期が比較的遅いのも目に付き難い要素になっているかもしれません。

あまりにも小さく意外にも素早いので、闇夜の中で撮影に手間取るうち危うく逃すところでした。

初秋の珍品カトカラ、ヨシノキシタバ(2014.9.3)

9月に入ってもどうも天気が安定しませんね。
気温もちょっと低温傾向で、出撃のタイミングを計るのが難しいです。

そうした中、昨晩は九州脊梁山地の高地帯でもなんとかナイターが出来そうだったので、空模様を
気にしながら夕刻から出発しました。

自宅からポイントまではクネクネ山道を二時間ほど。車では行けるものの九州では秘境扱いの場所です。
所々雨が降った跡がありその後の天気の崩れも気になります。
現場に着いたのは午後7時過ぎ、もう真っ暗になった頃でした。

ここは標高1,500メートルほどはあり、今回は悪天のため山塊が厚い霧に終始覆われていました。
運良く雨粒は落ちていないようで道路は濡れていません。なんとか屋台はひろげられそうです。
気になるのは気温。特に今回は低く、ライトを点灯した時点で既に20℃を若干切っていました。

低温なので甲虫は最初から諦めていましたが、ことのほか蛾は多く集まって来てくれました。
とりあえずホッと胸を撫で下ろします。
今回最大の狙いは九州カトカラの珍品、ヨシノキシタバなのです。

ヨシノキシタバはブナを唯一のホストとする、いわゆるブナ帯に固有のカトカラです。
国産カトカラでは唯一雌雄の斑紋が異なる種で、単純に美しいことからとりわけ人気があります。
僕も関東各地でナイターをやっていたので分かるのですが、実は本種、かなり少ないカトカラです。
一晩に採れても数頭で、カトカラの帝王と呼ばれ珍種扱いもされるムラサキシタバよりも遥かに
少ないものでした。

九州はブナ帯が薄いので基本的に高山性の昆虫相は貧弱です。
ただマイポイントでは、毎回ヨシノキシタバが高確率で飛来するんですよ^^

点灯後暫くして支柱に留まった♂。
これはまだ展翅出来るほどの鮮度を保っています。

この♂は前翅に亀裂が入っていますね。
9月に入るとやはり♂は翅にほぼ切れ、欠けがあって殆どはスルーせざるを得ません。

一方、♀はほとんど全てがビカビカ^^
本州産の♀の斑紋はほとんど一様のようでしたが、九州産はかなり変異があります。
特に金色掛かったある意味「毒々しい」斑紋は見事の一言です^^
また九州産は本州産に比べると明らかに大型で、一層の魅力を感じますね。


昨晩のナイター、開始数時間は蛾の飛来も良くヨシノキシタバもポツポツ姿を見せましたが、次第に
気温が下がり、午前零時には冷たい強風が吹き始めたのでやむなく閉店しました。

遠目に見るムナコブハナカミキリのふるさと(2014.9.2)

もう二年も採っていない地元のムナコブハナカミキリ。
近年は関西でも採集地が増えているようですが、ムナコブハナの最も著名な産地と言えばやはり
熊本の阿蘇某所(伏字にする必要もないほど有名^^)でしょう。

ここ二年は本種の発生時期を遠征先で過しているのでそのポイントにすら行っていません。
先月下旬にその近くまで行った際に撮ったムナコブハナの発生地一帯です。
右下に小さく見える白い塔から上方の稜線に本種は吹き上がって来ます^^

近年新たに見つかっている産地というのは、いわゆる発生木とされるノリウツギの幹に留まっている
主に♀を主眼とした見つけ採りに特化した場所です。
醍醐味のある吹き上げ採集という意味では、未だに此処が国内唯一と言える採集地です。

しかも、この近辺では副産物としてキュウシュウヌバタマハナ、キュウシュウ(敢えてこう言いましょう^^)
モモグロハナ、ベニハンノキ、白いイタヤカミキリ等の魅力的に特化した種類に枚挙の暇が無く、
採集地としてもピカ一です^^

もう少し長期遠征を続けるつもりなのでまだ暫くはムナコブハナ採集もおあずけかな。
まあ産地は逃げないし、「我が庭」でもあるのでゆっくり楽しむとしましょう^^

阿蘇草原におけるナイターに集まる昆虫達(2)(2014.8.31)

今日は8月最下旬、阿蘇で草原ナイターを行った際に飛来した虫の第二弾です。

まずは意図的に狙ったゲンセイ類。
真夏の草原に出現するので、有名な割には出会ったことの無い甲虫屋さんも多いのではないでしょうか?

これはキイロゲンセイ。
鮮やかな黄色がとても美しいですね。複眼も大きく真ん丸で、可愛らしい顔付きをしています。
大きさには幅があり、時にはとてつもなく大きな♀が採れることもあります。

次いでツマグロキゲンセイ。
個体差は殆ど無い小型種で、前種より数は多いです。

これらのゲンセイ類、刺激を与えるととても「青臭い」強烈な匂いを発し閉口させられます。
また不注意で潰したりすると有毒な体液でこちらの皮膚がただれてしまうので注意が必要です。
僕はたまにこれにやられる事があり、今回も首筋に怪我を負ってしまいました(泣)。

広大な草原には水溜りも多く、意外と水生昆虫も飛来して来ます。
全国的に少ないコガタノゲンゴロウ。

さすがにタダゲンは来ませんが、本種はまだ地元各地で点々と採集出来ます^^
面白いのは摘まんだりして刺激を与えると複眼後方からクリーム状の甘ったるい匂いのする物質を
出すことです。
イジメているつもりは無いけど、なんか泣いているみたい・・・


近年少なくなったとされるガムシも多数現れます。

ガムシも独特な嫌な臭いを出しますね。
もう変な臭いを放つ奴ばっかりじゃないか・・・

この仲間では最大級のオオカマキリモドキ。
八重山産の大型種、イクビカマキリモドキに匹敵する風貌を持っていますね。

草原には灌木類も点在するので少ないながらカミキリ類も集まって来ます。
いかにも生き残りといった感じのスレて触覚の切れたヤツメカミキリ。
サペルディーニの仲間はよくライトに集まるので一応念頭には置いておきましょう。

割と遅い時期に発生するスジマダラモモブトカミキリ。

カミキリはこの他にノコギリ、ゴマダラ、サビ、トガリシロオビサビ辺りが飛来しました。
とんでもない貧果ですが、まあ場所柄、時期から勘案して妥当なところでしょう^^

群生タイプのカメムシ類はスクリーン上でもコロニーを作るんですね。
これはちょっと面白い概念ではないかしら^^

ちょっとだけ蛾の紹介。
全国的に産地が少ないヒメスズメ。実は阿蘇草原には結構居たりします^^

これも一般には多くないホソバスズメ。
シブい紋様、かつカッコ良いスズメガで好みです^^

唯一コレクションする、キガシラハサミムシ(2014.8.30)

天気予報を見ると、九州地方は1カ月ほど続いた重たい前線の影響からようやく抜けつつあるようです。
昨日の雨から一転し、本日午前、少なくとも平野部は気持ち良いほどの晴天が広がっています。
ここ1週間ほどは野外に出ても深刻な雨に祟られることはないでしょう。

一つ厄介なのが少し気温が下がってしまっていることです。
これから秋物が最盛期となりますが、山間部ではやはり気温が低いと虫達の活動は鈍くなってしまうので
もう2~3℃は高くなって欲しいのですが・・・

ただ今週末について言えば、僕はメルマガの執筆と発行に加えオークションの締切および再出品、
そして発送準備とてんてこ舞いなので本格的な秋物狙いは週明けからとなりそうです。
ここ二日ほどで天気の更なる安定と気温の戻りを期待したいですね。

さて、7月に行った屋久島の写真を整理していると面白い虫が出てきたので紹介します。
キガシラハサミムシです。

正直僕はハサミムシの仲間の採集およびコレクションは全くやっていませんが、本種だけは例外です。
その理由は写真を見て頂けると一目瞭然だと思いますが、なんと素晴らしいハサミなのでしょう!
試しにちょっと自らの指を挟ませてみましたが、思ったより痛かったですよ。
決して「ダテバサミ」ではないようです^^

ハサミを含む体全体が漆黒で、頭部後縁に鮮やかな黄帯のアクセントがあります。
奇虫好きのコレクターにはたまらないでしょう^^

しかも数が少なく、一回の遠征で採れてもせいぜい1~数頭と僅かなものです。
樹上性とのことですが、あれほどスウィーピングやビーティングを行っているにも関わらず、まず
入ってきません。

本当に純粋なる樹上性なのか、ただ単に少ないのか・・・
ハサミムシ如きですが、本種についてはいろいろと解明したいなあ(標本もいっぱい欲しい^^)。

阿蘇草原におけるナイターに集まる昆虫達(1)(2014.8.29)

先日草原ナイターに集まる昆虫の番外編として、今は採集禁止種となったダイコクコガネについて
紹介したところです。
本日はそれ以外の甲虫幾つかに触れてみましょう。

地元草原の頼もしいところは、ダイコクコガネは言うに及ばず他の糞虫も大変豊富ということです。
その代表の一つがムネアカセンチコガネでしょう。

ムネアカセンチは上手くポイントを当てると一晩に二桁が飛来して来ることもあります。
変異も多くかつ美しく、とても可愛い風貌を持つ楽しい虫です^^
標本もいくつあっても良いなあ。

今は土盛りを掘って採る虫と思われている人も多いようですが、現在の阿蘇草原で土を掘り返していると
ダイコク盗掘と間違われる可能性も有るし、ドカチンはカッタルイのでナイターでかき集めた方が
ラクチンで、かつ能率も良いんですよ^^

真夏の草原の風物詩の一つ、ヒゲコガネ。
まあ大体どこにでも居るかな^^


草原ナイターでは常連で「来過ぎる」虫の代表、食葉性コガネ達。
種類によっては変異も多く、好きな人は採り放題です(僕はもう採りませんが^^)。



駄コガネの代表、コフキコガネ類も多く集まります。
九州、熊毛諸島限定のサツマコフキコガネ。

こちらはオオコフキコガネ。
前種とともに本来は海岸線や低地寄りの虫ですが、これらは阿蘇高原にも多くが進出しています。

地面に目を転じると、オサムシやゴミムシといった歩行虫が這っていることもあります。
全国的に変異が多い人気種、マイマイカブリ。

オサムシではエゾカタビロオサがよくナイターに集まりますし、場所によってはゴミムシの珍品が
得られたりもするので、草原ナイター、止められません^^

クロシジミ、阿蘇草原にはまだまだ健在(2014.8.27)

阿蘇の広大な草原には全国的に少なくなった昆虫がまだまだ生息しています。
蝶の分野で言えば、その一つがクロシジミでしょう。

全国的に減少が著しい蝶で、僕が6~7年前まで居た東京近辺では富士山周辺がまだ確実に
生息していることを知る唯一の地域でした。
会社員時代は蝶のみを対象とした採集を行うことも多く、山梨県側の富士山の裾野も良く訪れた
フィールドです。
その中でも頻繁に通った北富士演習林はクロシジミの残された産地の一つとして有名でしたが
採れてもせいぜい1~2頭で、最後には全く見ることが出来なくなっていました。

関東各地の蝶友と話していても、「昔は此処にもクロシジミが居たんだけどねえ」という話ばかりで、
既に狙って採集出来る蝶ではほぼなくなっているという重い現実を受け止めていたものです。
ところが、地元のフィールドにはそのクロシジミがまだまだ健在なのです^^

草原の中を歩いていると、クロシジミは不意に灌木から飛び出して来ます。
ゼフを一回り小さくした程度の大きさで、より不規則に飛び回り直ぐに近くの植物や地面に留まるので
直ぐに本種と分かります。

地面の草に留まった♀。
もうこの時期になるとほぼすべてが腹ボテの♀ばかりです。

灌木に留まっている♀。
これらもかなり裏面が白いですね。もちろん黒っぽい色調の個体も居ます。


全部で20頭程見た中で唯一の♂。

阿蘇草原のアザミ等に見られる特徴的な甲虫達(2014.8.26)

阿蘇の草原でアザミをはじめとした種々の植物をビーティングすると、珍種クロカメノコハムシ等の
様々な甲虫達が採集出来ます。

草を叩くという採集は一般の虫屋さんにはあまりピンと来ない概念かもしれませんね^^
ただその分、いつもは見る機会の無い虫達と出会うことが出来ます。

マイポイント周辺に点々と在るアザミ類。
葉の位置や広がり方の具合から全体を叩くのは難しい植物です。

片っ端からポンポンと叩いていくと・・・
シラクモゴボウゾウムシとキスジアシナガゾウムシが落ちました^^

葉上で交尾するシラクモゴボウゾウムシ。
別名キュウシュウゴボウゾウムシとも言い、幼虫はアザミやゴボウの花の中で育ちます。

アザミにはゴボウ類をホストとするハスジゾウムシも見られます。
一般にヨモギ類に居る名前も似たハスジカツオゾウムシと混同されることも多いようですが、確かに
似ているものの本種の方が採り難いです。格調も高いかな^^

マイポイントではササキクビボソハムシと思われる種類も割と散見出来ます。
普通種のルリクビボソハムシも一部混生していますが、二回りほど小さく体型もやや異なるので
間違いはないと思います。

朝露に濡れている時はおとなしいのですが、日中はネットに落ちても直ぐ飛び立つので
とても厄介です。
小さいもののツヤのあるブロンズ色はとても魅力的です^^

これから秋にかけて多くなるヨツボシテントウダマシ。

初夏の草原ではよく目にするオオヘリカメムシもたまに居ます。
ヘリカメムシ類の最大種でとても見栄えがしますね。

ダイコクコガネ、今はただの夜店のお客さん(2014.8.25)

相変わらず予報から雨マークが無くならない九州地方ですが、一昨日の晩にやっと阿蘇における
草原ナイターを敢行することが出来ました。

草原でのナイターと言えば特定の種類を狙う蛾屋さんは別として、一般にはほとんど馴染みの無い
概念かもしれません。
ただ阿蘇というフィールドを昆虫採集のバックグラウンドとして育った僕にとっては普通のことであり、
一つのアドバンテージでもあるのです^^

各地の成果を測るためナイターの場所は毎年変えているのですが、今回は特に良い場所を選定
出来たようです。
此処でナイターをやると面白いかも、という願望を数十年振りに達成出来た場所でもあります。

そして本日登場するのは糞虫の王様、ダイコクコガネ。
熊本県では昨年から採集禁止となり、さすがに有名産地からも採集者は姿を消したようです。
ただダイコクコガネが地中へ引き込んだ牛糞を盗食するツヤマグソコガネの採集には本種の生息を
確認することも必要になってきますし、念のため有名産地を避けたとしても牛を飼っている近辺には
単純に本種が居る可能性もあるわけです。

点灯後暫くして、まずは中型の♀が現れました。

巨体ではありながら殆ど羽音はしないものの、着地がヘタなため何時もライトの下に落ちるのですが、
その時の「カチャッ」という音で本種が来た事が分かります^^
これまでの経験では♀が先に幾つか来ることが多いように思います。

ゴホンヅノダイコクとのツーショット。

そして♂がやってきました。ツノが小っちゃいなあ。

そうこうしているうちに長角も複数現れます。

スクリーンを這っていた個体。
本来は物に摑まって動くのが不得意な虫で(と言うか物理的に出来ないはず)、こうした場面を初めて
見ました@@

殆どの個体が着地後にひっくり返っています^^
前胸下面にダニをびっしりと付けているのが分かりますね。

今はナイターにおけるただのお客さんになってしまいましたが、種類の少ない草原の夜店を賑わして
くれます^^

次はナイターに集まる他の種類達を紹介しましょう。

オキナワサビカミキリ、真夏の羽脱^^(2014.8.23)

おう、まだ出てくれるか。
採集者想いの良いコじゃ^^

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