八重山の春におけるカミキリの代表格の一つがムネモンウスアオカミキリです。
名前のとおり体色は確かにウスアオなんですが、その言葉だけでは表しきれないほどブルーに深み、
奥行きのある不思議で幻想的な色合いを持つカミキリです。
そのように美しいこと、珍品イメージがあること等からこのカミキリに興味を抱く人は多く、初心者さんと
話をすると、とりあえず採ってみたいと口を揃えておっしゃいます。
そして実際にネットインして小躍りされている採集者をもう何人も見てきました^^
僕も八重山に訪れ始めた頃、やっと採った本種にとても感激したことをはっきりと覚えています。
これからもかつての僕のようにムネモンウスアオに魅了され、初めて出会った本種を前に興奮される
方々が絶えないのでしょう^^
さて、本種をはじめとしたサペルディーニの仲間は、成虫が後食に集まる樹木・草本(成虫のホスト)の
葉をネットで掬って採集する方法が一般的です。
ただ幼虫のホストが判明している場合が多い上に、食害部分や食痕が分かり易いため材採集を
やり易いグループとも言えます。
ムネモンウスアオの場合、成虫・幼虫共にホストはヤンバルアワブキです。
今年は既に成虫の発生は始まっていますが、まだ材中にはこれから羽脱して来る個体が居る
タイミングです。ちょっとある実験をしてみたかったこともあり、材での採集も行ってみました^^
食入材の樹皮を剥がすと・・・

♂の蛹が出て来ました^^

本種に限らず木本植物の枯れ木をホストとするタイプのサペルディーニは、幼虫が樹皮下を
食害した後、このようにボート状の蛹室を作る種類が多いです。
そして材を切断した断面の樹皮下近くに、何か虫のようなものが見えています。
その部分を少し削り取ると・・・

ムネモンウスアオの♀の新成虫です!
危なく切断するところだった@@
体は既に強固になっており、今直ぐにでも羽脱しようとしている様子が伺えます。この段階で多少は
「ウスアオ」に色付いているものの、まだこのようにくすんだ体色であるのが分かりますね。

これで前段に述べた「ある実験」の材料が出来ました^^
面白い結果が分かったらまた報告しますね。
ムネモンウスアオは基本的に採集は簡単だし通えば数は採れますが、まだ誰もやったことがない
試みを行ったり、新知見を得るのはとても楽しいですよ^^
タグ : ムネモンウスアオカミキリ
カテゴリ : カミキリ
今回石垣島へ来て2週間になりますが、本日初めてオモト岳を攻めてきました^^
昨年6月以来約10カ月振りの登頂となります。
日本全土が寒波に覆われる中、ほぼ終日晴れたものの冷たい風の影響で残念ながら虫影は
あまり濃くありませんでした。
まあ今日は今後のための下見といった位置付けの登頂ですね。
昨年に開拓した場所に加え、今年も結構新たな採集ポイントが増えているようで非常に楽しみです^^
ここでの成果については今後折りに触れて報告していきますね。
もちろん、こんなのも出ています^^

カテゴリ : その他
イシガキケブトハナカミキリのシーズンとなってきました。
そろそろ春物も少しずつ主役の交代が進みつつあるようです。
ポイントのクサギの材を調査してみたところ、早速、蛹と新成虫を割り出すことが出来ました^^
イシガキケブトハナの蛹の図示もこれが初めてかな?


蛹室内の新成虫。

食入材を持ち帰ったところ、直ぐに新成虫が羽脱してきました。

もっとたくさん出てちょうだいね^^
タグ : イシガキケブトハナカミキリ
カテゴリ : カミキリ
犬も歩けば棒に当たる。
どんな攻め方をしても、それを地で行かざるを得ないヤエヤマヒオドシハナカミキリの採集。
これまでに2頭目、3頭目と遭遇出来たものの、すべて彼(♂)。

一体何時になったら彼女と会えるのか・・・
うーん、アプローチを変えてもっと地道な方法に切り替えてみるか。
でもあれ、採集の醍醐味がないので嫌なんだよなあ。
タグ : ヤエヤマヒヒオドシハナカミキリ
カテゴリ : カミキリ
久し振りにアオヒメコバネカミキリ(リョウブモモブトヒメコバネ八重山亜種)の良好な食痕を
見つけました^^

これは途中から折れて程良い枯れ具合になったイスノキで、樹皮はまだしっかりと付いていました。
イスノキは枯れて時間が経つと樹皮が剥がれ易く、その際にはかつてのアオヒメコバネの食痕を
見出すことは割とあります。でもその時は既に成虫は羽化脱出した後の古い食痕なのです。
Epania属(サツマヒメコバネを除く)の現在進行形の食入材を見つけるのは意外と大変なんですよ。
だからこそホストが判明してもノコギリヒメコバネ(Epania iriei)が殆ど材で採れないわけです。
特に厄介なのがかなり太目の部分を好み、密度が非常に薄い点です。
イスノキは滅茶苦茶堅い木なので、一カ所輪切りにするには相当時間と労力を要します。
その結果失敗してしまうとヘコミ方が尋常ではないんですよ。
この材にも数頭しか寄生しておらず、写真の個体は蛹化のため材部へ進入した直後に何らかの
原因で死亡していました。
なお樹皮下に作った蛹室内の新成虫を採ったこともあります。
成虫自体の採集例は現在でも相当少ないですね。
パラナスピア(ヤエヤマヒオドシハナカミキリ)の方がよほど採れています。
今年は少し真面目に成虫を探してみようかな。
タグ : アオヒメコバネカミキリ
カテゴリ : カミキリ
次にネットに入った赤い飛翔虫は・・・
八重山特産のマツダクスベニカミキリです^^

他のクスベニ類より長目の触角がカッコイイですね。
これを交互に振り回しながら歩く様子も他種と同様です。
本来は飛翔中のものを採るより(こんな偶然を待つのはカッタルイので^^)、幼生期の食性を利用して
幼虫の入った落ち枝を拾うのが王道です。
奄美・沖縄のアマミクスベニカミキリも同じ方法で食入材が拾えますよ^^
タグ : マツダクスベニカミキリ
カテゴリ : カミキリ
昨日、今年初めてのヤエヤマヒオドシハナカミキリをゲットしました^^
ポイントの斜面をフワッと前方から僕の頭上へ吹き上がってきた、小さな赤い飛翔虫。
何度もこの状態を見ているので「何虫」なのかは直ぐ分かりました。
「えいっ!」
カツオの一本釣りよろしく長竿を振り抜くと・・・
アンタは偉い!
彼はちゃんとネットの真ん中に納まってくれました^^
うん、じっとして大人しいぞ。今のうちに写真写真♪

あわっ! 飛んで逃げる!

慌てて手で叩き落とし事無きを得ました。ふう。
ちょっとタカ括り過ぎましたかね^^
平手打ちを食らってジッとしているところをパチリ。

直後に目出たくフィルムケース行きと相成りました。
今度は「彼女」と会わないと^^
タグ : ヤエヤマヒオドシハナカミキリ
カテゴリ : カミキリ
八重山の虫からは脱線しますが、昨年の夏、当ブログで「凄い屋久島未記録のカミキリ」を採ったことを
報告し、以下のモザイクを掛けた写真を掲載したのを覚えておられるでしょうか?

正解はコレです!

もうお分かりですね。
ムネスジウスバカミキリです^^
カミキリ屋さんならご存知のとおり、日本には小笠原特産の1種を除くと南九州以南に二種のムネスジ
ウスバカミキリ属(Nortia)のカミキリが居て、サツマムネスジウスバカミキリNortia geniculata
satsumanaが分布する大隅半島およびムネスジウスバカミキリNortia carinicollis Schwarzer
がそれ以南に分布するトカラ列島に挟まれた屋久島は、Nortia属の空白地帯でした。
屋久島に居るとしたら一体どちらが居るのだろう?
ひょっとすると両方が居るのかもしれないなあ。
でもあれだけ虫屋が入っていて全く採れないのだから、やはりどちらも居ないんじゃないの?
長年の間そうした憶測が飛び交い、大げさに言えばカミキリ屋にとって残されたロマンの一つとさえ
言えました。
そうした中で手中にしたムネスジウスバカミキリです。
正直、手が震えましたよ。
シンボリックなノルティア、長年のロマン。そうした要素を加味すれば、個人的には昨年のカミキリ界の
トップ話題と言っても良いのではないかと思っています。
ただ、サツマムネスジウスバカミキリが屋久島に分布していないとも言い切れません。
今年はこっちが採れたりしてね^^

なお、この時の採集の様子および屋久島産ムネスジウスバの分類学上の位置付けについては、
高名なカミキリ分類学者と共著で、興味深い知見も併せ2014年3月発行の「SAYABANE N. S.
No. 13」に、「屋久島におけるムネスジウスバカミキリの発見」という表題で発表しました。
いずれメルマガで採集時のちょっと恥ずかしいエピソードも含めて、もう少し突っ込んだお話を
したいとも考えています。
タグ : ムネスジウスバカミキリ
カテゴリ : カミキリ
午前中は強風なるも好天・高温の恩恵でオオヒゲブトハナムグリをそこそこ追加(僕及び同テクニックを
伝授した一部の学生だけ?)出来ましたが、午後を回った辺りから数日振りの雨が降り始め、
石垣はこれから暫く雨模様の日が続きそうです。
本日午後に確認したこれから1週間の天気予報。
明後日の晴れマーク(これも怪しい)を除き、見事に傘マークが並んでいます。
これぞ春の八重山名物、悪天のドツボ・・・
本土なら梅雨でもない限りこんな長い期間悪天が続くことはないんですよねえ(泣)。

毎年、これに「はまる」虫屋が多数。
1週間後には友人虫屋も来るし例年ながら厄介なところですねえ。
本日石垣に来島してきた虫屋も10人位は確認しましたが、彼らの大半はこの中で悪戦苦闘を
強いられることになります(他人事ではないのだが・・・)。
予報が良い方にはずれ、好転してくればよいのですが。
カテゴリ : その他
昨日に続き今日も午前10時頃より晴れ間が広がり、気温もぐんぐん上がって最高気温は25℃
に達しました。
こうした好条件に引き寄せられた虫屋の車が、今日も8台ほどポイント前にひしめきました@@

ただ唯一残念だったのが強めの風。
オオヒゲブトハナムグリは勿論姿を見せたものの、とても満足出来るほどの飛翔個体を見ることは
出来ませんでした。
ネットインしたグリーン系の♂。
ホント、まばゆいですねえ^^

数人に声を掛けてみると、昨日同様に多い人でもやっと5頭を越えた程度のようでした。
昨年の石垣はどちらかと言えばハズレ気味でしたが、ひょっとして今年も・・・
なお、こうした中での僕の成績。誰よりも採集時間は短かったんですよ^^
ほぼ皆の5~6倍は採っています(でも良い色が無い・・・シクシク)。

実はちょっとしたウラワザを使いました^^
まあ、知っている人は知っている方法です(ただし重大な欠点アリ^^)。
今年のオオヒゲブト決戦の総括については次号のメルマガで触れたいと思います。
カテゴリ : ハナムグリ・コガネ