カミキリ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

成虫越冬中のトラカミキリ(2)アマミズマルトラカミキリ(2019.1.24)

ここ奄美大島ではあちこちの山肌でヒカンザクラが咲き始めました。
見慣れたピンク色のソメイヨシノと比べるとかなり赤味が強い花なので少々の違和感は拭えませんが、
そこはやはり桜は桜、虫屋としては春の訪れが喜ばしく高揚感を駆り立ててくれます^^

さて、奄美における成虫越冬中のトラカミキリ採集の第二弾。
それはアマミズマルトラカミキリです。

ズマルトラと言えば九州・熊本出身の僕は天草地方等の主に海岸線の林において、枯れ枝中で
成虫越冬中のタダズマルトラを採っていたものです。決して多くはありませんでしたが、日がな一日、
林内に落ちたトラカミキリが好みそうな堅目の材をほじくれば幾つかは手にできました。

奄美大島で同じ感覚でやってみると、同様にアマミズマルトラも採集出来ました^^
前回のフーケントラのように一つのホスト(フーケントラはほぼタブにしか寄生しない)に固執する
わけではなく、これまで数種類の樹木の枯れ枝から成虫を割り出しています。


アマミズマルトラもフーケントラ同様、去年は3月最下旬から奄美で採集を始めた僕は殆ど数を
確保することが出来ませんでした。その呪縛を解き払うべく積極的に本種を探しているところです。


まあ、飽きたら止めますけどね^^
あと亜種になった徳之島のズマルトラもそのうちに採集しとかなきゃならないなあ。

成虫越冬中のトラカミキリ(1)フーケントラカミキリ(2019.1.12)

年が明けて奄美大島でカミキリの材を探していると、材の切り口に何か昆虫の頭部が見えました。
その辺りを選定鋏で少し削り取ったところ、その主が現れました。

奄美大島で冬季に材採りをしていると遭遇することがあるのがこれ。
前年のうちに蛹から羽化、成虫で越冬しているフーケントラカミキリです。

この材はクスノキ科のタブで、本種はこれを第一義のホストとします。1枚目の写真の右側に
トラカミキリ特有の食痕の断面も幾つか見えます。
つまり本種を欲しければタブの材を探せば良いということで、実は僕もこれを念頭にタブ材を
ほじっていたというわけ。

僕は去年の3月下旬に奄美に移り住み、3月25日頃から採集を始めましたが、実はこのフーケントラは
僅か数頭しか採れませんでした。
そりゃそうだわな。この様に冬には既に成虫になっているので春が訪れれば即座に材から這い出て
しまうことになります。

今後はこのように冬季には材で採れるし、早春からの遭遇の機会も増えるでしょう。
去年の恨みを晴らすのだ^^

日本産カミキリムシ大図鑑(Ⅰ)発刊される(2018.12.30)

遂に日本産カミキリムシ大図鑑(Ⅰ)が発刊されました。
奄美大島の自宅に本日、暮れも押し迫った12月30日に到着しました。

カミキリ屋としては待ちに待った図鑑、まずは素晴らしいカラ-図版をペラペラとめくりながら
表面的に楽しんでいるところです。感動がちょっと落ち着いたら、解説と照らし合わせてじっくりと
読み込みたいと思います。

こんな感じで到着。奄美大島までよー来なさった^^

箱を開けると、特別仕様のネキダリス(ホソコバネカミキリ類)のカレンダーが入っていました。
これは嬉しい。むし社らしからぬ(失礼)ニクイ演出^^

これこれ、この図鑑を待っていました^^

ネキのプレートを見ると独立種だったオキナワホソコバネがアマミホソコバネの亜種に格下げされるなど、
全体的にもかなり種・亜種の組み換え等が行われているようです。
僕もヒメカミキリのある種の新亜種に名前を付けて貰ったりしています^^
(当初は新種になる可能性が高いと聞いていましたが、図鑑P13にそうならなかった経緯の記述があります。)

また、屋久島のムネスジウスバはsspとして表示されており、珍品度には★六つ!が付いています。
この図鑑シリーズで★六つを見たのは初めてですが、僕が採った1♂しかこの世に存在していないので
そうなるのも分かる気がします。これも早く♀を採らないとなあ・・・
(数時間後・談)
そんなことを思いながら見ていると、ヤクネキにも★六つが付いていました。編者さんの思い入れも
あるでしょうが、ヤクネキがそうならムネスジウスバsspは★七つ以上だよなあ・・・
いずれにしても、当図鑑の★六つを二種共採ったことのあるのは地球上で僕だけという事実はとりあえず
書いておかねばなるまい。なんちて^^
(さらに数時間後・談)
★六つ、イシガキオオキバカミキリもありました。これはムリか・・・

なにしろ未だ殆ど読んでいないのでこれ以上言えることがありません。
まずは公表通りに12月中に発刊されたことを当ブログの読者さんにお知らせするとともに、
編者さん達の功績を称えたいと思います。この調子で残りの(Ⅱ)・(Ⅲ)の二冊、出来るだけ早く
世に出して頂けると嬉しいですねえ(他人事と思って←ツッコミの声^^)。

奄美大島在住の僕には今日届いたので、本土のカミキリ屋さん達は既に大方は読み込んでおられる
と思います。僕もこれから年末・年始に掛けて、ゆっくり楽しませて貰います。
独自メルマガのネタ本としても今後ながーく使わせて貰おうと思います^^

なになに、もう羽脱?(2018.12.26)

2018年の師走も押し迫ったクリスマスの頃。
キッチンで何気無く窓を見ると何かカミキリのような虫が張り付いています。

「ん?」と近付いてみると・・・
あっ、キュウシュウヘリグロホソハナ!

数日前に奄美でも季節外れと言える24~25℃の数日間があったこと、その後も20℃近辺の
日々が続いていることから、材中で羽化していた成虫が春の訪れと勘違いして這い出て来たわけです。
勿論これは11月に九州へ戻った際に九州山地の高標高地点から採って来たタンナサワフタギの
枯れ枝から羽脱したものです。
現地では蛹で越冬するのですが、奄美という温かい環境の中で体内時計が狂い一気に変態が進んで
しまったということですね。

そしてその夜、電灯のカサを見ると内側に何か虫の陰影が・・・
どうやらこれもカミキリのように見えます。まずはそのお姿をパチリ。

で、カサを外して確認すると今度はヘリウスハナでした。

二種とも♂で、やはり♀よりは早くから行動を始めるわけですね。
ただ、ここ暫く温かい日が続いていた奄美も年末・年始からはぐっと気温も下がってくるようなので
こうしたトンチンカンな羽脱も一旦は打ち止めになると思います。

そして奄美の冬は短いので、あと二か月もすれば当然のように次々と新成虫が材から姿を現すように
なるのでしょう。あと二か月か。あっと言う間だな。

「羽脱ラッシュ」となりますように^^

そろそろ奄美でも材採集かな(2018.12.14)

先日の真夏日に戻ったかのような陽気が嘘のように低気温に変わり、ここ数日はぐっと真冬並みの
低温になっています。とは言っても奄美だから15℃位はあるんだけどね^^
去年の今頃は熊本市の実家で師走の寒さに震えていましたが、こっちでは最も寒い1~2月でも
それほど過酷な寒さにはならないだろうから安心して過ごせるでしょう。
気が向けば何時でも採集に出れるってなもんです^^

ギックリ腰の後遺症が長引きそうなのであまり気を入れた採集は出来ませんが、ちょっとジャブ程度に
近場でカミキリの材を探してみました。

今夏にオオシマミドリが幾つか這い回っていたアマシバの倒木を見ると案の定、樹皮下に大袈裟な
幼虫の食痕が数カ所に見られました。

オオアオカミキリの仲間の食痕は大体同じで、この様に大抵は樹皮が剥げ落ちて太い食痕が露わに
なっています。
この時期だと幼虫は未だ樹皮下に居たり、既に材部に蛹室を作るため食入しているものも居ます。

細い枝先にはリュウキュウタケウチヒゲナガコバネの食痕がありました。

少し削ってみると蛹や、なんと既に羽化した新成虫が居たりもしました(撮影忘れ^^)。
まあこれはこれ以上深追いするのは止めて来春の羽脱を楽しみにしましょう。

樹種不明の倒木の枝の樹皮下にあったのは恐らくエパニア(ヒメコバネ)の食痕。

少し樹皮を剥がしてみると幼虫も幾つか出てきました。
これも菌糸カップに入れてちょっと様子を見てみましょう。

奄美大島という現場に居ますのでね、こんなのんびりした調子で春まではじっくりと材採りを
楽しみたいと思います^^

九州山地でのカミキリ材採りなど(2018.12.2)

引き続き、先月に九州帰省した際の採集活動について記します。
九州滞在の日数は限られているため、阿蘇でヤノトラの材が詰まった重量級の(欲深なのだ)材箱を
抱えて患った「ギックリ腰」の痛みに脂汗をかきながらの辛い採集行となりました。

もともと腰痛には若い時分から悩まされていたものの、腰の奥から「ズーン」と突き刺すような独特の
痛みというのは初めてで、安静な体制から体を始動した際に腰が固まって動かないのが困りましたね。
採集に熱中している間はなんとか大丈夫なのですが、移動のため運転した後に降車する際、動こうと
しても腰が固まって動けないのです。痛みを我慢しながらやっと降りても直立するのが精一杯でなかなか
歩行が出来ません。
腰痛に無縁な方にはどうでも良いインフォメーションでしたが、こうした痛みと闘いながらの行動だった
ことを踏まえて頂ければ幸いです。
(今はもう8割方は完治しましたが^^)

阿蘇採集行の翌日のターゲットは九州山地の高標高に在るマイポイントです。
山の取り付きの部落にあるコンビニに寄り道したところ、見つけたのは昨晩灯りに寄って来た
ウスタビガの♂。監視カメラと睨めっこする形の撮影となりました^^

少し離れた天井にも♂が。こちらはほぼ新鮮だったので棒で突いて落とし、頂いてきました。
昨晩は8割5分程の満月に近い月齢だったのに2♂来ているということは、このヘンには割と数が多い
のかもしれないなあ。ウスタビガの多産地はそうは無いので、九州へ帰還後の飼育材料の確保のために
覚えておこう。

さて、此処から10キロ程のクネクネとした細い山道を上った峠を越えなければ優良採集地たる
九州山地の奥地には入れません。
峠に至るまではほぼスギ植林で面白くはありませんが、僕はここでキュウシュウオオクボや
クロキモン、ちょっと変わった九州型タテスジゴマフ等を採っているので少し雑多な材を集めてみます。
これはミズキ大木から枯れ落ちた小枝。樹皮下の食痕はクロキモンあたりでしょう。

九州在住なら丸一日このヘンで遊んでも面白いのですが、採集日は今日しかないので先を急ぎます。
峠を過ぎると高標高のマイポイントまで1時間半ほどです。

僕が東京の会社を辞めてUターンした10年前頃まではこうした林の中でミナミツヤハダクワガタの
幼虫が多数入った赤腐れ材がなんとか見つかりましたが、今はまず見つかりません。
ピッケル片手に林床を徘徊してみましたが、案の定ツノクロツヤムシしか出ないので1時間程で終了。
そう言えばツノクロツヤムシも以前ほどは居なくなったような・・・

ヒメコブスジツノゴミダマの幼虫が入っていると思しき硬質キノコ(成虫の脱出口あり)。
九州・四国の地域限定種のためか人気が高く、何時の間にかマイコレも含め在庫がスッカラカン。
たくさん出るといいな(出ないかも)。

そうこうしている間に陽は傾き林内もちょっと暗くなってきたため、急いで今日最大の目標である
タンナサワフタギの材を探しにかかります。
此処でこの木の枯死部に入るカミキリは多い順にヘリウスハナ、次いでキュウシュウヘリグロホソハナ、
そして最も少ないのがキュウシュウトガリバホソコバネとなります。ネキ狂いの僕は当然トガリバの、
その中でも大きい幼虫を探すわけです。
林内を歩くとタンナサワフタギ自体は結構見つかりますが、健全な立ち木が殆どで枯れたものは
なかなか見つかりません。それに枯れていても細枝が殆どで、太い木が一本丸々枯れているケースは
まず無いといった状況(汗)。

こんな細い材にトガリバはまず入りませんが、ハナカミキリの食痕が多かったので一応キープ。
殆どはヘリウスハナですが、ヘリグロホソハナも少しは羽脱してくれるでしょう。



出て来たヘリウスハナ(奥)とヘリグロホソハナと思われる蛹。いずれも♀。

関東の箱根や伊豆等の3種ともホイホイ採れるような多産地とは異なり、九州なんぞでは相当
歩き回って当てないと食痕が多く走る良い枯れ木・枯れ枝は見つからないのです。更に大型個体を
探し当てるのは至難の業ということになります。
最普通のヘリウスハナにせよ、九州山地産は関東等の多産地とは評価の上で雲泥の差があると言える
わけです。採集者の数(つまり世への供給量と同義)も決定的に違うしね。

とか考えているうちに。
「当たった・・・」

でけええ!
枯れ木の根元から出て来た巨大なキュウシュウトガリバホソコバネの幼虫です。
間違いなく相当デカイ♀になる奴です^^

腰の痛みをいとわず斜面を探し回った甲斐があったというものです。
トガリバホソコバネの大きい幼虫は木の根元にしかいないので腰を屈めてノコギリを引くのはジゴク
でしたが報われた思いです^^

材を切断する際に1匹昇天させちゃったので、大型の成虫が羽脱するにしても食入口の数から勘案して
せいぜい1~2頭かな(当然マイコレ^^)。数は九州に戻った際にゆっくり揃えれば良いでしょう。
取り出した幼虫は例によって菌糸カップに放り込んでみましょうか。さてはて、どうなるか。

こんな感じで1日のみの久し振りの九州山地での初冬採集を終えました。
ここも九州とは言え厳冬期は積雪で来れない場所なのでタイミング良く来訪出来てラッキーでした。
またね、マイポイント^^

ヤノトラカミキリ長者を目指・・・さない^^ オオムラサキ幼虫も(2018.11.27)

先般幾つかの用件で地元・九州へ戻っていましたが、あろうことかカミキリ材が詰まった重い箱を
持ち上げたせいでいわゆる「ギックリ腰」になってしまいました。やっぱ歳ですなあ。
7~8割がた完治はしたものの未だちょっと野外での長時間の活動はキツイ・・・
よって今暫く先日九州での活躍の様子を記します。

大分・九重で開催された九州虫屋連絡会(一つ前の記事参照)から実家のある熊本市に向かう途中、
ヤノトラカミキリの材採集を行うべく阿蘇のマイポイントに寄りました。
(参考)
2017年夏のヤノトラカミキリ採集

場所は上記URLの阿蘇のポイントですが、今夏には既に昨夏発生したヤノトラの子孫達が順調に
エノキの枯木内で生育していることを確認していました。
(参考)
今夏段階のヤノトラ幼虫の食痕

今夏は細い枝を一本切って確認しただけでしたが、ふむふむ、当然ながら成虫はあちこちの枯れ枝に
産卵したようで食痕は広範囲に見られます。また断面に現れた食痕の太さも夏に比べると大きくなって
いることが確認出来ます。
ただ食痕の密度の高い部分はそれほど多くないため、あちこちを切るハメに陥りちょっとシンドイ。

とりあえず材箱の大きさに切り揃えた材の断面。勿論ヤノトラ長者を目指します。
ウソ、そんなつもりは全く無いが採れるものは仕方なかんべ。

どれ、幼虫はどれほど育っているかね、と幾つか割り出してみます。

いやあ、さすがヤノトラの子供達、おっきいおっきい。
トラカミキリではオオトラ、トラフに次ぐ巨大さで、これくらいの大きさがあるとテンションが
上がりますね。しっかり管理せねばとの意欲も膨らむものです^^


幾つかは菌糸カップにでも放り込んでみましょう。一般にトラカミキリは菌糸カップでは飼えない
(死亡または萎縮する)とされますが、全ての種類が本当に飼えないのか。そのヘンの検証も
面白そうです。
こうした検証・実験シリーズの成果はいずれ当方の個人媒体で公表していくつもりです。

当然近くにはエノキが多いので、蝶屋の遺伝子も持っている(^^)当方は気付くといつものように
オオムラサキの幼虫を探しておりました。
ただ奄美で飼育するわけにもいかず、2~30分程度で終了。成果はオオムラ5幼、ゴマダラ1幼。
僕が地元に戻って来ても一杯採れるように子孫をしっかり残せよ、と言いつつエノキ根本に戻しました。

で、冒頭の話に戻ります。採ったエノキ材の詰まったダンボール箱を車に積もうとエイッと
持ち上げた瞬間に「ギクッ」。
「!!!」
この状態で次記事の九州山地での材採集に向かうハメになってしまったのでありました。

九州虫屋連絡会(第40回)に参加、そしてムモンベニカミキリ調査(2018.11.23)

11月17日(土)~18日(日)に大分県九重、湯坪温泉で開催された第40回九州虫屋連絡会に
参加してきましたのでその様子を簡単に報告します。
九州の北・中部の県を中心に四国地方、そして山口等から合計37人の参加があり今年も盛況でした。

ちょっと驚いたのがもう40回もやっているんですね。僕は11年前にUターンして以来毎年参加
していますが、東京でサラリーマンだった時分にたまたま初参加したのが丁度10回目でした。
あれからもう30年かあ。いやはやびっくり。
その頃は一般的な忘年会のように開催場所を転々と変えていましたが、少なくともここ十数年はこの
湯坪温泉の某旅館に固定されています。毎年同じ所で行うのはどうかという声もあるでしょうが、
特に幹事さんの負担軽減や参加者が我が家のように落ち着けるという意味では悪い選択ではないと
思います。参加者が毎年固定され易いきらいはありますが、長く続けるテの一つではありましょうね。

まずは地元・熊本の阿蘇地方を西から東へ横断、そしてやまなみハイウェイを北上して大分・九重方面へ
向かいます。目的地まではゆっくり走って自宅から二時間半といったところ。
世界一のカルデラを走りながら、阿蘇山特有の草原の山並みの絶景を楽しむのはいつも最高です^^

どこまでも続く草原野を走りながら大分県へ入ります。阿蘇と九重の絶景を双方堪能出来る僕は
参加者の中では最も恵まれているでしょうね^^
そして草原から九重の原生林へ景色は変わります。随分少なくなりましたが、車横付けのこうした
林床でニセコルリクワガタなんぞが採れます^^


高標高の原生林を走っていると辺りがいきなりポッカリと開き、湯煙りの立ち上る温泉郷が
山並みに点々と現れます。


最近は参加者の高齢化と共に天気が良くても採集を行わず直接宿へ早く到着する人が多く、
狙う一番風呂を逃すケースが増えています。ちょっと悔しい。
風呂を浴びた後は他の参加者や幹事さんが揃うまで早く集まったメンバー間で早速情報交換の輪が
出来ます。時間は有効に使わないとね。

今回の30分の講話(一種の勉強会)はここ数年北海道へオサムシ類を採りに行っている方からの
スライドを交えたお話でした。自らの車で北海道へ渡り、数カ月の間トラップを掛け回っているとのこと。
近年はかなり多いようですね、このパターン。
僕もそろそろ北海道に手を付けようかと思っているので、有難く参考にさせて頂きました^^

そして一人一話を交えた宴会の後、メインイベントのオークションへ突入。
いつもの手練れオークショネアの進行で次々と標本が落札されていきます。

今回は四国から3人の出品があったことから四国産の標本の割合が多く面白かったですね。
僕はちょっと奮発して四国産(香川・徳島)オオトラを2♀落札。もちろん野外品ね^^
その他にも当然いろいろ手を伸ばし・・・ 散財の夜は更けて行くのであった・・・

オークションは夜の11時頃には終了、その後は幾つかの輪を作りながら和やかな情報交換が
深夜2~3時まで続きました。

当方は来年度から始めるミニコミ誌の構想の一部を説明、多くの知人らからご賛同を頂きました。
これについては12月に配信するメルマガ「南虫ニュース」にて詳しくお話するのでご興味を
お持ちになった方は是非ご購読下さい。今年度末には当ブログ上でも購読者を募る予定です。
往年の「某カミキリ関係ミニコミ」のような要素を取り入れるので(カミキリだけではなく、
全ての人気昆虫を扱う予定)、多くのアマチュアの虫屋さんのご参加を期待しております^^

一夜明けて翌日も晴天なり。奄美から出てきて時間の無い当方は早目に宿を発ち、かつて日本一の
個体数を誇ったムモンベニカミキリの産地へ向かいます。
此処はもう何度も当メルマガに登場している場所で、僕が大学生~新社会人の頃までは冗談抜きで
冬の1日に三桁の前蛹入りのカシワの小枝が採れたものです。

その場所からムモンベニが姿を消してほぼ四半世紀。Uターンしてからは大体毎年この地を訪れて
確認していますが全く復活の兆しがありません。昨年は来なかったのでちょっと期待もしたのですが
やはり現実は現実でした。併せてかつては多かったヨツボシチビヒラタやチャバネクロツツも同様に
全く見つかりません。

昔とほぼ変わらぬカシワ林と食痕が全く見られない綺麗なカシワの一年枝。


そして一昨年にムモンベニの材が5~6本採れた別のポイントへ回ります。僕にとっては数十年振りに
採って驚喜したわけでしたが昨年は全く見つかりませんでした。可能性は7:3程度で負けかな、と
冷静に判断しつつ丁寧に探し回りましたが、残念ながら今年も未発見に終わりました。
ただ、一昨年のように不意に見つかったりすることもあるので、出来る限り手は下してみる必要は
あるなと思っている次第です。さすがに数十キロ四方のエリアから遺伝子が消え去るということは
なかなか在り得ることではなかろうと思えるからです。

そうしたことも含め、今後もずっと此処へ通い続けることになるのでしょう。
あと5年は南の島に滞在するので今度は何時になるか判らないけど、また来るよ。

10月下旬にビーティングしてみると・・・(2018.10.25)

このところアレルギー性鼻炎で臥せっていましたが、酷い鼻詰まり及び咳といった重篤な症状が
やっと落ち着いてきました。目の痛みや痒みはほぼ完治したようでちょっと一安心。
天気も良いし気温もまあまあ高めということで、10月下旬の奄美ではどんな種類が野外で
活動しているのだろうかという観点から、2時間程フィールドに出てビーティングに勤しんで
みました。

この時期、昨年まで暮らした地元九州なら秋も深まると共に急激に気温も下がり、虫も一気に
居なくなる時節です。奄美も日によっては肌寒い日も出てきましたが、今日などは27℃位まで
気温も上がりちょっと汗ばむほどでした。
思ったほど蝶は飛んでいませんでしたが、ナガサキアゲハの新鮮な有尾型の♀が優雅に飛んでいるのを
見ました。まだ採集チャンスはありそうな感じです。
これから蝶は各種の低温期型が見られるでしょうから、期待は大ですね。

片っ端から生木の枝先、枯れ木やソダ、草本などをビーティングしていきますが、思ったほど
虫が落ちて来ません。落ちる昆虫は小さなゴキブリ類ばかり・・・。他はクモ類くらい。
やはり10月下旬ともなると野外で成虫の形で活動する甲虫等は殆ど居なくなるんですね。
本土だと秋に成虫越冬性のハムシ等はそれなりに見られるのでちょっと期待したのですが、僅かな
時間では引っ掛かってこないのかも。

そのうち、枯葉付きのシイ枯れ枝から落ちてきたのが割と新鮮なコブバネサビカミキリ。

本種は別途1頭が落ちましたが同様に新鮮だったので、意外と遅くまで羽脱を続けているのでしょう。
他にカミキリはアヤモンチビが1頭落ちたのみでした。

他の甲虫はオオシマコメツキモドキが、これも1頭のみ。そして初夏までには見られなかった
ゾウムシが1頭・・・。


そして一画から3頭ほど落ちたのがシギゾウムシsp。何だろね。
九州でも秋にはシギゾウ類が数種類見られるので生態は同様なんでしょう。

枯れ木の樹皮が浮き上がっていたのでガバッと剥がすと現れたのは、アマミユミアシゴミムシダマシ。

うーむ、殆ど何も居らんじゃないか。
九州より暖かいとは言っても、奄美もこの時期ともなると甲虫類はほぼ姿を消すんだな、程度の
極めて消極的な結果を得た数時間でした。
まあ体調もイマイチなので今日はこんなところでしょう。

もうちょっと元気になったら色々やってみます。

地元・熊本の夏の気になるカミキリ達(2018.8.21)

奄美大島は現時点、台風19号の暴風雨に晒されています。
時折停電も伴うし、なにより窓ガラスが今にも割れそうな強烈な突風が吹き荒れてちょっと心配に
なります。

天気予報によると、これから明日午前に掛けてこうした状態が続くよう。
早う去ってくれい、19号。

と言うわけで採集にもならないので、つい先日まで居た地元の阿蘇方面を中心とした地域における
気になったカミキリ数種についてメモしておきます。

まずは絶滅が懸念されるトラフカミキリ。遅めではあるものの、かつて8月下旬にも採集したことが
あったことを思い出しポイントに行ってみると・・・
ガーン! クワの木が殆ど伐採されちゃってる@@

この一帯は昔クワ畑が多かったのですが、とうにそれは無いし、逸出したものや畑脇に切り残された
僅かなクワの木でトラフは細々と世代を繰り返していました。
スケジュールの関係で二年程はこの場所に来なかったのですが、その間にクワの木は切られた
ようです。宅地化がどんどん進むエリアでは、無駄な木々はどうしても伐採の対象になるのです。

しかし、僅かに残った木でなんとか交尾中のペアを発見出来ました。時期も遅いし、まあ運が良かった
ようです。

8月最下旬にも拘らずかなり新鮮だったので遠慮無く頂いてきました。
前の記事でも書いたとおり、ここは間違いなく潰れる産地なので勤めて標本はとっとかないと。
今後一切地元のトラフカミキリの標本は放出しないつもりです。しかしここが潰れたら、今後九州で
確実にトラフが採れる所は存在するのだろうか・・・

(参考)
直近の同所におけるトラフカミキリ採集記

次いでメモしておきたいのは地元のイッシキキモンカミキリ。
九州では熊本・阿蘇のマイポイント及び大分某所(こちらが全国的にポピュラー)の二カ所でしか
ほぼ得られていないと思われます。大分の産地でも発見された頃よりかなり減っていると言うし、
マイポイントでも1980年代前半までは満足に得られましたが、近年では多かった一画で全く
見られなくなっていたので一応僕はブログ等に出すのは控えていました。
ただ今年其処で会った昆虫写真屋さんが偶然に本種を見つけて某SNSにアップしているとのこと
だったので(場所は伏せて)、まあ良いかと僕も考えを変えてブログに出すことにした次第。
ポイントそのものは誰にも分らないしね^^

クワの枝先の葉裏に留まるイッシキキモンカミキリ♂

幼虫のホストのヌルデ衰弱木に産卵に来た♀

野外では上手く撮れなかったのでズルして自宅で撮影した♂と♀


本州産と比べると黄紋部分が小さく、逆に僕はこちらのタイプの方が美しく感じますね。
今は東京の奥多摩あたりの個体数の方が九州産より遥かに多いと思います^^
地元の本種もいつまで採れるのかなあ。

そして昨年の同時期には個体数が多かったヤノトラカミキリ。
今年はエノキ材が古くなっており、1頭しか見られませんでした。標本は十分にあるので特に
必要では無いのですが、幼虫の生育確認のために細めの材を1本だけ切断してみたのが下の写真。
トラカミキリ特有の食痕が幾つも並んでいます。今年の新しい脱出口は一つだけありましたが
これはイレギュラーで、ほぼ全てが二年掛って来年の夏に羽脱してきます。
  

(参考)
昨年同時期のヤノトラカミキリ発生の様子

余談ですが、この材の周りではタマムシやアヤオビハナノミが幾つか採れた程度でした。
阿蘇一帯は基本的に草原が多く植林も進んでおり、開発度合も大きいので特定の糞虫等を除くと
一般に甲虫関係の採集は厳しいのです。(アヤオビハナノミは動きが早く撮影不可でした)

ついでにコレ、イタヤカミキリ♂
本種を狙ったわけではありませんでしたが、雑多なビーティングで偶然に落ちました。
阿蘇では6~7月の虫なので、9月の声が聞こえるような時期に採れて驚きました@@

ここ数年は時期には地元を離れていたので採ったのは本当に久し振り。
阿蘇近辺の本種は茶褐色の帯が白帯に置き換わる変わった変異を持ちます。どうやら僕が提唱した
「白イタヤ」という呼称が一部では使われているようです^^

以上、冬のネタにでもするかとお蔵に入りかけた写真を紹介しました。
台風19号が去ったら早く奄美の今の虫を堪能したいものです。
しかし、台風の怒号、時間と共に酷くなるなあ。安アパートの窓、持ち堪えるか・・・

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