そろそろ各地でドングリ類が落ち始めたようです。
まだ秋にもなっていないのに?
いえいえ、落ち始めたのは未だ青々とした実なんです。
阿蘇でまず見つけたのはナラガシワのドングリ。
ナラガシワはかつて住んでいた関東辺りでは少ないものの、地元では比較的身近なケルクスです。

こんな感じで地面に点々と落ちています。

それらを集めてみました。
これを見ると幾つか気付くことがありますね。

まず、ドングリ単体ではなく枝ごと落ちている事。
そして、その枝は何者かに切り落とされたかのように綺麗な切り口が付いている事。
ご存じの方も多いと思いますが、これらはある甲虫によって切り落とされたんですよ。
一体、何者が何のために?
本来はコナラのどんぐりがよく落とされるのですが、まずは日当たりが良くたわわに実ったナラガシワの
どんぐりから落とされ始めたようです。
最も好んで使われるコナラのどんぐりはこの段階では全く落ちていませんでした。
種明かしはもう少し後、どんぐり達がもっと沢山落ちるようになってから行いますね^^
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一般的にはスマートなハンターと言った感じに形容されるカッコウムシ。
殆どの種類は細っこい体型をしていることで知られます。
ところが我が国には、「コレ本当にカッコウムシ?」と言いたくなるような種類が幾つか存在します。
その一つがこのムネアカマルカッコウ。
まるでハムシの一種のようですよね。

でも、ひっくり返してみるとこのように顎が発達した顔が・・・
ハムシ等に擬態する必要も無いのでしょうが、何故こんな形状になったんでしょうね。

本種は本州から九州に分布しますが(九州では珍品^^)、奄美~九州南端のアマミマルカッコウも
似たような形をしています。いわゆる代置種の関係でしょうか。
後者は屋久島(自然度が高い地域のみ)では年によっては割と得られることがありますね。
いずれも走光性があるので林の中に掛けたライトフィットに入ることがあります。
本州では採った事がありませんでしたが、九州高山帯のマイフィールドでは割と採れるので
好んで集めています^^
カテゴリ : 甲虫(その他)
当ブログの読者さん(ハムシ屋さん^^)から一つ話題を頂いたので、本日はそれに触れたいと思います。
まずはこの写真からご覧下さい。
今年6月下旬、与那国島で採集した美しいハムシです。

これは元々日本には分布していなかったクビナガハムシの一種(Lema trivittata)で、本邦に居ることが
広く知られるようになったのは、恐らく与那国島の昆虫ブロガーが同島産の生態写真を紹介して以降の
ことと思います。
本種は宮古島および西表島でも昨年見つかり、某昆虫月刊誌にそれぞれ記録が出ていました。
この論文を見ると台湾では既に2010年に見つかっており、2012年にも記録されているようです 。
これによると、本種は本来アメリカとカナダにしか分布していないため台湾(そして宮古・西表)産は
移入されたもので、この一帯に一気に広がったとされています。
そして本種が見られたナス科ホウズキ属の植物はアメリカから輸入されたとあります。
(それと共に本種も移入されたとは言及していない。まあそう言いたいのかもしれないが。)
僕が今回与那国で採集したものは、内陸部でオキナワサビカミキリを狙ってリュウキュウチクを
叩いていた際に2頭が落ちてきたものです。
タケ類はホストではないため、近くの畑あるいは草地で発生していたものが偶然に留まっていたと
考えられます。
前段のブログでは確か海岸線のあるナス科植物にたかっていたとありましたので、すぐ傍の畑に
ナス科のあるものが栽培されていたのかもしれません。
いずれにしても与那国では全島的に広がっていると考えて良いでしょう。
実は、僕はこのハムシの写真を最初に見た時、ある考えが頭に浮かびました。
僕は20年近く前にオーストラリアに1年間駐在員として赴任していましたが、その際にこれを10頭位
採った記憶があったのです。
採集した際は上の写真のように鮮やかな色彩でしたが、亜硫酸ガスで締めたにも拘らず乾燥の過程で
薄汚れた褐色となってしまったのは今回も同じです。
ただかなり以前の事ですし標本も何処に行ったか不明なので本種だったか証明の方法がありません。
沖縄や台湾への侵入ルートを考えても、北アメリカからよりも豪州を経由したルートの方が物流的にも
すっきりすると思うんだけどなあ。
なお、上記の論文を見ると与那国産はまだオフィシャルな記録が無いようです。
ということは、僕が持っている1頭(落ちた2頭のうち1頭は撮影中に逃げられた^^)を発表すると
与那国初記録となるのかしら・・・
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ゴミムシダマシの仲間は島毎に固有種が多く、採集やコレクションに大変面白いグループです。
本当はもっと人気があっても良いと思うのですが、イマイチですねえ。
でも、こちらとしてはその方が良いです。
こっそりと楽しむことが出来ますからね^^
屋久島にも勿論多くのゴミダマの固有種が分布しており、魅力的なのが屋久島らしく千メートルを
越す標高に居る高山性の固有種達です。
ゴミダマと言っても多産する種類は限られており、特にこうした高標高に居る種類は数が少なく
一晩にほんの数頭しか採れない種類ばかりです。
せっかく低標高でのナイターを諦め、一晩を潰して高いガソリンを使い(相棒アウトバックはハイオク仕様:
屋久島では最安で176円/ℓ!)ここまで来てもいつも数えるほどしか採れないのが現実なのです。
最も少ないのがイリエヒサゴゴミダマで、採れない年の方が多いですね。
近似と思われる九州のソボトゲヒサゴも珍品でなかなか採れません。
イリエは今年はやや発生していて、他の採集者も含め行けばなんとか採れるという状況でした。
(写真撮れず:ゴメンなさい)
次に少ないのがヒメエグリユミアシゴミダマで、これはカッコ良いですよ^^
図鑑にあるように♂では後腿節にトゲがあってなかなか格調高いです。
これも数が採れないゴミダマで、下の写真はご神木に付いていた一頭です。
高地帯で月と共に見る珍品ゴミダマもオツですねえ^^


実は今回、林内を徘徊していたら、新たな最強のご神木を見つけることが出来ました^^
写真のようにヒメエグリユミアシが3頭も付いており、こんなスペシャルな木は極めて珍しいです。
来年がまた楽しみ。これならイリエも付いているだろうなあ^^

そして、これも屋久島固有のヤクヒサゴゴミダマ。
特徴的なのがその長っ細くデカイ体型で、他の多くのヒサゴゴミダマとは一見して見分ける事が出来ます。
今年は例年より少なかったですね。

また、何時もは多いオニエグリゴミダマ(これも固有種)も今年は少なく、ちょっと違和感があった
夜の屋久島でした。
ただ、夜の静まり返った屋久島の高山帯は独特の神秘性があり、暗闇が怖い方は心して臨んで
下さいね~
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石垣から熊本に戻っての数日間、さすがに梅雨真っ只中の九州は雨と強風の毎日です。
特に今日は風が酷かったこと。まるで台風のようでした@@
屋久島に発つまでに一回は地元で採集できるかなと思っていましたが、これではとても無理のようです。
大人しく色々な準備や、滅多にしない親孝行でもやっておきましょうか^^
さて、今日の主題は石垣を離れる前日、やっと時間が取れて発生を確認したタテスジハンミョウです。
とにかくウダルような日中、汗をダラダラかきながら春先に確認しておいた幼虫の巣穴があった
畑の周りを探索します。
もう背丈以上にもなったサトウキビがたわわに育ちつつあります。

春に確認した巣穴
この時の同地はまっさらの状態だったのですが・・・
で、サトウキビの隙間をゆっくり歩くと、サササッと足早に歩くコイツを発見。
やはりちゃんと居てくれました^^

足場が悪いことも影響して捕獲できたのはほんの数頭でしたが、本種の生息環境等を確認できた
のは収穫でした。
次回は色々な手を使って効率的に採集出来ると思います。
とても良いハンミョウです^^
タグ : タテスジハンミョウ
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石垣島にはミツギリゾウムシの仲間が1種だけ分布しています。
それがヤエヤマミツギリゾウムシです。
本土でのこの仲間はもうあまり見ることは出来なくなりましたが、本種は比較的目にする事が出来ます。
八重山で本種を採集したのがこの仲間との初めての出会い、という方も多いようです。
九州山地辺りだとまだたまに採れるタダミツギリに大きさも斑紋もよく似ています。
ミツギリゾウの仲間全般に言えることですが本種が生息するには自然度の高い林が必要で、海岸近くにも
居るものの山地の方がはるかに多いですね。
ただ本種の発生時期は早く、春先にはすでに出現し5月中頃にはほぼ目に付かなくなります。
これは南九州等でこの仲間が盛夏に採り易いのとは対照的です。
石垣に来た3月の晴れた日には林内で割りと見掛けたのですが、その後長期の雨天が続いたこともあり、
全体を通しては今回不調でした。

採った直後はこのように黄紋が鮮明なのですが、この仲間の常で暫く経つとこの紋は褐色に退色し
ガッカリさせられます・・・
おまけ。
遥か昔、初めて採った時にミツギリゾウの仲間と勘違いしたアリモドキゾウムシ^^

タグ : ヤエヤマミツギリゾウムシ
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南西諸島は大型ハナノミの宝庫のように思われがちですが、それは屋久島や奄美辺りの話で、
八重山にはほんの数種類が生息するのみです。
でも、八重山には我が国最大の(しかも最美の^^)ハナノミが居ます。
それがヤエヤマキボシハナノミです。
ハナノミ収集を始めた人のとりあえずの目標となる種類ですね^^
林縁のゲットウの葉に留まった本種とその拡大です。


これは別の個体。

ここでは最も遅い時期に現れますが、生態は他の大型ハナノミと殆ど変わりませんね。
ちょっと体が重たそうなので動きはやや俊敏さに欠けるような気はしますが。
まあ採れないことはないけれど、少ないですね。
時期的に最盛期を過ぎかけているのがイシガキオビハナノミです。
鹿児島南端や屋久島等には斑紋が似たグループが居ますが、本種は体の造りが異なるようです。
石垣の大型ハナノミの中では最も多いのですが、どうも僕がネットを持っていない時に遭遇することが
多かった種類です。

ニセキボシハナノミ^^
お約束のクワズイモの葉の上で。

この他、白紋が極めて美しいコーシュンシラホシハナノミも採っていますが、逃がす可能性があったため
撮影より捕獲を優先しました。
八重山にももっと種類が多ければ楽しいんだけど。
大型ハナノミは来月の屋久島・大隅でリベンジだな。
タグ : イシガキオビハナノミ, コーシュンシラホシハナノミ, ニセキボシハナノミ, ヤエヤマキボシハナノミ
カテゴリ : 甲虫(その他)
本当に梅雨なのか? とツッコミを入れたくなるほど全く雨が降らなかった石垣ですが、数日前に
沖縄地方の梅雨明けが発表された途端、思い出したように雲が広がって雨模様に。
そのせいか気温もグッと下がり、日中も涼しいくらいで全く汗をかかない状態。
これでは虫採りにはことのほか不都合です。
今日も空一面に雲が広がっており、久し振りのオモト登山をやるか迷いますねえ。
月齢が悪くなったナイターも低温、強風が加わって全くの不調。
もういちいちは書きませんが、春先からのこのチグハグな天気にはどれほど苦しめられてきたか・・・
天気予報もいつもウソばっかだし。
天を仰いで怒り心頭の極みですなあ。
まあ、神様がやることに文句を垂れても仕方無いんでしょうね。
気を取り直して今日の虫の話に入りましょうか。
ゾウムシと言えばあまり人気が無いグループですが、タレント性のある種類が少ないのも人気の薄い
一因でしょう。
八重山になるとその特徴がさらに顕著で、大型で魅力のある種類というのは極めて少ないですね。
枯葉や枯れ木を叩いたりするとゾウムシそのものはそれなりに落ちるのですが、黒くて数ミリという
ものが殆どで摘み上げる気にはなかなかなりません。
そうした中でビーティングネットに落ちると、オッと手が伸びる種類も幾つかはあります^^
あれ、何か小さな石ころみたいなのが落ちてきたぞ・・・

ひっくり返すと・・・
ウンモンヒゲナガゾウムシでした^^
大変おっとりした中型のヒゲナガゾウで、瞬時に飛んで居なくなるこの仲間の小型種とは違い
逃がすことがまずありません。

こちらはクワ科の植物からたまに落ちて来るヒラヤマメナガゾウムシ。
ゾウムシらしからぬピンキーな明るく美しい配色ですが、これは蝶の鱗粉のようなものが薄く乗っている
だけなので、擦ると直ぐに取れて汚い個体になってしまいます。
(だから図鑑の例の汚い個体では同定できない^^)

ですので、本種が採れたら出来るだけ触らないようにフィルムケース等に素早く個別に入れ、単独で
毒ビンで殺虫する必要があります。
綺麗な標本を極めて作り難い種類です。
割と大型ながら動きは俊敏で、スキあらば直ぐ飛んで逃げようとするのでご注意を^^
カテゴリ : 甲虫(その他)
我が国にはいわゆるフィリピン系のカタゾウムシが二種分布しています。
石垣および西表で見られるのが「鉄アレイ」の愛称で呼ばれるクロカタゾウムシ。
ポピュラーな虫で、これらの島々で採集をされたことのある方は大体一度は目にされているのでは
ないでしょうか。

そう言えば以前は頻繁に見られましたが、最近は減っているのか今回の長期遠征ではほとんど
見ていないことに気付きました。
今年だけの特徴なのだろうか・・・ ちょっと心配。
一方、ヨナグニアカアシカタゾウムシは今年も多数を確認できました。
あらゆる所のビーティングでポツポツ落ちてくるので、与那国では結構普通の雑虫と言えます。

標本にすると変色し易いのですが、生きているときは赤っぽい金属光沢を散りばめたような美しい
ゾウムシで僕の好みです^^

タグ : ヨナグニアカアシカタゾウムシ
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