カテゴリ一覧 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

2021年度のモリヤイ(アマミホソコバネカミキリ)採集(2021.7.10)

奄美の夏を象徴するカミキリの代表は何と言ってもモリヤイ(アマミホソコバネカミキリ)と相場が
決まっています^^
今年も例年のように多くの採集者がポイントに集結しました。

屋久島のヤクネキ・ポイントと同様、木々が年々生い茂りネキの飛ぶ空間が加速度的に奪われ
採集し難くなっているモリヤイ・ポイント。
5~6年前に初めて此処を訪れた頃と比べると、空間は半分ほどになってしまった印象です。
競争率も厳しくなりましたねえ。

さて、今季のモリヤイ。
これまで某ポイントでは他の虫の調子に拘わらず毎年コンスタントに採れており、皆の期待を
裏切ることは在りませんでした。特に昨年は発生数が甚大で、僕はモリヤイ史上における♂の
年間最多採集記録を樹立しています。
既に一生分のモリヤイ♂を採っている僕は、今年は2日半のみモリヤイ決戦に参加しました
(決戦に参加する前に採集者の激励?も兼ねて数回様子を見に行っている。当ポイントは自宅から
20分なので^^)

さて、今日もポイントでは数名がネットを構え空間を睨んでいるはずです。
今季のモリヤイの顛末や如何に?
詳細は次号メルマガで詳しくお知らせします。

奄美大島、7月上旬の蝶観察(2021.7.5)

春から初夏に掛けてずっと発生が悪かった今年の奄美の甲虫類。夏場に出る種類に期待を掛けて
いたのですが、残念ながら甲虫に関しては通年良くない年のようです。
よって、7月に入っても蝶屋をやる機会が多くなっています。

マイ・フィールドをドライブしながら蝶屋の目で流してみます。
やはり最初に確認するのは奄美で今、最もホットな蝶のフタオチョウかな^^
今は第2化の発生もたけなわで、特にここ数日は有名ポイントをはじめ各所でフタオの採集者を
よく見かけるようになっています。
さっきもあるポイントで頑張っていたおじさんに声を掛けてみましたが、幾つかは採れたものの
完品率はゼロとのこと。

やはり野外でほぼ無傷の個体を得るのは難しいヤツなんだよなあと思いながらヤエヤマネコノチチを
まさぐると、産みたての卵が幾つか見つかりました。タイミング的にはこれから第2化の産卵期が
始まることになります。

ちなみに本種はオオムラサキのように小枝や葉に数十卵もまとめて産み付けるタイプではありません。
観察しているとヤエヤマネコノチチにいきなり来たと思えば1~2卵を産み、直ぐにその木からは
飛び去ってしまいます。

中にはアリがたかっているものもあり、これまで凹んだ卵をよく見ていたことからアリによる捕食の
ケースもかなり多いのでしょう。アリには幼虫も結構やられていそう。

時期的に未だ幼虫はほぼ居ませんが、1.5センチ程の初齢幼虫が見つかりました。本種の幼虫は
孵化直後から既に4本のツノのある仮面を被っている(どうしてもこう見えてしまう^^)のが特徴です。
5月に野外で第2化となる幼虫の生育を観察したところ、かなりの確率でハチ類をはじめとした
天敵により何時の間にか消えてしまいました。飼育に適した終齢幼虫は数を得られず苦労しました。
結構大変だけど、第3化の飼育も今から楽しみではあります^^

これでは面白くないので5月に飼育した第2化の羽化直前の蛹をお目に掛けます。
前に書いたように腹節が動かなかったり、翅以外が蛹の色のまま羽化するので最初はとても驚きました。
実は羽化中の動画も撮っており、それを見るとフタオ特有の左右2本の尾凸がどのように格納されて
いるのかも分かります。こんなモノ、誰も知らないと思うので特定の人のみになると思いますが
チャンスがあれば公表しましょう。羽化中のフタオチョウを動画に収めたケースは初めてと
思いますのでね^^


遊歩道を歩いているとクワノハエノキ小木の葉の上に例の奴が居ました。
分かりますか(写真の中央)?

アカボシゴマダラの終齢幼虫です。習性である上半身を起こしている様子が分かりますね。
なおこの幼虫は目の高さより低い位置にいました。
だからと言って本土に侵入した大陸系アカボシ幼虫の様にポロポロ見つかるわけではありません。


成虫は今、第2化の最終末期なのでこの幼虫は恐らく2化の先発隊の子孫であると思われます。今後、
第3~4化が発生しますが既に2化の時点で発生期のズレが大きくなってきているのが分かります。
3・4化は入り乱れどっちなのか分からなくなりますが、おかげで4化はかなり遅くまで見られるので
採集者には嬉しいところ。
アカボシは成虫を結構採ったし、飼育して遊ぶのは本当に老後で良いでしょう^^

木の幹に何かベタッと留まっているものが居ます。

忍者的な留まり方をするスミナガシでした。今は既に発生末期で綺麗な個体は見られません。
秋にまた期待です。

今年異常に多いと感じるのがアオバセセリ。下の写真では左右の葉裏に2頭が翅を休めているのが
分かるでしょうか。

ヤンバルアワブキ幼木を調べてみると、葉柄に多くの卵が産まれていました。こんな木は他には
在りませんでしたが、本種がここまで多く発生する年は珍しいので秋の飼育も頑張ってみましょう。

ヤンバルアワブキを見ていると、3種の昆虫に齧られた一枝が在りました。何か分かりますか?
蝶屋さんなら皆分かるスミナガシ、アオバセセリの2種の蝶(食痕や巣の主は居なかった)、そして
リュウキュウルリボシカミキリもしくはスジシロカミキリの齧り跡です。
捕食されたり、発生が終わった後の物悲しさが何となく込み上げます・・・

さてと、これから屋久島・九州本土の採集を終えて奄美に戻ると此処での最後の秋。
ほぼ蝶一択となる季節、上記の蝶たちに加えアマミカラスアゲハやイワカワシジミ低温期型などの採集
および飼育が今からとても楽しみです^^

6月に採集・飼育、展翅した蝶たち(2021.7.1)

今日から7月となりましたが、奄美大島は数日前からの雨が続いています。
現在羽化中のイワカワシジミの展翅をしつつ、既に展翅板に乗った6月に採集したり飼育した蝶たちの
写真を撮ってみました。

今年の6月は甲虫類の発生があまり良くないこともあり少し蝶に入れ込もうかと思っていましたが、
思いのほか今年の梅雨は雨の日が多く、意気込みほどは蝶の採集も出来なかった印象です。

フタオチョウは飼育した分と採集分が混じっていますが、発生初期に採集しても野外品はどこか破損や
擦れがあるもので、気に入った採り込みたい個体はなかなか採れませんでしたねえ。
現地に居てもそうですから、ちょっとの遠征では良い個体はあまり採れないと思ったほうが良いです。
とりあえず第2化はこれで十分なので、あとは夏~晩秋に第3化の飼育・採集及び来年の第1化に
なるものの飼育まで完遂する予定です。それでフタオチョウは一応卒業と。

焦点となる「奄美のフタオの起源は?」についてですが、僕は自然拡散・定着(中)であると
考えています(そう思った経緯はメルマガに書こうかな)。
また、ホストとしてのクワノハエノキへの依存度はせいぜい数%以内ですし、特に成虫の習性がアカボシ
ゴマダラとは全く異なるため競合関係には無く、アカボシに影響を及ぼす心配は杞憂です^^
こういう事象は「現地」で注意深く観察することが重要で、本土の机上で幾ら考えても、ね。
また本土で飼育しても小さな標本は幾らでも作れますが「現地」ではないのだから非現実の状況下での
飼育記録であることを認識したほうが良いですね。

そしてクワノハエノキでもフタオが食う・食わない系統があると思っており、それについては出来れば
奄美に居る間に調べてみようと思っています。もしかしたらクワノハエノキ以外にもサブ的に食っている
ものが他にあるのではないかとさえ思います。いずれにしても自然界でクワノハエノキに産卵することは
イレギュラーであり、繰り返しますがアカボシとの競合を心配する必要はないでしょう。
(なお数件問い合わせが在りましたが当方はフタオ母蝶等を提供しておりません)

さて、天気予報ではあと数日もすると奄美の梅雨は明けそうな気配です。
年中行事のモリヤイ(アマミホソコバネカミキリ)を数日楽しんだ後は昨年行かなかった屋久島へ
向かう予定。屋久島が済めば例年のように地元九州で暫く過ごします。
いよいよ夏物の季節に突入です^^

初めての喜界島(2021.6.28)

人生初となる喜界島に行って来ました。これで奄美群島の主だった大きな島にはとりあえず一度は
訪問したことになります。
喜界島は奄美からフェリーで行く場合、往路は夜間着、帰路は早朝発となるので宿やレンタカーの
扱いが難しいのですが採集と言う意味では効率の良い島となります。今回は梅雨の狭間の二日間の
晴れ間を有効に使えたのでとても楽しい遠征となりました^^

奄美からのフェリーは夜8時過ぎに出航します。満月が街灯等に集まる虫の採集がほぼ出来ないことを
残酷にも告げています。クロマルコガネ、オワタ・・・
丸っこいだけの甲虫はそんなに好きではないので良いんだけどね。

翌日はレンタカーで島を一周しながら第一目的であるドウボソカミキリ類に良さそうな環境を探します。
当グループを採り慣れていることもあり、程なく生息地に行き当たりました。
イマサカおよびシロスジのドウボソカミキリです。


前者は比較的発生の遅いドウボソなので未だ適期とも言えますが、後者については正直遅く大部分に
欠け・擦れが見られます。
なおイマサカについては最近記録地が増えており、島嶼部にかなり広範囲に居る種類であるのが
分かってきましたね^^

喜界島で動いていると特に目に付くのがキカイジマイシガキシロテンハナムグリ。
あっちこっちの海岸の草付き周りを飛び回っています。


かつてイシガキシロテンハナムグリでもグループ内で最も美麗と思しき(感想には個人差があります)
波照間島産とも空中戦を交えたことがありますが、それよりも低くやや緩やか飛ぶのでとても採集
し易いものでした。

喜界島で特徴的なキボシカミキリ。現在の分類上はアマミキボシの範疇とされていますが、黄色味が
とても強いなどかなり特化しています。

今のところ唯一の特産亜種キカイジマノブオケシ。何故かなんでこんなに少ないの?と思うほど採れず、
再度行くべき理由の一つになってくれました。
(と言うか、時間も無かったのでまた来るためにそれっぽい所をわざと叩かなかった^^)

時期が遅過ぎて2♀しか採れなかったリュウキュウルリボシ。♂も採れましたがボロ過ぎて捨てました。
斑紋的には沖永良部産や与論産のようにギラギラ型ですがエリトラ両側面に縦線が部分的に発現しており
大袈裟に言えばミヤコルリボシのようなパターンを感じます。もちろん沖縄亜種や奄美産のような通常型の
範疇のものとは全く異なります。これは是非また採りに行かなくちゃ。サペル命なので^^

恐らく喜界島未記録のタイワンナカボソタマムシ。エリトラ先端の波型の斑紋が極めて太く、初見の際は
エリトラ先端がとても白く見え驚きました。数頭採った全てが同様だったので固定された特徴でしょう。
これについては少し調べてみるつもりです。

ダメ元で月明りで明々とした夜に出回ってみましたが、やはりライトに集まる虫はほぼ皆無でクロマル
コガネは1頭しか採れませんでした。他の虫ですらヒラタクワガタ1ペアとアオドウガネ数頭しか来て
いなかったので採れたのは奇跡だったかも。手にしてみると意外と面白い虫と感じたので、これも来年以降
再訪問のきっかけになってくれそう。

喜界島や与論島は分布する種類が少ない上、魅力ある種類もあまり居らず遠征に二の足を踏みがちです。
ただ、行ったら行ったで多少のこだわりが生まれ、また行きたくなるのが虫採りの困ったところ。
数年間でも奄美群島に携わった者として、今後も機会を作り係わって行こうと思います。

珍奇チャイロヒラタカメノコほか、奄美特産の美麗ハムシ(2021.6.23)

梅雨時の楽しみの一つ、チャイロヒラタカメノコハムシ探しに行ってきました。
もちろん晴れている方が探し易いものの、たとえ小雨でも探索可能な採集者に優しい珍奇ハムシです。
年中行事になりマイコレ分の標本は持っていますが、人気が高いので何時かは枯渇しそうだし、
奄美にしか分布していない種類だし、住んでいる間しか十分に探す時間が取れないし・・・
など色々理由を練り出して出撃することになります。
なにより探すこと自体が面白いのが第一の理由なんですけどね^^

奄美は今日も梅雨空。降ったり止んだりを繰り返しています。
そんな日はチャイロヒラタカメノコ探しでもやりますかね。

天気が悪いと林縁は暗くて見難いですが、クチナシを探し葉っぱを注意深く見渡していきます。
すると、このように表面を「―」状に薄く削り取った本種の食痕が見つかり、その葉もしくは近くの
葉に本種は留まっています。

これなんかは物凄く食われた葉で稀な例ですが、それでも1頭がポツンと留まっている程度。
本種は1頭当たりの摂食量が多いので食痕の数も多いのですが、極めて個体数の少ないハムシなので
1本のクチナシの株から見つかるのはせいぜい1~数頭なのです。


雨の場合は葉裏に留まっている場合が多く、このように下から見上げると目が合うことになります。
が、本種の場合は目が合っても逃げることがありません^^
下の写真では左右に2頭が葉裏に留まっているのが分かりますね。

ただ、安易に枝葉を引き寄せると振動で落ちる場合があるのでハンドリングは注意深く行うことが
大切です。
本種独特のユニークな「山型」のトゲが指に当たるこの感覚、何度経験しても愉快なんですよねえ^^

この時期に得られる他の美麗ハムシについても少し触れておきましょう。
まず、同様に奄美特産のアオバヒメハムシ。
春に採れるオキナワアオバホソハムシとはまた違ったギラギラとした緑の金属光沢を持ち、胸部の黄色も
とても美しい種類です。過去2年はあまり得られませんでしたが、今年はまあまあ発生していました。

そして、これも奄美特産のアマミカバイロハムシ。
かつてオーストラリアに1年間住んでいましたが、極めて種類が多かったユーカリハムシのある群に
よく似た、日本産離れ(?)した素晴らしい大型美麗ハムシです。
前2年はゼロでしたが、今年は1頭だけ採ることが出来ました。各地でビーティング等に勤しんでも
なかなか得られないので個人的には得難い種類と位置付けています。

正直なところ南西諸島には魅力的なハムシが少なく、敢えて狙いたい種類もほぼ居ないため
奄美在住のここ数年、当グループに限ってはあまり楽しめたとは言えません。
来シーズンからは地元九州をはじめ、本土域の未経験の大型美麗種等に手を伸ばしていこうと思います。

オオシマルリタマムシの季節(2021.6.18)

奄美の梅雨はまだまだ続きますが、晴れ間の楽しみも増えてきました。
その一つがオオシマルリタマムシ(タダタマムシ奄美群島亜種)採り。
本土のタダタマ採りと同じ要領で子供に戻った感覚で楽しめます^^

狙いは勿論クワノハエノキの梢。その上を飛び交う個体をシャニムに追い回します。
炎天下で大きなエノキを見上げると、こんな感じで奴らは梢から飛び立ちます。

そこを長竿で掬い採るのですが、テキはアッチコッチへと方向転換するのでなかなかネットの
射程範囲に入って来ません。加えて長竿を4~5本は伸ばして何度も空振りするので首や肩への
負担がとても大きく、暑さも相まってなかなか長時間続けることが出来ないんですね。
それに色々な虫が出現している時期なのでこればかりやっているわけにもいかないし。

出始めなのでエリトラがペラペラのテネラル個体も幾つか混じってきます。
下はエノキの葉を後食させて体を強健にしているところ。上手くいくかしら。

数居る虫の中でも特に童心に戻って楽しめるのが本件。
今年は発生が良いようなので十分なコレクション作りに励みます^^
キツイけど・・・

数年振りに行うイワカワシジミ高温期型の飼育(2021.6.13)

現在、過去2年間不作続きだったイワカワシジミの飼育を手掛けています。
今季は甲虫類の発生が悪いし、そもそも終日採集できない梅雨時にも幼虫探しが出来る類稀な佳き蝶。
大型シジミにして美麗種、屋久島以南にしか居らず季節型も楽しめ採集・飼育も実に面白い。
国産の蝶の中でも独特のポジションを持つ不思議な奴がイワカワシジミ。

今思えば奄美に来た年はまあまあ当たり年だったのですが、来たばかりで大忙しだったので高温期型の
飼育には殆ど手が回らない状態で幾つかしか標本を残せていません。
今季は時間が在るので・・・と思いながら大きくなり立てのクチナシの実に当たってみると初年度の
のようには多くないものの、そこそこ幼虫が入っているようで楽しめました^^

こんな感じで林縁のクチナシの実がたわわに生っています。

それらを注意深く見渡していくと・・・
イワカワシジミの幼虫の入った実がポツポツ見つかります。
孵化したばかりの幼虫は小さ過ぎて実への侵入口は見つけ難いのですが、成長に伴い大きな糞を捨てる
ために穴を大きくしていくので難なく見つかるようになります。

これ位の穴になると顔を近付けると見つかりますが、脱糞中の若齢幼虫の尾部も少し覗いていますね。

終齢幼虫にもなると穴の大きさも随分大きくなり、かなり離れた位置からでも見つけられるようになります。

幼虫は実を食べ尽くすと空になった実を抜け出し、枝を這って次の実を探します。
枝を這っている幼虫を見たことはありませんが、探し当てた次の実に齧り付いて穿孔しようとしている
幼虫はたまに見られます。

穿孔完了まではさすがに時間が掛り、いわゆる「頭隠して尻隠さず」状態になるためこの際に天敵に
やられるものも多いようで、穴が開きかかった実が散見されます。鳥に食べられたり、カメムシや蟻の
餌食になっているのでしょう、実に勿体ない。

実を3~4個たいらげて老熟した幼虫は、空になった実の中で蛹化します。採集はこのタイミングで
行うのが最も効率が良いのですが、ここまで生き延びる個体は少ないし寄生の心配もあるのでやはり
初齢~中齢幼虫で採集するのが正解でしょうね。

このように個別に飼っていますが、本種の食欲は凄まじく信じられない量の糞をするので1日に2回の
掃除が欠かせませんし、餌切れがないように常に新しい実を準備しておく必要があります。
ただこの時期の幼虫の成長は極めて速いので1週間も世話をすれば蛹になってくれます。

実の中の前蛹および蛹。ここまでくれば一息付けます。
1週間後辺りから展翅が大変になるんですけどね^^


ひょんなことから今回面白いことが起きました。全くの偶然ですが容器の掃除中に2頭の終齢幼虫を
一緒にしてしまったようで気付くと一つの実の中でその2頭がひしめくように蛹化していました。
本種は一つの実を独占するため習性的に共食いが激しい種類として知られます。よって野外ではこうした
事態は起きないのですが、本件はたまたま両者とも老熟しきった状態であったことから片方が片方を齧る
という悲劇が避けられたケースと言えます。絵としてはとても面白いですね^^

高温期型の幼虫はこのようにカラになった実の中で蛹化し、羽化した成虫は脱糞口から這い出て
外界で翅を伸ばすことになります。
面白いのは低温期型の蛹は実の中で蛹化しないことで、これを知らない頃は食痕のある空になった実を
いくら探しても蛹が見つからないので不思議だったことを思い出します。
同じ蝶でも多化性の場合、時期により習性を変えるものも結構居て奥が深いもんだなあと感心する次第。

展翅後にまた写真をアップする予定です。

梅雨時、ウスグロホソバネ長者も目指すかあ^^(2021.6.6)

何度でも言いたくなるが、今年の奄美の梅雨は雨ばかり。
梅雨時だから雨が多いのは仕方ないとしても、ここ数年の中で採集への出動回数が最も少ないのは
間違いありません。

チャンスが少ない中で何を狙うのかとなると、俄然と好きな種類ということになります。
前記事で述べたアマミモンキカミキリと並びこの時期に特に狙いたくなるのはウスグロホソバネカミキリ。
これはトラフホソバネ奄美群島亜種で、カミキリ愛好家は属名を取って各地域のホソバネカミキリ類を
トラニュースと親しみを込めて呼びます(なお奄美に居るはずのもう一種はまず採れない)。

一般にトラニュース各種は林縁のスウィーピングで採るのですが、これがまあ一苦労。
慣れてくればどういう所に居るのか大体分かってくるのですが、簡単に言えばネットで林縁を掬う作業を
ひたすら繰り返します。例えネットの捕獲範囲に留まっていたとしても数センチのズレとかハネ飛ばす
とか、見えないけれどことごとくミスっている可能性もあります。
すなわち成果は偶然性に左右されるきらいが強く、確実性、再現性は期待できません。
「数打ちゃ当たる」を地で行く採集となるわけで、大抵の人は採れないうちに脱落します^^

アマミモンキ同様、僕はここ数年本種のポイント探しを繰り返してきました。
その努力が実ったある日の成果、5頭ゲットだぜい!

しかも、これまでで最も巨大な♀をゲット! さらに意気消沈するドンチビも避けられました^^
トラフホソバネは屋久島のようにかなり大型の個体が採れるようなエリアもあるものの、どうも当亜種は
一回り小型の個体群であるように思います。
そして♀の比率はとても低く、体感では♂20頭~に対してやっと♀が1頭混じるという頻度。
♀がネットに入ると心底喜べます^^

そのウスグロホソバネ、当然多くはないものの他の甲虫の調子が悪い中で例年よりはネットに入っている
ように思います。
これまでの運が良いだけかもしれませんが、長者を目指し(^^)努めて狙いたいと思います。

梅雨の晴れ間の採集、アマミモンキ長者かあ^^(2021.5.31)

今年の奄美大島の梅雨は本格的。連日の雨で採集に出られる日がほぼ無いという状況です。
去年は空梅雨で1週間のうち6日は採集出来たのでとても疲れましたが、逆に今年は1週間に
半日でも採集に出れるのは1日が良いとこ。
しかも虫(蝶を除く)の発生が悪く、かなり良かった昨年同時期に比べると得られる種類と数は
雲泥の差@@

そうした中。
ここ2週間に僅かにあった晴れ間に採集に出てみると、アマミモンキカミキリだけは二桁ほど
採れたじゃあーりませんか!
老後に向けた虫の断捨離作戦の中で、サペルディーニの充実を掲げているのでこれは良い傾向^^

本来アマミモンキは比較的珍品で、いきなり奄美に来て適当にホストのハゼを掬ったところで
簡単に採れるものではありません。
実は奄美大島の林縁はハゼだらけ。ぜーんぶハゼ@@


これら目に付くハゼを片っ端から掬っていってもまあ、入るものではありません。
この虫は特に「居る所には居るが居ない所には居ない」がはっきりしており、生息域がピンポイントなので
その一画を探し出せなければ複数採れることはありません。
僕は長期遠征時代も含めこの5年は本種のポイント探しに腐心してきたので上のような成果を得られる
ところまで来ていますが、闇雲にやっても徒労に終わること必至。
特にハゼは樹高が高く、長竿を長時間操らなければならないので体力も必要だし、首や肩、腰がヤラレます。
腕などがかぶれることもしばしば。ハゼを見上げながら長時間掬いまくるからでしょう、採集後は
目が痛くなります。其処までやり込む人、他に居るんかな^^

アマミモンキの素晴らしさは目も覚めるようなレモンイエロー。
これを堪能出来るのは発生初期の今だけで、梅雨明け近くにもなると退色するしキズも付いてきます。
奄美に採集者が来るのは夏物の出る6月中旬以降なので、キズの無いマッキッキーな個体を得るのは
まず期待薄だし、個体数も望めません。やはり今採るしかない種類なのです。

冷凍〆したアマミモンキ。
奄美で過ごすのは本シーズンが最後ですからね。もっとマイコレを貯めますよ^^

ちなみに本種は材採集も可能ではあるものの、羽脱させると体がペッタンコとなり後食させても本来の
形になりません(本種はイメージより遥かに体高のある虫です)。さらに野外産のような鮮やかな
発色も期待できません。だから綺麗な標本を多数得るには梅雨の今の時期に頑張るしかないのです。

「現地に住み込む」ことは誰にでも出来ることではありませんが、敢えてそれをしなければ満足のいく
コレクションを得られないのも事実なんですよね。
「失うもの」と「得られるもの」をどんどん天秤に掛けていけば良い、というのが心情です^^

奄美産フタオチョウの幼虫・前蛹・蛹(2021.5.24)

折に触れて述べてきたとおり、奄美における春以降の甲虫の発生は極一部を除き芳しくないので
活動時間が短く済んでいます。それに今の時期は雨ばかりだし(特に今年の梅雨は酷い)。
そこで、余った時間を蝶の採集・飼育に振り向けることにしました。

今の時期、やはり真っ先にやるべきはフタオチョウでしょう^^
というわけで・・・ ジャーン!
いきなり幼虫(4~終齢)、前蛹、そして蛹です。
基本的に本来の生息地の沖縄では採集禁止種であることから、個人ブログで本種のクリアな飼育状況が
取り上げられるのは初めてかもね。

幼虫
唯一無二の独特のペルソナ(仮面)が特徴的。
同じツノでも例えばオオムラサキなら頭部にしか見えないけど、本種に限っては「仮面」を被っている
ようにしか見えないなあ。



前蛹
典型的な垂蛹です。丸まるところも他のタテハチョウの仲間と同様。
特に外側のツノを縁取るトゲのコバルトブルーがとても綺麗。


自分の飼育歴で初めての半円形の蛹@@ 
3D的には球状のボールを四分割したような形状をしています。コロコロして、とても面白い^^
触って分かるのはオオムラサキ等の様に腹節が左右に動くように出来ていないことで(可動部が無い)、
刺激を与えても他の蛹のようにクネクネ動きません。これは知らなかった@@

ペルソナを脱ぎ捨てた先発隊。


若い時からの夢だったフタオチョウの飼育。
本来の生息地沖縄での捕獲は禁じられている上、飼育には食樹の問題が大きく立ちはだかります。

奄美で発生したこと、そして自分が奄美に今住んでいること。
この二つが同時に起こることは確率的にゼロ。奇跡です。
奇跡的に「今」、夢が叶ったことに感激しています^^

※当方はフタオの飼育材料を蛹も含め提供しておりません。

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