カテゴリ一覧 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

数年振りのレインボーセンチ捕獲、その序幕(2022.9.10)

成虫シーズンも終盤に差し掛かり出動の回数も減ってきましたが、そろそろ採集地における気候も
良くなってきたので秋の採集を開始しようと思います。
数日前に牛糞トラップを仕掛けていたので、今日はそれの成果の確認に行って来ました。
実に4年振りのレインボーセンチ採集となります(その間は奄美に住んだため)。

当ブログを昔から御覧の方は、僕が住む熊本県と大分・宮崎両県の3県境付近から熊本市付近へ
斜め下に伸びる「とあるライン」が在るのを御承知と思います。このライン近辺のセンチコガネは
複数の色彩が混在する群が知られ、これらは慣例的にレインボーセンチと呼称されます。
正に僕はこのラインの最も近くに住む(なんならライン上に住んでいると言えなくもない^^)虫屋で、
僕は独自に当ラインを「レインボーベルト」(線ではなく幅があるから)と呼んでいます。
ちなみに当ラインは九州における「中央構造線」とほぼ重なっており、恐らくは太古からの地殻変動が
この美しいレインボーセンチ群を生み出す何らかの原動力となったことは間違いないでしょう。
そして九州だけに現れたというのも神様の悪戯のようで面白く思います。

と、少し復習をしたところで今日の話題です。
レインボーベルトとは言いましたが、この帯の各所に現れる「群」の色合は互いに規則性は殆ど無く、
大袈裟に言えば山塊毎に採ってみなければ正体が分かりません。
今回は位置的に「東阿蘇」の範疇に含まれる一画にトラップを仕掛けています。

久し振りに見る、トラップを暴いている様子。
豆知識:糞塊や土中を探しながら虫を摘まむ作業はピンセットより割り箸の方が遥かにやり易いよ^^

万歳をして軍門に下ったセンチ達。オオセンチ1頭のほかゴホンヅノダイコク数頭が混じっています。
勿論これらは全体の一部です^^

ふーん、此処は2色が混じる程度のあまり面白くはない一画なのか・・・
などと確認しながら淡々と作業を進めます。
レインボーセンチ採集は一言で言えば「トラップ仕掛け」と「回収」を繰り返す作業ですが、実は
かなりの重労働なんですよ。
僕もそろそろ還暦の身なので10年前のようにはいきませんが、「レインボーセンチに最も近い男」
としては出来るだけ手数を出してみようと思います。

シルビアシジミ飼育準備など(2022.8.29)

相変わらずの平地での灼熱地獄を逃れるため、山間部へ1時間半ほどのドライブに出ました。
平日の昼間なので全くストレス無くすーいすい^^ 
阿蘇の高原は未だ青々とした夏色を纏(まと)いながらも、吹き抜ける風は明らかに涼しさを伴い
秋の訪れをそこはかとなく感じさせるものでした。

今日の目的は秋に行う予定の阿蘇産シルビアシジミの食草ミヤコグサを確保すること。
九州のシルビアは北の福岡や南の鹿児島・宮崎の沿岸部や大河川敷には多産する所も在るものの、
中部の熊本には何故か少なく、僕は阿蘇の産地しか知りません。
その阿蘇でも全く一般的ではなく、分布は局所的な上とても薄いものです。ミヤコグサもまず
目にすることはありません。
僕の知るポイントでもミヤコグサは少なく、可憐な黄色い花のおかげで見つけるのは容易いものの
株が小さいので余り量を確保出来ません。

なんとか10株ほど掘り取りました。採卵用なのでとりあえず数はこんなもので良いでしょう。
幼虫は孵化後スナップエンドウ等の代用食で飼育することになります。

シルビアは幾つかは飛んでいるものを確認しましたが、数が少ない時期だし、美しい低温期型を得る
ための飼育には未だ早いです。採卵用♀の適期はあと1カ月ほど後でしょうか。

ところで、腰を屈めながらミヤコグサを掘るという作業を草原の中で行い、車に戻って作業用ズボンを
短パンに履き替えたところで右手の人差し指の付け根に違和感を感じました。
其処に目をやると、なんと「ヒル」が付いているじゃあ~りませんか!
「うわっ!!」と叫びながら叩き落とします。

同じような形状でも尺取虫など蛾の幼虫なら驚き慌てふためくこともありませんが、コヤツは別です。
急いで噛まれていないか体中を調べましたが何処にも被害は無く安堵します。
恐らくズボンを履き替えた際に足元に付いていた奴が指に乗り移ってきたものでしょう。
阿蘇のように牛の放牧が盛んな地域では、乾燥した夏の草原にもこのようにヒルが居るんですよ。
鹿や猿が多い屋久島や放牧地帯の阿蘇など、ヒル天国を採集地として持つと大変です@@

出来上がった採卵用鉢。平地は未だ暑いので多少はヘタるかもしれませんが、日陰で管理するので
枯れることは無いでしょう。少しは成長すると良いな。

関係ありませんが、庭で生育中のヤエヤマネコノチチ。奄美から抜いて来たもので、既にその時の
1.5倍の大きさには成長したかな。別に2鉢あるのでもうこの時点でフタオチョウを10頭は
飼えるでしょう。

フタオは現地で結構飼育したけどアパート暮らしだったので切り枝飼育で大変でした。
数年後にまたあの楽しい幼虫を飼って遊ぶとしましょう^^

灯火に飛来したキュウシュウヒメオオクワガタ♂(2022.8.22)

夏物の虫はとかく大味になりがちですが、今日はその最たるものの一つとなります。
みんな大好き、キュウシュウヒメオオクワガタの♂です^^

九州山地高所でのナイターで飛来したもので、♀が来ることはこれまでに何度かあったのですが、
♂が来ることはほぼありません。小型個体だけど生きている個体を見たのは久し振りなので
テンションが上がりました。相当久し振りにキュウシュウヒメオオ♂のマイコレが増えました^^

近年本亜種は極めて稀になり、かつて行けば採れた産地でもまず採れなくなっています。
10~15年前であれば、クワガタブームの後盤あたりに毒された者らがブナ倒木をバカスカ掘って
いる場面も見られましたが、今は高齢化と「飽き」(にわかクワガタ屋は直ぐに飽きる^^)で
そういう輩もほぼ居なくなりなりました。同時に虫も居なくなりましたけどね。

他には久し振りに九州では稀なオオクロカミキリ(♂が巨大でビックリ@@)や、高標高では初めての
オオジュウゴホシテントウ(かなり珍)、オオキノコムシ(これも九州では珍)などが採れて楽しい
夏の夜となりました。



これから晩夏~初秋の高所でのナイターは、主にカトカラ等の珍蛾を中心に狙って1~2回はやろうと
思います。
そして、今季の甲虫は秋の糞虫やセダカコブを残すのみとなりました。
そろそろ主なターゲットに蝶(飼育も含む)を本格的に組み込むとしましょうか。

夜間のオオシロカミキリ(2022.8.18)

久し振りに夜間活動中のオオシロカミキリを摘まむ採集をしてきました。
場所は自宅から1時間程度の低山帯です。

夜に行ったので辺りの状況の分かる写真は撮れませんでしたが、山際にホストのムクノキに加え
エノキやアカメガシワ等の伐採木が少し積んである場所です。
オオシロは夜8時を過ぎると何処からか現れ、ムクノキの材に点々と付いています^^

ただ時期的に相当遅いため、数は少ないし本来は純白の綺麗なエリトラがガサ付いた様にキズ付いて
いたり、触角が切れた個体が目に付きました。本来は7月中には採集を完了しておかねばならない
種類ですね。
ちなみに、僕が本種を始めて採ったのは高校生の頃の6月上旬。ジテコンで近所の河原を散策中に
河岸に当時はたくさん在ったムクノキ大木の垂れ下がった下枝先の葉裏にベタッと留まり後食中の
数個体を手掴みしました。山間部の珍種と思っていたので、意外過ぎる初対面に戸惑ったものです。
それらの木も今は無く、開発も進み平地のオオシロは居なくなってしまいましたが・・・

短時間でしたがオオシロを摘まんだのは本当に久し振りだったので愉快でした。
少し山手に行けばポイントはまだ在るので、次は適期に新鮮な個体を存分に採って楽しみたいですね^^

夏の草原の蝶、ヒメシロチョウ、ツマグロキチョウ(2022.8.14)

夏の阿蘇の草原に蝶を採りに行って来ました。ターゲットはヒメシロチョウおよびツマグロキチョウです。
阿蘇とは言っても東部の端、「奥阿蘇」と呼ばれる祖母山に近い地域で、熊本でも大分や宮崎との県境に
近くとても行き難い地域です。

ヒメシロはホストのツルフジバカマの分布に制限を受けており、阿蘇草原の中・東部から奥阿蘇にかけて
生息が知られます。草原王国と言っても何処にでも見られるわけではないんですね。東に行くほど分布は
濃くなるというイメージです。

実は僕の母方の里が奥阿蘇のさらに奥(祖母山にかなり近い所)に在るので、小さい頃からこの地には
馴染みが在りました。その頃と比べると虫はとても少なくなりましたが、上記2種の蝶は相変わらず其処に
居て、童心に戻って楽しく蝶掬いを楽しみました^^

阿蘇のヒメシロはまだまだ多いと言われますが相当減りましたね。ツルフジバカマも殆ど目に付きません。
広島のように絶滅することはまず無いと思いますが、既に目前に幾つもが飛んでいる状況ではないので
留意はしておく必要があるでしょう。分布が限られるツマグロも此処では存分に数を拝めて幸せでした^^

そうそう、50年近く前はこの斜面の奥にピーマン畑があり、親戚の農家のピーマン収穫を手伝いながら
当時は結構居たゴマシジミと戯れたものです。現在は誰も農業を営む者が居ないので此処も耕作放棄地
となり、草に阻まれ立ち入ることも出来ません(下の写真)。もっともワレモコウは既に無く、一帯から
ゴマも消えて久しいです・・・

ゴマとは違い消えてはいませんが、ヒョウモン類、スジグロ・ヘリグロ・ミヤマのチャバネセセリに   
ギンイチモンジセセリ、キアゲハやカラスアゲハと言った草原に多い蝶達も相当に減り、今日はほぼ
目に付きませんでした。
蝶が居ない、少ない草原。50年前を知る人間にとっては一抹の寂しさを感じる一時ではありましたね。

さて、今回ヒメシロは♂♀共に新鮮で採集適期、ツマグロは新鮮な♂が殆どというタイミングでした。
秋に時間が在ればヒメシロの第4化(最終化)、さらにツマグロの秋型を採りに再来しようと思います。

そして草原の一画には風物詩の牛が草をはむ風景が在ります。秋には糞虫採りに近場を訪れるので、
今秋狙う予定のシルビアシジミと共にこれらのついで採集は可能でしょう。

高原が涼しくなるまであと半月~1カ月。秋の採集も楽しみですね^^

住宅街の自宅庭にナミハンミョウが!(2022.8.10)

昨日、昼食の冷奴の薬味用に庭に植えてあるシソと唐辛子を採りに出た際、猫の額ほどの菜園を
サササッと素早く歩行する虫を発見。何だろうと近寄るとなんとナミハンミョウ!
「ええ~ こんな所にハンミョウが!」と庭に置いてある子供用の100均ネットに駆け寄りなんとか捕獲。

地方の熊本とは言え、我が家は市内の住宅街の中に在り、近隣に畑や空き地などは一切ありません。
小学生の夏、近くの小学校の校庭で小さなハンミョウ(今思えばあれはコハンミョウ)が渦を巻くほど
群生していたのを見たことはありましたが、ナミハンミョウを近所で見たことはこれまでに一度も
ありません。一体何処から迷い込んだのか、それとも昔からの遺伝子が残っていたのか・・・

僕は大のハンミョウ好きで各地のハンミョウ類を集めています。ナミハンミョウの変異にも興味が
あるので産地集めをしていますが、市内産、しかも自宅ラベルの標本を思い掛けなく作れてしばしの
幸福感に浸れました^^

ちなみに7月の屋久島遠征でも予定数のハンミョウを得ることが出来、屋久島産マイコレを今年やっと
確保できました。タダハンミョウとは言っても、数頭は目にしても数を採るのは結構大変です。
屋久島へは何度も足を運んでいるもののなかなか本種にまでは手が回りませんでしたが、屋久島は
本種の南限でもあり結構人気も高いので今回はそれなりに時間を割いて取り組んだ成果です。

ハンミョウ類は勿論亜硫酸〆ですが、タトウ保管中はやはり油が出てしまい色が多少はくすんできます。
標本作成時は美整形を施し併せてアセトン処理で油抜きを行うのが僕の流儀で、以上を全て行うことで
最も美しい標本を作ることができます。

ついでにハンミョウ繋がりでの情報。九州唯一のカワラハンミョウはどうやら絶滅したようです・・・

今年も地元産トラフカミキリの生存を確認(2022.8.4)

既に風前の灯火となって久しい九州のトラフカミキリ。
地元の唯一のマイポイントでも数える程のクワの木で、年間僅かな数が見られる程度となっています。
夏に地元に居れば必ず彼の地を訪れていますが、今夏も数頭を採集出来、生存を確認しました^^

僕が此処を知った学生時代は幾つかのクワ畑が残る農村地域だったのですが、現在は既に住宅街に
変貌しています。クワ畑はとうの昔に消滅しており、トラフカミキリは残った僅かな耕作放棄地や空き地等の
脇に逸出した数本のクワで辛うじて世代を繰り返している状態。近隣の町や村にトラフが発生する
環境は無く、放っておいても遅かれ早かれ一帯のトラフは絶滅する運命にあります。

発生源となるクワはもう10本も無く、これらが枯れるか切られるかすれば此処での発生は終了します。
この十数年を見ると枯れるまで放置されるよりは造成のため伐採される公算が大きいです。
そこで5~6年前からは見た個体は全て採集する方式に切り替えました。「無」になるよりは誰かの
標本箱の中で「存在」する方が遥かにマシです。

自宅からポイントまで30分ほど。今夏は地元に居るのであと数回は訪れようと思います。
次シーズンまでには全てのクワが伐採されるかもしれないし、出来るだけ九州産トラフの標本を
残しておきたいと思います。
(本音:でも意外としぶといね^^)

2022夏の遠征から戻りました(2022.7.29)

「鹿児島沖の大きな島+α」の遠征から熊本の自宅へ戻りました。約1カ月弱の長旅でしたが、
あっと言う間でした。備忘的に一応の成果を簡単にまとめておきたいと思います。

「+α」の部分は、行きがけに寄り道した宮崎県日南海岸のオオムラサキカミキリです。
日南での採集は10年程前に此処で大発生したルリウラナミシジミ採集以来で、熊本からは
高速で2時間程なので手頃な場所です。
本種の採集は初めてでしたが、この間にホスト等が知られるようになったのでとても楽チンでした^^

個体数が多いことで有名になった某神社は採集禁止になったと聞いていたので、其処には行かず
周辺で探してみるととても分布は広く、一か所での個体数は少ないもののあちこちで対面出来、
これなら絶えることはなく何時行っても採集出来るな、という感触を持ちました。

幅広のルリカミキリを2倍にしたような感じのフォルムで、ホストが違うだけで敏感度やゆっくり
ホバリングする様子はルリと全く一緒。見つければ取り逃がすことはなく、楽しく採集出来ました^^

マイコレに想定した最低数はとりあえず採れたものの、半日の採集で♀が二つしか混じらなかったので
何時かまた屋久島や種子島辺りに行くついでに寄るとしましょう。網で掬い採るのが面白いしね^^

実はオオムラサキ採集はもう1日やるつもりでしたが、台風4号にせき立てられて慌てて本チャンの
屋久島へ向かうことになり、フェリーの欠航前には間一髪で屋久島へは渡れたものの嵐が過ぎ去る
数日間の採集はおあずけとなりました。

それから暫くは第一の目標のネキダリス決戦に挑みました。見慣れたAポイントの空間は、周りの
木々の成長で益々狭く・・・

以下は数名の常連に混じって頑張った成果です。アキヤマイ(オニホソコバネ屋久島亜種)に
めっぽう強い僕は稼ぎ頭の4頭を採ることが出来ました。
大破の1♂以外の3♂は30ミリを超える粒揃いの完品で大満足です^^

昨年までの4年間、屋久島のネキの発生は極めて低調で、昨年だかに2種併せて5~6頭が採れたのが
最も良かった成果のようです。「ようです」というのは僕がこの3~4年はネキ決戦に殆ど参加しておらず
伝聞によるところが大きいことに拠ります。
今年もヤクネキの不作は続きましたが、アキヤマイは全員で二桁は採れ、振り逃がしたり他に飛んでいる
個体も見ているのでアキヤマイは久し振りの大発生(の一歩手前?)と言える状況でした。

今年はポイントのリョウブの花が満開となったことから他の訪花性昆虫も多く、僕が感じたところでは
この地に通うようになって以来最高の調子の良さだったように思います。
おかげでクロキスジトラ(キスジトラカミキリ屋久島亜種)が比較的多く、前から狙っていたエリトラの
八の字紋が消えた黒化型、及びそれに準じた面白い個体も採れ喜びました。

他にアラカワシロヘリトラやヤクシマミドリといった常連に加え、今年はエパニア属(リョウブモモブト
ヒメコバネ、サツマヒメコバネ)が目に付いたり、クスベニやオオヨツスジハナ(屋久黒化型)、タキグチ
モモブトホソやモウセンハナ、タダミドリと言ったカミキリ達、キボシハナノミやツバキシギゾウムシ、
ムラサキツヤハナムグリなども例年よりは多かったように思います。

一つだけ、大人し目のタトウを例として挙げておきます。結構幅広く色々な虫が採れて楽しめました^^

今年は久し振りに日本最美の昼蛾:サツマニシキ(屋久島亜種)が多く、日に数頭はリョウブの花に
飛来しました。お馴染みのブクブクの泡は、今回の「虫バブル」の象徴か^^


今回は久し振りに汗だくになりながら頑張ってビーティングをしましたが、狙いのカスリドウボソは
やっと2頭のみ。相変わらず超絶に採り難い・・・

個人的には北限の屋久島産は変わっていると思っており、新図鑑用に作成者さんに2個体をお渡し
したものの既存亜種の範疇にされた模様。まあ僕にとって図鑑というのは在って無いようなもので、
自分勝手に楽しむので良いんですけどね^^

生息ポイントは変わりますが、例年の如く少ないながらトカラケシも採れました。この場所では他所では
少ないヒメアヤモンチビもまあまあ採れます。

キュウシュウハネナシサビやウスキアラゲもなんとか生き残りが居る時期ですが、採っても不完品や
スレ個体なのでこれらは早期出現種らと共にまた別の機会に取り組む予定です。
しかし屋久島で僕の様にビーティングしたりスウィーピングしたりする人が居なくなったので、こうした
細々としたものは益々貴重になってくるんでしょうねえ。

7月の月齢は最悪で、一番虫が多い中旬頃は満月となりナイターを行うチャンスも少なかったのですが、
ヤクシマトゲウスバは大きな♂が採れ、これでマイコレもほぼ完成となりました^^

ネキ等が終わり皆が離島した後はマイブームの高山種を探すためにベース地を移動しました。
しかし今年の高山種の調子は悪く、ヤクチャイロヒゲビロウドやヤクシマヨツスジハナは殆ど発生して
いませんでした。高山性のゴミダマやゾウムシ、ゴミムシ等もあまり良くありませんでしたね。
ちなみに例年は高山で特に多い「ヒル」もあまり居なかったので、幾つか体にくっついただけで
噛まれる惨事には至りませんでした^^

ただヤクマルバネコブヒゲだけは数日の夜間の見回りで予定数を採ることが出来、♂♀共にマイコレの
最終形を作ることが出来ました。本種は♀がとても少なく過年はホゾを噛んでいましたが、これで
溜飲を下げることが出来ました。ヤクチャイロヒゲビロウド等もこれまでにそれなりに採っているので、
高山種は今年で終わりにするかもしれません(別途予定のヤクコブを除く)。

あと数日は屋久島でのんびりしようと思っていましたが、今度は台風5号の接近で慌ただしく島を脱出。
フェリーは往路・復路共に台風による条件付き出航(沖合の荒波次第では出航地に戻るかもしれない)に
飛び乗るという荒業をこなしましたがもう慣れたものです^^

こうして2022年度の屋久島遠征は終わりました。来年の夏は新たなことを始めるので屋久島には
行きませんが、さて、リョウブの花の咲かない(咲いた翌年は咲かない)来年はどうなるのか。
そして知る人ぞ知る、終焉が迫るネキポイントの運命は?(今年は遂に直ぐ近くまで〇〇が迫っていた) 
来シーズンもネキポイントは存在するのか?

再来年の屋久島が色んな意味で楽しみです^^

10年振りのソボセダカコブヤハズ(クロコブ)探索(2022.7.3)

※本記事は遠征前の予約投稿です。

梅雨に入る頃、九州山地の高標高のマイポイントでソボセダカコブヤハズ(九州南部亜種)の探索を
行ってきました。本亜種は他のセダカコブ群が茶色系であるのに対し、唯一の黒色系の亜種で
熊本~鹿児島のみに産し高い人気があります。僕はクロコブと愛着を持って称しています^^
前回投稿のフクチコブ(セダカコブ九州北部亜種)と同様に10年振りの越冬明けコブ探しとなります。
フクチコブは昼間に倒木を見るだけのジャブ採集でしたが、今回は夜間採集を含めた本格的な探索です。

これまでに採ったクロコブは安易に放出してしまっていたので、今年からはそれなりにマイコレを貯める
つもりで取り組もうと思います。
というわけで何時ものポイントへ向かったのですが、昼間にロケハンを行ってみると良い倒木が見当たら
ないので10年前とは別の谷へ場所を変えます。するとまあまあの倒木が数本あったので今回はこっちで
やってみることに。

腰を屈めて倒木の下面を注意深く見ていると「ポトッ」と何かが頭上から落ち枯葉の上に転がりました。
瞬間的に「コブだ!」と確信したので落ちた一点に集中し目を凝らすと・・・
やはりクロコブ。中型の♀でした^^

居ることが分かったので更に注意深く探していきます。すると、絨毯のように苔が密集した部分に潜む
クロコブ♀を発見。
何処に居るか分かりますか?

では、拡大してみましょう。


この木は2♀で終了したので別の良さそうな立ち枯れの暗い部分を見ていると、小さな♂が付いています。
「なんだ、ドンチビか。しかも片方の触角が折れてるし・・・」と安易に手を伸ばしたところ、それに気付いた
ヤツはちょっと跳ねるように落ちてしまいました。まあエエわい。不完のドンチビだったし。

昼間に疲れ過ぎると本チャンの夜間採集が辛くなります。とりあえず居ることが確認出来たので谷から
上がり、花を掬ったり、マイ・ハルニレ、オヒョウを掬ったり、スウィーピング採集をしたりして時の経過を
待ちます。

そして夜。林内でベースキャンプとなるナイター開始です。
10年前は相当谷の奥にまでナイター道具を持ち込んで設営しましたが、さすがにもうそんな体力は
無いので今回は少しだけ林内に入った所に設営、そして点灯しました。
其処から少し離れて撮影した様子。何かホラー映画にでも出て来そうな雰囲気を醸し出していますね^^

闇夜、オバQが怖い人にはこのテの採集は無理です。照らした立ち枯れがヒトに見えます^^
更に言えば方向感覚が鈍い人、斜面を登り降りするので足腰が弱い人、体力の無い人も無理でしょうね。
遭難や滑落等の大事故に繋がりかねません。
ナイターの光は言わば命綱ですが、不慮的に発電機が止まる可能性もあるし、光源から遠く離れて
しまうと強い光でも木々や斜面等に遮られてさすがに見えなくなります。よって要所に幾つかの
カンテラを灯しました。

(参考)
10年前のクロコブ探索の様子。カンテラも命綱に。

10年前と同じように35~40度程度はある斜面を行ったり来たり、登ったり下りたりして倒木や
立ち枯れをライトで照らしていきます。
すると、昼間には物陰に隠れて見つからなかったクロコブが活動している場面をポツポツ見ることが
出来ました。




一組しか見つけられなかった交尾の場面。心底嬉しかったですねえ。こんな場面を直に見れる人なんて
そうそうは居ませんから。♂♀共にそこそこ大きいのもヨシでした^^


数時間は頑張れたのですが、さすがに還暦前ともなると10年前のようにははつらつと動けず、足腰が
痛くなるのも早いし気力が失せるのも早い・・・というわけで午後11時頃には採集を終了しました。
10年前はあと少しは頑張れたんだけどね。
でも、クロコブはその時とほぼ同じ位の数を見ることが出来たので大満足でした^^

渓谷のフクチセダカコブヤハズカミキリ(2022.6.30)

少し前に阿蘇地方北部の渓谷に住むセダカコブヤハズを探しに行って来ました。
当ブログのアーカイブを調べると越冬明けコブの採集はちょうど10年振り。ええ~この時期の
コブ採集はもう10年はやっていないのかあ、と驚いてしまいました。
確かにね、この10年は八重山・沖縄方面へ長期遠征に出たり、奄美に住み込んだりでしたからね。

九州中~西部で考えた場合、セダカコブヤハズカミキリは大まかに阿蘇高原の北のフクチセダカコブ
(茶色系)と南のソボセダカコブ(黒系)の2亜種に分かれます。
よって今回の初夏コブ探しはフクチセダカコブということになります。

梅雨時なので空模様と相談するのが大変ですが、採集日は1~2日は好天が続く日に設定します。
倒木や立ち枯れに「くっついている」コブは他の虫を探すよりは林内が濡れていても比較的問題は
小さいのですが、林内がビッショリ濡れていると斜面の上り下りやヤブ漕ぎが各段にやり難くなります。
そして樹皮が水分でジュクジュクだとコブヤハズの形状が浮かび上がり難くなるし、コブ自体が雨を
避けて隙間の奥深くへ隠れてしまうためより見つけ難くなるのです。
よって採集は樹肌がある程度乾いた晴れ間に行う方がベター。

渓谷は暗い上に斜面が急峻で上り下りがとても大変です(汗)。

頃合いの良い立ち枯れや倒木を探して林内を徘徊しますが、9割以上は古過ぎてなかなか良い物には
巡り合いません。在ったとしても不安定な体制で長時間眺めてもコブが居ないことの方が多く、早々と
採集を止めたくなることもしばしば^^
そうこうしているうちに良さそうな倒木が遠目に入り斜面を下って行きます。

ここまで下ると山道に戻るのがしんどいですが、苦労の甲斐あってどうやら本日最高の木のよう。
これなら間違いなく居るでしょう。周りに障害物もほぼ無いし、見易いことこの上無し^^
端からじっくりと見回していきます。が、こんな良い木からも何故か見つかりません。
コブ探しは特に運に左右される採集ですが、どうも今日はそれに見放された日のようです。

諦めかけた時、苔の狭間に隠れたペアをようやく探し出せました^^

やっと採れたか。来た甲斐はありましたな。

この後は別の木で♂を採ったのですが写真を撮る前に足早に動き出してしまい掴むのに精一杯でした。
越冬掛けコブの採集は良い材に巡り合えるかどうかに係るので「運」に左右されます。
今回はちょっと不運だったかな。この場所は秋のコブ叩きで挽回しましょう。

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