近郊の低山へイチョウヒゲビロウドカミキリの材を探しに行って来ました。
前四年を奄美で過ごしたため、本種も永いこと再会の機会が無い虫になっていました。
久し振りに本種の寄生するニワトコやクサギの材を探してみようかと思い立ったわけです。
本種の生息域は低山帯なので、阿蘇・九重や九州山地方面と違い短時間で採集地まで行くことが
可能です。たまにはラクをして採集にメリハリも付けないとね^^
町が見下ろせる近郊の低山からの眺め。

本種はやや乱暴な言い方をすると関東沿岸部に居るチャイロヒゲビロウドの代置種的な存在です。
生木しか食わないのも同様で、同じくニワトコにも寄生しますがイチョウやクサギにも付きます。
イチョウは基本的に栽培種で嗜好性は正直よくありません。また九州ではニワトコも関東低地の
ようには目にしません。僕の感覚ではクサギが探し易いかな。下の写真の中央がクサギです。

いずれも食入の密度は低く、1本の木に幼虫が入っていてもせいぜい1~数頭。
この木にも一か所の食痕しかありません。

生木を切ってしまうと次からは採れなくなるし、材から確実に成虫が出てくれるとも限りません。
本種のようなカミキリの場合、材採集は極めて効率の悪い方法と言えます。ちなみにこのことは
屋久島のヤクチャイロヒゲビロウドにも言えますね。
それにビロウドカミキリ系は羽脱後に一定の活動を行わないと長い触角が伸びにくい特徴があります。
また野外で摂食活動をしないと体も堅く強靭にならないようです。
これらは正直、ビロウド系に限らず材から羽脱させたカミキリ・甲虫全般に言える傾向です。
よって、これを契機に材採集の考え方を変えることにしました。
本来、材採集は「社会人」向きのカミキリ採集法です。
つまり、平日は採集が出来ない社会人が冬の週末、あるいは年末年始等の休暇を使って効率良く
カミキリ等を得るのに適した方法と言えます。社会人こそ材採集をやるべきです。
僕も含め虫を材からよく出すなあという人が居ますが、ヤタラメッタラ材を採っているだけです^^
僕のような「サンデー毎日」の虫屋は、完全体の成虫を必要数だけ採れば良いのではないか・・・
と思い始めました。「そうだよなあ、俺、もうそんなに虫イランしなあ」とも。
僕は蝶・甲虫のハイブリッド虫屋ですが、蝶にも最近は同じ考えを持つようになってきました。
(蝶の飼育は、また別の楽しみがあります)
ちょっとイチョウヒゲビロウドの材を見に裏山に行ってくる、という単純な作業でしたが、思いがけず
今後の採集行動を大きく変化させるきっかけとなったかもしれません。
このことはもう少し深慮してみよう。
カテゴリ : カミキリ
今日辺りにクマモツマキチョウの卵が届くので、餌のカラシナを確保するためちょっと高い山へ
行って来ました。
九州の平地では、菜の花類は既に蕾が無く結実している時期なので山へ行かないと孵化直後の
初齢幼虫に適した餌が無いのです。
餌を取り終えて下山、ふと気になった中流域の河川敷に降りてみるとウスチャコガネの飛翔が
目に付きました。あまり多くはないものの、今日は♀を探すつもりで調べてみると・・・
居ました^^

やはりヒゲブトハナムグリの♀を探す要領と同じですね。採り方が分かり安心したので2頭採って
探すのを止めました。
草むらには他にもアオウスチャコガネやヒラタアオコガネが見られ、1時間の寄り道でしたが
楽しめました。やはり本土はこうした普通種でも種類が多くて良いですね^^
カテゴリ : ハナムグリ・コガネ
九州と言えど甲虫採集には未だ早いので、九州山地の高標高地域へ春の蝶を確認しに行って来ました。
九州にギフやバシロは居ないので、春の蝶と言えばスギタニルリ辺りに限られるでしょうか。
僕はなんでも屋なので全く問題ありませんが、九州で蝶しかやっていない人はツマンナイでしょうねえ。
ところで、九州のスギタニは大きくて裏面が白い亜種となっています。
九州北部と南部には多産地が知られていますが、中部の九州山地の辺りには何故か多くないようです。
僕はこれまで九州の蝶にはあまり時間を割いて来なかったので未だ1カ所でしか採っていませんでしたが、
今日は別の所で探してみようと考えました。

本州に居た頃何故かスギタニに狂った数年間が在り、出現期は春の一時に限られるが渓谷に行けば
ウジャウジャ居る蝶としてスリ込まれています。そこで前から目を付けていた九州山地(熊本)の渓谷に
行ってみました。
高温の晴天、午前10~正午頃に水辺を探したもののなんと数頭しか現れません。


「あれれ、やはり九州中部では少ないということなのか・・・」
鮮度としては良いものも悪いものもあり、時期を外しているわけでは無いようです。ただ♂がこんなに
少ないんじゃ♀なんて採れないよなあ。
ポカポカ陽気の中、数は少ないものの他の蝶も時折姿を見せます。
越冬後のテングチョウやタテハ類、ウラギンシジミに混じってミヤマカラスアゲハやツマキチョウ、
トラフシジミなどがチラチラして、小春日和の高揚感を高めてくれます。
九州のミヤマカラスの飼育もペンディングのまま永年経ってしまったなあ。

狙ったスギタニはほぼ採れず新産地を見つけた程度に終わりましたが、既知多産地でウジャウジャ
採っても仕方ないしね。スギタニはいずれ九州山地産の♀から人工採卵して飼育してみたいと思います。
カミキリ採集に良いカエデの木の発見も出来ましたし、今日も良い運動になりました^^
カテゴリ : 蝶
最終回オークションが終わる直前に九州山地の奥へタンナサワフタギの材を採りに行って来ました。
少し寒の戻りがあり標高1500m近辺はさすがに肌寒さを感じましたが、終日快晴だったため日差しの
おかげで快適に動き回れました。
九州とは言え、山間部はまだまだ冬の様相。地域柄常緑樹や植林の緑も混じりますが、冬色の山肌に
ヤマザクラの花の淡いピンクが点々とアクセントを加えています。

九州のタンナサワフタギの枯材からはキュウシュウトガリバホソコバネをはじめ、ヘリグロホソハナ
(九州亜種)、そしてヘリウスハナが羽脱します。前2種は他地域産と結構異なるし、材採集では
普通種とされるヘリウスハナにしても関東や関西の様に採集者がこちらの何十倍も居る地域のものと
比較すると価値は雲泥の差と言えます^^
いずれも超人気で常に在庫が無いため、今度こそは自分の標本を作るつもりで臨みました。

下の写真では、中央に2本のタンナ生木(コケが生えた白っぽい樹皮の木)が見えます。

冬枯れで歩き易い林内を徘徊しますが、タンナは多いものの枯れた木が殆ど見つかりません。
おっ、枯れた奴を見つけたと喜んでも、切ってみると食痕はあまり出ない・・・
おうおう、今回は試練を与えてくれるじゃないか。
数を当たれば確かに食痕は在るし、幼虫や蛹は出ます。
切り口にたまたま頭を出したハナカミキリの蛹。

採れるには採れるものの、「これは!」っていう奴がどうも採れない。
次第に飽きてきたので近くにあったブナ倒木の浮き上がった樹皮をガバッと剥がしてみたところ、
ツノクロツヤムシが3頭転がり出てきました。

本来は材部を彫り込んで内部で越冬するのですが、こんな所に居るということはもう外で
活動しているということですね。高標高の虫の目覚めは結構早いんだなあ。
今日は他の材性の甲虫を採る予定はないのでタンナ材以外で回収したのはこのくらい。
うーむ、今回はキュウシュウトガリバホソコバネの確実な食痕はほぼ無かったし(出ても小さい奴)、
ほか2種もあまり出ないかもしれないなあ。
4時間程は遊んだけど、あまり良くない一画に拘り過ぎたかも。
こんな年もあるでしょう。来年は場所を変えてやってみよう。
カテゴリ : カミキリ
今日は健康のため何時も1時間程歩いている河原の歩道で春の風物詩の一つ、ウスチャコガネと
戯れてきました。
此処にウスチャコガネが居ることに気付いたのは昨日の散歩中でしたが、さすがにネットも容器も
持っていなかったため改めて今日臨んでみた次第。
最高気温が20℃ちょっとと虫遊びには最高の日和の中で良い運動にもなりました^^
これが何時もの散歩道。有明海に注ぐ一級河川の最下流域です。僕が子供の頃は河岸は鬱蒼とした
ジャングルで色々な生物が居ましたが(この近所に住む幼馴染に聞くとフクロウ@@も居たとのこと)、
今ではこのような綺麗に造成・整地された遊歩道となっています。

雑草の新芽・新葉が萌え出した斜面にはあまり多くはありませんがベニシジミやモンキチョウといった
春の蝶が飛んでいたり、無茎種のスミレが咲いていたりします。いずれやるオオウラギンヒョウモンの
飼育の餌採りにも此処は使えるかな。


カラスノエンドウやヨモギなど雑草がまばらな斜面を注意深く見ていると、ハエのように目まぐるしく
飛び回っている小さな黒い虫が居ます。暫くすると草に留まるので近付いて見ると・・・
ウスチャコガネ♂です。風が強く草が揺れて撮り難い・・・



脅かすと殆ど素早く飛んで逃げていきますが、中には下に落ちて草元に隠れる奴も居ます。
飛ばない時間帯はこんな感じで暮らしているのでしょう。

ちなみにこうした虫の捕獲には通常のネットよりも100均の子供用ネットの方が効果を発揮します。
振り易いし虫も採り出し易いからね。ハンミョウにも良いでよ^^
シーズンの間は車に一つ積んでおくと良いと思います。

うーむ、ウスチャコガネの奴、あまり数が居ないなあ。風が強くやや肌寒いからかなあ。
それとも時期が早過ぎる、あるいは遅過ぎるからかしら。
それに♀はどうやって探すのだろうか・・・
関東のヒゲブトハナムグリの場合は、むしろ僕と当時の相棒N氏とで♀の採り方を発見したような
ものでした。同じような習性の虫だろうから、基本的には同じなんだろうけどそのためには♂が
ワラワラ飛んでいなくてはダメで、今日なんかは絶対に♀を見るのは無理でしょう。
ウスチャコガネの♀の採り方を知っている人はコソッと教えてください^^
正直あまり食指が動く虫では無いけど、遠征に行かない年の春に探してみたいので。



気温20度とは言っても風が強く、明日の雨に向かって曇天度合いが時間と共に増してきたので
採集出来たのはせいぜい1時間でした。
コガネ(特に茶色系)は正直あまり好きではないし、断捨離中の今の僕にはこんなもんで十分
(勿論もう少し採ったけどね)。

此処は歩いて来れる散歩道だし、気が向いたら本種の消長を確かめておきたいと思います。
カテゴリ : ハナムグリ・コガネ
郷里:熊本を代表する虫の一つ、ベニハンノキカミキリの材採集に阿蘇方面へ行って来ました。
去年までの約4年間を奄美大島で暮らしており、材採集のシーズンに郷里に戻るチャンスが
無かったので相当久し振りのベニハン材採集となります。
ベニハンノキと言っても亜種では無く俗称で、タダハンノキの地方型ということになります。
伊豆大島の「本来の赤い筋が白くなり、エリトラに微毛が出る」タイプのハンノキは恐らく亜種へ
返り咲くのではないかと思っていますが、ベニ型は東北地方の一部等でも出るようなのでこれからも
原亜種の一形態と見なされるでしょう。とは言っても通常型とはほぼ区別可能なので僕は今後も
ベニハンノキという俗称で呼びたいと思います。
冬の阿蘇連山を見るのは久し振りだなあ。
特に冬の阿蘇の風景は、草原の山であることがよく分かるたたずまいを見せていますね。
早春には所々野焼きが行われることから、近付くと黒い地面が露出している部分も散見出来ます。

とりあえず先の阿蘇高岳(活火山)の噴火の様子を見るために阿蘇山を登ってみます。
すると思ったほど火山灰は下には降り注がなかったようで、ほぼ火口近くまでは行けるようになって
いるようでした(火口1㎞圏内の規制中)。
写真の中央が噴火小康状態中の火山、周りに灰色の火山灰が降り積もっているのが分かります。
標識のある火口近くの施設への道路は無事だったようですね。一見すると黒っぽい雪が降り積もって
いるようにも見えますが、全て「灰」です^^

この左にかつてダイコクコガネが多産した大放牧場が在りますが、口蹄疫や酪農家の高齢化等で
今は牛の放牧は見られません。
もっとも今はダイコクコガネは採集禁止種になっていますのでここまで来ても仕方がないですが。

さて、ベニハンノキの材採集に適したマイポイントへ行きましょうか。
此処は火山灰の被害は無く、灰を被りながらの採集は嫌だなあという心配は杞憂となりました。
未だ学生の頃でしたが、鹿児島市内の某山へ当時は名前が付いていなかったサツマスギノアカネトラを
スギ落ち枝から割り出そうと出向いたことがあります。その年は桜島の火山活動が凄く、全山が
火山灰に覆われており絶句しましたが来たからにはと灰の中から落ち枝を引っ張り出し、頭から灰を
被りながらやっと数頭を割り出したものです。その二の舞にならず済みました。
もっとも此処が灰だらけだったら、ヘタレの今は直ぐに退散したと思いますが^^

ホストのヤシャブシを吟味すると今年羽脱する終齢幼虫の食痕はポツポツ見つかりました。確認のため
幾つか材を割ってみると時期的に既に蛹室を作っており前蛹間近という感じです。


来年終齢となる若齢幼虫の食痕も同等に在り、順調に行けば来冬もそこそこ楽しめそうです。
ベニハンノキは地域限定型であるのと同時に美しく、全国的に人気が高いです。そのため標本が幾ら
あっても何時の間にか在庫が底を尽きます。
断捨離の観点から不必要な虫は抱えないようにしていますが、一方で交換を始めようとしていることから
それに使えるこうした虫は採り続けることになります。
いずれ当ブログ上で交換のお相手を募ることにしていますので、制約等は在りますが当方の採る虫に
興味をお持ちの方はご留意をお願いします。
カテゴリ : カミキリ
ヤシオサゾウムシは東南アジアを原産地とし、今ではインドや中国、豪州、米国、欧州など
世界各地に分布を拡大しています。
日本では沖縄で1975年に早くも確認されていましたが、本土域(三重・岡山~九州)での発見は
それから20年以上遅れ、地元:熊本では2004年に確認されました。
そして僕も初めて地元で本種に出会うことが出来ました。
被害木のヤシ(フェニックス)に近付くと枯れて幹から折れ落ちた葉が地面に転がっています。

葉柄基部はヤシオサゾウムシの幼虫によってボロボロに食われており、崩していくとヤシの繊維を
綴って作った繭が出てきました。


タイミングとしては羽化して暫く経った時期のようで、繭を崩すと体が堅強となった新成虫が現れました。
オサゾウムシ類の生前のこの色彩、何とも言えない美しさです^^

これはナタで葉柄を削っていた際に繭の一部を壊してしまった場面。
新成虫の口吻が覗いていますね。


繭から取り出した成虫達。
本日の最高気温は6℃。寒さのため全く動きませんが、これでも生き抜けるのだから大したものです。
元々は東南アジアの虫なのにね^^

ただ、一本の木で何世代も繰り返すことから古い繭が圧倒的に多く、新成虫の入った繭は思ったほど
には出て来ませんでした。そこまでボロボロ採れる虫ではないのは良いですね。繭に入った可愛らしい
姿も含め一気には飽きさせない魅力はあるようです。
本種の幼虫はヤシの幹に食入し、柔らかい葉の葉柄や木の上部などを食害するため最終的には木が
衰えて枯れてしまう場合も多いです。
採集者としては居続けてくれた方が面白いけど、やはり蔓延してしまうと困るというジレンマをどうしても
抱えてしまいます。
駆除しきった方が良いのか、ある程度は残すか・・・
と言うか、枯れ落ちた葉が大量でそれらが積み重なり、下に積もった部分にはとても行き着けません。
それに必要以上の標本数も必要ないし、腰も痛くなってきたのでそろそろ採集を切り上げよう。
とりあえず満足したので暫く本種の採集はしなくても良いけれど、また探してみたくなった時に未だ発生を
続けているのかな。
カテゴリ : 甲虫(その他)
オークション出品のために別々の標本箱から取り出したフタオチョウの♂。
たまたま手元にあるので並べて撮ってみました。
左が沖縄本島産(7月採集)、右が奄美大島産(6月採集)です。

沖縄産は規制前の標本(面識のない人の採集品)ですから色あせが進んでいますね。これは黒系の
蝶標本の宿命なので仕方のない退色です。奄美産は昨年に自ら採ったもので新鮮そのもの。
今の奄美に何故本種が居付いたのか、その理由は誰にも分からないし誰も断言は出来ません。
もし「私が〇〇産を放しましたあ!」と名乗る人が居ても、確固とした証拠にはなりません。
そんなことはどうでもよいのですが、それより左と右、同じ夏型なんだけど何か違いが大きいように
感じるのは僕だけだろうか・・・
だから何かを言いたいわけではないけれど。
ちなみにオークションサイトを覗いて見ると、それぞれ別々の方が既に入札しておられます。
このまま推移すればこれら2♂は遠く離れてしまうわけで、一時は一人のコレクターの元にあっても
別個の運命を辿って行くんですねえ。
一期一会ではないけれど、僕のコレクションは四方八方に飛んで行っています。
僕のやり甲斐の一つは、多くの人の標本箱に自分の標本を飛ばすこと、です^^
カテゴリ : 蝶
郷里・熊本へ戻って来たからには冬にやっておきたいのが低山帯竹林での枯れ竹割り。
大物は居ないものの数種類の虫達と遊べます^^
標高2百メートルにも満たない低山斜面から熊本市(西部)を眺めます。
遠くに見えるは阿蘇連山入り口の外輪山外側。その向こうに世界最大のカルデラがあります。
1年後のレインボーセンチ採集が待ちどうしいねえ^^
ちなみに今自分が立っている場所にもレインボーセンチの東端群と言える変わったモノが居て、
僕意外はまず手を出せない一群です。

ポイントの竹(メダケ)林内に潜り込み、目に付く枯れ竹を剪定鋏で割っていきます。

はい、出ました。成虫越冬中のニホンホホビロコメツキモドキです。
♀は頭部が左右非対称の特異な形状をしており人気が高く、普通種なるも何時も在庫がありません。
マイコレも無いスッカラカンの状態なので少し頑張りますか^^
普通とは言っても出て来るまで枯れ竹を割り続けなければならず、結構重労働。
堅く枯れた竹も多く、採集を終える頃には手に腱鞘炎のような痛みを覚悟しなければなりません。
ニホンホホビロコメツキモドキは、この様に同世代の場合は竹の一節に1頭ずつ入っているのが
とても面白いですね。場合によっては次世代の幼虫と同居している場合もあります。

これは幼虫。スマン・・・

一方、こちらはとても少ないササセマルヒゲナガゾウ(♂)。

ササセマルヒゲナガゾウは、このように成虫で越冬するものと、幼虫が同時に見られる場合があります。
数は確保し難いので春に竹のビーティングを頑張りましょうか。野外でも多くはないけどね。
春に竹林をビーティングすれば、上記二種に加えて今回目に付かなかったハイイロヤハズカミキリや
ウスアヤカミキリ、ヨツメオサゾウムシ、タケトゲハムシなど通常は得難い種類も狙えます。
5~6年振りになるけど、春のポカポカ日和にこれらや他の低山性昆虫達と戯れるのも良いよね^^
カテゴリ : 甲虫(その他)
熊本に戻って初めての採集はリンゴカミキリの材採集にしました。マイコレはおろか在庫が全く
無くなったこと、そしてポイントがどうなっているか気になっていたためです。
九州中部に位置する熊本の本来のリンゴ群は、鹿児島~屋久島の独立種サツマリンゴとの関係が
興味深いものとなっています。ただ全国的に見るとホストの桜類をはじめとするバラ科の移植により、
交雑が進むことで古来の形質を保てなくなっている個体群が目立つようになっています。
当産地のリンゴは僕が幼少の頃からの形質を完全に保っている個体群です。
畑に隣接したポイントの公園には、ソメイヨシノ中木が相変わらず列を成しています。
周りの環境も変わっておらず、まずは一安心。

ここへ来たのは二年振りで、前回は多くのリンゴカミキリ終齢幼虫の入った材が採れました。
1年は空けたので今回も材がたくさん採れるはず、と取り掛かりますが何故か殆ど見つかりません。
カンが鈍っているのかな、と丁寧に見回りますが、少しは採れるものの前の大漁のイメージには
遠く及びません。
注意深く観察すると来年に老熟する若齢幼虫の食痕は割と見つかるのですが、来年初夏に羽化する
老熟幼虫の入った枝はあまり見つかりません。
一時は「ヤバイ、害虫駆除の薬を撒かれたかな」と危ぶみましたが、若齢の食痕は結構見つかるし
終齢の材が全く無いわけでもありません。
最悪の事態にはなっていませんが、一つナゾが残ってしまいました。
これが若齢幼虫の食痕。荒い木屑がヤニに絡まっています。幼虫は未だ当年枝に居るか、二年枝を
食害し始めた頃といった感じ。

こっちは来年初夏に成虫になる終齢幼虫が入っている枝の枝先。木屑を詰めた二本の枝先(斜めに
切り落とされている)が見えます。

確保した材は前回・前々回(4年前)の半分以下でしたが、あることに気付きました。
「そうか、来年は成虫採集が出来るじゃないか!」
以前の成虫の時期には奄美に居たり、長期遠征に出ていたのでそれが出来なかったのです。
今回手の届かなかった木の上部の枝に居る個体も、成虫の時期なら併せてターゲットとなります。
数はその時期の方が確保し易そう。
一つの心配事は幾つかの木がリンゴ幼虫の被害により半枯れ状態になり始めたこと。
リンゴは枝先を枯らすので何年にも渡り世代を繰り返すと必然的に木は枯れてしまいます。
そうした木が目立つようになると行政側が気付いてしまい害虫駆除の薬品を散布に掛かります。
放置されてもいずれは食害により木は枯れる運命にあるし、運良く大樹に成長出来た木を
リンゴカミキリが好まないので離れてしまい、いずれにしてもポイントとして終焉を迎えます。
こうしてリンゴが居なくなった産地は各地に多く存在します。
此処がそうならないように祈ると共に、出来るだけ長くリンゴ狩りを楽しみたいものです。
童心に帰って桜の下でプンプン飛ぶリンゴを採るのはとても面白いもの^^
当ポイントまで自宅から1時間も掛らないので、来年適期に半日空いた夕刻にでも再度訪れる
ことにしましょう。
成果は、また。
カテゴリ : カミキリ