カテゴリ一覧 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

もう一つのタケ依存性ヒゲナガゾウムシ(2022.5.21)

タケ(竹)依存性のヒゲナガゾウムシとしてはササセマルヒゲナガゾウが知られています。
割と大型で横幅のある丸っこいヒゲナガゾウで、採集人が殆ど行うことが無いタケ類のビーティングを
行うと場所によっては得ることが出来ます。
甲虫好きの虫屋さんであってもササセマルに巡り合ったことの無い人は多いと思います。

そして、この他にタケ依存性のヒゲナガゾウがもう一種居ることをご存知の方はどれほど居られる
でしょうか。「え、そんなヒゲナガゾウが居るの?」と思われる方が殆どと思います。
保育社の甲虫図鑑の解説を読むと、タケ依存性のヒゲナガゾウはササセマル以外に見当たりません。
しかし、僕のフィールドの一つ(熊本のある一画)には確実にそれが居るのです。

それがこれ。これまでに採った最大ペアを図示します。

保育社の甲虫図鑑で調べると、体形と斑紋パターン的にはケマダラヒゲナガゾウに最も似ています。
図版が良くなくケマダラよりは体色が濃いようですがイマイチ分かり難いですね。
本種の最大の特徴はケマダラと同様の広がった符節ですが、そうなったのは進化の過程でツルツルとした
タケの樹皮に上手く掴まるために発達したものと思われます。
参考のため同様に符節が広いササセマルのペアと本種(上とは別個体)を並べてみます。

これら2種のヒゲナガゾウはなかなか落ちて来ませんが、マイ・フィールドでは運が良いと日に2種を
同時に得られることがあります^^

図鑑のケマダラの解説をかい摘むと「符節第三節は強く広がる。中ノ島と沖縄に分布する」とあります。
ケマダラと本種が同一かどうかは別として、同形態からケマダラもタケ依存性と思われます。
ケマダラの解説にはタケ依存性についての言及が無いので、図鑑作成時にはこうした生態が分かって
いなかったのでしょう。

実はかなり前から本種の存在には気付いていたのですがサンプル数が足りず、今春それなりに個体数を
採集出来たので紹介する次第です。
図鑑の分布はよく塗り替えられるのでケマダラそのものかもしれないし、あるいは別亜種・別種に
なるのかもしれません。少なくともタケ依存性という生態に関しては初の知見になると思います。

この5月にビーティングで落ちてきた写真。上がササセマル、下が本種です。
いずれも広がった符節が目立ちますね。


ちなみに以下の写真は早春に枯れ竹から割り出した場面で、完全に竹食いであることが分かります。

そして、先日撮れた奇跡の一枚(三枚か^^)。
偶然にも自然状態で本種が枯竹に留まっている場面を捕えることが出来ました。



広がった符節で枯竹の樹皮にしっかり「貼り付いて」いるのが分かりますね。
うーん、イメージ通りで大満足^^
こんな場面、まず拝むことは叶いません。よー見つけた、ジブン。偉い!

僕は一応ヒゲナガゾウ・マニアですが数ミリの極小種は正直好みではありません。
本種は平均すると10ミリ近くはあるので楽しんで調査に励むことが出来ました^^
引き続き発生期間等も調べてみようと思います。

大珍品、九州のオオムツボシタマムシ(2022.5.17)

ムツボシタマムシ属はタマムシの中でも人気が高いグループですが、その中でも際立つ大型種が
オオムツボシタマムシです。
最新のタマムシ図鑑で調べると、本州・四国・九州そして対馬・屋久島に分布し、珍品度は★三つ
とのこと。これは個体数の比較的多い関西辺りでの評価でしょうね。

ちなみにこの図鑑にオオムツの写真はデータと共に4個体出ていますがいずれも愛知県産です。
何故全て愛知産なのかは分かりませんが、1ペアは愛知産で良いけれど、他は対馬・屋久島産とか
九州や四国のものを収録すべきじゃないかなあ。無精したのでなければ、本州産以外の標本が如何に
集め難いのかの証左となるのでしょう。

オオムツと言えばイメージでは関西~中国地方に分布の中心地があるような感じかな。その流れで
対馬や四国・九州に居るのは分かるような気がします。驚くのは屋久島で、昔の伐採時代に採れて
いたのでしょうか(ちなみに保育社4分冊の甲虫図鑑では分布域に対馬・屋久島の記載が無い)。
僕は近年屋久島へは10回は行っていますが、とても現代にオオムツが採れる環境が在るとは思えません。
屋久島で採れればオオチャイロハナムグリ級のニュースかも。

では九州での採集状況はどうか。屋久島に居る(ことになっている)のだから、九州にもそれなりに
居るんでしょうと関西~中国地方の分布のノリで思う人が居るかもしれませんが、さにあらず。
実は大珍品なのです。少なくともこの数十年間、明らかな採集記録が出ているのは熊本県の某所のみと
思われます。

こんな大型種が枯れ木や立ち枯れ、伐採木を歩いていたら採集者なら絶対に見逃しません。
他のタマムシ類と比べて卓越した敏捷性があるわけでは無いし、採り損ねても同定したことにはなる。
ところが目撃記録さえ聞かないのです。こんなに採集者が多い九州なのに・・・

恐らくオオムツはかつて、九州北~中部の低~中山帯に局所的には居たのでしょうが、元来本州の様には
多くなく原生林の消滅と共に姿を消していったのではないかと思います。
ただ、運良く僕の低山帯のフィールドには原生林が残っており、其処にはまだ居てくれたと^^

先日、其処で採ったオオムツです。時期的にフライング気味で、本格的な発生は未だ暫く後でしょう。

参考まで、これも先日に羽脱した奄美大島のアマミムツボシタマと比較してみましょう。
改めてその巨大さにア然・・・

勿論オオムツはマイフィールドでも個体数は多くないのですが、今回は運良くコナラの枯木の
樹皮下に幼虫の食痕を見つけることが出来ました^^

樹皮下にはやや大きくなった幼虫も確認出来ました。当該木及び食痕が新しいことも勘案すると、
恐らく新成虫が羽脱するにはあと1年は掛かると思われます。

今年羽脱するものが居ないかの確認のため、少し切り取って材箱管理してみたいと思います。

5月上旬過ぎ、雨の合間に見る虫達(2022.5.13)

沖縄は既にGW中に、奄美地方も遂に梅雨に入りましたね。
昨年まで住んでいた奄美では5月に入ると直ぐに梅雨の気配が感じられ、「え、もう梅雨なの?」と
虫採りに気が乗らない5月を過ごしたものでしたが、九州の梅雨入りは大体6月に入ってからなので
あと暫くは長雨の心配をすることなく虫採りが出来ると思います^^

しかし、南西諸島の梅雨前線の影響なのかここ4~5日は九州も雨天の日々となっています。
こんな状態では山へは行けないので、雨の合間を縫って近場を見て回っています。

ヤナギの木にはヤナギハムシ等の普通種のハムシ類の幼虫・蛹がたかる時期となっており、
それを目当てに日本産超巨大テントウムシ三兄弟の筆頭、カメノコテントウの幼虫が枝先をウロウロ
しています。もう見なくなりましたが、少し前には成虫がウロウロしていました。

食べられるハムシsp(恐らくヤナギハムシ)の蛹、それを食べるため枝を徘徊するカメノコテントウの
幼虫です。


ヤナギをビーティングしてみると、ハムシ類の幼虫に混じって稀にフタキボシゾウムシが落ちて来ます。
何処にでも居るものではないし、オリジナリティのある斑紋なので好きな種類です^^

未だ早いとは思いましたが、クワのクワキジラミ・コロニーを見て回ってみるとハラグロオオテントウの
亜終齢幼虫が既に見つかりました。しかしこの1頭以外は見つからず、いつもながらの「単発振り」に
感心します。

地面にシリアゲムシspが多数群がっていたので、近付いて見るとカエルの死骸に集まっているのが
分かりました。全く興味の無いグループですが、こいつら肉食だったのね。

野生種のバラの花には、花びらを食するために多数のカタモンコガネが集まっていました。
バラの花は無尽蔵にあるものの、集まるバラの株は限られるようです。


何時もの河川沿いの散歩道にはクコが生えており、現在トホシクビボソハムシ成虫の最盛期のようで
多くの個体が見られます。



この辺りの本種はほぼ無紋で、図鑑の標本写真を確認した後に見るとかなりの違和感があります。
図鑑には「上翅の黒紋は消失する個体がある」とありますが、此処は全ての個体が消失するので全国的に
見れば面白い個体群なのかもしれません。

オニグルミ大木の下枝先の葉を葉脈標本の様に食害しているクルミハムシのコロニー。ちょっと位置が
高いので近寄れませんが、終齢幼虫・蛹そして新成虫の姿がそこにありました。

丁寧に色んな場所を見て行けばそれなりに虫は居るものですね。
ただ近場ではあまり面白い虫が見つからないので、早く山間部へ赴きたいものです。
そろそろ山で採れる虫の種類も増えて来ているでしょう^^

クモマツマキチョウ、全て蛹化完了(2022.5.9)

飼育中の八ヶ岳産クモマツマキチョウが数日前までに全て蛹化しました。
卵の到着から蛹化まで1カ月弱、想定より多少日数は掛かりましたが、採集の合間に手軽に
飼育出来る種類だと分かり収穫でした^^

アブラナ科の切り枝(水揚げバカ良し^^)で飼えるので庭が要らない、餌のナノハナやカラシナは
身近の何処にでもあり数も豊富で餌切れの心配が無い、幼虫は餌から離れないので蛹化時にだけ
注意すれば放し飼い出来る(真のメンテナンス・フリー)、小型種なので省スペース、そして成虫は
可憐で綺麗と利点が多く、飼育を手掛ける人が多いのをよく理解出来ました。

問題はやはり幼虫若齢期の共食いで、これを如何に最小限に抑えるかが本種飼育のキモです。
僕にはこれからの課題ですが、人工交配からの大量採卵、そしてある程度の共食いを想定しての
安直飼育が最も効率の良いやり方のような気がしました。
いずれにしても、未だ多くの遠征を控えている僕には5年後、10年後の取り組みになるので
ユキワリツマキの作出も含めて色々とシミュレーションが出来たのは有意義だったと思います。

カラシナの主茎で蛹化したクモツキの蛹達。

一部は逃亡抑止策として囲った段ボールの真っ平の部分で蛹化しました。

餌場を離れてしまえば段ボール壁で蛹化するしかないのですが、これは全体の極一部であり9割以上は
茎の上で蛹化しました。このことは想定外だったので少々驚きましたね。
逆に考えれば餌場を離れない個体が大部分なのだから、何らかの工夫をすれば全てを茎上で蛹化させる
ことが出来そうです。囲いが要らなくなるのはラクで良いですね^^

なお餌に紛れて入って来たモンシロチョウは全部で4頭で、茎で2頭、壁で2頭蛹化しました。
この歳でモンシロを飼育することになるとは思わなかった(放し飼いだけどね^^)

さて、クモツキは蛹のハンドリングもラクで、特に水分を与えたりせずとも翌春によく羽化します。
ただ九州の平野で灼熱の夏を過ごさせ来春まで保管するのは不可能です。最高気温が25℃を
越える日も出てきたので近いうちに阿蘇の山の中あたりに疎開させようと思います。
気持ち的には人工交配して累代したいのですが、来春には遠征を予定しているのでそれは不可能。
この蛹達はとりあえず羽化後標本にしておきたいと思います。

5月初旬、低山ビーティングで落ちて来る虫達(2022.5.7)

5月上旬、世の中の大型連休とやらはそろそろ終わりらしいですねえ。
サンデー毎日の身としては通常の日々を送っていますが、過去4年間のこの時期、九州低地の虫に
全く触れていないのでカンを取り戻す意味で近くの低山でビーティングしてきました。
(あ、奄美在住の前も八重山等に長期遠征していたので正確には10年振り位だ^^)

よく行く自宅から30分程度のフィールド。標高は150mもありません。
熊本市の西部地域が見渡せる原生林の残る一画です。

竹林の混じる林道をビーティングしながら進んでいくと、以下のような虫達が落ちて来ます。
なかなか落ちないササセマルヒゲナガゾウ。

これも何故か極端に少ないホオアカオサゾウ。今年はほぼ無紋型が採れて嬉しい^^


南西諸島の各群とは異なるウスアヤカミキリ基亜種。何故かこれも驚くほど少ない・・・

割り出すより叩き落とした方が数倍面白いハイイロヤハズ。

九州限定、しかも局所的で入手し難いタケトゲハムシ。たぶんこの仲間では最もトゲが凄い・・・

イメージほどには採れないニホンホホビロコメツキモドキ。しかもこんな大型個体は滅多に採れません。

こんな種類も居たなあ。もう何十年も摘まんでいないヒトオビアラゲ。

やはり春にしか見ないキクスイモドキ。

タダドウボソは触角が破損していないこの時期に採るに限ります。

夏に採った記憶はあるも、やはり春のイメージが強いコブスジサビ。

低山から阿蘇高原まで広く確認出来るマメ科食いのオオシロコブゾウムシ。

真っ白な紋が際立つオジロアシナガゾウムシ(古い個体が1頭混じっている)。

南の島々の亜種にも増して美しいアカガネサルハムシ。普通種だけど^^

南方産と共に標本を並べたいクシコメツキ。

意外と見ないクリイロコガネ。この時期にライトフィットでも掛けると入るのかな。

各島に固有亜種が居て注目度が高いマルムネゴミダマ。本土にはたくさん居るんだなあ。

これらは普通種(とは言えないものも居る)ではあるものの必ず毎回採れるわけではなく、2~3回の
採集で揃った写真です。
そしてどれも自分の標本箱には1頭も入っていないことに気付いたので、今シーズン中に数頭ずつは
確保して綺麗に展足しマウントしておこうと思って通いました。

また先日、別採集のついでですが山中にスギ伐採木が積んであったのでヒメスギカミキリも2~3ペア
摘まみましたし(これも実際に触れたのは数十年振り@@)、中流域の河原ではキクスイカミキリも数頭
採って来ました。

コレクションも断捨離のステージに入りましたが、一応最低限の体裁だけは整えたいからね^^
自宅から30分のお手軽なフィールドですが、こうした採集には大変役に立ちます。

フジキオビ、九州脊梁山地にて自己初採集(2022.5.3)

GWに入る頃からやや肌寒い気候が続き山間部への出動は控えていましたが、今日辺りから気温が
上がるようなので九州(脊梁)山地のマイポイントに行って来ました。
山中でもさすがに5月ともなれば若葉の薄い緑がほぼ全山を覆うようになっています。

気温が上がり始めた頃にネットを構え、山道を歩き始めた途端に地面近くを飛ぶ何か白いチョウの
ようなものが視界に飛び込んで来ました。
「ん?」と目を凝らすとチョウではなく南方でよく見たモンシロモドキ類のような雰囲気で飛んでいます。
しかも、翅脈の黒条がやたら太く目立つ・・・

「おお、フジキオビだ!」とピンときたのでサッとネットを振るも空振り。慌てて2回、3回と振り直した
ところで捕獲成功。
果たして、ネットの中には目も覚めるほど美麗な、夢にまで見たフジキオビ(♂)が入っています。
しかもド完品。

「やった、フジキオビだ!」
もちろん自己初採集。チョウの珍品を採った時よりも遥かに大きな喜びが込み上げました。
昔から一度は採ってみたかったものの、日本産昼蛾の珍品というポジションを保っているので
なかなか出会うチャンスが無かったわけです。

本州・四国にもあまり産地が無いし、一応九州にも居ることにはなっているけれど、殆ど記録は
無いんじゃなかろうか。
まさか九州で、しかも地元のマイ・フィールドで採る日が来るなんて夢にも思いませんでした。
ううう、感無量・・・

その後は勿論フジキオビのみに照準を合わせてその辺りを徘徊しましたが、ボロ♂を追加したのみで
やはり珍品なんですねえ。
ただ、この時期に、この辺りで、こんな条件の下で、あんな飛び方をしているということを確認できた
だけでも大収穫です。

このフィールドでの楽しみがまた一つ増えました^^

ハラグロオオテントウ、新マイ・ポイント発見^^(2022.5.1)

日本産テントウムシの超巨大種3兄弟(僕が命名^^)と言えばカメノコテントウ、オオテントウ、
そしてハラグロオオテントウを指します。
カメノコテントウは全国的に普遍で馴染み深いテントウムシですが、後者2種はなかなかお目に掛る
チャンスが無いという人が殆どではないでしょうか。

実は僕もオオテントウの自力採集経験がありません。宮崎や高知辺りが産地としては有名なので、
恐らく西日本の太平洋側で狙い易い種類ではないかと思います。大分の太平洋岸の一部には何故か
ポツンとヤマトチビコバネカミキリが居たりするので、西日本の太平洋側に特異な分布形態を持つ虫が
幾らか居るように感じています。例のピコピコ虫もその一つと言えるかも。

一方、ハラグロオオテントウですが、近年某虫雑誌を多少賑わせていたとは言え、全国的に見れば
大多数の虫屋には縁遠い存在だろうと思います。確実と言える産地など数える程度ではないでしょうか。
しかも多産型のテントウではないので、寄ってたかって採ってしまえば恐らく簡単にその場からは
消えてしまうでしょう。なので僕は見つけても幾らかは残すようにしてきました。

本種も5~6年振りに探してみたのですが、残念なことにかつてのポイントのクワの木が無くなって
いました・・・
本種はクワノキジラミを捕食するのでクワの木が無ければ発生しないのですが、養蚕が廃れた今日、
雑木でしかないクワは切られ無くなって行く一方なのです。

しかーし!
見つけたんですよ。新たなマイポイントを^^
クワ中木が5~6本纏まって生えている場所です。周りに民家が全く無いので切られる心配もありません。

居るかな、と枝や葉、実を丁寧に見ていくと・・・
大胆に葉っぱに留まるオレンジ色の丸い巨体を発見。鮮やかな超大型種は見つけ易くて良いですね^^

雰囲気は分かると思いますが、見つかるとチョー楽しい虫なんですよ^^
なかなか新ポイントなんて見つかりませんから。

何故か何時も単発が多いのですが今日はルッキングで4頭も見つけたので、ビーティングして回れば
10頭位は採れそうでしたが止めました。で、目視で見つけた半分の2頭のみ回収しました。

さらに調べるとクワキジラミのロウをまとった個体や、クワキジラミ・コロニーの傍で活動中の
個体も発見出来ました。これで次世代の発生確定、と^^


ビーティングしたい気持ちをぐっと堪えたのは、6~7月頃に次世代が発生するはずなのでそれらを
頂こう(出来ればタンマリと^^)という皮算用をたてたからです。
上手くいくかどうかは運次第ですが、新たな良ポイントを探し当てたぜい^^

クモマツマキチョウの幼虫、終齢へ(2022.4.28)

現在飼育中の八ヶ岳産クモマツマキチョウ幼虫の第一陣が終齢となっています。
ナノハナやカラシナの実をバリバリ食って一気に大きくなってきました。
クモツキの飼育は初めてですが、この姿を見たかったので楽しい毎日を過ごせています^^

現在の飼育の様子。九州の平野部では殆どのナノハナやカラシナは結実して実も堅くなったものが
殆どですが、運良く身近に遅咲きのカラシナの一群が見つかり飼育の援軍となってくれました。
奥の大きな実に終齢幼虫、手前の未だ花が残る若実に若齢幼虫がいます。

幼虫の齢数が二段階になってしまったのはちょっとした手違い(卵の送り手の^^)なのですが、
餌も実が小さいもの、大きいものの二通りを取り分けなければならないので結構面倒。
若齢期の共食いが極めて激しいことは知っていましたが、実態はどんなものだろうという興味から
敢えて過密的に飼ってみたところ見事に幼虫数が半分になりました。
「おお、なるほど、やはりそうなのか」
数の半減は予想していたのでショックよりは「有名な事実」を確認出来てむしろ嬉しいくらい。

実をバリバリ食い込む終齢幼虫達。見るのが面白く、飽きません^^



これらはそろそろ蛹化準備に入る頃になっているので、そろそろダンボール箱に収容する等の
対策をしなければならないなあ。クモツキやツマキは蛹化する際には食草を離れ何処かへ行って
しまうので何かで囲う必要があるのです。
なお、若齢幼虫の写真は二つ前の記事にあります。

ところで、採って来た餌に「モンシロチョウのような」幼虫が付いているのですが、これは単なる
モンシロチョウなのでしょうか?実は現地で餌を採っていてもこれは割と見つかります。
「え? ナノハナやカラシナだからモンシロチョウが付いていても良いんじゃない?」と思われる方も
多いでしょう。でも、これらは葉ではなく実をバリバリ食べているんですよ@@

最初はタダツマキかなと思ったのですが、ツマキならクモツキ幼虫に似ているはずなのに明らかに
モンシロ幼虫の方に似ているのです。あるいはスジグロとかヤマトスジグロでしょうか?
これらが葉ではなく実を食べることについて、蝶屋(飼育屋)さんの世界では当たり前のことかも
しれませんが、自分には初めての事なのでかなりの違和感を感じています。
下の写真はクモツキ幼虫と共にカラシナの実に留まる姿。

保育社の生態図鑑で調べて見ると、モンシロチョウの項に「幼虫は葉を食い尽くすと花や実を食べる」
との記述が在りました。へえ、モンシロって実も食べるんだ。
幾つか飼育して確認してみますか。種類としてはツマラナイけど、面白いなあ。

クモツキの次の報告は蛹化した頃に行いたいと思います。

10年振りのモンキタマムシ採集、南薩へ(2022.4.25)

このところ雨天が続いていますが、晴れ間の日に南薩(鹿児島県薩摩半島南部)へ10年振りの
モンキタマムシ採集に行って来ました。
へえ~、あれからもう10年も経ったんだ・・・ びっくり。

確かにこの10年は八重山や沖縄方面に長期遠征に行ったり、奄美大島に住み込んだりと地元近辺の
虫から離れていましたからね。この4月から地元を断捨離視点を持って丁寧にやり直していますが、
南薩のモンキタマもその一環ということです。
実はマイコレ分は残していたつもりでしたが、思いのほか残っていなかったこと、亜硫酸で殺虫した
もののアセトン処理を忘れ本種最大のチャームポイントの「黄紋」がくすんでしまっていました。
そうしたことからも採り直しをする必要がありました。

しかし、モンキタマなんてまだ居るのかね?
なにせ前回採ったのは10年前だし、かつて唯一の産地だった長崎ではほとんど絶えたとも聞きます。
行ってみなければ分からない中での不安な採集行となりました。

高速道路を使うし、タマムシの活動時間帯は気温が上がってからなので・・・という安易な思いで
ゆっくり行ったので現地に付いたのは既に午前11時半。さすがに焦りました(汗)。
10年も経つと現地の雰囲気もそれなりに変わっていましたが、真っ先に実績のあるウメの木の
葉っぱを見回します。すると、見上げた葉の裏からヤツの蔭が・・・

おお、居るやん^^
ゆっくりと枝を引き下げて丁寧に摘まみ採ります。本種はタマムシの中ではやや鈍感な種類ですが、
気温が上がった時間帯に無造作に対峙するとやはり落ちたり飛んで逃げたりするので丁寧さは必須です。
その木にはもう1頭いましたが追加が無いので別のポイントへ。

記憶を頼りにウメの木を探し廻ります。10年も経てば無くなった木も多いだろうなあと思って
いましたが、意外と健在の木も多いよう。やはり栽培種なので大事にはされているようです。
そしてモンキタマもポツポツと居てくれました^^

脳天に丸い黄紋が在るのが♀。

♂はスマートで頭部は無紋です。

大型でカッコイイ♀。黄紋も鮮やかで良いねえ^^

踏ん張りながら若葉を齧っている♀。

葉裏で交尾中のものも居ます。

(参考)
10年前の寸劇。モンキタマ男さんとモンキタマ子さん^^

他のタマムシ(特に暑い時期に出現する種類)と比較すると活動時間帯は短く、午後1時半を回ると
葉が重なった陰等に隠れ、目撃する個体が一気に居なくなります。
マイコレ分なら十分に採ったので午後3時前には切り上げました。

最初は居るかどうか心配しましたが、それなりに居てくれて安心しました。
さすがにもう本種採集に来ることはないでしょうから(他種採集には勿論来ます^^)、今回はしっかりと
綺麗なマウント標本を作り、残したいと思います。

クモマツマキチョウ幼虫、早いものは3齢幼虫に(2022.4.21)

この歳になって初めてクモマツマキチョウ(八ヶ岳産)の飼育を手掛けています。
僕は半分蝶屋、半分甲虫屋で、蝶屋としては採り屋であるとともに飼育屋でもあります。
一体幾つ屋号を持っているのか自分でも関心する次第ですが、蝶の飼育材料としては真っ先に
やるべきクモツキにやっと取り組むことが出来て楽しい毎日です。

ゼフ飼育もそうですが、クモツキ等は飼育期間および展翅、あるいは累代操作が早春から初夏に
なってしまうので南西諸島への遠征を行わない年にしか手掛けることが出来ません。
4年の奄美生活を終えて少し本土でゆっくりしようとの思いから今春は遠征をしないと決めたので
やっとクモツキ飼育のチャンスが巡って来たという次第。

で、いきなり今の状況です。
昨日は阿蘇の根子岳周辺へ餌のナノハナ(本来は近似種のカラシナが良い)を採りに行って来ました。


ナノハナの生け花が常に視界に入るので、セロトニン効果で精神衛生上とても良いですね^^

元々は卵を入手したのですが、早いものは既に3齢幼虫になる個体も現れ始めました。体長にすれば
1.5cmといったところでしょうか。

本種は共食いが激しいので孵化直後~暫くは一茎に1頭ずつ各々を隔離して飼育する必要があり
面倒なのですが、この大きさになるともう共食いの危険はありません。
下の写真の幼虫達は未だキケンがアブナイ^^、かな。


クモツキの幼虫は成長が早く3週間ほどでカタが付くので、共食いの時期だけ注意すれば飼育は楽です。
ナノハナ類は極めて水揚げが良いですしね。
もう少しでバリバリと食い込む見応えのある終齢幼虫となるので楽しみです^^

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