カテゴリ一覧 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

熊本県のアイヌハンミョウ(2024.5.15)

極めて局地性の強いアイヌハンミョウ。割と馴染みの場所に居てビックリ@@
地元に居るならこの辺りかなあとは思っていましたが、時期的になかなか行けずにいました。
思い切って行ってみて良かったなあ^^

居るだけでも有難いのですが、とても少ない・・・ しかも他のハンミョウに比べて草の中に
逃げ込む奴が多いようで取り逃がす確率が上がります。
同所的にタダハンミョウとニワハンミョウも居ましたが、見たのはそれぞれ1頭ずつ。
いずれも大型なので基本的に棲み分けているのでしょう。

以前に唯一採ったのは約25年前、福島県南合津郡のとある河川敷でした。あの時も少なかったなあ。
関西には少し産地があるようですが、九州で知っているのは鹿児島・宮崎の県境近くの一産地のみ。
九州中部唯一の個体群、姿を消す前にあと1回行ってみるか。

熊本:天草島のケブカトラカミキリ(2024.5.12)

かつてケブカトラと言えば実質的に四国:室戸岬のナギでしか採れないという時代が在りました。
当然誰でもが採りに行ける存在ではなく、現地でも少ないのでカミキリ屋垂涎の虫でした。
ところが今から三十数年前に種子島の栽培マキで発生しているという情報を得て、GWに当時
暮らしていた東京から遠征を敢行、まあ満足出来る程度には採集出来ました。
手に取る本種は本当に「毛深」な虫で、愛らしい姿や動きに本種の虜になったものです。

暫くしてケブカトラは今度は大隅半島へ移入、当時僕は大隅半島のカミキリの材採集に通っていた
ことから(東京から大隅くんだりまでようやったわ^^)一早く本種を発見。冬だったので材中で
越冬中の新成虫を10頭近く割出し産地更新に喜びました。ところが本種は更に北上、15年位前には
今度は薩摩半島基部で「大発生」。ミカン畑の防風林として植えられた大量のマキでそれこそ大量に
採集出来ました。しかし甚大な被害に農家や行政側が動いた様で、殺虫剤の散布等が行われたのか
そこでの発生は一旦終息しています。

しかしあれだけタトウに並んでいた標本在庫が例により何故一桁しかないんだろう・・・ 
まあ本種の人気ゆえでしょうね^^

聞くところによると本種はその後、千葉県で「養殖」されたようですね。千葉では沖縄・奄美型の
アマミトラも養殖されており、そこまで本来の産地から「飛んで」しまうとどうも萎えますね。
「人為」が決定的だし、イワサキケブカとかなんとかゴマダラとか、なんとかクワのような
どーでも良い外産的な臭いがして殆ど食指は動かないなあ。

本種の新ネタは暫く途絶えましたが、昨年、僕の住む熊本で知人の記録が出ました。鹿児島から
熊本へ更に北上したことになります。其処でのマキは観賞用に僅かに植えられているだけなので
採集数は少なく、十数頭といったところでした。
そして今年になり、この5月に訪れた天草島で今度は僕がケブカトラを発見してしまいました@@

此処でも僅かなマキで発生しているため、採集出来た数は少ないものでした。
他のカミキリと同様にペアは交尾しながら移動、♀は♂を背負ったまま同時に産卵も行います。

日差しが強い時間帯は日陰側でジッとしています。

樹皮下の形成層を破壊しながら食痕がグルリと走ります。その近くに新しい脱出口がありました。

食された周囲が枯れて時間が経つと樹皮が剥げ落ち、食痕の様子が良く分かるようになります。

若木ならほんの数頭の被害で枯れ死んでしまうことも多く、そうした木が目立つようになると持ち主や
産業的に大量に植えられた場合は業者や行政側が動く、というパターンなのでしょう。
とりあえず地元のポイント2カ所のマキは趣味で植えられたものなのでホッタラカシにされており、
今後数年は楽しめそうです^^

屋久島(本来の産地)→ 種子島 → 鹿児島(大隅半島・薩摩半島)→ 熊本と、繋がった移動を
結果的に全て追い掛けたのは僕だけなんだよなあ。飛び離れた養殖場なんかには行かんけどね^^

タカサゴシロカミキリの蛹と新成虫(2024.5.9)

意外と分布は広い(らしい)のですが、あまり一般的ではないカミキリにタカサゴシロが居ます。
僕が以前暮らしていた奄美大島では割と普遍で、奄美でのホストであるサルスベリ(各所に多い)
を時期に掬えばポツポツとネットに入っていました。

しかしホストがノグルミに変わる九州以北では格段に目にする機会が減ります。まず、ノグルミが
少ない樹木であることがその大きな要因であるように思います。殆ど見掛けませんよねえ、この樹。
下の写真がノグルミ。特に特徴のある葉でもないので見つけ難いよなあ。
(ボンボン状の茶色の実が付いているのに注意)

ノグルミは僕の地元:熊本でも殆ど見ませんが、良い材が採れて今年は久し振りに羽脱タカサゴシロの
美しい姿を見ることが出来そうです。
樹皮下にシロカミキリ特有の食痕のある枯れ枝を少し割ってみると蛹室が現れ、蛹の頭部が見えました。


これが蛹室から取り出した蛹。シロカミキリなので前脚ケイ節が長く、頬杖を突いているようにも、
うらめしや~と言っているようにも見えますね(かつてムネホシシロの蛹でも言ったな、このフレーズ^^)。
GWも過ぎたので時期的に複眼が色付いてきています。

シロカミキリの場合、羽脱させると触角がやや伸び難いきらいもありますが、そこは上手く対処し、
久し振りに綺麗な標本を作っておこうと思います。例によってマイコレは崩壊していますしね^^
また、奄美などの南方系の群と、九州以北の群とではエリトラの斑紋がかなり異なるのでコレクションも
面白いですね。なお斑紋に併せホストも異なってくるので分類上の注意が必要かもしれません。

と、ここまで書いてノグルミの材箱を見ると既に2頭の新成虫が羽脱していました^^



やっぱ、羽脱させたシロカミキリは美しくて良いですねえ~。
次は何時良い材が採れるか分からないのでイッパイ出てね^^

春の超大型テントウムシ2種(2024.5.5)

ハラグロオオテントウとカメノコテントウ。
GWの頃になると僕はこれらの愛らしい超大型テントウムシ2種を求めてポイントへ向かいます。

前者のホスト:クワの葉に寄生するクワノキジラミ。
後者のホスト:各種の木に発生するハムシ類の幼虫。
クワノキジラミが付いたクワの木やハムシ類の幼虫が集る枝先を叩くと、ポトリ。
特に前者は少ないですが、GW頃、虫が未だ少ない時期の楽しみの一つです^^


オオテントウは3種目の超大型テントウですが僕は未だ自力採集に至っていません。
宮崎や高知での採集例が多いようなので基本的に太平洋側に分布の中心が在るのでしょう。
僕が居る有明海側の熊本県でも天草、それに連なる宇土半島で単発ながら記録が在るので
そのうち採れるのではないかと期待していますが・・・(実は真剣に探していない(-_-;))
オオテントウは秋が旬なので今秋は時間を掛けて探してみましょうか。

さて、「超大型」とくれば「大型」が居るわけですが、日本産でこれに当たるのは唯一の種類、
オオジュウゴホシテントウとなります。
図鑑では稀となっていますが僕はこれまで3頭と出会っています。いずれもナイターの際に
飛来したもので、あれだけビーティングやスウィーピングをしていても全く引っ掛ってこないので
本当に少ないのでしょう。あるいは生態がかなり特殊なのかもしれませんね。
中型~小型種にはほぼ興味は無く、ダイモンとかアミダ、ウンモンなどの美麗数種が好みかな。
展足の際に小型テントウ類は脚がなかなか出し難いのが難点で、採っても捨てちゃうんだよなあ。

テントウはやはり超大型~大型でちょっと遊べれば良いかな^^

全都道府県採集プロジェクト:愛媛県(フタスジカタビロハナ)(2024.5.1)

4月最下旬に僕にとっては初の採集地となる愛媛県へ行って来ました。
狙いはカミキリを始めた頃からの夢だった「四国のキマル(フタスジカタビロハナカミキリ)」です。
これは今後の虫屋生活における目標「全都道府県における採集(現時点での非採集地域)」の第一弾
として設定したもので、初の四国における採集経験にもなりました。

九州・熊本でカミキリを本格的に始めた高校生の頃、北方系で四国まで分布するが九州には居ない
数種類のうち、特にこの可憐なカミキリに強烈な印象を抱きました。早春の山奥にひっそりと咲く
ヤマシャクヤクの大きな花に来る・・・なにこの神秘的な種類は? どうして九州には居ないの?
当時、確かグリーンブックスのカミキリの採集等に関する巻に四国の本種について触れられた部分が
在り、本州でも勿論採れるがどうしても四国産を採ってみたいという願望がその時スリ込まれました。
キマルを初めて採ったのは20代後半頃の山梨県の富士林道に於いて。本州産にはその後も幾度か
出会えましたが、やはり四国産への思いはずっと残っていました。

一方、前段に述べた「全都道府県における採集」ですが、これまでに採集経験のある地域からは
四国四県がすっぽり抜けており、そうだ、四国の第一弾はキマルにしようと決めていたところでした。
採集場所は九州から四国へフェリーで渡る場合、到着港のある愛媛県に決定。
そして今シーズンにスケジュールが組めたことから、二つの願望が叶うことになった次第です。
ついでに言うと、車で九州から四国へフェリーで渡るのも楽しみにしていたので一気に三つの事が
楽しめた旅になりました^^

熊本市内から阿蘇を通過して大分を横断、フェリーで愛媛へ渡った後も松山の宿まで走る。
旅程の大変さというのも在りましたがそこはまあ割愛します。
キマルの採集自体は簡単で、ヤマシャクヤクの花を見て回るだけ。ただ大事なことは「頃良く」咲いて
いる必要があります。
行ってみてヤマシャクが未開花、あるいは花が散り落ちている、そのどちらも完敗となります。

現場のヤマシャクは満開で、花自体はとても綺麗。
次々に花を見て回りますがキマルは全く見つかりません。ヤマシャクの数は多いものの全てが満開、
あるいは散りかけで、正直少し遅かったかなあ。

それでも、居ました。教科書通りの姿ですね^^


ヤマシャクの数は多いものの株のある一画は狭いので一通り見て回ると数時間で終了します。
採集地での滞在時間は数時間でした。

今回得たキマルは僅か数個体でしたがそれでも十分に楽しめました。永いこと待ち焦がれていた
四国での春の採集が実現しましたからね。思いますがキマルっていうのは採集自体はさっと済ませて
後は春の雰囲気を楽しむ風物詩で良いんじゃないでしょうか。

一度行って現場の雰囲気は十分に把握したので、何時か時期を合わせて再度楽しみたいと思います。
次は大分のフェリー出航港・佐賀関の「関サバ」を堪能したり、愛媛だったら四国カルストも走って
みたいですね。時間が在れば別県のキマルを見たりカエデの花を掬ってみても良いですね。
コブ(セダカコブヤハズ)採りなら残りの3県も一気に回れそうだし。

四国の虫が一気に身近になりました^^

マツダクスベニカミキリ、十分なコレクション確保が現実に(2024.4.28)

当ブログで先日、春の石垣島における飛翔虫の一つ、マツダクスベニカミキリの確保にもメドが
立ちそうとの旨を書きました。
それが現実となったので詳細をお知らせしたいと思います。

石垣島における春のカミキリのうち、ヤエヤマヒオドシハナ(パラナスピア)とマツダクスベニの
2種類の採集は、実質的に飛翔中をネットするしかありません。後者はヤンバルアワブキの花に
訪花しているところを採る方法もありますが、現在の石垣の産地ではそれに適した花が在りません。
(在ったとしても採集数はたいして見込めない)

飛翔中を採る、と言ってもマツダクスベニは滅多に空間に現れてくれず、パラナスピアの方が遥かに
多いし、なんなら僕の場合、極めて採り難いはずのパラナスピア♀を生涯採集数に於いて本種よりも
採っているほどです。

このように通常ではなかなか得難いマツダクスベニですが、アマミクスベニと同様の材採集を用いると
格段に標本を得易くなります。
それは以前から承知していましたが、ある不都合が払拭出来なかったためこれまで躊躇していました。
それは本土の冬の低温です。

春の八重山で幼虫の入った材を確保しても、それが成虫になるのは1年後の次の春。
1年間も生き永らえさせる必要に併せ、本土の冬をどう越させるかという命題がありました。
恒温器は使っていないし、暖房を入れた部屋で管理するにしても就寝後~明け方は暖房を切るので
相当の低温となります。それに大きな寒暖差を与えることは最も避けるべきとも思えました。
よって本格的な材採集は控えていたんですね。

ところが、上記の心配は杞憂と分かりました。昨春に数本だけ試しにマツダクスベニ幼虫の入った材を
持ち帰っていたのですが、冬場は暖房の無い部屋で管理した材の中で今春見事に成虫が羽化しました。
つまり、本種は少なくても九州低地の屋内であれば冬を越せる耐寒性がある事が判明しました。

今春の八重山・宮古諸島遠征から自宅に帰還後、管理材を割ってみた状態。
見事に2頭が成虫になっていました^^


この他にも色付いた蛹が2頭あり、あと1週間もすれば羽化するでしょう。つまり、死亡させることなく
無事に1年を過ごさせることが出来たことになります。
九州低地とは言え八重山に比べると気温が低いため、成虫の出現が約1カ月遅れたわけですね。

実は奄美大島に在住していた頃に多数の奄美・沖縄産アマミクスベニと共に数頭のマツダクスベニを用い
同様の試みを行ったのですが、前者は勿論マツダも成功しています。
ただ奄美大島に於いてですからね、これはズルであり本土での参考にはなりません。

しかし、今回石垣島のマツダを屋内ではあるものの九州で越冬させることが出来ることを確認出来、
極めて有益でした。マツダが生存出来るなら沖縄・奄美のアマミクスベニも当然可能ということです。
これまで「冬がねえ」とこれらの材採集をためらっていましたが、今後は遠慮なく持ち帰れます。
今春の石垣では昨春の数倍の材を確保したので来春がとても楽しみです^^

寄生や蟻などの天敵により幼虫の大方が死亡することから一気に材を確保出来ないのが難点ですが、
逆にその方がゆっくり楽しめて良いですね。
ここ数年の「春の八重山遊び」ついでの楽しみが出来ました。

これで石垣における「春の飛翔虫」の完全卒業です^^

宮古群島のカミキリ特産亜種など(2024.4.23)

前記事では今春の八重山・宮古群島遠征のうち、終盤に訪れた宮古群島におけるカミキリ特産2種の
成果について記しました。今回は同地域に5種ほど存在する特産亜種などの採集成果について述べます。

宮古群島特産亜種のうち、最も採り易いと思われるミヤコアヤモンチビカミキリは宮古島および
海橋が架かる3属島(伊良部島、来間島、池間島)でのビーティングにより全ての島で得ました。
本種については特段に言及する事項は無いので写真のみに留めます。
(下地島は実質的に伊良部島と繋がっているため無視します)

ミヤコキボシは時期的にやや早いので材で採るつもりでしたが、3つの島で既に成虫で採集、
加えて伊良部島では材も採れてある程度の数は確保出来ました。
クワ幼木の葉を齧っていたミヤコキボシ。茂っている部分に数頭が隠れています(宮古島産)。


樹皮下に食痕のある枯れたばかりのクワ枝の一部を割ると、蛹室の中に蛹が現れました(伊良部島)。

宮古諸島は駆け足採集でしたが、ススキを叩く暇を捻出しサキシマウスアヤ(宮古諸島亜種)も得ました。
ススキは広範囲にあってもブーメが多く生息している一画を探し当てるには経験を必要とします。
今回は本種にあまり時間を割きたくなかったため深追いはしていません(宮古島産)。
なお同様にススキをホストにするタテスジドウボソ、オオシマドウボソも同時に得ました。
これらはまた各島で次回も狙います。

長い脚でネット上で踏ん張るミヤコイシガキゴマフ(伊良部島産)。時期的に未だ十分に数は出揃って
いない時期ですが、今年の発生は早いようで伊良部島及び池間島ではそこそこの数を得ました。

宮古島で脚の長いタイプが発見された当時は「クモ(蜘蛛)メソサ」と呼称されていましたね。
新種として記載された名はアシナガゴマフ。当時、宮古にはアシナガゴマフとイシガキゴマフ宮古亜種が
居ることになっていて、ゴマフ大好きな僕としては採りたくて仕方ありませんでしたねえ。
信じられないことに社会人になってからは「仕事命」だったので遠征など夢の夢でした。
今ではアシナガ型も宮古亜種の一形態として整理されましたが、実物を見ていると未だ何か引っかかる
部分はあるかなあ。

林縁を叩いて落ちた擬死を装うペア(池間島産)。本亜種は脚が長くなる傾向が強いこと以外に、
脚が長い♂ほど腹端が細く長くなりエリトラからはみ出すなど体型にも違いがあり(このことは新図鑑
には触れられていない)、腹面の雰囲気も異なります。ホント、不思議な亜種です。

もう一つのゴマフカミキリと言えばオキナワゴマフ宮古亜種。これはさすがに未発生でしたが材を探し
蛹を数頭得ました。本種は初回の宮古来訪の折り材から10頭ほど羽脱させていますが現在2ペアしか
残っていません。今回は良い材が無く次回に持ち越しです。生息域は把握しており、まあ余裕かな。

ヤンバルアトモンチビ宮古亜種は、実は未だ精査が済んでおらず採集品に含まれているか不明です。
宮古亜種の採集は困難ではないので、個体数が増える5月頃に行った際にたくさん採ります^^

そして図らずも3属島で採れたシロスジドウボソ。これらは嬉しかったですねえ。
伊良部島産。

来間島産。

池間島産。

基本的に何処も違いは無いですが、いすれも多くはありませんね。特に島が小さくサトウキビ畑と
ギンネム林が殆どの来間島の採集は困難です。でも僕はドウボソ系に強い^^
大体の感覚は掴んだのでいずれそれなりの宮古群島ポティーネ・コレクションを作れるでしょう。
5~6月頃に来ればイマサカドウボソが居そうな感じもありました。

宮古群島では今回訪れた島々のほかに飛行機・船で渡る多良間島に訪れる必要があります。イシガキ
ゴマフの多良間特産亜種が居るし、ドウボソ系にも興味があります。宮古群島と石垣島のほぼ中間に
位置するため、他にも多少は特化している種類が居るような気がします。

また今回早出の物が幾つか採れましたが、ミヤコアオドウガネやミヤコイシガキシロテン、ミヤコオオ
ハナムグリといった宮古特産コガネも時期に十分採りたいですね。
僕はコガネ類のコレクションはもう殆ど断捨離済ですが、何故か宮古諸島の数種には昔から強い興味が
あるのです。なので一度は5~6月に遊びに来たいですね^^

石垣島は遊びに行ったつもりでも虫の種類が多いのでつい採集に出てしまいますが(もうやらなくて
良いのに^^)、宮古諸島は平坦で疲れないし狙うべき虫もそうは居ないので良い遊び場になりそう。

また行くぞお~
暑いけどね(^^;)。

宮古島の特産カミキリ2種、マイコレ再構築ほぼ完遂(2024.4.20)

現在は春の八重山・宮古諸島遠征を終え地元へ戻りゆっくりしています。宮古諸島での採集品の
展足・整理も随分捗ったので、宮古諸島での採集成果を二回に渡り簡単に整理しておきます。

1回目は、ミヤコリンゴおよびミヤコルリボシの2種の宮古特産カミキリについて述べます。
これら2種については特に採集の困難性は無く、15年近く前の初回宮古島採集の際にそれぞれ3桁を
採り十分な数を確保していたハズでした(今回の宮古来訪は人生二度目)。
ところが、手持ち数を確認した所ところ、なんとミヤコリンゴは2♂1♀、ミヤコルリボシは2ペアが
タトウに残っているだけでした。これら2種はシンボリックな形態および意外と採集者が宮古諸島に
訪れ難いことから結構人気が高いようで、次第に在庫が崩壊して行ったことが窺えます。
(大きな声では言えないが)採るのが面白く前者は確か2百頭位は在ったんだけどなあ・・・

まず、前回にミヤコリンゴを主に採り廻った地域を車で流します。本種はリンゴカミキリ属の中で
も採り易い多産型の種類で、ホストのタブの葉裏を見ると主脈に多くの食痕が見出せます。
「おお、今回もそこそこ居そうだな」と葉裏を見ていくと、ポツポツ成虫の姿を確認出来ます。

本土のタダリンゴと同様に木下に近付くと「フワーッ」とゆっくり舞い降りて上昇していくのでそれを
ネットで掬い採ります。これがなかなか面白い^^
近場のイシガキリンゴもホストはタブで同じなのに、どうしてこんなに個体数が違うのだろう・・・

顔(正確には頭部)も橙色の特異なリンゴです^^

枝先や葉をじっくりとルッキングしていくと交尾ペアも発見出来ました。昆虫雑誌などでもリンゴ類の
交尾写真はまず見ませんね。当ブログでは以前にオキノエラブリンゴの交尾写真もアップしています。

本種は宮古島以外の群島では最も大きい伊良部島の記録しかないようですが、後日訪れた来間島でも
複数採集出来ました。次回来訪時に時間が在れば他の島でも探してみようと思います。

一方ミヤコルリボシは前種に比べ自然度のより高いエリアにしか居ません。宮古島は平坦な島なので
林が薄く、それなりに探さねばならず前種ほどは簡単ではありません。
また、前回来訪時の十数年前はルリボシ系サペルディーニの冷凍処理の重要性を僕自身が深く
認知していませんでしたが、今なら美しい標本を作ることが出来ます。

とりあえず前回本種をかなり採った場所に辿り着き、後食跡を探しますがなんと全く見つかりません。
本種もそれほど難しい種類ではないのですが、前回居た場所で採れないと多少の不安が頭を過ります。
暫く時間を掛けて数カ所で食痕を見つけましたが、かなり古い。食痕の量はそこそこ有るものの成虫の
姿が全くありません。「こりゃ外したか(遅かったという意味)・・・」

カレンダー上では前回とほぼ同じタイミングですが、今年の季節の進み具合は早かったようで発生は
既に終末を迎えていると判断出来ました。
ただ全然居ないはずはないので、丁寧に辺りを見回すと「プーン」とルリボシ系サペルディーニ独特の
飛翔をした虫が傍の葉に留まりました。静かに近付いて見るとやはりミヤコルリボシ。
♂なので全く遅いわけではなさそう。ホッと胸を撫で下ろします。

一頭見つけると目が慣れてきたのか、食痕のある各場所で少しずつ追加することが出来ました。
古い食痕のある葉に留まる本種♀。

前回は合計で3桁は採ってタカを括っていた本種ですが、時期を外すとそれほど簡単ではありませんね。
もちろん完全に外したワケではないので時間を掛けた結果、マイコレ分ならほぼ十分といった程度には
採ることが出来ました。
また別の島でも食痕を確認したので(虫は居なかった)、次回にリンゴと共に宮古以外の島々でも
探してみたいと考えています。昔の記録で多良間島か池間島のどちらかでは(記憶が曖昧^^)
ルリボシ系ではなく正にイワサキキンスジ様の斑紋を持つ個体が採れているのでその再確認もしたいと
思いますね。

いずれにしても春の宮古群島にはまた来訪するので必要以上に採る必要はありません。今春の特産2種の
捕獲はほどほどにしておきましょう。
次回も両種の面白いハンティングを楽しむために^^

春の宮古群島、虫は多いが疲れた。地元へ帰還します(2024.4.16)

現在、人生で二度目の宮古島に来ています。最初は15年近く前、仕事をリタイアしたのを機会に
春の八重山を一通り回った際、宮古島のみに数日訪れました。狙いは宮古特産のミヤコリンゴ及び
ミヤコルリボシのカミキリ2種。それぞれ3桁ずつ採って安心していたのですが、手持ちを調べると
なんと前者は3頭、後者は2ペアしか残っていないことが分かり愕然。
虫って一体何処へ行っちゃうんでしょうね^^
それに後者は冷凍〆の標本を作るという新たなミッションも加わったので、いずれにしても春に
再来する必要がありました。それに時間の関係で2種以外の虫は何も採ってなかったしね。

今回の狙いは前述2種のマイコレ補充分を確実に採ること。そして4~5種のカミキリ宮古亜種を
採ること(数は問わない)、さらに1回目の宮古来訪時には未だ海橋が架かっておらず行けなかった
伊良部島、来間島および池間島の3属島を訪れること、さらにさらに、3属島で採集を行い
それぞれでミヤコイシガキゴマフを採ること(数は問わない)という極めて欲を張ったものです^^

ゴマフ命の僕は宮古群島でミヤコイシガキゴマフを集めることが昔からの目標で、やっとその
取り掛かりのタイミングが来ました。島のゴマフ類の発生はこれからなので未だ十分な数は得られない
だろうということで、今回はどちらかと言うと下見の位置付けです。ついでに、特産亜種の方はほぼ
全て得られるだろうと目論んでいました。

結果を先に言うと、本命2種についてはマイコレ分は十分過ぎるほどは採ったし、3属島での採集も
実現、数の多い少ないはありますが念願のミヤコイシガキゴマフも3島で得ることが出来ました。
全ての島でとはいきませんでしたが、宮古諸島特産亜種のミヤコアヤモンチビ、サキシマウスアヤ、
ミヤコキボシもそれぞれゲット。極少数しか羽脱しないであろうミヤコヤエヤマゴマフの材も一応
採りました。なお近年記載されたヤンバルアトモンチビ宮古亜種は発生がもう少し後と思われますが、
今回採ったアトモンチビの中に含まれているかもしれないので地元帰還後に精査したいと思います。
今回採っていなかったとしても、いずれ5月頃にゴマフ狙いで訪れるつもりなのでその際に余裕で
採れるでしょう。

今回特に嬉しかったのは3属島の全てでシロスジドウボソを採ることが出来たことで、宮古群島の
ポティーネ・コレクションの幅が一気に広がりとても喜んでいます^^
むしろ宮古島そのもので採っていないのが面白いですね。また船でしか行けない多良間島産もゴマフの
特産亜種と併せて狙う必要があり、宮古群島での採集はこれから楽しめそうです。
ただ、それぞれの島が平坦で特産種、亜種が少ないのであまり時間を掛けるつもりはありませんけどね。

虫が多く楽しめた宮古諸島ですが、実は心底疲れました。各島は採集し易くはあるもののお互いに遠く、
全てが未知の領域なので気疲れするし、最も堪えたのは暑さですね。昔、マレーシアの低地の山中で
急性の熱射病により動けなくなったことがありましたが、それに近い感覚がありました。
「老い」のせいでもあるでしょう。毒蛾幼虫が極めて多く数百カ所刺され痒みに悶絶したのも一因です。
(ビーティングではじけたものが体中に飛んでくる@@ 激しい痒みに夜中に何度も起きた)
早速地元へ帰還し、疲れ切った体を休め心身ともに回復を目指します。

宮古諸島関係の採集記事は帰還後にアップしますね。

1日にヤエヤマヒオドシハナを3♀採集! そして今春合計4♀!!!(2024.4.13)

本日石垣島を発ち、次の目的地へ向かうためこれが石垣における最後の記事となります。
前回記事の中で「石垣島の春の飛翔虫でパラナスピアも今後取り組む必要が無くなった」旨の
話をしましたが、その種明かしとなります。

石垣島での初回記事(三つ前)で採集初日(3月31日)にパラナスピアを6♂採集したことにサラッと
触れています。
1日に6♂も採ったの? と驚いてくれた方もおられたと思いますが、実はウソを付いていました。
6頭のうち半数、なんと3頭が♀だったのです!!!
こんなことあんの?

最大♀の脚が1本途中で欠落していますが問題ありません。珍品の、特に特大個体はたとえ不完品
でもその価値を減ずることはあり得ない(マイコレの場合)ので僕は全く気にしません。
不完の極珍種ネキ♀の超特大個体と同様です。想定し得なかったものが手中に存在する。
そのことが全てです^^

前回記事で8連小型ケースに生きたまま入れた写真を載せたので目ざとい人は気づいたかもね^^
なにしろ超大型にしてあの横幅ですから。
もう5年以上前、かつて八重山で長期遠征を繰り返していた頃に通算で3♀を採っていたのですが、
♀の所持数は一気に倍の6♀になってしまった@@ 

僕は本種の超大型♂を数頭マイコレにしており、あと幾つかはそれらに匹敵する個体が欲しいと
渇望していました。今回ひときわ大きな奴がネットに入った瞬間、「特大♂ゲットだぜい!」と
呟きながら中を覗き込んだ瞬間、存在自体を忘れていた(=想定などしていない)♀を見出し狂喜。
♀はイレギュラー中のイレギュラー。それが同じ日に3回も起きるなんて・・・これぞ奇跡!

今春の石垣島遠征はこのパラナスピア3♀のみで十分過ぎる成果なのですが、奇跡はこれで終わり
ませんでした。その二日後に別途3頭を採ったのですが、うち1頭がまた♀だったのです!
なんと今春4頭目、一気に4♀・・・奇跡の上って何???

長く採集をしていると「伝説的」な成果を上げてしまうことが度々ありますが、間違いなく
今回もそれの一つに加わったと思います。今回だけは自画自賛して良いでしょう。

前回記事で春物飛翔虫への取り組みは完結としましたが、このことを念頭にした表現です。
さすがにパラナスピアの♀を通算で7♀も採ればもう十分過ぎます。
勝ちです、勝ち。大勝利^^

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