カテゴリ一覧 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

なぬっ、ヤクコブ!?(2019.8.1)

半月振りのブログ更新です。7月後半に行った屋久島遠征が終了しました。
今季の屋久島へは例年より遅く7月16日に上陸。17日にヤクネキ・ポイントに立った以降は
雨のため4日間の休息、実質的には20日過ぎからの採集開始となりました。

今後数回に渡り幾らかの成果について記録しておこうと思います。
初回は屋久島高山帯の珍種ヤクシマコブヤハズカミキリ。

正直本種については時期的に全くターゲットにしておらず、頭にはヤクコブの「ヤ」の字すら
ありませんでした。今となってはヤクコブはかつてのような大珍品のイメージは薄れ、幼虫採集により
一部の人は採っています。

採れないこともないんですよ、幼虫は。勿論多くはありませんけどね。
ただ成虫となると話は別。難易度はグーンと上昇します。しかも基本的にヤクコブの発生時期は
秋以降ですからこの時期は端境期と言えます。
7月には多くの虫屋が参集しヤクコブを求めて高山帯原生林内をライトを照らしながら徘徊する
強者も中には居ますが、近年ヤクコブ成虫を採ったという話はついぞ聞いたことがありません。
7月の高山帯の林内採集をのべ日数では誰よりも行っている僕でさえこの時期はヤクコブの成虫を
見たことが無いのです。
でもねえ、成果はやはり手を出した回数に比例するんだなあ。

この日も僕は高山帯の珍種ヤクマルバネコブヒゲカミキリを探して夜の林内を徘徊していました。
本種については以降の記事に譲りますが、障害物だらけの斜面を汗だくになりながら登っていると
何か右腕を這っているモノが居ます。
僕は屋久島高山帯では寒くても(夏でも夜の高山帯は寒い)ヤマビル対策のためいつもTシャツで
採集するのですが(ヤマビルが体に付いていないかチェックし易いため)腕の部分は剥き出しなので
何か這っていると直ぐに分かるわけです。

感触から「ヒルじゃないな。虫だけど蛾かビロウドカミキリかな?」と思いながら手を見ると・・・
「ぎゃあ! ヤクコブ!!!」

何の冗談かと思いましたよ。この時期一体、何千本の対枯れ、朽木、倒木をライトで照らしてきた
というのでしょう。そこに1頭でもお前ら、居たことあったか?
なんでオレの腕を歩いてるんだよ・・・

何らかの原因で僕の体に取り付いたのでしょうが、ポイントは長袖を着ていたら恐らくその存在に
気付かなかっただろうということです。
今年は虫と同様にヒルも極端に少なく被害を受けることはありませんでしたが、代わりにヤクコブが
取り付いてくれました^^

永く(採集を)やっていると色んなことがあるね^^

モリヤイ、実質6日で終了(2019.7.4)

いきなり始まり、いきなり終わった今年のモリヤイ(アマミホソコバネカミキリ)決戦。
今年のモリヤイは最初の♂が飛び始めて実質6日という短期間で終了しました。
ただ、全般的に不作を極める今年の奄美の虫において、何故か唯一多産した虫となりました@@


これから奄美は一週間の雨天となります。奄美の夏もモリヤイの如く短日で終了。

次は梅雨明け後、屋久島の夏か・・・

奄美大島産、フタオチョウ♀(2019.6.26)

尾根斜面を吹き上がって来た大きな白いタテハチョウ。姿の主は一発で分かります。
おお、フタオチョウの♀だ!

2017年から奄美大島で採れ始めた本来沖縄本島にしか居ないはずのフタオチョウ。
現実的には奄美で広範囲に広がっているようです。
自然状態での北上だ、あるいは人為的な拡散だ、など様々な意見が交わされているようです。
デリケートな問題も含むので個人的意見はメルマガにでも書きたいと思います。

いずれにしても最初に発見されて3年目。こっち(奄美)にも居付いちゃうんじゃないの?
奄美に住んでいる間に飼育くらい楽しんでみるかな^^

奄美大島のルリゴキブリ(2019.6.23)

ここ数日の奄美大島は正に梅雨真っ只中、終日雨が降り続いています。
今年の奄美は虫が全くと言って良いほど居ないことに加えて、この時期にも拘らず何故か涼しく、
暑く感じる日がほぼありません。去年の今頃は蒸し暑くて冷房のお世話にならなければ過ごすことは
不可能でしたが、今年は扇風機すら殆ど使わなくて済んでいます。今日なんか、ちょっと梅雨寒。

基本的に虫が居ない、低湿度なのでさらに虫は採り難い、そして治りきらない右腕の故障。
虫採りしなくて良いのでとても楽チンな6月です^^

今日はスウィーピングで採ったルリゴキブリを紹介します。
ゴキブリ類の中で唯一コレクションしている珍・美麗種です。

(参考)西表島産ルリゴキブリ
本種の魅力をしっかり語っています^^

これまで僕は奄美以外では与那国、西表島、石垣島で採っています。
確固とした採集法が無いのでいずれでも多くは得られませんでしたが、奄美での採り難さは別格ですね。
折に触れて書いている様に今年は右腕を故障したので時期に殆どスウィーピング、ビーティング等が
出来なかったこともあり僅か1頭しか採れませんでした。あれほど手数を出した昨年でさえも1頭・・・
少なくとも八重山地方と比べれば数は少ないようです。

石垣島産と西表島産が無紋であるのに対し、奄美産は写真の様に鮮やかな赤褐色紋が発現します。
実は与那国産も少しは赤褐色紋が認められるのですが奄美産のようなドギツサはありません。
ルリゴキ・コレクションのアクセントとしてとても映えるのでもっと数が欲しいところです。

これも、来年の課題だな。
(課題だけが増えて行く・・・)

チャイロヒラタカメノコハムシ、そこそこ採れるのはこれくらい(2019.6.18)

梅雨時の奄美大島に現れる異形ハムシがチャイロヒラタカメノコハムシ。トゲトゲハムシ類のような
極少数を除くと基本的にのっぺりした形状ばかりのハムシの中では極めて特異な珍奇種です。

日陰のクチナシを探すと、葉表を「-」状に齧ったチャイロヒラタカメノコの食痕が見つかります。
その葉一枚の上にチョコンと留まる本種を発見。


大食漢で、食痕は多いのにこれでも1~2頭分なんですよ@@
エリトラ後部に一対の山形の大きなトゲがあり、摘まむ際に指の平がちょっと痛いと感じることが
あります。拡大するとジオラマに巨大な山がそびえ立っている様に見えませんか^^

梅雨期の今は雨粒を避けるため葉裏に居る場合も多いです。食痕は多数あるのに何故居ないのだろうと
いう場合は大抵葉裏に居ます。下の写真は葉を透かして左に何か影が見えますよね。
これを裏返すと・・・


さて、このチャイロヒラタカメノコハムシ、基本的に少ないタイプのハムシでそう多くは採れません。
夏に短期間遠征に来る採集者の場合だと、探すのに時間が掛ることもあり数頭採れれば御の字でしょう。
もちろん奄美に住む僕の場合はそれなりの数を採るのですが、面白いことに虫の発生が極端に悪い
今年の奄美において例年に近い程度には居るようです。
例えば今年の他のハムシだと、樹上性ヨモギハムシは2頭のみ、アマミカバイロハムシに至ってはゼロ!
といった極めて不調の中でちょっと面白い現象だなと感じます。

ちなみにハムシではありませんが、同じくクチナシをホストとするイワカワシジミ(今の時期は幼虫)も
全くと言って良いほど採れない散々な状態の中で、チャイロヒラタカメノコだけはそこそこ採れるのは
不思議な気がします。

例年の如く伐採地は無いし極端に虫が少ない今年の梅雨期の奄美で、「採れたな」と感じる数少ない虫の
一つが本種です。

徳之島のシロスジドウボソカミキリ(2019.6.13)

徳之島では初めて採ったシロスジドウボソカミキリ。
此処なら落ちるな、と思った茂みで予想通りに落ちて来ました^^

徳之島にはまあまあ居るみたいだけど、どうして奄美大島では採れないのかしら。
もちろん奄美でも採れてはいますが滅多に採れることがないのです。とても不思議な現象です@@

シロスジドウボソって難しいですよね。本州西部から与那国島まで東西に広く居て多くの亜種にも
分れています。
もしかすると僕が日本で最も各所で採っている虫屋かもしれないが、それでも全体像はなかなか把握
することは困難ですねえ。新たな図鑑ではどのように書かれるのか興味津々。

徳之島のシロスジドウボソ、時期的にちょっと遅かったのでスレ・不完の割合が高かったのが残念
でした。来年は沖縄の帰りにでも寄ってビカビカをシバキましょう^^
奄美に居ると沖縄への行き帰りに沖永良部島とか、徳之島などに寄れるのが良いですね。来年は
与論島にも寄って来る予定です。あ、別ルートの喜界島もね。

なお、今年は虫の適期に右腕の痛みでビーティングが十分に出来ず臍(ほぞ)を噛みましたが(進行形)、
来年は奄美産も片付けねばなるまひ。

今年は少ない奄美のビロウドカミキリ類(2019.6.9)

梅雨期の晴れ間の楽しみの一つがビロウドカミキリ探し。
特に湿度を好むこのグループはこの時期に最も採り易くなります。発生が始まるのもほぼ梅雨時に
入ってからなのでこの時期集中的に楽しめます。
いずれも特に♂は触角がとても長い仲間で、カミキリムシらしいフォルムが人気の一群です^^

ビロウドカミキリ類の中でも最も大型化し、かつ触角も長くなるオオシマビロウドカミキリ(♂)。


前種よりかなり少な目のアマミビロウドカミキリ。ニセビロウド群の一種ですがその中でも最も大型化し、
かつ触角も長くなります。


前2種よりやや早めに出現し、最も少なくあまり遭遇することのないフェリエビロウドカミキリ(♂)。
ビロウドカミキリ類の中では最も小型(と言うより超小型)で、膝から下の地上に近い場所から
落ちることが殆どです。
触角が極めて長く、♂の触角の長さは体長比において驚異的@@


フェリエビロウドは梅雨の途中で居なくなりますが、それ以外の2種は梅雨明け以降も見られます。
ただ夏物を狙った採集者が奄美に来る6月下旬頃には汚損が進み、ビロウド状のエリトラ微毛のスレが
目立ったり、当グループの魅力である長い触角が途中で切れたものが多くなってしまいます。
よって正に今の時期に採るべきグループと言えますね。

ただ今期は昆虫全般の数が少なく、採れるビロウドカミキリ類の数も去年・一昨年の数分の一といった
状況となっています。
フェリエビロウド以外のマイコレ数は十分なので、来年辺りからは沖縄のオモロビロウド(オオシマ
ビロウドの代置種)およびオキナワビロウド(アマミビロウドの代置種)狙いにターゲットの主軸を
変えていこうかと思案しています。沖縄にはフェリエも居るしね^^

奄美大島、2種類のヒラタミツギリゾウムシ(2019.6.6)

空梅雨だった奄美大島も、6月に入るとようやく梅雨らしい空模様となってきました。
ほぼ終日が雨(時として雷も伴う)という日も多くなり、未だ痛みが癒えない右腕の肘を休めるのに
都合の良い日々です。
今年の奄美は虫が少なく(特に晩春以降)、どうせ採集に出ても獲物は昨年同時期の数分の一、
新たな種類が採れる確率も低くなります。あえて雨中に突入する必要もないでしょう。

こうした日々でもたまの晴れ間に数時間のフィールド探索をすることがあります。
そんな中で採れたヒラタミツギリゾウムシsp。

近年のミツギリゾウムシ類のレビューによると、ヒラタミツギリゾウ類は日本で5~6種類が確認
されていますが、いずれも奄美大島からの記録は無いようです。
あまり良く分かっていない種群でもあり新種の可能性もあるかもしれません。

また、下は当ブログ記事としては再録ですが今春に自宅で管理していた材から羽脱したアカヒゲナガ
ヒラタミツギリゾウムシ♂(♀は触角が遥かに短い)。
少ないものの沖縄本島で採集されるのは有名ですが(僕も数頭採っている)、奄美で採れたのには
驚きました。

いずれもライト・フィットを採集地点付近に多数仕掛ければ追加個体は得られると思いますが、
どうも他力本願的であまり気が乗らないんですよねえ。
フィット自体は20基位は持っているものの、信じ難いでしょうが奄美では未だ一度も使っていません。
発電機を回してのナイター自体も奄美に住み始めて1年ちょっとの間で2回!しかやってないし。
やれよ、って話ですが^^

故障した腕が痛いしなあ。虫少ないしなあ。雨に降られるしなあ・・・
来年でいいか(またかい!)

徳之島のシロスジトゲバカミキリ(2019.6.3)

かつては多産していた虫も、今となっては特定の場所で、しかも極少数しか採れなくなったという例は
増えてきました。代表的なのが「焼けススキ」に付くシロスジトゲバカミキリですね。

かつては石垣島北部に多産することが知られていましたが、採集環境の激変で彼の地では現在、
全く採集例が無くなっています。3~4年前まで石垣島をはじめ、他に本種の記録の在る西表島および
与那国島などといった八重山地域に入れ上げていた数年間がありましたが、本種は全く引っ掛かって
来ませんでした。

徳之島某所の焼けススキを叩いたところ、抜け落ちた茎に偶然留まったシロスジトゲバカミキリ♂。

白筋状ではなく、ボヤッと白い斑紋が広がる個体もいます。
焼けたススキの「スス」が一緒に落ちているのが分かるでしょうか。

生かしたまま持ち帰った個体を電灯の下で撮ったもの。
やはり「トゲバ」であるのが分かりますね^^


徳之島を含め、今ではどの島も機械化が進みサトウキビ残渣を焼かなくなったので行ってもほぼ採れる
環境がありません。近年出される記録報文もその辺りが全くショート・ノーティス。
今年5回!行ったものの焼けススキが無かったという人が居ました。僕は運良く2回目で見つけました^^
奄美からは近く頻繁に行けるから良いけど、全然甘くないんですよ。

なお、本種の体は極めて脆(モロ)いとされますが、それは採集現場での扱い方が拙い(極めて本種の
動きが素早く、慌てて抑え込むため不完にしてしまう)ためで、むしろトゲバ群の中では丈夫な方です。
経験的にはモモブトトゲバカミキリの方がよほど脆いことを付け加えておきます。

母親(母虫)の無償の愛にホロリ(2019.5.27)

出来れば今月12日の「母の日」に投稿したかった記事です。
題すれば母親の「無償の愛」といったところでしょうか。
本題はもう情緒表現バリバリでいきましょう^^

空梅雨、加えて虫の発生が悪い奄美の林内を徘徊していると、垂れ下がったアカメガシワの葉裏に
何か虫が留まっているのに気付きました。
ホストのアカメガシワの葉裏で卵塊を産み、守り、育てるアカギカメムシの母親の姿です。
かつて夏の屋久島でも出会った光景です。

(参考)
屋久島における卵塊を守るアカギカメムシ
7年前、当ブログを始めた年の記事です^^

上記リンクでも分かるように屋久島の母虫の色合いは通常タイプの紅い個体ばかりでしたが、ここ奄美で
出会った母虫達の色彩は薄い色合いのものばかりで一定の相違点があるようです。
それ以外は全く同じで、卵から孵化したばかりの幼虫群の上にドッカと陣取り、突いたり引っ張ったり、
幾らしようが決して其処から離れようとしない母虫の意思の堅さに再び深い感銘を受けました。

評すれば単なる「本能」で片付けられる行動ですが、人間ならここはセンチメンタルになっても
仕方がない場面でしょう。
むしろ、そうならない方が僕は人としては信じられない。

それから1週間後、再び件の親子の様子を覗いてみると・・・
既に幼虫達は巣立ってしまった後でした。現在アカメガシワは幼実を付けており、子供達は吸汁のため
そっちへ移って行ったのです。

驚いたのが、母虫は今もなお子供達が居た場所で陣取り続けていたことです。
写真の様に一部の母虫は脱落していましたが、半数ほどは卵の抜け殻を守り続けているのです。
虫を見ていて心が揺さぶられることはまずありませんが、この場面だけはジーンと来ますね。
我が子が巣立った後も無償の愛を与え続ける。まるで人と一緒じゃないか。
迂闊にも、ちょっとウルウルしてしまった自分が居ました。

虫もたまには大事なことを教えてくれます。
母親は大事にせんといかん。

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