ベニハンノキカミキリ | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

この時期のベニハンノキカミキリ、白イタヤカミキリの幼虫(2013.3.4)

先般阿蘇の山々にお別れを告げに行った際、ベニハンノキカミキリおよび白イタヤカミキリの幼虫を
撮っていたので、冬季の生態の一環として紹介しておきます。

まず、ベニハンノキの終齢幼虫はこの時期、ホストであるヤシャブシ等をはじめとしたハンノキ類の
生枝の蛹室内で、前蛹として越冬体制に入っています。
良い枝にはこのように、複数個体が入っていることもしばしばあります^^

しかし、阿蘇産はつくづく小っちゃいなあと思いますね。
(写真の3頭はいずれも♂のため特に小型)

その場所はベニハンノキの多産地として有名なため、誰かが材採集を試みた痕があちこちにありました。
どうやら初心者さんだったようで、ほとんど的外れの部位ばかりを見ておられたようです。

本種をはじめ、カミキリの殆どはホストの外観に食痕等何らかのヒントを残しているので、その痕跡を
見極めるスキルを磨く必要があります。

去年の初夏、同地で撮った成虫の活動の様子です。
割と昨年は発生数が多かったため、シャッターチャンスは結構ありました^^


一方こちらは、ヤナギの生木に穿孔するイタヤカミキリ終齢幼虫です。
阿蘇のマイフィールドの一画で見つけた、極小個体群の幼虫です^^

ベニハンノキとは違い、本種の終齢幼虫は今の時期は活性が高く、親になる準備は未だしていません。
幼虫は典型的なフトカミキリ亜科の顔で、尾端がズドンと切り落とされたような形状をしているのが
特徴です。

本種の場合は幼虫の脱糞口が比較的分かり難く、材採集は少々やり難い部類に入ります。
(勿論、坑道周辺の幹が変形する等の何らかの目印はありますが。)

当ブログでは何度も紹介していますが、この一画の個体群は樹高1メートル程の細っこい幼木の「幹」で
生育しています。

昨年の初夏、ビーティングネットに落ちた「白」イタヤカミキリ。
九州産はエリトラの白帯が目立ち、人気の高い一群です^^

発生初期なので、ホントにビカビカ^^

次々と蛹化するゼフィルス、続々と材から出るカミキリ(2012.5.15)

九州地方ではうっとうしい雨が二日続いています。
気温も低目で暫くは半袖や短パンで過ごしていましたが、さすがに耐えられず、仕舞い込んだ
長袖を引っ張り出しました。

さて、採集にも行けないので溜まった採集品の整理や飼育材料の世話をしていますが、
今日は現在の「飼育室」の様子をご覧にいれます。

まずは、ようやく幼虫がすべて蛹化して手間が掛からなくなったゼフィルス達。
写真は約1週間前の様子で終齢幼虫が少し残っていたのですが、今はすべてが蛹です。

その時点での蛹達です。

今年は熊本と鹿児島のキリシマミドリシジミを重点的にやりました。♀のAB型狙いです。
次に多いのがほぼ南限の裏面の赤味が強いミドリシジミ、そして九州では少ないオオミドリです。
あとはウラジロミドリ、アイノミドリ、ウラミスジがほんの数頭ずつ。

アイノ、ウラミスジといった九州では採るのが難しいゼフの殆どは友人に奪取されました(泣)。
相当時間と手間を掛けて採卵したのに・・・

実は一番に蛹化したオオミドリが今日にも羽化しようとしていて、これからは毎日、
羽化成虫の取り込みと展翅(これがキツイ!)に明け暮れる日々が暫く続きます。
想像するだけでブルーだ・・・
1泊での採集行も暫くの間は無理だなあ。

そして材から羽脱しているカミキリ達の一部です。
殆どは普通種ですが、それらには実際ほとんど手が回っていません@@

現在はベニハンノキカミキリの羽脱が終了し、白イタヤの羽脱が続いているところです。
あと数日でクワからムネホシシロが出始め、今月下旬にはイチョウヒゲビロウドが出てきます。
今年はセーブして材を採りましたが、珍品も何かしら出るでしょう。

6月あたりから本格的な採集シーズンになるので、蝶とカミキリのいずれの飼育もそれまでには
完了させるという予定でやっているところです。

やはり明日から鹿児島へ・・・(2012.5.10)

本日出したメルマガには、近々鹿児島へ行く予定は無いと書いたのですが、ふと思い立って明日から
1泊の予定で行ってくることにしました^^

ケブカトラカミキリや低地のキュウシュウトガリバホソコバネカミキリの発生状況等を見てきます。
やや気温が低いのがちょっと気掛かりですが・・・

本当は大分の黒岳にカエデの花を掬いに行こうと考えていたのですが、天気は良いものの大分方面は
かなり気温が低いようなのでパスすることにしました。
それに黒岳の天気はまったくアテになりませんし・・・

なお、羽脱のピークを迎えているベニハンノキカミキリ、及び羽脱し始めた阿蘇の極小イタヤカミキリの
材箱も積んでいかなければなりません。

二日も管理しないで放置すると、羽脱した個体同士が材箱の縁などで噛み合いをし、全く使い物に
ならなくなってしまいます。
持って行った現地では何かと億劫ですが、これくらいはしないと美しい標本は残せません。

なお、先日のヒコサンヒゲナガコバネカミキリ採集行には、ベニハンノキを福岡まで連れて行きました^^

下の写真は先日鹿児島から幾つか生かして持ってきたモンキタマムシの後食風景です。
本種の出現期間はほぼGW頃までとされており、1exのみ死亡しましたが、それ以外はまだまだ元気です。

次は以前のブログ記事でも触れた阿蘇の「極小」白イタヤの脱出口です。
指ほどの太さの幹(枝ではありません^^)ですから、いかに成虫が小さいかお分かりになると思います。
今日までに3頭が羽脱しています。

では、ブログは二日ほどお休みすると思います。

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