自由人 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

イシガキツツクビカミキリ、ようやく採れる(2015.4.13)

原生林の極珍種、イシガキツツクビカミキリがやっと採れました。
ホント、これだけ採り難い種類もなかなか居ませんねえ。

暗い原生林内なので絞りが上手く効かず、TG-3でもなかなかシャープな拡大写真が撮れません。
残念・・・

もう少し欲しいけど、例年せいぜい数頭しか採れないんだよなあ。

雨の日は、羽脱したサビアヤカミキリ等の回収でも(2015.4.12)

一昨日の午後から石垣島は雨模様で、暫く宿で缶詰状態となっています。
今現在の予報ですが、悪天候は明日まで、低気温は明後日まで残るようなので、虫が活発に動き出す
まであと数日は要するようです。

特段に気を入れて展足するものも無いし、こんな日は羽脱虫を材箱から回収することにしましょう。
とりあえずは、羽脱のピークを迎えているサビアヤカミキリ。

タケをホストとするカミキリは意外と居るのですが、カミキリ屋さんでもこれらがどんな状態のタケを
どのように食害しているのか、ご存知ない方が多いのではないでしょうか。
サビアヤにしても、タケを適当に叩いて幾つか採った事がある、程度の方が多いのでは?
分布は広いものの細かく洞察し続けなければ確実に採れるようにはならない虫の代表のように思います。

非常にスレ易い虫で、綺麗な標本を得るためには材採集が欠かせません。
野外でもこのような止まり方をしています。
平べったい横顔がなんかヘン^^

脱出中の新成虫。
蛹室を地表近くに作る場合が多いので、存在自体がなかなか感じられない虫ではありますね。
そんなところも本種の生態を見え難くしていると思います。

八重山の本種は得難い印象がありますが、与那国産は黄色味が強く良いです^^

そして今回は材をちょっと採り過ぎたヨツスジカミキリ。
ただ1頭当たりの材の占有容積が大きいため、効率は悪い種類です。

材箱に詰めたクロツグ材を搔き分けると・・・
羽脱していた新成虫(♂)がコロンと現れます。

昼間なので親戚のウスアヤと同様、擬死を装っていますね。

本種は西表島と与那国島に分布しますが、エリトラの白紋は西表産の方がより大きく鮮明に発現する
傾向があります。
ただ、このように与那国産にもしばしばはっきりとした斑紋が現れるものがあり、単純に標本だけを見て
区別することは不可能です。

こっちは♀です。

今年は西表産の標本も数が増やせるな^^
オフにでも改めて標本を比較してみますかね。

ミドリナカボソタマムシ、やはりオオバギの葉も後食(2015.4.11)

最新の知見を網羅し、大きく鮮明な標本写真を多用した図鑑が先般発行され、人気の昆虫たる
タマムシに目を向け直す虫屋さんも多いと思います。

もちろんタマムシも大好きな僕は、遠征前に八重山方面のタマムシをリストアップし直してみたのですが
まあ、種類の少ないこと(しかも個人的にあまり食指の動かない微小系が多い)。
そして採れる種類は簡単に採れるが珍しい種類は滅多に見る事が出来ない、といった点はこっちでも
同じですね。

石垣もここへ来てタマムシ類が目に付くようになってきました。
もちろん簡単に見つけることの出来る種類ばかりですが^^

良い一画を見つけると、アカメガシワの葉を後食しているとても美しいミドリナカボソタマムシを
見る事が出来ます。
サビナカボソタマやミヤマナカボソタマ等の同属の他種と同様に、居る木には数頭が集まっている
ことが多いですね。


本種はアカメガシワでしか見たことが無かったのですが、昔から図鑑には他の後食植物として
同じトウダイグサ科のオオバギが挙げられていたのが気になっていました。
オオバギと言えば正直見掛け倒しで、大袈裟な花には何も集まらないし枯れた枝にもカミキリ等
食材性の虫が殆ど集まらない、虫屋としては面白くない木です。
葉っぱを見てもミドリナカボソタマはおろか、他の食葉性の虫もまず見たためしがありませんでした。

ところが今般、かなりミドリナカボソタマが居る一角で、ようやく本種がオオバギの葉を後食している
場面に出くわしました。

ミドリナカボソの大部分はアカメガシワに集まっていたのですが、その隣にあったオオバギに2頭だけ
見出すことが出来ました。
ただどう見てもあぶれた奴が仕方なくこっちを齧っているように見え、好んで食するホストとは言えない
感じでした(ただしこの木のみ食痕の量は多かった)。
図鑑にホストとして同列に記述されていても、本例のように嗜好の差が確実に存在する場合も多いので、
こうした観点で虫の生態を観察してみるのも面白いでしょうね^^

次はハマセンダン(ミカン科)で採れるツマキナガタマムシです。

局所的である上に個体数はあまり多くなく、ハマセンダンはかなりあっても居る木と居ない木が極端です。
かつてより意識して採る人が増えてきましたが、決して一般的とは言えないようです。

小型ですが綺麗なタマムシですね。
栽培ミカンを食べるミカンナガタマ類とはちょっと趣きを異にしています。

ヤエヤマクリタマを狙ってシイを掬っていると、ポツポツ入ってくるのがオオダンダラチビタマ。
大き目のチビタマで、この類としては石垣には先日アップしたアサヒナヒラタチビタマと本種くらいしか
居なかったんじゃないかなあ。

TG-3のお陰でこんな微小虫の拡大写真が撮れるようになり、斑紋も良く確認出来るようになりました。
(深度合成機能も、こうした静止してくれる虫にしか使えませんが)
チビタマとは言え、意外と綺麗な種類ですね^^

ヤエヤマヒオドシハナカミキリ・・・また♂か!(2015.4.10)

雨のそぼ降る夕刻の石垣島ですが、雲の切れ間を捉えて昼頃フィールドへ行って来ました。

もう直ぐ雨になりそうな雰囲気の中では、それを察知してかハチ・ハエ類を除いて昆虫類の飛翔が
ほぼ見られません。
やっぱり来なきゃよかったかな・・・

でも1時間後、ヤエヤマヒオドシハナカミキリに滅法強い僕を天は何時も裏切りません^^
裏切らないが・・・

いっつも「♂」なんですよ!
もう良いっつうに。

この♂は特に落ち着きが無く、ネットの中で飛び回ってばかりなので拡大写真が撮れません。
ああ、ヤエヤマヒオドシハナの腹節前面ってこうなってるのね・・・
なんてどうでも良いか。

これまでの通算で、もうこれだけ♂を採っていれば確率的にはとっくに♀が混じってくるはずですが、
そうか、神様は僕に♀を採らせないつもりなんだな。

・・・
よく良く考えると、そうか、♀は採らないほうが良いのか。
うん、そうだ。 よし、♀は慌てて採らないことに決めよう!
(=採れない言い訳を考える必要も無くなるし^^)

♀は10連敗ならぬ、∞連敗を狙うべし^^
同時に、この時期に狙うべき若干の未採集の種類も、ことさらに狙うことはしない考えに
至った心境はメルマガにでも書くことにします。

今年も♀は採り(採れ)ません^^

アナバネヒゲナガカミキリ、森林で採れだす(2015.4.9)

4月に入り、森林性のアナバネヒゲナガカミキリがビーティングネットに落ちるようになりました。
珍しい種類では無いのですが、本種に限らず森林性のカミキリは数多く採れるものではありません。

なんとなく珍品顔をしているので採れるとちょっと嬉しくなるカミキリです。
落ちたときの感覚が地元の九州に居るツチイロフトヒゲカミキリにちょっと似ているかな?

これは♂です。体がほっそりしていて触角が長いのが分かります。
写真で分かるように、エリトラに和名の元となった「穴」がまばらに点在します。
穴と言っても深目の大きな点刻で、貫通しているわけではありません^^ 


こちらは♀ですね。

残念なのは、枯葉に潜むカミキリの中でも非常にスレ易く、リリースせざるを得ない個体の割合が
かなり高いということ。

発生初期なので、今のうちに勤めて採っておきたいと思います^^

八重山では貧弱なナガクチチムシ相(2015.4.8)

寒気の影響で全国的に真冬並みの低温に逆戻りしているようですが、ここ石垣島もその傾向が強まって
います。

さすがに真冬とまではいきませんが、昨晩はもう使うことは無いと思っていた毛布を引っ張り出したほど。
(安宿なので掛け布団としては毛布一枚しかない^^)
同時に昨日から終日の雨模様で、あと数日は自室待機となりそうな雰囲気です。

窓越しに雨を見ていると、微小な甲虫が留まっているのに気付きました。
近寄って見ると、アマミナガクチキです。

室内に与那国島から持ち帰った材を置いているので、それから羽脱したようです。
写真では分かり難いと思いますがとても小さく、わずか3~4ミリほどしかありません。

石垣島でも雑多なビーティングでたまに落ちるのですが、小さい上に素早いのでほぼ逃げられます。
決して珍しくはないのですが、気付くと標本が、無い^^
ちゃんと採り込んでキレイに展足しとくかあ。雨で他にすること無いし。

そう言えば、材箱の近くに居た別個体の写真も撮っていたので共に掲載します。
もうね、とにかくちっちゃいので材箱の隙間から這い出ちゃうんですよ。
夜だったのでちょっと映りが悪いですがお許しを。 これも次の瞬間には視界から消えちゃってたなあ。

ところで、ナガクチキって元々種類は少ないグループなのですが、基本的に南の虫という印象は
ありませんよね。
僕の地元の九州ですら種類・数ともに採れないのですから、八重山なんて推して知るべし、です。

僕はこれまでアマミナガクチキと、下の一種しか見たことがありません。
オモト岳のヒメナガクチキsp

西表島を中心に原生林に入り込み、特殊な採集法を試みれば新種発見の可能性もありそうですが、
居たとしても間違いなく微小種でしょう。
あまり食指が動かないなあ・・・

本州での採集は四半世紀の東京在住中に完了したつもりだけど、ナガクチキをはじめ幾つかの
グループについては多少未練が残りますね。

何時になるかは分かりませんが、南虫達にちょっと疲れてきたら、ピンポイントで北の虫をつまみ食いに
行くのも良いかなあなんて考えています^^

コゲチャフタモンヒゲナガカミキリの材を確保(2015.4.6)

4日に登頂したオモト岳。
昨日のブログ記事ではムネモンウスアオカミキリの採集状況ついて報告しましたが、本日はそれ以外の
幾つかのトピックについて記します。

山の上部が雲に覆われる中で登山を敢行したことは前述のとおりですが(4月に入ってずっとこの状態)、
中腹までは雲が途切れる時間帯もしばしばあったことから、その時は重点的にムネモンウスアオを
探していたわけです。

中腹以上は曇天の中で強風が吹き荒れていますから、スウィーピングやルッキングを行ったり、
カミキリの材を探すしか無くなります。
でもやはりこうしたコンディションでは引っ掛かってくる種類も数も極少数で、毒ビンの中身はほとんど
増えません。

暗い山道をゆっくり歩いていると、アカメガシワの2m位の高さに何か黒いものが付いているのが
目に入りました(写真の中央)。

近寄ると大きなサキシマヒラタクワガタの♂。

普通、特にこうした大型個体は昼間は洞等に隠れているものですが、薄暗い状況下なので昨晩から
身を隠すタイミングを逃していたのでしょう。

大型個体ですが70ミリ有るか無いか程度なのでリリース決定。
僕はこうしたオモチャタイプのクワガタは特大個体のみを厳選して集めています^^

風に飛ばされて目の前をかすめた黄色っぽい虫を掬うとイシガキリンゴカミキリ。

尾根筋より上は天気が良ければ年によってイシガキリンゴが多いのですが、こんな日はこうした
マグレの出会いしかありません・・・ 

山頂まで来ました。
パラボラアンテナ(そして僕)は当然、雲の中。
だからここまで来る必要は無いんだけどね^^

そして、ムネモンウスアオと並ぶ本日最大の収穫はこれ。
コゲチャフタモンヒゲナガカミキリ、通称アジアティクスの幼虫が食入した材です。

登山道から少し斜面に入ったところに倒れていた直径8cm程のイスノキです。
モノカムス属特有の荒い木屑が盛り上がり、その部分の樹皮の一部が剥がれています。
一発で本種の食痕と分かるパターンです。

木屑を注意深く取り除くと・・・
現れたのは幼虫が材部に侵入した食入口。木屑で塞がれているのが分かると思います。

幼虫は材部を少し食べ進みながら最後の成長を遂げ、蛹室を作り蛹になります。
そして梅雨の頃、羽脱した成虫は原生林の中でひっそりと活動します。
なかなか目に触れないんだよねえ。

この木は細いこともあり、可食部も少なく食痕は2頭分ほどしかありませんでした。
うーん、もうちょっと採っておきたいなあ・・・
そう思いながら探すと、直径20cm近いエゴノキ倒木に食痕発見^^

別の場所の樹皮をちょっと剥がしてみるとそこにも詰まった食痕が。
しめしめ^^

この時期には未だ幼虫が材部に穿孔していない場合も多いため、本来樹皮は極力剥がさない方が
良いです。

(参考)
イスノキ立ち枯れ樹皮下に居た幼虫

しかし、重かったこと@@
でもこれで今シーズン、成虫を探さなくても良くなったな。
二桁は出てくれれば良いんだけど^^

夕刻、下山する頃は重い雲が益々広がりを見せていました。

今度はいつ登れるかな。

強風・曇天続くオモト岳でムネモンウスアオカミキリ(2015.4.5)

昨日、今遠征で二度目となるオモト岳登頂を敢行しました。
(もう一カ月近くこっちに居るのに二度目って^^)

3月30日からいきなり高気温になるもずっと強風が吹き、そしてオモト岳上部は雲に覆われています。
こんな時は採れる虫の種類が制約を受けるので本当は登山を避けたいのですが、4月最上旬に
一度も登らないわけにはいかないと判断し行ったものです。
本日はその一部について報告しておきます。

下界はそこそこの天気なのですが、登山口まで来ると風で膨らんだ雲が空一面に広がっている
こともあり、採集欲を見事に削いでくれます(僕はここで引き返すことも多い^^)。
こんな日は原生林内の山道は暗く、視界が極めて悪いためサキシマコブヒゲカミキリをはじめ立枯れや
倒木で採集する虫は早々と諦めます。

こうした中でも狙えるのは、やや明るい谷間に張り出したヤンバルアワブキの葉に後食のため
集まって来るムネモンウスアオカミキリ。
山の中腹辺りまでは雲の切れ間があったりしますが、とにかく風が強いので比較的煽られていない
場所の木を探さなければなりません。
これがなかなか、無い・・・

そんな木の梢を丁寧に、丁寧に掬っていくと・・・
はい採れました^^
でも残念、エリトラにちょっとスレのある♂です。

ゆっくり上りながら、丁寧に掬う作業を繰り返すと、二頭目の♂です。
これはちょっとくすんでいますねえ。キズは無いので羽脱直後かなあ。

晴れ間の出た時、風当たりの弱い低い木に行き当たりました。
下からよーく覗き込むと、食痕のある葉の近くに・・・

おお、あれぞムネモンのシルエット!
(ちょこっとアンテナも見える^^)
本日最も重要な写真です。

丁寧に掬い採ると、大き目のほぼ無キズの♂です。
これは良い^^

とにかく、この虫は当てずっぽうに掬いまくるのではなく、よく目で見た上でネットを出した方が良いです。
オジャマムシたるイワサキキンスジカミキリもムネモンの何倍も居ますが、ルッキングで見つける限り
不思議なことにムネモンの確率が極めて高いのです。
(まあ、虫体が大きいので目に付き易い等の理由はあります^^)

そうこうしているうち、遂に♀が採れました。
完品ですが、ちょっとスレが。 でもいいや、大きいし^^
活発な♂と異なり動きが緩慢なので、TG-3深度合成のエジキだあ。カシャカシャカシャ・・・
触角までクッキリ^^

この後、下山の途中でもう1♂を追加しましたがドンチビの上に触角切れ、さらにスレが酷かったので
即リリース。
結局3♂1♀を持ち帰りました^^

気温が高いため虫の動きは活発のようで、晴天・微風なら倍の二桁にとどいたのにと残念。
今季のムネモンも最盛期を迎えているようです。
♂は別にイランけど、大きい♀はもうちょっと採っておこうかな^^

明日はこれ以外の成果について報告しますね。

イシガキケブトハナカミキリ、今季も順調に発生(2015.4.4)

新年度に入り、石垣特産種のイシガキケブトハナカミキリが野外で採れ始めました。
必ずしも多い種類ではありませんが、今年も発生状況は良好のようです^^

ビーティングによって採れた最初の個体。
本種はハナカミキリとしては稀な夜行性のため、昼間は動きが鈍く(元々プンプン飛ぶタイプの
ハナカミキリではありませんが)逃げられることは皆無です。^^

管理しているクサギ材からも幾つか羽脱しています。
「毛太」の感じがよく分かるでしょ^^


なお、先日紹介した前蛹が蛹化したので、参考までに写真を載せておきます。
南国では珍しい、ハナカミキリ特有の形状です(当たり前か^^)。


あと半月ほどは遊んでくれるでしょう^^

アサヒナヒラタチビタマムシの季節(2015.4.3)

年度末から新年度にかけてオモト岳で狙い易いのがアサヒナヒラタチビタマムシです。
沖縄本島と石垣島にしか居ないようで、石垣でもオモト岳頂上付近にしか見られません。

天気の良い日にキイチゴの葉上で見られるのですが、小さい小さい^^
目を凝らさないと発見出来ない方も居るでしょう。

どれほど小さいかと言うと・・・
ほら、米粒が馬鹿デカク見えるくらい@@

初めて本種を狙う人は、これくらい小さい種類だということを知った上で臨んで下さいね。
実際、天気良かったのに居なかったよ、という人に結構会っているので^^

TG-3で拡大写真を撮ってみました。
葉っぱの上の、ちっちゃなゴミツブですね^^


交尾しているところ。風が強くボケてしまいましたが。
♀の食痕や糞も分かりますね。

そろそろ本種のシーズンも終わりに近付いている頃です。

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