自由人 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

シロアラゲカミキリ最盛期(2014.5.3)

先月中旬より発生が始まったシロアラゲカミキリ。
現在はほぼ最盛期を迎えています。

これ、本土南西部にも分布するキイロアラゲカミキリの八重山における代置種と言ってよく、同様に
カラスザンショウをホストとするため、その葉をスウィーピングすることにより得ることが出来ます^^

キイロアラゲと異なるのは♂と♀の体色が異なること。
♂は前種と同様に黄色(と言うかオレンジ色)なんですが、♀は名前のとおりやや褐色を帯びた白色
をしています。
ですので、雌雄を一発で見分けることが可能です。

これらは♂ですね。

♀の体格は♂よりがっしりとしていて、体格においてキイロアラゲより雌雄差が大きいと感じます。
雌雄の対比です。 


石垣島にはカラスザンショウが多く、ポイントは絞り辛いものの意外とあちこちで採集する事が
出来ます。
決して珍しくはありませんから、GW中に八重山を訪れた方は是非探してみて下さい。

何度もその愛らしい姿に対面することが出来るでしょう^^

GW後半戦の天気、そして眩いオオミドリサルハムシ(2014.5.2)

GWもいよいよ後半戦となってきました。
春は好天が続き連日採集に出ていたため体を休める暇もありませんでしたが、ここのところ安定傾向が
崩れてきています。
昨日は一日中断続的に小雨が降ったため休息日に充てました。
未展足の虫が溜まりまくっているのでちょっと助かりましたね(焼け石に水という噂も^^)。

メルマガの読者の方から近々石垣を訪れるというメールを頂いたので週間予報を見てみました。

ありゃ、晴れマークが無い・・・
GW後半戦に八重山に遠征される方はちょっと苦戦されるかもしれませんね。
ただ今年は悪天予報が好転する傾向が強いこともあり、このとおりにはならない可能性もあります。
僕も疲れ気味とは言え3日も採集に出れないのはツライですし・・・

山中のリュウキュウテイカカズラの葉を食むオオミドリサルハムシ。
国産ハムシ中、最も煌びやかな種類の一つです。
以前はよく目に付いたのですが、最近は探さないとなかなかお目にかかれなくなってきた種類です。

石垣島ではハムシにも色々と出会っていますので、折に触れて紹介していきたいと思います。

では、雨にならないうちに採集に行ってきますね^^

シモフリナガヒゲカミキリの食痕と幼虫・蛹(2014.5.1)

今日はチョー普通種たるシモフリナガヒゲカミキリの食痕のお勉強です。

そんな駄物なんて取り上げないでよ、なんて言わないで下さい^^
以下に述べるように、これらの幼虫や蛹、食痕、食入材の種類等を知ることは、効率の良い採集を
行う上で重要なファクターの一つになってくるのですから。

先日も当ブログで述べましたが、石垣島をはじめとする南西諸島では本種やsybra・ropica属、
Ceresium属の数種等の普通種が極めて多く、一日に遭遇するカミキリ全体に占めるそれらの割合は
95%以上と言っても過言ではありません。
何かを叩く度にビーティングネットにパラパラと落ちるそれらをハタキ落とす作業を、無表情で続ける
毎日を想像頂ければと思います^^

当然、材採集の際にもこれらの幼虫や蛹とは頻繁に遭遇します。
単純に材に付いたカミキリ幼虫の食痕の9割以上はこれらということになりますからね。
「おっ、この食痕は珍品種かも^^」と思って後生大事に当該材を持ち帰っても、無情にも大抵はこれらの
オンパレードと相成ります。

採集現場で予めこれらを選別出来れば、無駄な労力を省くことが出来るし過度な期待を抱く必要も
無くなるって寸法です^^

それで、シモフリナガヒゲの食入材がこれ。
樹種はほぼ問わず、乾燥気味に枯れた樹皮下を食い、このように細かい繊維くずが目立ちます。
多数が一度に樹皮下を食いまくるので、最終的には樹皮は浮き上がってしまいます。
キマダラヒメヒゲナガも似た感じの食痕を残しますが、それよりも遥かに小さいので区別可能です。

表面の樹皮の残りや木屑を取り除いたところ。
このような食入口が多数現れます。何も詰めていないことからも本種と判別出来ます。

その部分を少し削ると、蛹室及び前蛹が現れました。
材に食入すると食い進まず、食入口の直下にこんな蛹室を作っています。

これは既に蛹化しているもの。
本種が入っている材は、大体においてキンタロウ飴状態^^

今後もたまにはこうした普通種情報も発信していきますので、有効に活用して下さいね^^

巨大なムネマダラトラカミキリ八重山亜種(2014.4.30)

カミキリムシの中でもトラカミキリ類は特に人気の高いグループです。
その中でも、ムネマダラトラカミキリは分布が広い割には局所的で個体数も少なく、また色彩も割りと
綺麗なことから人気種と言ってよいと思います。

八重山諸島には特産亜種が分布していますが、小型の本土産に比べると一回り以上大きく、かつ
紋様もより派手で美しいグループなので特に好まれているようです。

こちらでは春~初夏に現れますが単発で採れる事が多くなかなかまとめては得られません。
決して珍品ではありませんが、スウィーピングでネットに入ったり、偶然ビーティングネットに落ちたり
すると今だに興奮してしまう種類です(僕にとって^^)。

山間部でタマムシ狙いのスウィーピングを行っていた際に入った個体。
脚が赤っぽいのが目立ちますね^^

ヤブ漕ぎしていた際、目の前の枯れ木に留まっていた個体。
それは立派な体格の♀でありました(勿論採集も成功^^)。

繰り返しになりますが、特に素晴らしいのがそのデカさ。
トラカミキリ類は元々個体差の大きなグループなので勿論小型個体も居ますが、最大級の個体が
目の前に現れたりすると、心臓が止まりそうになります@@
特に去年採った♀の横幅はスゴかった^^

そろそろ個体数が揃ってきたので、オフには本土産とのブロック比較をしてみようかな。

白帯のアクセントがお洒落^^ イシガキフトカミキリ♀(2014.4.28)

とても美しいイシガキフトカミキリの♀が採れました。
本種の♀特有の白帯がとてもお洒落です^^

この白帯は近似種の与那国特産のノブオフトカミキリ♀にも現れますが、イシガキフトの方が
より鮮明です。
そして白帯がはっきり出るものから薄いタイプ、まったく出ないタイプまで出方は様々です。

次の個体は白帯がはっきり発現した最良の部類と言えます。

発生したばかりでキズ一つ無いのもまた嬉しいですね^^

続々と羽脱する円盤^^(2014.4.26)

現在、管理中の材からニッポンモモブトコバネカミキリが続々と羽脱しています。
実物を見ると名前の由来は一目瞭然、いわゆる後肢の「太もも(腿節)」の部分がブックリ膨れた、
そしてエリトラがコバネ状のいかにも愛らしいカミキリです。

このカミキリ、以前からのカミキリ屋さんの間では昔から通称「円盤」と呼ばれ親しまれています。
その由来は、この特徴のある後肢を少し跳ね上げてゆっくりと旋回しながら飛翔する風情が飛行物体に
見えるというところから来ています。
UFOではなく円盤と言うところに相当昔に付けられた愛称であることが窺えますね^^

青空をバックに本種が優雅に飛んでいるのを見ると、確かにそんな感じに見えるんですよ。
本種に関してはネットするというよりは飛んでいる姿を見て楽しみたい願望が強いですね。
昔の虫屋さんは物の例え方が上手いなあと関心すと同時に、心の余裕を持って採集していた優雅な
時代を羨ましく思う次第です。

カミキリの幼生期に強い研究者でも幼虫や蛹の形態だけで種名を言い当てることは難しいのですが、
本種の蛹に関してはカミキリ屋なら誰でも一発で正体が分かります。

その種明かしはこれ。
ホストのタブ(クスノキ科)枯れ木から出てきた蛹ですが、特徴のある「太もも」が印象的です。

これは切断面に現れた蛹室を覗いところ。他種の蛹とは異なり、目立つ太い腿節が本種であることを
物語っています。それを納めるため楕円形であるのが特徴です。
食痕の入り方にも注目です。幼虫であっても種名を特定出来ます。


現在野外でも発生がピークなのですが、管理材からも毎日数匹が羽脱するので楽しいですね。
こちらは全身が漆黒の♂です。

♀は前胸やエリトラ、脚の一部が赤く、綺麗です^^

飛翔する前に摘まれるのだから、円盤も形無しです^^

オキナワムツボシタマムシ八重山亜種が羽脱(2014.4.25)

材箱の壁に何か平たい小さな虫が付いています。
何が羽脱したのかな・・・

近付いて覗き込むと、オキナワムツボシタマムシ八重山亜種です。
「おっ、やったー」、と思わず口走ります。
なにせ本亜種は沖縄本島の基亜種が比較的普通であるのに対し、なかなか採れないからです。

沖縄産はシイの枯枝を採るとかなりの確立で入って来るのですが、八重山亜種はこれまでシイから
出たことがありません。嗜好性が異なる可能性もありますね。
もちろん僕もそうですが、野外で採ったという話しを聞いたこともありません。

今回はコノ木から出たけど、5年前はアノ木から何頭か出たよなあ。アノ木ならアノ山に立ち枯れが
結構あったな。
今年は是非野外で狙ってみよう。

たまにはカミキリの普通種たちも^^(2014.4.24)

石垣島に渡って来た先月20日頃はまだそうでもなかったのですが、このところカミキリの普通種達が
一気に数を増してきています。
今日は、普段はあまり取り上げることの無いこれらを紹介します。

実は南西諸島ではいわゆるこれら「普通種」と言われる種類の、1日に遭遇するカミキリ全体に
占める割合が極めて高く、感覚的には95%以上と思います。

南方ではビーティング等でカミキリがたくさん採れるとは言っても、殆どはこれらの種類なんですよ。
ここが本土とは異なるところで、1日採集していて見たものがエグリトラやタダゴマフばかりだったと
いうことにはなりませんよね。

それなりの種類のポイントや採り方を知っている場合は別として、数日しか採集時間の無い初めて
こちらへ遠征して来た方が、採れたのはほとんどこれらばかりだったというのはよくある話です。

まあ、僕なんかは連日イヤになるほど接している連中ということです^^
これは林縁にあった美味しそうな枯葉付きのソダを叩いたところ。
これほどバラバラと落ちるケースも決して珍しくありません。


特段コメントする事項も無いので淡々といきますね^^
まずはアヤモンチビカミキリ。

アトモンチビカミキリ。

やや少ないフタホシサビカミキリ。

ハヤシサビカミキリ。

シモフリナガヒゲカミキリ。

プテロの中で唯一嬉しくないワモンサビカミキリ。

一歩遅れて発生が始まったモモブトトゲバカミキリ。

リュウキュウヒメ(サキシマヒメ)。

ヒゲナガヒメ。

そしてこっちのタダゴマフこと、ヨナグニゴマフ。

あ、タイワンチビ撮るの忘れてた・・・

これらの普通種は特定の島、例えば石垣島産だけを標本箱に並べても特に意味は無いのですが、
周辺の島々、さらには沖縄群島、奄美群島、そして本土域のものまで網羅して集めるという思想で
行えば相当素晴らしいコレクションが出来ます。

まあ、そんなことを言っている僕も、珍種探しで後回しにはなっているわけですが^^

ハムシらしからぬキムネクロナガハムシ(2014.4.23)

もう虫屋の関心のピークを過ぎた(^^)と思しきキムネクロナガハムシ。
石垣島では随所に植栽されたヤシ類に広く拡散しており、大体島内の何処でもこの変わった形態の
ハムシに出会うことが出来ます^^

本種が日本で初めて確認されたのは1978年1 月。沖縄本島中部でココヤシから発見されたのが
その第一号でした。
文献を見ると、DNA解析からAsia型とPacific型の二系統があるようで、外部形態での識別は困難
とのこと。

現在、鹿児島南端から沖永良部島、与論島、沖縄本島、宮古諸島および八重山諸島、そして
小笠原諸島(父島,母島)にかけて定着が確認されているようです。
つまり、南西諸島に行けばほぼ何処でも採集出来る種類になっているということです。

その採集法は極めて簡単^^
ヤシ科植物の新梢を加害することから、手の届くヤシを見つけて新芽を確認するだけ。
大抵の場合、このように何頭かのコロニーを見つけることが出来ます^^


時期によってはこのように幼虫がぐしゃぐしゃ現れることも・・・

ただ背丈の低いヤシは意外と少ないので、それを見つけるのがちょっと難しいかもしれません。
面白いのは、ハムシのくせに「ペッタンコ」であり、ヤシの葉や引き剥がした指にペタッと張り付いて
なかなか離れようとしないところです。

形態、動作、雰囲気・・・ 何なんでしょ、この違和感。
いつも言いたくなるのですが、お前、本当はハムシじゃないだろ?

梢に止まる、ムネモンウスアオカミキリのペア(2014.4.21)

八重山の春を代表するカミキリたる、ムネモンウスアオカミキリ。
その発生期は意外と長く、今期は冬の寒気の影響でやや発生が遅れる傾向もあったのですが
そろそろ終盤を迎えています。

ある日のムネモン採集の一コマです。
ホストであるヤンバルアワブキを見上げると、梢の葉裏に何かが止まっているのが見えます。
おっ、居た居た。これは結構大きな♀だぞ^^

注意深く真下まで近付くと、その葉の上に突き出たアンテナが見えるではありませんか。
これはラッキーです。まず♀が葉裏に止まっていた所に、飛来して来た♂が吸い寄せられたようです。
条件の良い日に何回通っても、こんな場面は滅多に見ることが出来ません。

注意深くカメラを取り出し、ゆっくりと上方に向けます。
こうした葉に止まるサペルディーニの仲間はとても敏感で、ちょっとした周りの不自然な動きを察知して
直ぐに落っこちてしまうからです。

でも、こんなスクープ場面を逃すことは絶対に出来ません。
全神経を集中して何回もシャッターを押します。
逆光だし風に梢が揺れるので非情にやり難い・・・

撮影が終わり、ゆっくりネットを差し出して2頭とも無事に御用に出来ました^^
ヤンバルアワブキは上方に向かって葉が伸びるタイプの木なので、葉にムネモンが止まっているのが
分かっていても比較的採集に失敗することが多いのですが、今回は横に張り出した梢だったのが
幸いしました。

ネットの中で暴れまわるのでシャープな写真が撮れませんでしたが、ボケていても♀はとても横幅のある
巨大個体であるのが分かると思います^^

実寸を晒して誇張するのはあまり好きではないのですが、ゆうに16ミリを越える今期最大の個体でした^^

次の機会に今回採った極め付けの色彩バラエティの♀(しかも巨大^^)を紹介しますね^^

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