一般的に原生林の中での採集は特段のポイントが無いため難しく、意外と思われるかもしれませんが
得られる種類数も決して多くはありません。
1日中、ポンポンとあちこちを叩き回って得られるカミキリはほんの数種。
今日の主題コブバネサビカミキリはその一つです。
特にシイの枯葉付き枯枝を好みますが、やはり滅多にそんな美味しい枝が転がっているわけでは
ありません。
決して多くはないし、原生林内で落ちる虫としては大きく手答えがあるので採れると嬉しいものです。
今年はそのコブバネサビの蛹を多数得ることが出来ました^^

前蛹および蛹の大小の比較です。サビカミキリ類(プテロ)は結構個体差が大きいです。

蛹における大凡品ワモンサビとの見分け方は簡単。
コブバネサビは写真のように触覚が翅芽に沿って下方に配置されていますが、ワモンサビは
くるっと上方に折り返されることで区別出来ます。
ケース内で羽化した♂。
今は梅雨期なので採集にもなかなか出られませんが、部屋に居て次々と「親が得られる」のですから
たまりません^^

体も硬くなり十分に発色した♀。

本種はフォルムも良く白帯が綺麗で単純に好きなプテロの一つです。
同地域内でも変異があるし、全国的には3亜種に別れているのでコレクション欲も沸きますね^^
タグ : コブバネサビカミキリ
カテゴリ : カミキリ
成虫と共に材でも確保していた与那国産オキナワサビカミキリ。
2カ月前の採集時は幼虫でしたが、この度無事に羽化脱出しています^^

一般的にはまだまだ珍品の座から揺るがない本種。
成虫、材ともに手中に収められたのも昨年からの地道な探索によるものでした。
いやー、感無量ですねえ。

ここは一つ、祝・オキナワサビ羽脱キャンペーンを張りましょうか^^
今は日々の採集等で多忙なので、具体的にはもうちょっと後にはなりますが。

日本一のディボマ・コレクターを目指します!
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カテゴリ : カミキリ
海岸線の林縁の開けた小道や田園地帯の畑脇等を歩くと、鮮やかなオレンジ色の小型タテハが
小気味良く舞いながら占有行動を取っています。
元々は外来種で、近年はほぼ石垣島に定着しているキミスジです。

実は昨年の個体数は極めて少なく、そろそろ石垣から姿を消すのではないかと心配されたのですが、
今年は勢力を盛り返しておりかなりの個体数を見ることが出来ます^^
飛んでいる時は早くてなかなかネットが追いつきませんが、占有行動、すなわち同じ梢等やその直ぐ
近くに留まるため落ち着いて動きを見ていれば採集は容易です。
またゼフィルスやクロヒカゲモドキのように二頭で卍型飛翔を行うので、タイミングを合わせれば
一度にネットインも可能です。

さて、現在はそのキミスジの幼虫をホストのカラムシ葉裏で見ることが出来ます。
そろそろ世代が重なってきているようで、新鮮な成虫も居るし、弱齢~終齢幼虫も見られるといった
具合です。
やや薄暗い小道の脇に生えたカラムシ葉裏に群生する弱齢幼虫群。


同様に幼虫が群生するヤエヤマムラサキ(食草はオオイワガネ)よりコロニー当たりの幼虫数は少なく、
大体10頭以内の場合が多いですね。
これは25頭以上の一大幼虫群。こんな大規模のコロニーは極めて珍しいです。

終齢になると分散し(あるいは捕食されたり病気等で)、集団内の数が減ってきます。
多くて5~6頭の場合がほとんどですね。


僕ら甲虫屋(特にカミキリ屋)はこの時期多くのキミスジの幼虫を見ることになります。
理由は昨日アップしたカタモンビロウドカミキリ採集の目的で、カラムシ群落の前で腰を落として
その中をじっくりと見渡すためです^^
よって、僕などは純粋な蝶屋さんよりよほど多くのキミスジ幼虫に接しているでしょうね。
(まあ僕は蝶屋でもあるのでややこしい表現ですが^^)
本種がこれほど多い年はもう無いかもしれないなあ。
「長期遠征中は蝶飼育に手を出さない禁」を破って、ちょっと飼育してみようかしら。
この手のヤツはほとんど手間も掛からないしね^^
タグ : キミスジ
カテゴリ : 蝶
何日も降り続いた雨がとりあえず止んだ貴重な梅雨の中休み、カタモンビロウドカミキリを採りに
行って来ました。
本種は毎年GWの前後の比較的短い期間、特定の地域のカラムシの茎を後食しているところを
見ることが出来ます。
例年だと4月下旬には発生が始まるのですが、今年はまだ冬場の寒気の影響が残っているのか、
その頃にざっと見た感じでは全く齧った痕は見られませんでした。
さすがにもう十分出てるよな、と呟きながらカラムシの群落を見回すと、見慣れた食痕が点々と目に
入ってきます。
しかし肝心の「本人」がなかなか見当たりません。
今年も少ないんだなあと思いながら作業を続けると、目が慣れてきてようやく最初の個体が見つかり
ました。
細いカラムシの茎にドカッと乗っかった巨体、何より極めて長い触角はとても目立ちます^^

実はこれ、探すのがとても楽しいんですよねえ。
探し易いし、虫は大きくてキレイ、そして決してダモノでもありません(特に現在に於いては)。
それに重量級のカミキリなので「採った感」を満喫できるんですよ^^
ただ残念なのは、以前に比べて近年はとても少なくなっていること。
畑脇の整備等でカラムシの大群落がなくなりましたし、この植物がまとまって生えている場所も
少なくなりました。

このように食痕を伴わず、葉の茂みに隠れている場合はなかなか目に付きません。

個体数の比較的多いポイントを知っていれば別ですが、以前の感覚での片手間採集では見ることすら
叶わない事態も十分にあり得ます。
現に昨日聞いた方の話では半日探してようやく1頭を採集出来たとのことでした。
いずれにしても、本種に関して一度に多くを得ることは既に難しくなっています。
一心不乱に食事中の大型♂

おまけ。カラムシの茎に同化しているつもりのアノール^^

去年は他のビロウドカミキリ類等の探索を優先していたので本種は発生を確認した程度でした。
シビア感が強まってきたので、今回はちょっと力を入れるつもりです。
でも今日以降、また長雨だ・・・
タグ : カタモンビロウドカミキリ
カテゴリ : カミキリ
与那国島の材を収納している箱を覗いてみると・・・
羽脱していたのは特産のウスイロフトカミキリ。

へへへ、4つ出てる^^
タグ : ウスイロフトカミキリ
カテゴリ : カミキリ
タマムシは人気の高い甲虫群ですが、我が国においては超小型種の割合が大きいため比較的
目に付き難いグループと言えるでしょう。
これは八重山においても同様で、数種の大型種を除き積極的に探さないとなかなかネットには
入りません。
春からちょこちょことこれらの動静を見ているので、今日は少しタマムシの話をしてみます。
石垣の春で著名なタマムシと言えば、海岸線のリュウキュウエノキに付くセキナガタマおよびデグチ
ナガタマです。基本的に数が多いタマムシ類ですが、悪天続きの春はほとんど得られません。
今年は晴れの日が多かったので両種とも調子が良かったのですが、この時期の昼間は山間部で
採集しているので近年はあまり掬わなくなりました。
写真は本土のオオウグイスナガタマをスマートにした感じのセキナガタマ。

山間部のシイにはタイワンクリタマが居るのですが、数が少なく滅多に採れません。
今年は未採集です。
山間部で採り易いのがハマセンダンに付くツマキナガタマ。
1本の木に多くが付いているものではありませんが、多い一画を見つけると結構ネットに入ります^^

オキナワナガタマはクロヨナに居ますが、これは少ないですね。
美しいナガタマです。

先日は羽脱したオキナワムツボシタマを紹介しましたが、野外では極珍でやはり採れません。
ミカンに付くババナガタマもなかなか採れませんね。
数日前に今季初めてのヤエヤマムナビロタマがネットに入りました(撮影中に逃げた)。
本種はタイワンウオクサギに付き、これから多くなってきます。
人気のコラエブス属の八重山代表、ミドリナカボソタマ。
普通種扱いですが今やそうとも言えず、ちゃんと探さなければあまり見ることが出来ません。
生きている時は本属中最も美しい種類かもしれないですね。
ホストのアカメガシワからは同時にムネアカチビナカボソタマも得られます。

同属では他にタイワンナガタマが居ますがこれは現在ほぼ得られません。
かつて一画に植栽されたホストのシャリンバイが一度期に伐採された際に相当数が得られましたが、
現在出回っている標本の殆どはその時のものと思われます。
なお、タマムシの小型種はすばしっこく直ぐ飛ぶのでなかなか写真に撮れません。
あ、撮る以前に採らなきゃ、か。
夏のタマムシについては、またいずれ^^
タグ : ツマキナガタマムシ
カテゴリ : タマムシ
虫はほとんどそう言えるのですが、気を付けていないと何時出てきて何時居なくなったのか分からない、
さらに言えば存在そのものを忘れていたという種類が結構あるものです。
今日紹介するスジシロカミキリはその典型で、出現期間も短いため普通種の部類なるものの意外と
目にする機会が少ない種類ではないでしょうか。
その原因は本種の生息環境にあります。
本種は開けた場所や明るい林道等は好まず、クローズドな環境、すなわち樹木が覆い被さった薄暗い
林床に息付いています。
そうした場所で積極的に探さないとなかなか遭遇する機会がありません。
一般的には、かつてはオモト岳の登山口周辺に多かったのですが、最近はあまり目に付かなくなった
印象が強いです。
(なお5月のオモト岳はアサヒナキマダラセセリ保護の観点から自主規制が求められ、実質的にネットを
持って登れない状態になっている)
数日前、林縁から林の中に入り易い場所を探し軽くヤブ漕ぎしてみました。
そして注意深く周りを見回すと、スジシロカミキリが何頭か止まったボチョウジが現れました^^
最盛期のタイミングのようで、齧られたばかりの綺麗な線状の食痕がたくさん見られます。

サペルディーニの仲間は基本的に特定の種類の植物に集まり後食します。
本種は林床のボチョウジを最も好み、他に数種の植物にも多少食痕が見られました。

そして同じボチョウジでも好む株があるようで、居る木と居ない木にはっきりと分かれます。
よって、このような集まる木を見つければ一度に複数を手にすることが出来ます^^

ただかなり敏感で、ちょっと異変を感じるとたちどころに飛び立ち四散してしまうのでご注意を^^
タグ : スジシロカミキリ
カテゴリ : カミキリ
先日石垣島でもやっと本種を見つけることが出来ました。
移入種ながら美しく放っておけないクビナガハムシの1種(Lema trivittata)です。
昨年与那国での採集話はこちら
石垣でも既に見つかっていたのですが、自身でも採集したいと思っていたんですよねえ。
ホストプラントがちょっと探し難いことから、正直未だポピュラーな種とは言えないハムシだと思います。
石垣でのホストは荒地を好むセンナリホウズキ(ナス科)ですが、実はこれがなかなか無いのです。
こちらに来てもう何カ所も探しましたが、これが数株生えた一角を知るのみです。
葉上で交尾するペア。
この時期未だ成虫は少なく、他にもう1ペアが居たのみでした。

葉裏でスクスクと成長中の幼虫。
このように自分の糞を被るタイプなんですね。

株の先端部に仲良く並んだ幼虫のコロニー。
全体の幼虫数はそれほど多くはありませんが、あと1カ月もすれば十分に成虫採集を楽しめそうで
今から楽しみです^^

実は、先日行った波照間島でも1頭採集しているんですよねえ(たぶん未記録)。
僕は与那国、石垣、波照間の3カ所で採集しているので最多産地ホルダーになるのかな?
タグ : Lema trivittata
カテゴリ : 甲虫(その他)
未明から今朝にかけての石垣島の豪雨は凄まじいものでした。
報道によると午前6時半頃までの1時間の雨は93.5ミリだったとか@@
3月下旬までの与那国も含め、今回の八重山でこれほどの雨量を体験したのは初めてです。
勿論採集には出られないのでゆっくりと体を休め、溜まった虫達の整理をしているところです。
さて、今日はここのところ目に付く小型ハンミョウ類について紹介します。
まずは暗い林内を生息域とするシロスジメダカハンミョウ。
一画に数頭~十数頭が集団で居ることが多く、1頭見つけるとポンポンと複数を得ることが出来ます^^
昨年は何故か殆ど見ませんでしたが、今回は比較的個体数は多いようでした。
既にピークは過ぎもう殆ど見られなくなっています。

同じく暗い環境に生息する ヒメヤツボシハンミョウ。
石垣ではあまり多いとは感じませんが、西表島の山中にはこれから無数の個体が発生します。

そして今月に入って発生が始まったヤエヤマクビナガハンミョウ。
木漏れ日の射す林道や暗目の林縁に現れ、上記二種よりはちょっと明るい環境を棲家とします。
樹上性の本種は葉の大きいクワズイモ等の葉上に居ることが多く、餌となる微小昆虫を求めて素早く
歩き回っています。

他に八重山のハンミョウと言えば、中型種として岩礁地帯に現れるシロヘリハンミョウが
います。これから発生が始まるので時間があれば狙ってみます。6月与那国でも採れるな^^
夏のハンミョウと言えばタテスジハンミョウですが、昨年は不覚にも時期を逸してしまったので
今回は少し真面目に採集したいと思っている種類です。
また移入種として石垣島のある川の中州に居るオキナワハンミョウ、西表のヤツボシハンミョウが
ありますがこれらはまあどうでもいいかな。
(以下追記)
沖縄気象台は本日午前11時、沖縄地方が梅雨入りしたとみられると発表しました。
沖縄地方の梅雨入りは平年より4日、去年よりも5日早いとのこと。
予報図ばかりアップして申し訳ないのですが今後一週間の天気はこのとおり。
まあ、見事です。

遂に来たかあ。
昨年は春が長雨で梅雨入り宣言と同時に晴れ出した、いわゆる逆転現象が起こったのですが、
今年は通常のようなのでこれからは雨に祟られるんでしょうねえ。
これで溜まった虫の整理が一気に片付くなあ。
(そして虫が採れなかった口実ができ・・・ゴニョゴニョ)
タグ : シロスジメダカハンミョウ, ヒメヤツボシハンミョウ, ヤエヤマクビナガハンミョウ
カテゴリ : 甲虫(その他)
石垣では先月下旬からヤエヤマウラナミジャノメのシーズンを迎えています。
本種は同様に八重山特産のマサキウラナミジャノメより一回り大きいシブいウラナミジャノメの一種です。
僕が初めて石垣を訪れた30年近く前は、生態や生息場所が未だ一般的ではなくそれほど普通の
イメージはありませんでした。
蝶屋の常宿として有名だった○ぎさ荘でその時知り合ったアホの三ちゃん(当時の蝶研フィールドの
読者の方には懐かしい?)と競い合って採集していたものです^^

飛んでいる時は黒っぽく見え、薄い色合いのマサキウラナミとはほぼ見分けることが出来ます。
また、翅の色調に合わせてより暗い環境を好むように感じます。

ジャノメチョウ類の採集の依頼を受けていることもあり、昨日の午前中はこれらを採集する時間に
充てたのですが、ちょっと驚きのアゲハチョウの一種が採れました。
ジャノメ類を掬いながらやや暗目の林道を歩いていた時です。
クロアゲハの♀とそれにまとわり付く♂らしい黒いアゲハが前方をゆっくり舞っているのが見えました。
本種の♀は翅の色調が薄いことから種名を直ぐに確定出来ます。問題は後翅の赤い二重紋の程度。
距離および軌道を計り、狙いを定めて一気にネットを振り抜くと上手い具合に二頭共キャッチ出来ました^^
そして取り込み。アゲハ類のような超大型で尾状突起があるような種は、ネットの中で暴れ回る際に
破損しないよう注意深くかつ素早く処理を行う必要があります。
まずはネット越しに♀を押さえながら翅の破損度合いを確認します。
幸い完品のようなので一応キープ。取り出すと残念ながら二重紋の発達度合いは低レベル・・・

そして問題はこれにまとわりついていた♂の方。
♀を取り込んでいる時にちらっと♂に視点が合ったのですが、尾突がありません。
ああボロか・・・
ネットを裏返して逃がそうとしたその時、一瞬、前翅裏の付け根に大きな赤い紋が見えたのです!
おい、こりゃマズイぞ・・・
慌てて裏返しかけたネットを元に戻し、丁寧に取り込みます。
それがコレ。
なんと、ナガサキアゲハの♂です@@


僕が若い頃、西表島に居るナガサキアゲハの♀は限りなく白く、滅多に見ることすら叶わない幻的な
存在とされていました。
そして時が経つにつれ、八重山地域からオリジナルのナガサキは姿を消したと認識されるように
なっていました。
それがコレか?
どうやらそうではないようですね。
後翅表面の青条および裏面の青紋が鮮明過ぎておよそ国産とは思えません。
もし以前、八重山にオリジナルなナガサキが居たとしても、奄美産や沖縄産に繋がるもので
あったはず。
とてもこんな東南アジアチックなものではなかったでしょう。
ということで、コレは迷蝶でしょうね。
出来れば♀のタイプを確認してみたいものですが、僕は蝶好きではあるものの基本的に「迷蝶命」では
ないのでちょっと億劫です・・・
誰か代わりに採ってちょーだい^^
タグ : ヤエヤマウラナミジャノメ
カテゴリ : 蝶