飼育室から | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

オオムラサキ終齢幼虫が粉まみれに・・・(2012.5.17)

庭のエノキに熊本産オオムラサキの越冬幼虫を袋掛けして放ったらかしにしていたのですが、
袋の一つを覗いてみてびっくり@@
なんとエノキワタアブラムシが袋の中一杯に発生していたのです。

慌てて袋をエノキから外して確認すると、中の幼虫はすべて終齢幼虫になっていましたが
粉のようなアブラムシにまみれてこのとおりに(汗)。

これではとても快適な住環境とは言えません。
そのせいか幼虫の大きさにも少しバラつきがあるようです。
それにしても片方は全く問題無いのに、どうして一方だけにアブラムシが発生したのだろう・・・

急いで袋を掛け直しましたが、成虫の大きさに少し影響が出ちゃうかな。

次々と蛹化するゼフィルス、続々と材から出るカミキリ(2012.5.15)

九州地方ではうっとうしい雨が二日続いています。
気温も低目で暫くは半袖や短パンで過ごしていましたが、さすがに耐えられず、仕舞い込んだ
長袖を引っ張り出しました。

さて、採集にも行けないので溜まった採集品の整理や飼育材料の世話をしていますが、
今日は現在の「飼育室」の様子をご覧にいれます。

まずは、ようやく幼虫がすべて蛹化して手間が掛からなくなったゼフィルス達。
写真は約1週間前の様子で終齢幼虫が少し残っていたのですが、今はすべてが蛹です。

その時点での蛹達です。

今年は熊本と鹿児島のキリシマミドリシジミを重点的にやりました。♀のAB型狙いです。
次に多いのがほぼ南限の裏面の赤味が強いミドリシジミ、そして九州では少ないオオミドリです。
あとはウラジロミドリ、アイノミドリ、ウラミスジがほんの数頭ずつ。

アイノ、ウラミスジといった九州では採るのが難しいゼフの殆どは友人に奪取されました(泣)。
相当時間と手間を掛けて採卵したのに・・・

実は一番に蛹化したオオミドリが今日にも羽化しようとしていて、これからは毎日、
羽化成虫の取り込みと展翅(これがキツイ!)に明け暮れる日々が暫く続きます。
想像するだけでブルーだ・・・
1泊での採集行も暫くの間は無理だなあ。

そして材から羽脱しているカミキリ達の一部です。
殆どは普通種ですが、それらには実際ほとんど手が回っていません@@

現在はベニハンノキカミキリの羽脱が終了し、白イタヤの羽脱が続いているところです。
あと数日でクワからムネホシシロが出始め、今月下旬にはイチョウヒゲビロウドが出てきます。
今年はセーブして材を採りましたが、珍品も何かしら出るでしょう。

6月あたりから本格的な採集シーズンになるので、蝶とカミキリのいずれの飼育もそれまでには
完了させるという予定でやっているところです。

ミドリシジミの餌採りに阿蘇へ(2012.5.5)

今日は現在飼育中の熊本産ミドリシジミの餌であるケヤマハンノキ枝を採るためだけに
阿蘇へ行ってきました。

自宅から阿蘇山中腹のケヤマハンノキがある場所まで1時間半弱。
パッパッと枝を採り、サッと帰るとトータルで3時間半くらいでしょうか。

東京に住んでいた頃も、ゼフ飼育の餌採りに埼玉の所沢や秋が瀬公園まで行くのに
片道1時間は掛かっていたので、時間に関してはまあ同じような感覚ですね。
ケヤマハンノキはそろそろ羽脱し始めている通称「ベニハンノキ」カミキリの後食用にも使う予定です。

一般的にハンノキ類は水揚げが悪く、ミドリシジミを他のゼフのようにシャーレで飼って大きい成虫を
得るのは結構難しいのですが、様々な昆虫を手広くやっている私は時間を節約するため、
本種でも「手抜き」飼育法を開発しました^^

そのノウハウはまた後日に暴露するのでお楽しみに^^

とりあえず今日は私がどのように野外で採った餌を運搬しているかをご覧にいれます。
下の写真の通りです。

餌を採りに行く際は、水を満たしたペットボトルを5~6本入れたバケツをいつも助手席に乗せています。
ハンノキ類のような水揚げの悪い枝は本当は「水切り」した方が良いのですが、野外では難しいので
野外で一枝を切り取ったら間髪をいれずにこのペットボトルに突っ込みます。

木から車までの距離が長くてちょっと時間を要する場合はペットボトルに入れる前に数センチ
切り直してやります。

枝を出来るだけ長持ちさせたい場合はこれくらいの手間を掛けた方が良いです。
せっかく時間とガソリン代を掛けて採ってくるわけですからね。

アラカシで飼育しているゼフはかなり蛹になり、ようやく峠を越えてきました^^

今年もやってしまったフチグロトゲエダシャク飼育(他種の飼育に応用できるヒントも満載^^)(2012.5.4)

フチグロトゲエダシャクの飼育がポピュラーとなって久しくなります。
美麗蛾フリークの私としては特に昨年、3ケタ以上を飼育して「もうフチグロはやらないぞ」と心に誓った
のですが、その誓いは意外と軽かったようでなんとなく今年も累代を続けています^^

今年3月に羽化した♂の一部です。思ったほどには出てくれませんでした。

日々の採集および採集品の整理に加え、3ケタを超えるゼフ飼育やカミキリの材管理など
まったく時間がない中でどうしてまたやっちゃったんだか・・・

フチグロは蛹になっても最初の春にはその3分の1から半数ほどしか羽化しません。
残りは二年目に羽化してくるのです。
今春は♂♀合わせて40頭程度しか羽化しなかったので、まだ相当数の蛹が眠っているわけです。

それなのにまた本種の累代に手を染めてしまったのは「手抜き」飼育が出来るからに他なりません。
今日は、言わば惰性で続けてしまった本種の飼育法をご紹介したいと思います。
他の蝶や蛾をはじめ、いろいろな昆虫の飼育に使えるヒントが満載です^^

まずはフチグロの初齢幼虫が手許にあることを前提に話を進めていきます。
(羽化成虫の交配、強制採卵は極めて簡単なため省略^^)

本種に限りませんが、病気を防止するため幼虫を密閉容器で飼うのは出来るだけ避けるべきです。
(本種のように「密飼い」する場合は特に)
そして、食草が多岐に渡る場合はその中でも最も「水揚げ」の良いものを選びます。

本種の場合はズバリ「ヨモギ」です。他の食草もいろいろ試してみましたが、入手のし易さ、
ハンドリング、そして何と言ってもその水揚げの良さは手間を省く上からも非凡なものがあります。

まず、河原などから小さなヨモギを根を付けたまま採ってきて(土は無くてもよい)、
根部をティッシュで包んで水を十分含ませ、アルミ箔で覆います。
そしてそれを100円ショップの虫かごにセットします。
そして初齢幼虫をそれにブチ播けたら、ティッシュを1枚はさんで蓋をします。

あとはヨモギが枯れるか、食いつくされたら新たな「ヨモギバクダン」を投下するだけ。
僕の経験から言うと、この容器で飼っている期間に掃除をするのは1回(多くても2回)で済みます。

なお、今年は結構いい加減に飼育しているので写真のように初齢時から大きなヨモギを与えていますが、
丁寧に飼うなら幼虫の大きさに合わせて本来はもっと小さなヨモギを使うべきです。

そして本種の場合は餌をふんだんに与えて通気を良くしておけば幾ら密飼いをしても構いません。
まあ、暫くの間は幼虫が数百匹いても虫カゴ1個で事足ります^^

幼虫が大きくなってきたら虫カゴを増やすか、他の通気性の良い容器に分けて飼ってください。
タッパー等の密閉容器を使うなら、蓋をカッターでくり抜いてガーゼ等を挟んで飼うと良いです。
何度も言いますが、「通気性・命」です^^

そして幼虫が2~3センチになってきたらいよいよ飼育のクライマックスです。
と言っても相変わらずの手抜きですが^^

またまた100均に行って、洗濯モノ入れを買ってきます。下の写真のようなものですね。
ふにゃふにゃしていておよそ本来の役割は果たしませんが、虫屋にはこの上ないツールなんですよ。
これの素晴らしいのが軽くて大きく、通気性が良く、さらに安いということです。
使わない時はかつてのスプリングネット枠のようにひねって小さく折りたたむことも出来ます^^

強いて不具合を挙げるなら、2ミリ強の穴が無数に空いているので野外に置くと寄生蜂や蟻が
入ってしまう恐れがあること、そして口の部分が閉じるように出来ていないことでしょうか。
でも前者は室内で飼うことで避けられますし、後者は後で述べる方法でクリア出来ます^^

それでは、これの使い方を説明していきます。
まず、洗濯モノ入れの底の大きさに合わせて厚紙みを切り、それにペットボトルの底の部分を
カットしたものをガムテープで貼り付けます。

そしてヨモギを十数本(もっと多くても可)引き抜いてきて根に付いた土を落とし、このペットボトルの中に
ぎっしりと突っ込みます。

水をある程度満たしたら幼虫が中に入らないようにティッシュで上部を塞ぎます。
そしてこれを洗濯モノ入れにスッポリと収納します。

そして大きくなった幼虫を下の写真のようにこの中に放すわけです。
1セットで50~60頭は楽に飼うことができますよ^^

そしてここが一つのノウハウなのですが、カゴの口の部分に適当な大きさのガーゼ等を当て、
書類を束ねる際に使うクリップで数か所を留めて完了。
この口の塞ぎ方は色々と試行錯誤しましたが、今のところこの方法がベターです。
業務用クリップなんて会社に幾つも転がっていますよね^^

新鮮な餌さえたっぷりと入れておけば各々の隠れ家にもなりますし、ヨモギの茎は丁度良い足場になります。
密飼いしても干渉し合うことはまずありません。

後はこのヨモギの束が無くなるまで放置です^^
ヨモギは驚くほど水揚げが良いので途中で水が無くなったらつぎ足すようにします。
フチグロトゲエダシャクの終齢幼虫は最終的には5センチを超え恐ろしく大食漢ですが、
この方法だと茎と根だけになったヨモギを新しいものと取り換えるのも容易です。

容器飼いだとこの辺りで病気が出たり、ストレスによる噛み合い、小さいままでの諦め蛹化、
なにより飼育疲れ(^^)で数が大幅に減ったりしますが、以上の方法だとほぼすべての幼虫を
上手く育て上げる事が出来ます。

最後に蛹化のさせ方に触れておきたいと思います。
今年は未だ終齢幼虫が生育中ですから、ここからの写真は去年のものになります。

5センチ強まで生育した老熟幼虫は、蛹化が近付くと急激に体長を縮ませて体色も淡い色に変わります。
そしてヨモギから離れて蛹化場所を求めてやたらと歩き回ります。

こうした幼虫を見つけたら片っ端から取り出して、柔らかい土を張った容器に放り込んでいきます。
数日のうちに幼虫は自らその中へ潜って蛹になるので、すべての幼虫が潜り終えて半月ほど経ったら
ひっくり返して蛹を回収します(そのまま保管しても良い)。

また、幼虫は蛹化直前には歩けなくなり、くるくると体をよじるようになりますが
こうなるともう自力では土に潜れません。

下の写真の様に、そういう状態になった前蛹を柔らかい土や木屑などの上に置いておいても
問題なく蛹化します。飼育数が少ない場合はこれでも良いでしょう。

ここまでで話が相当長くなってしまったので、蛹の管理法については現在の幼虫が蛹化する頃に
また追加補足したいと思います。


今日ご紹介した方法は、幼虫の健康を保ちながら多頭飼育が可能、かつ手抜きもできるという
3拍子揃った飼育法です。

前段にも述べた通り、他の虫にもいろいろと応用出来ますから是非参考にして下さいね^^

では、ハッピーなフチグロライフを!

ゼフ飼育現場の今・・・(2012.4.18)

ゼフィルス卵の孵化がピークを過ぎ、怒涛の飼育地獄に突入しています(汗)。

抱えているのは熊本産(以下同じ)アイノミドリ、ウラミスジ、オオミドリ、ウラジロミドリ、タダミドリ、
キリシマミドリ(鹿児島産含む)の6種ですが、ちょっと数が多いので最後はどうなるか予想がつきません。
今でも餌換えに毎日1~2時間を要していますので。

今年はタダミドリを除けば代用食として最も使い勝手が良いアラカシで飼育できる種類を選んで
採卵しました。
タダミドリの食樹(ケヤマハンノキ)のハンノキ科は水揚げが悪いため、生息地から幼木を
数本引き抜いてきて大型の鉢に植えています。今は5ミリほどの弱齢幼虫が小さな巣を作り始めています。

2~3日に一度、餌のアラカシを近くの丘陵地から調達していますが、10日ほど前は芽吹いたばかりの
ものを少量で良かったのが・・・

今ではこんな感じに^^
今後は調達量・頻度がもっと増えていきます。

プラシャーレは100個ほど持っており、基本は1シャーレに1頭と孵化直後から少数精鋭で飼うべき
なのですが、容器が足りないので中齢までは1シャーレ2頭体制で行きたいと思います。
写真は数日前の様子ですが、その後もまだまだシャーレ数は増えているところです。

種毎の生育の様子はおいおい報告していきますね。

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