ホストであるアカメガシワの葉上で活動しているミドリナカボソタマムシを採ってきました。
居るところには居るが、意外とあまり見かけない決して普遍的ではない美麗な中型タマムシです。
アカメガシワは各地でやたらと目に付きますが、ちょっと探す位ではなかなか見つかりません。
僕は毎年発生するポイントを持っているのでまず外すことはありません^^
今年は未だ発生していないかなと思ったのですが、例年程度の数は居ました。
ただ葉の食痕はいつもより未だ少ないようです。
この一帯のアカメガシワは背が低いので、そっと近付いて手を伸ばし手のひらに落としていきます。
この感覚は地元の阿蘇山で採るミヤマナカボソタマムシの採集に似ていますね。
慣れるとポロポロと手掴みで採れるので実に楽しいのです^^
もう少し数を増やしておこうかな^^
カテゴリ : タマムシ
長雨の合間を縫って、比較的近場のポイントへ二種のナカボソタマムシ(coraebus属)を探しに
行って来ました。
行先は阿蘇方面。
これらは森林部というよりは草原が山肌を覆う疎林地帯に息付くタマムシ達です。
所々にヤマボウシの木があり、ちょうど今は一見すると花と見紛う総苞片が目立つ時期です。
正直サビナカボソタマムシの時期にはやや遅いのですが、枝先を丁寧に救うと「コロン」とネットの中に
落ちる姿が見えました^^
齧り跡が付いた総苞片に摑まっている格好です。
やっと♀が幾つか採れただけだったので、やはり発生末期なんでしょうね。
一方背の低いサワフタギの葉を丁寧に探していくと、青く光って美しいミヤマナカボソタマムシを
見つけることが出来ます。
タマムシは敏感なので近付くと直ぐ動き出すため拡大写真を撮るのが難しいんですよねえ。
カメラを近付けると飛んで逃げる個体も多いです。
それに風も強いので葉が揺れてなかなかピンが合いません(泣)。
このポイントのサワフタギは背が低いので、手掴みで採ることが出来てとても楽しいんですよ^^
時期的には最盛期のはずですが今年は少ないかな。
二種とも3年振りに会えたのでテンションが上がった日でした^^
タグ : サビナカボソタマムシ, ミヤマナカボソタマムシ
カテゴリ : タマムシ
6月の旬の虫は、ということで見に行ってきたのはキボシフナガタタマムシ。
波打ち際の砂浜に這うように生えるハマゴウに現れる変わったタマムシです。
そろそろ最盛期を迎える頃合いで、多い一画ではハマゴウの枝先を見ていくと次々に見つかります^^
早速居ました。
近付くと直ぐに動き出すので深度合成写真がなかなか撮れない虫です。
それに直射日光の照り返しの強い砂浜なので、デジカメ操作をしているだけで汗ダラダラ・・・
柔らかい花弁が好まれるため、花の部分に何頭も留まっている場面もよく見られます。
これは3頭が仲良く並んでいるところ。
周りの葉はかなり齧られており、糞も見えますね。
本種で面白いのは枝先で比較的長い間ホバリングすることで、何かアブを見ているようです。
形態といい、生息環境といい、生態といい、どうも日本のタマムシ離れしているんだよなあ。
(参考)
昨年見つけたキボシフナガタタマムシの産卵シーン
6月に八重山でゆっくり採集する機会は無くなると思うので、ちょっと多めに摘んでおきました^^
タグ : キボシフナガタタマムシ
カテゴリ : タマムシ
最新の知見を網羅し、大きく鮮明な標本写真を多用した図鑑が先般発行され、人気の昆虫たる
タマムシに目を向け直す虫屋さんも多いと思います。
もちろんタマムシも大好きな僕は、遠征前に八重山方面のタマムシをリストアップし直してみたのですが
まあ、種類の少ないこと(しかも個人的にあまり食指の動かない微小系が多い)。
そして採れる種類は簡単に採れるが珍しい種類は滅多に見る事が出来ない、といった点はこっちでも
同じですね。
石垣もここへ来てタマムシ類が目に付くようになってきました。
もちろん簡単に見つけることの出来る種類ばかりですが^^
良い一画を見つけると、アカメガシワの葉を後食しているとても美しいミドリナカボソタマムシを
見る事が出来ます。
サビナカボソタマやミヤマナカボソタマ等の同属の他種と同様に、居る木には数頭が集まっている
ことが多いですね。
本種はアカメガシワでしか見たことが無かったのですが、昔から図鑑には他の後食植物として
同じトウダイグサ科のオオバギが挙げられていたのが気になっていました。
オオバギと言えば正直見掛け倒しで、大袈裟な花には何も集まらないし枯れた枝にもカミキリ等
食材性の虫が殆ど集まらない、虫屋としては面白くない木です。
葉っぱを見てもミドリナカボソタマはおろか、他の食葉性の虫もまず見たためしがありませんでした。
ところが今般、かなりミドリナカボソタマが居る一角で、ようやく本種がオオバギの葉を後食している
場面に出くわしました。
ミドリナカボソの大部分はアカメガシワに集まっていたのですが、その隣にあったオオバギに2頭だけ
見出すことが出来ました。
ただどう見てもあぶれた奴が仕方なくこっちを齧っているように見え、好んで食するホストとは言えない
感じでした(ただしこの木のみ食痕の量は多かった)。
図鑑にホストとして同列に記述されていても、本例のように嗜好の差が確実に存在する場合も多いので、
こうした観点で虫の生態を観察してみるのも面白いでしょうね^^
次はハマセンダン(ミカン科)で採れるツマキナガタマムシです。
局所的である上に個体数はあまり多くなく、ハマセンダンはかなりあっても居る木と居ない木が極端です。
かつてより意識して採る人が増えてきましたが、決して一般的とは言えないようです。
小型ですが綺麗なタマムシですね。
栽培ミカンを食べるミカンナガタマ類とはちょっと趣きを異にしています。
ヤエヤマクリタマを狙ってシイを掬っていると、ポツポツ入ってくるのがオオダンダラチビタマ。
大き目のチビタマで、この類としては石垣には先日アップしたアサヒナヒラタチビタマと本種くらいしか
居なかったんじゃないかなあ。
TG-3のお陰でこんな微小虫の拡大写真が撮れるようになり、斑紋も良く確認出来るようになりました。
(深度合成機能も、こうした静止してくれる虫にしか使えませんが)
チビタマとは言え、意外と綺麗な種類ですね^^
タグ : ミドリナカボソタマムシ
カテゴリ : タマムシ
年度末から新年度にかけてオモト岳で狙い易いのがアサヒナヒラタチビタマムシです。
沖縄本島と石垣島にしか居ないようで、石垣でもオモト岳頂上付近にしか見られません。
天気の良い日にキイチゴの葉上で見られるのですが、小さい小さい^^
目を凝らさないと発見出来ない方も居るでしょう。
どれほど小さいかと言うと・・・
ほら、米粒が馬鹿デカク見えるくらい@@
初めて本種を狙う人は、これくらい小さい種類だということを知った上で臨んで下さいね。
実際、天気良かったのに居なかったよ、という人に結構会っているので^^
TG-3で拡大写真を撮ってみました。
葉っぱの上の、ちっちゃなゴミツブですね^^
交尾しているところ。風が強くボケてしまいましたが。
♀の食痕や糞も分かりますね。
そろそろ本種のシーズンも終わりに近付いている頃です。
タグ : アサヒナヒラタチビタマムシ
カテゴリ : タマムシ
オモト岳のような山地帯には相変わらず分厚い雲が掛かっているので、帳面を消しておこうと海岸線を
流してみることにしました。
平野部では雲も薄くなり、切れ間から夏の太陽光が容赦なく降り注いできます。
こんな全く日陰の無い広い海辺を歩こうものなら、ムッとするような熱射に襲われ止ることの無い
汗が噴出します(汗 ←それこそ^^)。
南の島の雰囲気もあって眺めは良いものの、一般にこうした海岸に虫は少ないんですね。
直ぐにマイポイントへ移動します^^
猫の額程度のとても小規模の入り江で、ハマゴウがびっしりと生えています。
今年もたくさん食痕があるな^^
しゃがんで若葉を丁寧に見ると・・・
居た居た^^ ハマゴウハムシです。
じっくり探すと次々に見つかり楽しいです^^
葉と葉の狭い狭間に潜り込んだものも結構いますが、目立つので探し易いですね。
ただ食痕の数の割には個体数は少なく、やや端境期に近いかもしれませんね。
我が国では他に似たものが無く、斑紋も奇抜で美しい独特なハムシです^^
そしてハマゴウの先端部に留まる面白い形の虫に目が止まりました。
夏の海辺のタマムシ、キボシフナガタタマムシです。
波打ち際のタマムシとしてこれも異端児的な存在ですね^^
何故か石垣島では少なく、黒島や波照間といった周辺の島々の方が個体数が多いようです。
ポイントが狭いこともあり、今回はほんの数匹しか見つかりませんでした。
しかし夏の海辺で長靴履いての採集はツライなあ。
これらは海パン、ゾーリでの採集にピッタリの虫達ですね^^
タグ : キボシフナガタタマムシ, ハマゴウハムシ
カテゴリ : タマムシ, 甲虫(その他)
タマムシは人気の高い甲虫群ですが、我が国においては超小型種の割合が大きいため比較的
目に付き難いグループと言えるでしょう。
これは八重山においても同様で、数種の大型種を除き積極的に探さないとなかなかネットには
入りません。
春からちょこちょことこれらの動静を見ているので、今日は少しタマムシの話をしてみます。
石垣の春で著名なタマムシと言えば、海岸線のリュウキュウエノキに付くセキナガタマおよびデグチ
ナガタマです。基本的に数が多いタマムシ類ですが、悪天続きの春はほとんど得られません。
今年は晴れの日が多かったので両種とも調子が良かったのですが、この時期の昼間は山間部で
採集しているので近年はあまり掬わなくなりました。
写真は本土のオオウグイスナガタマをスマートにした感じのセキナガタマ。
山間部のシイにはタイワンクリタマが居るのですが、数が少なく滅多に採れません。
今年は未採集です。
山間部で採り易いのがハマセンダンに付くツマキナガタマ。
1本の木に多くが付いているものではありませんが、多い一画を見つけると結構ネットに入ります^^
オキナワナガタマはクロヨナに居ますが、これは少ないですね。
美しいナガタマです。
先日は羽脱したオキナワムツボシタマを紹介しましたが、野外では極珍でやはり採れません。
ミカンに付くババナガタマもなかなか採れませんね。
数日前に今季初めてのヤエヤマムナビロタマがネットに入りました(撮影中に逃げた)。
本種はタイワンウオクサギに付き、これから多くなってきます。
人気のコラエブス属の八重山代表、ミドリナカボソタマ。
普通種扱いですが今やそうとも言えず、ちゃんと探さなければあまり見ることが出来ません。
生きている時は本属中最も美しい種類かもしれないですね。
ホストのアカメガシワからは同時にムネアカチビナカボソタマも得られます。
同属では他にタイワンナガタマが居ますがこれは現在ほぼ得られません。
かつて一画に植栽されたホストのシャリンバイが一度期に伐採された際に相当数が得られましたが、
現在出回っている標本の殆どはその時のものと思われます。
なお、タマムシの小型種はすばしっこく直ぐ飛ぶのでなかなか写真に撮れません。
あ、撮る以前に採らなきゃ、か。
夏のタマムシについては、またいずれ^^
タグ : ツマキナガタマムシ
カテゴリ : タマムシ
材箱の壁に何か平たい小さな虫が付いています。
何が羽脱したのかな・・・
近付いて覗き込むと、オキナワムツボシタマムシ八重山亜種です。
「おっ、やったー」、と思わず口走ります。
なにせ本亜種は沖縄本島の基亜種が比較的普通であるのに対し、なかなか採れないからです。
沖縄産はシイの枯枝を採るとかなりの確立で入って来るのですが、八重山亜種はこれまでシイから
出たことがありません。嗜好性が異なる可能性もありますね。
もちろん僕もそうですが、野外で採ったという話しを聞いたこともありません。
今回はコノ木から出たけど、5年前はアノ木から何頭か出たよなあ。アノ木ならアノ山に立ち枯れが
結構あったな。
今年は是非野外で狙ってみよう。
タグ : オキナワムツボシタマムシ
カテゴリ : タマムシ
アオムネスジタマムシは数少ない南方系大型タマムシの一種で、八重山、特に与那国島では
かなりポピュラーな種類です(日本では大型タマムシ自体の種類が少ないですが)。
成虫はモモタマナやキールカンコノキ等に見られ、早い個体は3月には姿を現します。
昨年は初めて6月下旬という虫のシーズンも末期に与那国を訪れたのですが、その頃でもかなりの
数が見られました。盛夏に向けて数を増すパターンのタマムシなのでしょう。
寄生植物も多岐に渡り、材を崩しているとその幼虫も結構目にします。
シイの枯れ枝を折ったら現れた終齢と思われる幼虫。
基本的にタマムシの幼虫は活性が低く、幼虫の坑道壁をある程度壊してしまうともう自ら再穿孔が
出来なくなってしまいます。
ここがカミキリやある種のハナムグリ等他の材穿孔性甲虫と異なる点で、採集者(兼飼育者^^)
としては非常に厄介な所です。
巨大な胸部をブクーッ、ブクーッと膨らませるばかりで、長大過ぎるしっぽ(腹部^^)はダラ~ン・・・
どっちが背面でどっちが腹面かも分かり難いし、一体どうせいと。
(坑道を壊した僕が悪いんですけどね^^)
幼虫もそうですが、もっと困るのが材採集時に蛹が出てきた時です。
タマムシの蛹は衝撃に極めて弱く、大事に扱ってもどこかが傷付いてほぼ死亡に至ります(泣)。
だから、「あータマムシの蛹出てきちゃったよ!」って感じになっちゃいます。
成虫はウエルカムですが、幼生期は極めてヤッカイな一群です。
タマムシ・・・
(書いているうち最後は何故かタマムシ全体への勝手な恨み節となりました。)
タグ : アオムネスジタマムシ
カテゴリ : タマムシ
昨日のメルマガに書いたような季節の進み具合の石垣島。
もうミドリナカボソタマムシが出ていました@@
普通種ながら、このキラびやかさ、堪りませんねえ^^
一方、コレが天気の現実・・・
虫屋がさらに増えるシーズン、これから1週間の予報はこんな感じ。
オオヒゲブトハナムグリはあんなことになっているし、天気もこうだし。
これから石垣に来られる虫屋さんは辛いでしょうねえ。
人の事を心配している場合じゃない、か・・・
こっちは必ずしも予報通りになるとは限らないものの、好転するのを祈るのみ・・・
タグ : ミドリナカボソタマムシ
カテゴリ : タマムシ