蝶 | 蝶・カミキリ・昆虫を楽しむ!(九州・沖縄を中心に)

石垣北部のサビアヤカミキリやら、シロオビヒカゲやら・・・(2013.5.5)

今日はこどもの日。世間では連休もそろそろ終わりなんですね。
そんな今日は裏石垣を流しながら北部まで行ってみました^^

やはりカタモンビロウドカミキリは少なくなったんだなあ、などと確認しながら辺りをいろいろと
探してみます。
すると初見のヤノヤハズカミキリをはじめ、キマダラヒメヒゲナガやチュウジョウトラ等の初夏物の
カミキリがポツポツと姿を見せます。

北部に着くと、いつもとは違うポイントを開拓しようとあちこち車を走らせます。
すると、石垣の低地では珍しいリュウキュウチクの群落に行き当たりました。
これなら石垣では諦めていた例のヤツが居るかもしれないと枯れ枝をほじっていると、サビアヤ
カミキリの蛹が出てきました^^

リュウキュウチクはせいぜい7~8ミリの太さしかないので、これをホストとするサビアヤは大変小さな
個体群ですね。
以前、オモト岳山頂のリュウキュウチク群落でも採ったことがありましたが、同個体群がこんな所にも
居るとは意外でした。

例のヤツも居るかもな・・・
探す楽しみが一つ増えました^^

もう一つ意外だったのはシロオビヒカゲを目撃したことで、本種がこんな北部で確認されたのは
殆ど初めてではないでしょうか。
ネットを持っていなかったのがとても残念。

そのほか、今日はヤエヤマクビナガハンミョウも初見日となりましたし、ヤエヤマフトカミキリ北部亜種も
数日前に採集しているので、悪天・低温傾向とは裏腹に着実に季節は進んでいるようです。

石垣島、この時期に目に付く蝶達(2013.4.13)

当ブログのタイトル冒頭に掲げている蝶^^

普段ほとんど蝶の話題が出てこないので、どうしてタイトルのしょっぱなが蝶なんだろうと不思議に
思う方も多いでしょうね。

こう言うと信じてもらえないのですが、実は僕はれっきとした蝶屋なんですよ^^
正確に言えば、蝶屋兼甲虫屋という珍しいタイプの虫屋です。

何故、このところ(特にブログ立ち上げ以降)蝶に時間を割いていないかには理由があるのですが、
特に今回の長期遠征では採集を散漫にしないためにも涙を飲んでターゲットから外しています。

採らないまでも勿論目で追いかけていますので、蝶好きで当ブログを見て頂いている方のためにも
たまには石垣島の蝶の写真もアップしておきます。

ただ、今年(今春)の蝶の出は例年に比べて悪く、注意していないと良い種類は殆ど目に付きません。
この辺りの話については次回のメルマガでも触れます。

シロオビヒカゲ。
元々石垣には多くなく基本的に狙っても採れないことも多いのですが、ポイントでは毎日のように
目に出来ています。

ウスイロコノマチョウ。
秋には数が増すのですが、やはりこの時期以降は単発でしか見られない蝶ですね。
本土のクロコノマのように不意に足元から飛び立つのでビックリします。

リュウキュウヒメジャノメ。
3月中~下旬には特に多く、羽裏の白線もかなり濃い最後の低温期型となっています。
今月に入るとスレて数も減ってきました。

マサキウラナミジャノメ。  
先月下旬頃からようやく目に付き出しました。GW頃より裏面の白化が良く綺麗です(この個体はダメ)。
そろそろヤエヤマウラナミジャノメも姿を見せ始めたようです。

 
天気がずっと悪いため上記のジャノメチョウの仲間は結構目にしますが、逆に陽光を好む大部分の
蝶にとっては活動し難い春のようです。

ベニモンアゲハ。
4月からようやく本種が目に付くようになりましたが、同じオオバウマノスズクサを食べるジャコウアゲハと
違い、北部に行かないと殆ど見られません。数はまあまあ出ています。

ツマベニチョウ。
石垣では多くありませんが、蝶が少ない今期でも見る頻度は例年と変わらないような気がします。
やはり亜熱帯の蝶らしく、小雨の中を林縁を舐めるように飛び、雨宿りし易い位置に留まったのが
印象的でした。羽裏の茶色の筋により、薄汚れた葉っぱのようにも見える保護色になっています。

 
ヤエヤマイチモンジ。
採集を始めた3月10日前後には♂♀共に多少の数を見ましたが、それ以降パタッと見なくなりました。
数自体はあまり多くは発生していないようです。カッコイイので僕は特に好きな蝶です^^
タテハ類はこの他、ルリタテハ及びイシガケチョウ(特に多い)が目に付きます。

キミスジ。
かなり少ないですね。ある意味ヤバイです・・・

タイワンクロボシシジミ。
この蝶だけは例年のようにたくさん居ます。来た頃の個体は白紋が目立つ低温期型と言えるもの
でした。野外品はすぐスレて標本にならないので、いずれ大量に飼育する予定です^^
シジミはこの他、天気が良いとヒメウラナミシジミが目立ちます。

番外「西表島産」リュウキュウウラボシシジミ。
GWなら西表の林道を詰めると結構目にするのですが、その頃の個体はかなり小さいです。
ところが、今月上旬に採った個体はその1.5倍の大きさはあってびっくりしました。
八重山の蝶も将来的にまだまだ楽しめそうです^^

そして特筆すべきが石垣島のマダラチョウとセセリチョウのド不作。
今年は他の仲間にも個体数の少ない種類が結構居ますので、それらと併せ今後の展開を注視すべき
概念だと思います。

(参考)
3月中旬の蝶達

 

 

石垣島の今の蝶たち(2013.3.14)

昨日は最高気温28℃となり、真夏かと思わせた石垣ですが、夜の台風のような冷たい暴風雨で
今日は一転して肌寒い一日となりそうです(気温差8℃とのこと@@)。

雨は一応止んでいるものの、またいつ降り出すか分からないような曇天。
今日はオモト岳に再登頂しようと思っていたのに・・・
ホント、こっちは予報なんてアテになりませんよ。

今日は展足等の整理休暇かな^^

さて、今回滞在の主要な捕獲ターゲットではないと言っても、好きな分野である蝶の調査はやはり
欠かすことはできません^^

未だ3月中旬なので様々な種類が出揃っているわけではないし、新たな迷蝶も来ていない段階ですが、
一部の蝶には大変面白い時期でもあります。

なお、蝶については、南虫クラブに蝶専門のメンバーが居られないことから、知り得た知見は全て
当ブログやメルマガでお伝えするつもりです^^
ただ、迷蝶情報についてはメルマガの方にしか書きませんのでご了承下さいね。

今はまだミカドアゲハの新鮮な個体が居ます。今年はちょっと少ないかも。
なぜか郷里の熊本辺りでは殆ど見られなくなったので、敏速に飛翔しているのを見ると嬉しいですね。
八重山亜種は大変青味が強いので人気もあり、オモトの山麓ではこれを狙った本土からの蝶屋さんと
お会いしました^^

そして今かなり多いのがヤエヤマカラスアゲハです。
4月下旬以降に採れる大味な夏型より一回り小さく、美しい。そして後翅のオレンジ紋が比較的
発達しています。今なら新鮮個体がたくさん採れますよ^^

ナミエシロチョウも現在とても新鮮で、最後の低温期型なので普通種ながらとても良いです^^
♂は翅の外縁のみ黒い以外は純白で、とにかくカッコイイ。
数も結構多いです^^

立木に絡み付くツル性植物の花で吸蜜するナミエシロ。
さすがAppias属、こうした場面は東南アジアでの採集を思い出すなあ。

センダングサが咲き誇る小道。
晴れると既に暑くて大変ですが、往来するだけでこれらはホイホイ得られます^^
他にも蝶はいろいろ居るのですが、まあおいおいと・・・

そこから見たオモト岳とそれに連なる山並。
ここから見る風景は、特に南国情緒に溢れています^^


そうだ、蝶は今秋のメルマガ読者さんへの無料プレゼントにしよう。
僕はこんな馬鹿な企画もやっています^^

熊本産スギタニルリシジミ九州亜種の白い翅裏面(2013.2.24)

九州産のスギタニルリシジミは亜種として本州産等とは区別されます。
今日は九州中部(熊本)産を、一般的な本州の個体と比べてみます。

(参考)
熊本産スギタニルリの採集記はこちらから

多産地のある九州北部産や鹿児島等の南部産の標本を見る機会はしばしばがありますが、九州中部の
熊本産が図示されることはまずありません。
まあ、九州亜種としては全く変わらないのですが^^

まず、翅表色を多産地として有名な山梨県泉水谷産(上段)および栃木県低地産(下段右)と比較して
みます。
熊本県産は下段左の個体ですが、ご覧のとおり翅表の暗い色調は本州産とほとんど変わりません。

九州産はやや青味が強いと言われますが、肉眼で見て若干青いかな、という程度でしょうか。
実際に野外で採集している時も本州産との色彩の違いはあまり感じませんでした。

(参考)
ルリシジミと翅表を比較した写真はこちらから

ちなみに九州産は本州産と比較するとかなり大きいという印象が強いですよね。
泉水谷の個体と比べるとその特徴がはっきりと表れています。

でも、この写真のとおり関東の一部の低山帯には本州産のアベレージを大きく凌駕する個体群が
居るんですね。 
僕も東京を離れる直前にこのことを知ったのであま多くは採集はできませんでしたが、同所的に採れる
個体のほとんどが右下の個体のようにデカイのです。
それまで高地産の小型個体ばかりを見慣れていたので相当な違和感を持ったものでした。

ただ、大きさはあまり変わらなくても、九州亜種と本州亜種の翅形がやや異なることは見て取れると
思います。

そしてやはり特筆すべきは九州亜種の裏面の白さです。
本州産が黒っぽい色調であるのに対し、左下の熊本産のみ白さが際立っています。

ちょっと光度が強いためやや分かり難いのですが、この純白さはルリシジミの裏面と全く変わりません。
(前段の採集記の後半に、ルリシジミの裏面と比較した写真を掲載しているのでご参考に)

ここ数年は春~初夏の採集地を変えるため、スギタニルリに時間を割くことが出来ませんが、
いずれは飼育で♀も含めビカビカの多くの標本を作りたいですね^^

シルビアシジミ飼育断念・・・(2013.2.10)

昨年の10月下旬に母蝶を採集して累代飼育を始めた熊本産シルビアシジミ。
悪い予感が当り、やはり飼育を断念せざるを得ない状況になったようです(泣)。
(来月はじめには採集地へ旅立つため)

産卵から3か月以上が経ったというのに、最大の幼虫でさえ未だ5ミリの大きさに達していません@@
理由は単純に我が家の中が寒過ぎるからでしょう(泣)。
諦めの境地から、このところ餌換えも滞っています・・・

勿論最低限の暖房は入れていますが、部屋全体を温めるという無駄なことはしていないので、
シルビア幼虫にとっては屋外のプランター植え食草にたからせておくのと殆ど同義だったのでしょうね。
(屋外よりはちょっとだけマシ、位かな^^)

冬に屋内で飼っていたウラナミシジミが羽化したとか、真冬でもルリウラナミシジミが飼育できるとか
それが当たり前という風潮がありますが、それは余程ヌクヌクとした環境下での話、ということは
あまり認識されていないと思います^^

本県のシルビアは貴重だし、飼育された記録も無いと思うので勿体無いのですが、
一種の不可抗力(?)なので仕方ありません。
さて、何処に里子に出そうやら・・・

また今年の秋、今度はスタートをもっと早めて累代飼育に再チャレンジします。
ノウハウをしっかり会得できたことで、今回の残念な結果も決して無駄にはなりません。
ますます珍種化する前にたくさん標本を作っとかなきゃ^^

参考まで、昨年10月中旬に当地(阿蘇東部)で得た最終世代の標本写真を貼っておきます。
結局、標本に出来たのはこれだけか・・・

綺麗な低温期型です^^

九州まで北上してきた青い宝石(2013.1.4)

年末から表題に「宝石」の文字が続きますが、今日も宝石箱のコレクションの一つをご覧に入れます^^
ゼフィルス類以外では唯一の金属光沢を持つ貴重な種類、ルリウラナミシジミです。

九州で晩秋から初冬にかけて飼育、羽化させたものなので、♂♀ともにほとんどの個体が翅の大部分に
斑紋(青鱗)が広がった見事な低温期型となりました^^
斑紋が翅の基部にチョコッとしか現れない高温期型に比べるとまるで別種のようです@@

日本の蝶で翅が金属光沢を持つ種類にはいわゆるゼフィルスのグループがありますが、
その基調色はもっぱら「緑」系統です。

一方、ルリウラナミシジミの翅色は「青」で、まるでゼフの緑を青に置き換えたような趣があります。
すなわち、本種は青の金属光沢を持つ唯一の蝶なのです。

なお、ゼフと同様に金属光沢の翅を持つのは♂のみで、♀の翅にはしっとりとした薄い青鱗が
散布されます。
幼虫はタイワンクズ等のマメ科の花穂を食べる「花食い」タイプです。 

本来日本では八重山辺りを主な生息域とする本種が九州で一時的に発生したのが3年前の秋。
この機に美しい低温期型を箱一杯作ろうと、唯一大発生地となった宮崎県南部の日南海岸まで
飼育材料を採りに走りました^^

ルリウラナミが大乱舞していたのは大規模なクズ(マメ科)のマント帯がある1カ所のみでしたが、
本場八重山でも見た事が無い大量の紙吹雪が舞っているかのような風情には圧倒されたものです@@

どうせほっといても冬の到来で死滅してしまう運命にあることから、卵と幼虫をつい採り過ぎてしまい、
その後がしっちゃかめっちゃかになったのは、この標本数からご想像の通りです^^

展翅しただけでも500頭以上(この標本箱にあるのは450位)、総数で700頭以上は飼育したのでは
ないでしょうか@@
この数を改めて見ると、「底なし」を自称する我ながら感無量です。

でもホントに苦労したなあ。
2009年の10月から12月中旬はこれに掛かりっきりだったもんなあ。

日照時間が長くなると美しい低温期型にならないため、給餌時間を除いては常に暗い段ボール
の中で飼育しました。

最も苦労したのが温度管理です。
秋口はまだ良いのですが、11月になりだんだん低温になってくると体調不良を起こすものが
出てきます。

すなわち、もともと本種には体の生理機能を抑制して「越冬」するというメカニズムが無いため、
10℃程度にまで温度が下がると昏睡状態に陥り、そのまま衰弱して死亡に至るのです。

さりとてガンガン暖房が利いた部屋に置くわけにもいきません。
美しい低温期型と通常型との分かれ目は、「常時13℃近辺での飼育」とされているからです。
(特別に我々飼育仲間の間で培った極秘ノウハウを暴露します^^)

そのノウハウで育てた見事に青鱗が広がった♀達です。

終齢幼虫期から蛹にかけての11月中・下旬~12月上旬にこの条件をキープし続けるのが辛かった
ですねえ。

自分の就寝後の真夜中には室温が必ず10℃以下に下がるため、夜中の3時頃に一旦起きて
またヒーターのスイッチを入れる作業を連日繰り返しました。
(エアコンの無い極貧の我が家には、3時間毎にスイッチが切れるオンボロヒーターしかないため)

   
もちろん、餌換えだって大変です。
想像が付くでしょうが、700を超える幼虫を抱えているので連日数時間の作業が欠かせません。
代用食のインゲンマメも大人買い^^
餌代もこたえましたね。冬場の豆類って結構高いんですよ(苦笑)。

そして展翅・・・
やはりこれには一番泣きが入りました。
なにしろ生展翅しなければ大量飼育したって全く意味がありませんから。

長期にわたる飼育疲れの体にムチ打って、毎日毎日、羽化したこの小型シジミをせっせと展翅。
いくら生展とはいっても、2~30頭の小型シジミが連日のノルマ。
甲虫しかやらない人にこの辛さが分かるかなあ…

どれだけせっせと世話をして蛹にしても、休む間もなくその後から成虫は次々に羽化してくる・・・
いくらやっても終わらない泥沼状態。
とんでもないものに足を突っ込んだなあ、と泣きたくなったのも事実です。

とは言え、辛い日々にもいつかは終わりが来るもの。
用意した2号展翅版50本は最終的にフル稼働となりました@@

一連のジゴクから解放されたのはようやく年の瀬に近付いた頃だったかなあ。
好きなことだからこそ乗り越えられましたが、あれこそ本当の修行でしたねえ。

だから、この箱にはもの凄く思い入れがあるんですよ^^
ある年の、数か月間の自分の生きた証というか(また大げさな・・・)。

もうルリウラの標本は一生作らなくて良いぞー^^
やはりコレクションを作るなら、その時の思い思いをしっかり刻んでいきたいものですね^^

今日は蝶の宝石達の整理を^^(2012.12.29)

そろそろ、今年展翅した蝶の標本整理も始めています。
ここ数日で数十本の展翅板に乗っていた蝶達を全て外しました。

写真はその中でも、蝶の宝石と言われるゼフィルス達です^^
(一部ゼフ以外の蝶も入っています)

一旦小箱に羽化日または採集日毎に分けて整理した状態です。
この後ラベルを付けて、標本箱に科、種類毎に細かく配置していきます(この瞬間がタマラナイ^^)

九州のゼフを見て、ヨダレを垂らしている蝶屋さんも多いのでは?

今年は地元のキリシマミドリシジミを中心に飼育しました(採卵も楽だし^^)。
九州では、蝶屋が近くに多く住んでいる北部産や、本場で産地が多い鹿児島産の標本を見る機会は
結構多いのですが、中部たる熊本の山々のキリシマは意外と出回りません。

場所柄か、数を飼育すると♀で対馬産や屋久島産に似た個体が出て興味深いです。
中でも、屋久島産のように青紋(B斑)が半月型に大きくドカッと出て、かつA斑も少し現れた個体が
羽化した時はニンマリしましたねえ^^

そしてタダミドリ(ミドリシジミ)も結構混じっているのが分かると思います。
関東各地等では平地性の超駄ゼフとして誰も見向きもしませんが、熊本産はほぼ日本の南限、
かつ局地的な珍品として貴重なものです(大分九重の多産地は除く)。

♀の基本はB型ですが、関東等のように薄くボヤッとした感じではなく、濃い青紋がバッチリ発現します。
それにAB型の比率が比較的高いのも魅力でしょうか^^

また、本種は南に行くほど裏面が赤化することで知られます。
ということは、ここにあるヤツは日本で最も赤いということになりますね(さりげなくなんか凄い^^)。
ちゃんと幾つか裏展翅もしておきました^^

タダミドリ♀と紛らわしいのですが、実はこの中にアイノミドリ♀も幾つか混じっているんですよ^^
完全無欠のB型を期待したのですが、今回は惜しい所で弱いAB型になってしまいました。
九州のアイノはかなりの珍品だし、まあ次の課題ですね。

左上の箱にA紋が小さいメスアカ♀みたいな奴が1頭いますが、実はコレ、熊本産アイノミドリです。
以前関東や東北のA型は嫌というほど羽化させましたが、九州産のA型は初めてです@@
やっぱりこちらでも純粋なA型が出るんだなあ・・・

そう言えば、九州ではかつてに比べてメスアカが極端に少なくなりましたね・・・

九州ではオオミドリシジミも山地性の局地的な珍品となり、採卵も困難を極めます。
関東各地のように低山帯にベタに居て、赤子の手を捻るように見つかる地域とは雲泥の差があります。

今年は地元と宮崎との県境で、ややまとめて採卵出来る一画を発見出来てラッキーでした^^
ただ九重方面では、ここ数年少ないながら比較的安定して採れている所もあるという情報もあります。

なお、本州各地では急速に珍品化が進んでいるキマダラモドキも地元にはまだまだ居ます。
特に素晴らしいのはその大きさですね^^
ちなみに、ここに写っているのは全て野外品です。

信州地方で蝶の飼育材料を販売している人が「九州産は別物」とどこかでコメントしていましたが、
まあ、そっちの方に住んでいる人がビックリするのも分かります^^

控え目に見ても山梨産辺りの1.2倍程度はあるのではないでしょうか。
信州長野産との比較ならもっとその差は大きくなるでしょう^^

うーん、やっぱり蝶も良いなあ。
僕は珍しく二刀を操る虫屋なのですが、諸事情から今はどうしても甲虫を優先してしまいます。

本当は蝶ももっと細かくやりたいんですけどね。
ゼフなんか、もっと色んな種類に挑戦したり、数も飼育したいところなんだけど。

分身の術を使いたいこの頃・・・

九州産スギタニルリシジミの翅色(2012.11.8)

今年4月に採った熊本産スギタニルリシジミ。
まだ展翅板に乗っていますが、十分乾燥が済んだので展翅テープを外してみました^^

崖崩れでポイントへ行けず、たったの2♂しか採れなかったんですよねえ(詳細は4月13日記。
蝶カテゴリーの過去記事をスクロールしてご覧下さいませ^^)。
その下は同日に比較用として採ったタダルリ2♂です。

なお、最下は先月見つけた新産地のシルビアシジミ2♂1♀です。
今年の野外品はこれだけですが、現在人工採卵により初齡幼虫がスクスクと成長中です^^

さて、本題のスギタニルリですが、タダルリと比較すると翅表の色調はやはり暗目なのが分かりますね。
黒いヘリの部分(特に後翅)が広いのも特徴的です。体色や触角も黒っぽいですね。

タダルリは年間で数回発生し最も春型が大きいのですが、九州産スギタニはそれに匹敵する大きさ
であることもお分かりいただけると思います。

またタダルリの翅形が比較的横長であるのに対し、スギタニは全体的に見ると正方形に近いのも
よく分かりますね。


そして、特異なのは白い裏面です(4月13日記事の写真参照)。
本州以北産と比べると別種のようで、その純白さはタダルリと殆ど変わりません。

いずれ標本作成が終了したら、本州産も含め表裏および大きさを比較した写真を掲載したいと思います^^

阿蘇の高原に細々と残るシルビアシジミ(2012.10.25)

秋も深まって狙える活動中の甲虫がかなり限られてきたことから、ようやく蝶にも時間が割けるように
なってきました^^

10月になったら探してみたいと思っていたのがシルビアシジミです^^

蝶の中には、かつては全国的に比較的普遍に分布したものの、近年はごく限られた地域でしか
見られなくなった種類がかなり増えています。

シルビアシジミもその典型的な蝶で、本州では狙い採りしてもスカを喰らう場合も多いし、
保護の規制が掛かりつつある産地も多くなっています。

九州は比較的産地が残っているものの、かつては個体数が多かった有名産地ではかなり数が
減ってきています。採集禁止になった産地も出てきていますね。

熊本県のシルビアも例に漏れず多産地と言える所はありませんし、オフィシャルな記録も数える程
しかありません。
実は僕もこれまでは地元のシルビアを採ったことも、探したこともありませんでした^^

そこで、地元在住の蝶屋さんと共に阿蘇東部を探したところ、意外にも簡単に新産地を見つける
ことが出来ました^^

ただ、場所は広いものの食草であるミヤコグサが生えている密度は極めて低く、本州の多産地
(例えばかつての笛吹川流域)のようにはいかずポツポツと飛んでいる程度。

標本にするには飛び古しており、今年は累代飼育用の母蝶を採る程度となりそうです。
運良く羽を広げた♀を撮ることが出来ました^^

いずれにしても探索1日目でシルビアのマイポイントを見つけられたのはラッキーでした。
生息環境もバッチリ掴めたので、さらなる産地開拓もできそうです。

僕はブルー系シジミの飼育が好きなので、この秋から冬にかけてはシルビアの飼育に勤しみたい
と思います。

シルビアは本来、これから生まれる次世代が幼虫態で少しずつ餌を摂りながら冬を越します。
そして来春に第一化として羽化してきます。

なのでこれから冬にかけて飼育が出来るんですね。
母蝶からの人工採卵や幼虫の生育の様子はまた後日報告しますね^^

今年はド不作の熊本県北のゴマシジミ(2012.8.19)

8月も中旬を過ぎるとカミキリをはじめとする甲虫が急激に姿を消します。
もう暫くすると秋の糞虫やセダカコブヤハズカミキリ2亜種の新成虫等の時期になるのですが、
甲虫しかやらない人はそれまでブランクが空くんですね。

僕の場合、そうした虫の空白期間なんてありません^^
秋の甲虫が始まるまで、そしてそれが終わってもやることが目白押しです。

その一つが「蝶」です^^

僕は本来、当ブログの表題にも掲げているように甲虫に劣らず蝶も大好きなのですが、本州等に
比べて九州の蝶相がかなり貧弱であることもあってUターン後は甲虫の方に重点を置いています。

前段のように晩夏には甲虫が激減するし、夏の蝶の王様「ゴマシジミ」が出現するタイミングでも
あることから、そろそろ蝶にも力点を配分していこうと考えています。
秋にはシジミチョウ等の個体数も増してきますからね(ついでに言うと蛾も面白い^^)。

それで、今年のゴマシジミの話です。

数日前に下見を行なった際の貧果の確証をするべく、熊本県北部のゴマシジミの産地へ再度
出向いてきました。

蝶好きな人はご存じのとおり、ゴマシジミは全国的に人気が高い上に変異がすこぶる多く、
熊本にも県外から採集者がよくやって来ます^^

ここは阿蘇の北に位置する原野の中を小道が貫いているポイントです。
「暑い」ことを除けば景色も綺麗で大変気落ちの良い所です^^

道脇や草原の中にはゴマシジミの食草ワレモコウやクサフジ、ハギ等の花が咲き乱れ、
絶好の蝶の採集ポイントになっています。


ただ、今年は例年と異なる点がありました。
それは、梅雨期の集中豪雨による草原斜面の土砂の崩落です。

熊本県も阿蘇周辺を中心に多くの犠牲者が出てまだ通行止めが続いている地域もあります。
(6月にムナコブハナカミキリを採った有名ポイント近くが特に酷かった)

このようにあちこちに斜面が崩落した箇所が散見されます。


そしてなぜかゴマシジミは殆ど姿を現しません。
例年だとワレモコウやクサフジ等に吸蜜にやってきたり、付近を活発に飛ぶ姿が結構見られるのに・・・

うだるような暑さの中、小道を3~4時間行ったり来たりして見たゴマシジミの数は10頭以下。
ネットに入れたのはやっと5頭に留まりました(泣)。

今日のグッド・コンディションでこれだけしか採れないとなると、数日前の下見時の様子も加味して
「今年のゴマシジミはド不作」という結論を下さざるを得ません。

不作の原因を考えるに、やはり集中豪雨によって土中の蛹がかなりやられてしまったのでは
ないかと思います。
同様に副産物のキマダラモドキやクロシジミ等が極端に少ないこともこれを裏付けています。

ここまで少ないと、数の回復には数年を要するかもしれませんね。
ちょっと心配です。

ゴマシジミの吸蜜写真が撮れなかったので、せめて副産物の写真を貼っておきます。

コナラの樹冠に留まるキマダラモドキ♀です。
関東や信州でもそうでしたが、ゴマシジミとは大体セットで居ます^^
九州産は本州産に比べると大型です。

斜面の上部の草に大型シジミチョウの姿を発見。

ゴマシジミかっ、と思って採ってみるとクロシジミ♀でした。
本州では産地がどんどん失われていますが、九州では阿蘇や九重等でまだまだ見られます^^

これらの副産物や真夏の草原に多いキアゲハやカラスアゲハ等も殆ど見ることがなく、かなり違和感を
覚えた1日でした。

宮崎県境の密かなポイント等も探索しようと思っていたのですが、豪雨の影響はほとんどの
ゴマの産地に及ぶのでちょっと二の足を踏みますね。

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