随分減ってきたとは言え、探索の労にはそれなりに答えてくれるのがカタモンビロウドカミキリ。
いかにも八重山らしいトロピカルな雰囲気の大型種で、楽しい採集を満喫させてくれます^^
僕が石垣島に行き始めた約30年前は、畑の周り等にホストであるカラムシの群落が潤沢にあり、
カタモンビロウドもかなり採れました。
会社員時代はGWにしか遠征が出来なかったことから、丁度本種の最盛期でもあるため最初の頃は
こればっかり探していたほどでした。
でも昨年、長期遠征を始めてみて状況の一変に驚きました。
かつてカラムシの群落だらけだった畑作地一帯が綺麗に整備され、カラムシのような無駄な雑草が
ほぼ刈払われていたのです。
この傾向はそのポイントだけではなく島全体がそうでした。本土の虫もそうですが、人間の営みの傍に
息付く虫ほど減少の速度が著しいんですね。
今年4月下旬頃、石垣島の滞在宿に居た僕の携帯に知人から連絡が入りました。
曰く、「カタモンビロウドを半日探したが1頭しか採れない。何処か良いポイントはないか」とのこと。
昨年は狙うべき種類が色々あって本種に殆ど時間が割けませんでしたが、それならいっちょ
探してみるべ、とターゲットに据えました。
そして2~3日を本種に費やした結果、かつてほどの密度ではないにせよ、新たなマイポイントを
5カ所ほど確保することが出来ました^^
これでまだ暫くは石垣島に行っても本種にフラレることはないでしょう。
今年5月初旬頃の当ブログでも本種に触れているので、その際に使わなかった生態写真を載せます。
カラムシの群落をグルリと見渡すと、運が良ければ見易い茎に留まる本種が直ぐに見つかります。
長い触覚を「ピーン」と張った、この愛らしい姿を見るのは無類の楽しみなんですよねえ^^

これほど簡単に見つかるなら苦労は無いのですが、やはりビロウド系ですから基本的に昼間は
物陰、すなわち葉っぱが重なった所や枝葉が込み入った部分に移動している場合も多いです。
運良く二頭が同じ場所にたかって枝を齧っているところに出くわすこともあります。
そんな場面、二連発です^^


テキはとても敏感で、ちょっとでも振動が伝わると直ぐに落っこちて見つからなくなるので細心の注意を
払いながら手をさし延ばす必要があります^^
何を間違えたか、真昼間にさも見つけてくれと言わんばかりに最も目立つ部位に留まっていた個体。
カラムシの花とのコントラストが何か不思議な感じを醸していますね(何か美しくもある^^)。

どうやら夜に横にしなった茎に乗っかって齧っていたところ、細くなった部分が折れて枝もろとも手前に
垂れ下がったようです。
そして日が昇ったと。そして見つかっちゃったと^^

とても大きな♀、しかも傷も無い美しい個体でラッキーでした^^
タグ : カタモンビロウドカミキリ
カテゴリ : カミキリ
波照間島の特産亜種の一つのハテルマタテスジドウボソカミキリ。
去年からの探索の結果、割と多い一画(マイポイント^^)を幾つか確保出来たことから今年は昨年以上の
個体数を得ることが出来ました。
ただ残念だったのがかなりの割合が不完品だったこと。
石垣島で採る場合は余程遅い時期でなければこれほど不完品率が高いということはないのですが、
二年連続で本亜種を採集した限りでは完品の確率が低く困ってしまうのです@@
それはそうと、ビーティングネットに落ちたハテルマタテスジドウボソです。
こうして見るとタテスジ模様の微毛がかなり黄色っぽいことに気付きますか?


こちらが石垣産の基亜種です。
白っぽいモノトーン調ですよね(タテ筋はやや太い)。

また、波照間亜種は基亜種に比べてかなり小さい傾向があると言えます。
石垣北部の基亜種を採り慣れていると、波照間亜種の色合いと大きさに相当の違和感を覚えるん
ですよねえ。

あ、最大の違和感はやっぱり少ないことだよな。
タグ : ハテルマタテスジドウボソカミキリ
カテゴリ : カミキリ
今春の与那国島でのこと。
探索を終えてバイクに戻ったところ、座席の上に何かカミキリのような虫が留まっています。

おお、あのシルエットは!
叩いても叩いても、まず落ちることの無いヨナグニシロスジドウボソの姿がそこにありました。

イシガキシロスジドウボソに比べると、触角は短目で節の白い部分がやや多いですね。
飛んでいたものがたまたま留まったのか、あるいは上の梢から落ちて来たのか・・・
いずれにしても1回の遠征で1頭見れるかどうかの珍品です。
レンタバイク、偉い!
タグ : ヨナグニシロスジドウボソカミキリ
カテゴリ : カミキリ
八重山の春の人気カミキリであるムネモンウスアオカミキリのホストがヤンバルアワブキであることは
よく知られています。
ただ現地で会う採集者の中には、ヤンバルアワブキを同定できないので、どの木がそうなのか
教えてもらえないかと聞いてくる方が実はかなりおられるのです。
そこで今日はそれを知って頂きたく幾つか写真をアップしておこうと思います。
まずは今年採集したムネモンウスアオカミキリの♂。
形容し難い、何とも言えないそそられる「ブルー」ですよね^^


野外ではこんな感じでヤンバルアワブキに留まっています。
葉の表に居ることも、裏に居ることもあります。

葉裏の巨大♀と、それに引き寄せられた♂
(マジ、生態写真屋にも撮れないスクープ写真です^^)
これはヤンバルアワブキの葉に付けられた成虫の食痕。
主脈を齧る場合が多いのですが、それ以外の部分を齧る場合もあります。


春、花が満開のヤンバルアワブキ。
この花もこの木を見分けるポイントの一つです。
場所によってはこの花にはオオヒゲブトハナムグリやマツダクスベニカミキリ等が誘引されてきます。

葉の形状がよく分かる幼木の写真を挙げておきましょう。

実はこれにはアオバセセリが産卵に来ていたので、若葉を裏返してみると卵が二つ付いていました。
アオバセセリの幼虫は幼木を好むんですよ^^

かつて石垣島にダートの道がまだ多くあった頃、路傍のヤンバルアワブキ幼木にはアオバセセリの
幼虫の巣がたくさん付いていたものです。
この巣も木を同定する良い目印なのですが、近年はなかなか目に付かなくなり寂しい限りです。
タグ : ムネモンウスアオカミキリ
カテゴリ : カミキリ
メダカでも、デメキンでも、どっちでも良いですね。これ^^
石垣島の薄暗い林内で暮らすシロスジメダカハンミョウです。
人間で言えば大き目の小玉スイカを左右のコメカミ辺りにくっ付けているようなもの。
ジャマ臭くないのかしら・・・

さぞかしよーく見えるんだろうなあと思っていたのですが、大型ハンミョウ類よりむしろ鈍く、比較的楽に
近くまで寄れます^^
同様に八重山に棲むヤエヤマクビナガハンミョウの方が数倍も敏速ですね。
去年はマイポイントでの発生が悪くほとんど見かけませんでしたが、今年は結構多くて楽しめました^^
八重山では初夏限定の発生で、あっと言う間に居なくなります。
以前はオモト岳の高い場所にしか居ないと思っていたのですが、ジャングルさえ良好に保たれていれば
結構あちこちに居るようです。
屋久島に別亜種が居るのですが、何時も訪れる7月中旬では遅く、 これまで僅か数頭を得たのみです。
こちらでの最盛期は何時頃なんだろうか。
両亜種とも、来年は新ポイントを探してみよう。
標本も忘れず作っとかなきゃな。
タグ : シロスジメダカハンミョウ
カテゴリ : 甲虫(その他)
本土域におけるミカドアゲハの主な食樹はオガタマノキおよびタイサンボクです。
双方、神社等の植え込みとしてたまに見かける程度ですが、ミカドアゲハの数が少ないのもホストの
量の少なさに比例しているように感じます。
ちなみに僕の地元熊本では、元々ミカドアゲハは少なかったのですが、近年はほぼ見かけることが
無くなりました。
全く理由は分かりませんが、皆さんのところではいかがでしょうか?
一方、僕が近年長期滞在している石垣島のミカドアゲハ八重山亜種は、決して多くはないものの
時期にはコンスタントにその姿を拝ませてくれます。
白っぽい本土亜種とは異なり飛んでいると鮮やかな青色の帯が目立つ美しい亜種で人気者です^^
今年の春はやや多く、敏速かつ不規則に飛ぶのでハンティングの対象としても優れていました。
マイコレも増えました^^

さて、八重山における本種の主なホストはタイワンオガタマノキです。
本土のオガタマも基本的にはあまり目立たない木ですが、タイワンオガタマもあまり特徴が無いため
八重山のジャングルにおいては他の樹木に溶け込んでしまい、真剣に探さないとなかなか目に
触れません。
4月下旬、別の虫を探して林縁をルッキングしていると特徴の無い葉っぱに何か黒っぽいものが
付いているのが見えました。

何だろう・・・
そう思いながら近付くとミカドアゲハの若齢幼虫です。
ああ、タイワンオガタマがあるじゃないか。八重山産の本種の幼虫はこんな感じで見つかることが
多いですね^^
僕が若い頃は民家のタイサンボクを探すとミカドアゲハの幼虫がたまに付いていましたが、
同様に若齢幼虫は黒っぽかったのを思い出します。
これが終齢になると有名な「ギョロ目」模様が出てくるんですね^^

これがタイワンオガタマノキです。
採集のご参考に^^

タグ : ミカドアゲハ
カテゴリ : 蝶
材採集をしていると、脱出間近の成虫が現れることがあります。
まずはホストのクロツグ枯枝の蛹室内で見つかった与那国産ヨツスジカミキリの♂成虫。

本種は与那国島および西表島に産し、斑紋パターンにやや違いが見られます。
西表島と比べて与那国には比較的多く慣れれば探し易いのですが、クロツグは枝の形状や張出し方等が
禍してとてもビーティングがやり難いため、材採集が有効になってきます。
その方が美しい標本を得られますしね^^
次は同様に与那国島で発見したリュウキュウチク枯枝内のサビアヤカミキリ♀。

写真のように、ちょうど脱出口を開けているところでした。
自分から見つけてくれと言わんばかりの印を付けてくれていたわけです^^
本種は分布域は広いもののタケ依存性のため意外と各地の標本は集まりませんが、所々で軽微な
変異が見られます。
与那国産は日本最西端の個体群であり、やや小型で黄色味が強い傾向があります。
多い一画も見つけてあるので、来年はたくさんシバキませう。
(注:ボクはシバキ隊ではありません^^)
タグ : サビアヤカミキリ, ヨツスジカミキリ
カテゴリ : カミキリ
あまり見る機会の無い蛹シリーズ。
本日は石垣産ムネモンウスアオカミキリ・ペアの蛹のご紹介です。
成虫のスガタカタチはよく知られていますが、蛹や幼虫となると探すのが俄然難しくなるのでなかなか
写真で見る機会はありませんね。
ついでに成虫でも滅多に見る機会の無い極めつけのバラエティをお見せします。
本個体は既出ですが、かなり強烈なので別背景で撮った写真を載せます。

どうでしょう、いわゆる「ムネモンウスミドリカミキリ」とでも呼ぶべき素晴らしい個体です。
しかも最大級の♀ですから採った瞬間は狂喜したのを思い出します^^
で、本日の主題の蛹です。典型的なサペルディーニ族のフォルムですね。
南方ではあまり栄えているグループではないので、八重山でこうした形状の蛹を見ると非常に不思議な
感じを覚えるんですよねえ。
上2枚が♂、下2枚が♀です。




顔面の複眼周りの剛毛が印象的です^^
タグ : ムネモンウスアオカミキリ
カテゴリ : カミキリ
写真を整理していたら面白い場面が出て来たのでアップします。
ビーティングネットに突き刺さるように静止している石垣島産アトモンチビカミキリです。

突き刺さるような角度で落ちて来たのか、或いは落ちた瞬間にこのポーズをとったのかは不明です。
このような写真は昆虫雑誌等にもたまに載るので、かなりの方がこうしたポーズを取るカミキリが居る
ことをご存じと思います。
何故このような体勢を取るんでしょうね?
小枝のトゲ等に擬態しているつもりなんでしょうか・・・
割と有名なポーズなのですが「演技者」は意外に限られるようで、これまでの僕の経験ではこの写真にも
あるアトモンチビがダントツでこのポーズを取るようです。
面白いのはsybra属の他種でこうした体勢を見た記憶が無いことでしょうか。同様に超普通種の
アヤモンチビでは見たことないもんなあ。あれ、タイワンチビはあったような気がするぞ・・・
まあ、その程度です^^
別属のカミキリでは以前に当ブログでも紹介したようにオビレ、コゲチャサビやニセコゲチャサビ等が
僅かに挙げられる程度でしょうか。
いずれにしてもこの写真のアトモンチビのように垂直に近い見事な逆立ちは見せてはくれません。
超普通種のくせに芸達者な奴ちゃなあ。
でもアトモンチビくん、本当に何のつもり?
カテゴリ : カミキリ
昨日登場したのは八重山の珍品、イシガキケブトハナカミキリでした。
今日も八重山限定の「毛太」なカミキリを紹介しましょう。
その名もケブトヒメカミキリ・・・じゃなかった、
フトガタヒメカミキリです^^
(写真をクリックして拡大して見て下さい)

おお、「フトガタ」のフトは、毛太の意味だったのかあ!
・・・・・・
これは冗談としても、実はフトガタヒメが属するケレシウム属の多くが「ケブトヒメ」あるいは「ケブカヒメ」
だったりします^^
本土南西域から八重山の端っこまで分布するリュウキュウヒメやヒゲナガヒメがうじゃうじゃ居るので、
ケレシウム属はとんでもない普通種の一群と勘違いされている方も多いと思いますが、イメージ程は
見かけない種類も結構居るのです。
近年はホソガタヒメ等もそうですが、フトガタヒメも少な目のケレシウムと言えます。
写真は極めて新鮮な石垣産フトガタヒメですが、美しい毛並みがとても目立ちますね^^
前胸の紋も特徴的で、やや似ているチャイロヒメとの分かり易い区別点となります。
(ついでに言えば太い各腿節も区別点^^)

クロヨナ(マメ科)を好んでホストとするので、この植物が多い波照間島では割と目にします。
最西端の与那国島にも居り、僕の好きなケレシウムの一つとなっています^^
蛇足。
下は、気が付けばサキシマヒメという名前になっていたリュウキュウヒメ先島亜種。
これは「ケブトヒメ・パート2」だな^^

タグ : フトガタヒメカミキリ
カテゴリ : カミキリ